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「卵を食べ過ぎる」と現れる”3つの症状”はご存じですか?管理栄養士が解説!

 公開日:2026/04/03
「卵を食べ過ぎる」と現れる”3つの症状”はご存じですか?管理栄養士が解説!

ゆで卵や卵焼き、卵かけごはんなど、手軽に食べられる卵はついつい箸が進んでしまいがちですが、過剰摂取には注意が必要です。本記事では、一日の目安となる量や食べ過ぎた際の対処法について、メディカルドック監修の管理栄養士が詳しく解説します。

越川 愛子

監修管理栄養士
越川 愛子(管理栄養士)

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保育園で食育や給食管理、栄養管理業務に従事しました。管理栄養士の資格取得後は、ドラッグストアを運営する会社でお客様への栄養相談や特定保健指導に携わりました。現在は保育園で子どもたちに食の楽しさや大切さを伝えられるよう、心を込めて給食づくりを行っています。

卵とは?

卵(鶏卵・うずらの卵)とは?

鶏卵とはニワトリの卵を指し、主に卵殻(約10%)、卵白(約60%)、卵黄(約30%)で構成されています。卵殻の主成分は炭酸カルシウムで、多孔質構造により外部から酸素を取り込み、胚の呼吸で生じる二酸化炭素を放出できるようになっています。卵殻の内外を被う薄い卵殻膜はたんぱく質が主成分です。卵白は90%近くが水分で、残りは主にたんぱく質です。抗菌作用のあるリゾチームが含まれ、卵の腐敗防止に役立っています。卵黄は約50%が水分、脂質が約30%、約17%がたんぱく質、残りがビタミンやミネラルです。卵黄の脂質は、ほとんどがたんぱく質と結合したリポたんぱく質として存在しています。
うずらの卵は、家禽として飼育される鳥の中では小型の卵で、日本では江戸時代に家禽化され、明治時代中期から採卵用として本格的に生産されるようになりました。殻には暗褐色の斑紋があり、個体ごとに模様が異なるのが特徴です。殻自体は薄いものの、卵殻膜が比較的しっかりしているため、見た目よりも割れにくい性質があります。

卵の一日の何個まで食べて良い?

卵の一日の摂取量目安

※脂質異常症の方やリスクが高い方は、1日200mg未満(鶏卵約1個、うずら約4個)が望ましいとされています。

鶏卵の一日の摂取量

かつては主なコレステロール摂取源である卵の摂取が健康に好ましくないとの情報が広く流布していました。有害物質のように見られることもありますが、コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸を作る材料となり体に必要な栄養素です。近年の研究では、食事由来のコレステロールが血中コレステロール値に与える影響は個人差が大きいことが明らかになり、鶏卵の一日の摂取量に明確な決まりはありません。

うずらの卵の一日の摂取量

うずらの卵にも一日の摂取量に明確な決まりはありません。100gあたりのエネルギーや脂質、コレステロールなどが鶏卵よりも多く含まれており、食べ過ぎには注意が必要です。重量換算では鶏卵1個(Mサイズ約50g)は、うずらの卵(平均10g/個)およそ5個分に相当します。

卵に含まれる栄養素

卵に含まれる主な栄養素

鶏卵には良質なたんぱく質をはじめ、脂質、ビタミン、ミネラルが含まれ、完全栄養食品といわれることもありますが、ビタミンCと食物繊維は含まれていません。ちなみに殻の色(白・赤)は鶏の品種によるもの、卵黄の色の濃淡はエサによるもので栄養価にはほとんど違いはありません。

たんぱく質

たんぱく質は、炭水化物、脂質と共にエネルギー産生栄養素のひとつです。筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、ホルモン・酵素・抗体などの体調整機能成分として存在する生命維持に欠くことができない重要な栄養素です。

ビタミンB12

コバルト(Co)という元素を含むビタミンの総称です。食品中ではたんぱく質と結合して存在しています。補酵素型のアデノシルコバラミン、メチルコバラミンとして葉酸の働きを助け、メチル基転移反応、核酸の合成、アミノ酸や糖質代謝に関与します。

ビタミンD

小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進し、腎臓での再吸収を促進することで骨の形成を助ける栄養素です。また血中カルシウム濃度を調整し、神経伝達物質や筋肉の収縮などを正常に行う働きがあります。

ビオチン

水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種で、カルボキシ化反応を触媒するカルボキシラーゼの補酵素として機能します。特に糖新生や、脂肪酸合成に重要な役割を果たします。

卵を食べ過ぎて現れる症状

卵を食べ過ぎて現れる症状

体臭が強くなる可能性

鶏卵にはコリンや硫黄が含まれており、これらは体内で代謝される過程でにおいの原因物質が生成されることがあります。コリンは腸内細菌によってトリメチルアミンに変換されますが、これが体臭として強く現れるケースは、トリメチルアミン尿症などの遺伝的な代謝異常が関与する場合が多く、一般的な食生活において卵の摂取だけで顕著な体臭の変化が起こることはまれです。また硫黄を含む成分は、代謝の過程で硫化水素などのガスとなり、おならや口臭として感じられることがあります。ただし、これらも通常の摂取量で問題となることは少なく、極端な過剰摂取や腸内環境の乱れがある場合に影響が出やすいとされています。

