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尿路感染症だけじゃない。高齢者の包茎が健康に及ぼす影響とは?

 公開日:2024/03/04
尿路感染症だけじゃない 高齢者の包茎が健康に及ぼす影響とは?

日本では、高齢者の健康に与える包茎の影響がしばしば見過ごされがちです。海外と比較して、日本の包茎手術への理解はまだ低く、その結果、多くの日本人男性がこの問題を抱えたまま高齢になります。しかし、包茎が高齢者の健康に及ぼすリスクは無視できません。さぎぬま泌尿器科・美容クリニックの野口尊弘先生に、包茎が高齢者に与える健康リスクと、治療・手術の重要性について詳しく話を聞きました。

野口 尊弘

監修医師
野口 尊弘(さぎぬま泌尿器科・美容クリニック)

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帝京大学医学部を卒業後、同大学院の医学研究科を修了。学問的な基盤を固めた後、帝京大学医学部附属病院で臨床助手を経て、順天堂大学医学部附属静岡病院で助教授を務めた。現在は、さぎぬま泌尿器科・美容クリニックの院長として、経験と知識を生かしている。医学博士、日本泌尿器科学会泌尿器科専門医(JUA Board Certified Urologist)。低侵襲治療の革新であるロボット支援手術の認定資格(da Vinci Certificate)も保持。日本抗加齢医学会、日本美容外科学会(JSAS)、日本美容外科医師会といった複数の学会にも所属し、抗加齢医学や美容外科の分野においても活躍している。

高齢者の包茎:敏感な問題の背後にある健康リスク

高齢者の包茎:敏感な問題の背後にある健康リスク

編集部編集部

高齢者の包茎が問題になることがあると聞きました。なぜ包茎が高齢者にとって重要な問題になるのでしょうか?

野口 尊弘先生野口先生

はい、その通りです。包茎は単に「恥ずかしさ」だけでなく、実際には健康面で無視できないリスクをもたらします。

編集部編集部

では、実際に高齢者の包茎がもたらす健康リスクについて教えてください。

野口 尊弘先生野口先生

通常、包茎は単純な衛生問題と見なされがちですが、実際にはそれだけではありません。例えば、「皮膚感染症や尿路感染症のリスク」が高まるのは周知の事実ですが、これに加えて、「性的機能の低下や性感染症のリスク」増加など、より深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。さらに「社会的スティグマや恥感が高齢者の自尊心に影響を与え、精神的なストレスや孤立」を引き起こすことがあります。

健康リスク①:皮膚感染症や尿路感染症のリスク

健康リスク①:皮膚感染症や尿路感染症のリスク

編集部編集部

先述の3つのリスクをそれぞれ教えてください。初めに、「皮膚感染症や尿路感染症のリスク」から。

野口 尊弘先生野口先生

包茎というのは、亀頭を覆っている包皮が完全にまたは部分的に引き下げることができない状態を指します。この状態は、特に高齢者において、清潔に保つのが難しくなることがあり、その結果、細菌の蓄積や感染のリスクが高まってしまうのです。

編集部編集部

包茎が原因の皮膚感染症とはどういうものですか?

野口 尊弘先生野口先生

包茎は細菌や真菌の成長に適した環境を提供する可能性があります。これは特に、糖尿病や免疫系の弱っている高齢者において顕著です。感染症は赤み、かゆみ、痛みを伴うことがあり、場合によっては悪化して皮膚の潰瘍や膿瘍を引き起こすこともあります。

編集部編集部

包茎が原因の尿路感染症(UTI)についてもお願いします。

野口 尊弘先生野口先生

これは、包茎が尿道への細菌の侵入を容易にしてしまうことが指摘されています。高齢者では、尿路系の自然な防御機能が低下しているため、UTIが発生しやすくなります。UTIの症状には、排尿時の痛みや刺激感、頻尿、尿のにごりや悪臭、場合によっては発熱や腰痛が含まれます。これらのリスクを軽減するためには、適切な衛生管理が重要です。高齢者やそのケアを担当する人々は、適切な洗浄技術と乾燥を保つことに注意する必要があります。また、包茎やその他の尿路系の問題に対しては、医療提供者に相談し、必要に応じた治療を受けることが重要です。

健康リスク②:性的機能の低下や性感染症のリスク

健康リスク②:性的機能の低下や性感染症のリスク

編集部編集部

次に「性的機能の低下や性感染症のリスク」について聞かせください。

野口 尊弘先生野口先生

包茎は高齢者においても性的健康において複数の問題を引き起こす可能性があります。一つ目に包茎の状態、つまり亀頭を包皮が完全に覆い戻せない状態では、包皮の動きが制限されることで性行為中の摩擦が減少する可能性があります。これは性的感覚や快感に影響を与える可能性があります。ただし、この影響の程度は個人によって大きく異なり、性的快感は身体的な要因のみならず、心理的、感情的要因によっても影響を受けます。

編集部編集部

そのほかには?