消化器系の症状

鶏卵はたんぱく質や脂質を含むため、一度に多量に摂取すると胃腸に負担がかかり、消化不良や腹部不快感、下痢などを引き起こすことがあります。特に消化機能が弱っている場合や体調不良時には影響が出やすいと考えられます。また卵白にはアレルゲンとなるたんぱく質が含まれており、アレルギー体質の人では少量でも皮膚症状や消化器症状などが現れることがあります。重症の場合にはアナフィラキシーを引き起こす可能性もあるため、既往がある場合は摂取量にかかわらず注意が必要です。

ビオチン欠乏症

生卵白を長期間、大量摂取すると、生卵白に含まれるたんぱく質アビジンがビオチンと強く結合し、吸収が阻害され、ビオチン欠乏症がみられることがあります。乾いた鱗状の皮膚炎、萎縮性舌炎、食欲不振、むかつき、吐き気、憂うつ感、顔面蒼白などの症状が現れることがあります。ただし、アビジンは加熱により変性(不活化)するため、加熱した卵や通常の摂取量では心配ありません。

うずらの卵を食べ過ぎて現れる症状

うずらの卵を食べ過ぎて現れる症状

うずらの卵特有の栄養価はある?

うずらの卵は1個あたりが小さく、うずらの卵5個ほどで鶏卵1個分とほぼ同じ重量になります。全卵/生100gあたりの栄養素をみると、ビタミンB2が0.72mg(鶏卵0.32mg)、ビタミンB12が4.7μg(鶏卵1.1μg)、葉酸が91μg(鶏卵49μg)、鉄が3.1mg(鶏卵1.5mg)、ヨウ素が140μg(鶏卵33μg)など、構成は似ているものの鶏卵に比べ含有量の多い栄養素があります。これは鶏卵に比べて黄身の割合(約38%)が多いためです。

食べ過ぎて現れる症状と対処法

鶏卵と同様にうずらの卵を食べ過ぎると体臭に影響を与えたり、消化器症状を引き起こす可能性があります。また生卵白の長期間、大量摂取によりビオチン欠乏症のリスクも鶏卵に共通しますが、これも加熱調理や適量摂取であれば心配はありません。気になる症状がある場合は摂取量を見直したり、続く場合は医療機関に相談しましょう。

栄養素 鶏卵 うずらの卵
ビタミンB2 0.32mg 0.72mg
ビタミンB12 1.1μg 4.7μg
葉酸 49μg 91μg
1.5mg 3.1mg
ヨウ素 33μg 140μg

卵の健康効果

卵の健康効果

筋肉量の維持

卵には良質なたんパく質が含まれています。たんぱく質はアミノ酸が結合してできた化合物です。人体のたんぱく質を構成するアミノ酸は20種あり、ヒトはそのうち11種を体内で合成することができます。それ以外の9種は合成できないため食事から摂取する必要があり、これを必須アミノ酸といいます。卵は全ての必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。摂取したたんぱく質を体内で効率よく利用でき、筋肉量の維持や、体作りをサポートします。

脳の健康維持

卵に含まれるコリンはリン脂質の一種です。体内では細胞膜や神経組織を構成するレシチンの材料となります。体内に吸収されると脳にも届き、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの材料として働きます。脳内のアセチルコリン濃度は記憶保持や脳機能の向上に関連があると考えられています。またコリン自体に脳の記憶形成を助ける働きがあるといわれており、脳の健康維持に効果が期待できます。

目の健康維持

卵黄に多く含まれるビタミンAは、視野機能の維持に関係する栄養素です。ビタミンAはレチノール、レチナール、レチノイン酸からなり、レチノールやレチナールは網膜細胞の保護作用や、視細胞における光刺激反応に重要な役割を果たします。欠乏により、乳幼児では角膜乾燥症から失明に至る可能性があり、成人では夜盲症を発症する恐れがあります。

卵の栄養素を効率的に摂取する方法

卵の栄養を効率よく摂る方法

油を使って調理する

卵に含まれるビタミンA・D・E・Kの脂溶性ビタミンは油に溶けやすい性質を持つため、油と一緒に摂取することで吸収率が向上します。卵焼きや炒り卵、油を使った野菜炒めに卵を加えたり、サラダにゆで卵をのせてオイル入りのドレッシングをかけても良いでしょう。

加熱調理する

加熱することで卵のたんぱく質は変性し、消化酵素が働きやすくなるため、生で食べる場合と比べて消化吸収率が高まります。また加熱によりアビジンが不活化され、ビオチンの吸収も妨げられにくくなります。一方で、過度に加熱しすぎるとたんぱく質が硬くなり、消化しにくくなることがあります。半熟卵や温泉卵は、消化の良さと食べやすさのバランスがよく、体調に合わせて取り入れやすい調理法です。