野口 尊弘先生野口先生

二つ目に、包茎は「性感染症(STI : Sexually Transmitted Infections)」のリスクを高める要因となり得ます。包茎がある場合、包皮と亀頭の間に細菌やウイルスが蓄積しやすくなります。これは、性感染症のリスクを高める可能性があり、特に高齢者の場合はSTIの症状が若い世代に比べて明確でないことが多いため、感染に気づかないことがあります。その結果、発見が遅ければ症状は悪化しますし、自分のみならずパートナーにも感染させてしまう可能性も高まります。これらの点を考慮すると、高齢者の包茎は性的機能の低下やSTIのリスクに影響を与える要因となり得ると言えます。そのため、適切な医療の受け入れも必要な場面が出てくるでしょう。特に、STIのリスクを考慮した場合、定期的な健康診断やSTIのスクリーニング(※)が推奨されます。

※疾患の早期発見や予防を目的とした一連の検査や評価のこと。これにより、疾患の早期治療や予防措置が可能となります。

健康リスク③:社会的スティグマによる自尊心の低下と精神リスク

健康リスク③:社会的スティグマによる自尊心の低下と精神リスク

編集部編集部

最後に「社会的スティグマによる自尊心の低下と精神リスク」についてお聞かせください。まずは、社会的スティグマとはどういったものでしょうか?

野口 尊弘先生野口先生

社会的スティグマとは、特定の特徴、アイデンティティ、状態、または行動を持つ人々に対して、社会が否定的なラベルや偏見を抱くことを指します。

編集部編集部

「差別や偏見」のようなイメージでよろしいですか?

野口 尊弘先生野口先生

はい。差別や偏見も1つの側面として含まれます。具体的には社会的スティグマには以下の4つの側面があります。

※クリックで拡大できます>

これら社会的スティグマの4つの側面は、特に日本では古くからの文化的な特徴として「包茎」にも向けられる場合があるのです。包茎であることが理由で生じる社会的スティグマは、以下のようになります

  • 差別や偏見
  • 包茎であることに関して、他者からの無理解や偏見に基づく差別的な態度やコメントに直面することがあります。これは、冗談やからかい、あるいはより深刻な形での社会的排斥として現れることがあります。

  • ラベリングとステレオタイプ
  • 包茎であることに関連して、特定の否定的なステレオタイプやラベルが適用されることがあります。例えば、「不潔」「未熟」などのラベルが貼られることで、個人のほかの資質や特性が見落とされ、一面的な見方で判断されることがあります。

  • 社会的排除
  • 包茎であることが原因で、特定の社交的な環境や関係から遠ざけられる、または避けられることがあります。これは、親密な関係や性的な関係において特に顕著になることがあり、孤立感や社会的なつながりの欠如につながることがあります。

  • 内面化されたスティグマ
  • 包茎であることに関連する社会的なスティグマが内面化されると、個人は自己評価の低下や自己否定の感情を抱くことがあります。これにより、自尊心の喪失や自分自身に対する恥ずかしさや罪の意識を感じることがあります。よくあるのが、包茎を見られるのが嫌で「共同浴場に入りたくない」介護を受ける立場になっても「排泄介助や入浴介助を受けたくない」と、自ら他者を遠ざける思考になる傾向が表れるのがそれです。

編集部編集部

社会的スティグマの影響を受けないためには、具体的にどのような行動が求められるのでしょうか?

野口 尊弘先生野口先生

「一人で悩む」状況から脱却することが大切です。包茎の問題については、専門医のアドバイスを受け、対話を開始することを強くお勧めします。包茎は「隠す」のではなく、現代のカウンセリングや医療技術を活用して「解決する」時代になりました。この進歩は、若者だけでなく高齢者にも適用されるものです。

編集部編集部

最後に読者へメッセージをお願いします。

野口 尊弘先生野口先生

包茎に起因する身体的、精神的なリスクを克服するには、適切な医療ケアが必要です。特に重要なのは、医療ケアが包茎手術の専門知識と技術を有する医療従事者によって提供されることです。包茎手術は、身体的な健康はもちろんのこと、精神的な健康、自尊心、社会的なつながりを取り戻す上で、大きな役割を果たします。そのため、ご自身の身体と健康を大切にし、適切な医療ケアを受けることを強く勧めます。さらに、包茎に関する社会的スティグマを理解し、それを克服するための対話を開始することが重要です。包茎に悩むほかの人々との経験を共有し、相互支援により、社会的孤立感を減らすことも有効です。こうした取り組みにより、高齢者の包茎がもたらす身体的、精神的リスクを減少させ、より健康的で充実した生活が送れるようになります。皆さんの身体と健康を大切にし、適切な医療ケアを受けることを心よりお勧めします。

編集部まとめ

包茎が高齢者の健康に及ぼす影響には、より深い理解と認識が必要そうです。正しい知識と適切な治療へのアクセスは、高齢者の生活の質を向上させてくれます。本記事が読者にとって、包茎に関する誤解を解消し、適切な治療への一歩となれば幸いです。すでにお困りの方は、包茎に関する専門知識を習得した、高齢者でも安全に受けられる包茎手術を提供する医療施設へ相談してみてはいかがでしょうか。

医院情報

さぎぬま泌尿器科・美容クリニック

さぎぬま泌尿器科・美容クリニック
所在地 〒216-0007 神奈川県川崎市宮前区小台1丁目20-2 リバーレ鷺沼202
アクセス 東急田園都市線「鷺沼」駅より徒歩3分
診療科目 泌尿器科、美容外科

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