ビタミンC、食物繊維と一緒に食べる

卵はたんぱく質やビタミン、ミネラルと栄養素が豊富に含まれていますが、ビタミンCと食物繊維は含まれていません。ビタミンCは野菜やいも類、果物などに、食物繊維は野菜やきのこ類、豆類、海藻類などに多く含まれています。これらと組み合わせて食べることで栄養素のバランスを整えることができます。

調理法 主なメリット 注意点
生卵 熱に弱いビタミンを損なわずに摂取できる ビオチンの吸収が阻害される(大量摂取時)
ゆで卵・半熟卵 たんぱく質の消化吸収率が最も高い。ビオチン吸収◎ 加熱しすぎると消化に時間がかかる
油を使う(目玉焼き等) 脂溶性ビタミン(A,D,E,K)の吸収率が高まる 脂質・カロリーの摂りすぎに注意

卵の保存方法や期間

卵の保存方法

生卵の保存方法や期間

鶏卵、うずらの卵ともにサルモネラ菌が付着していることがあり、保存には温度管理が重要です。購入後は洗わず、パックのまま、早めに冷蔵庫に入れましょう。卵の賞味期限は生食できる期限を示したもので、10℃以下で2週間程度の保存が可能です。保存場所は温度変化の大きい冷蔵庫ドアの卵ポケットよりも、温度が安定した冷蔵庫の奥がおすすめです。卵の尖ったほうを下にして保存すると割れにくく、丸みのあるほう(空気が入った気室)を上にすることで鮮度を保ちやすくなります。ひびや割れがある場合には賞味期限内であったとしてもできるだけ早く、必ず加熱して食べましょう。ただし変色や悪臭がある場合や、いつ割れたかわからない卵の使用は避けましょう。
冷凍保存が可能との情報もありますが、殻付きのままの場合凍結時に殻が割れることで菌が繁殖しやすく、衛生面のリスクが高まります。殻を割って冷凍した場合も殻を割ることで菌が繁殖しやすく、食中毒の原因になる可能性があります。保存期間は1〜2日と短く、衛生管理も難しいため家庭での冷凍保存はあまりおすすめできません。

ゆで卵の保存方法や期間

鶏卵、うずらの卵ともにゆで卵を保存する場合は、殻付きのままで保存容器に入れ冷蔵庫で2〜3日が目安です。殻をむいた場合は、雑菌が繁殖しやすくなるためその日のうちに食べきりましょう。多くの食材は加熱することで保存期間が長くなりますが、ゆで卵は生卵より日持ちしません。これは抗菌作用を持つリゾチームが、加熱によりその働きを失うためです。

状態 保存場所・期間 ポイント
生卵(未開封) 冷蔵庫奥:約2週間 尖った方を下にする。洗わない。
ゆで卵(殻付き) 冷蔵庫:2 〜 3日 生卵より日持ちしない(酵素失活のため)
ゆで卵(殻なし) 冷蔵庫:当日中 むいたらすぐ食べる。雑菌が繁殖しやすい。

「卵の食べ過ぎ」についてよくある質問

「卵の食べ過ぎ」についてよくある質問

ここまで卵について紹介しました。ここでは「卵の食べ過ぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

卵は1日何個まで食べて良いでしょうか?

越川 愛子越川 愛子

結論からいうと、健康な成人であっても「明確な上限は定められていないものの、食べ過ぎには注意が必要」です。
卵はほかの動物性食品と比べ、コレステロールが多く含まれています。コレステロールは食事から摂取するほかに、体内でも合成されています。食事から摂取するコレステロールは、体内合成のおよそ1/3~1/7です。コレステロールを多く摂取すると肝臓でのコレステロール合成は減少し、摂取量が少なくなると合成が増加するフィードバック機能が働き調整されています。このため明確な上限を設定することは難しく、日本人の食事摂取基準(2015年版)以降、かつてあったコレステロールの目標量は撤廃されました。ただしこれはいくらでも摂取してよいという意味ではありませんので、注意が必要です。コレステロール摂取量の過剰摂取は循環器疾患の危険因子となり得ると考えられていますので、習慣的な過剰摂取は控えましょう。
ただし脂質異常症の人やそのリスクが高い人は、重症化予防の観点からコレステロール摂取量を200mg/日未満に留めることが望ましいとされています。鶏卵(Mサイズ1個)には185mg、うずらの卵(4個)には188mgのコレステロールが含まれていますので、摂取量の目安にしてください。なお医師の指示がある場合は、そちらを優先しましょう。

栄養を効率よく摂るなら、生卵・ゆで卵・目玉焼きどれがおすすめですか?

越川 愛子越川 愛子

生卵は加熱調理による損失がないため、ビタミンを効率よく手軽に摂取できます。ゆで卵・目玉焼きは加熱により、たんぱく質の構造が変化し消化吸収率が向上します。また加熱によりアビジンが不活化することでビオチンの吸収率が高まる、サルモネラ菌などによる食中毒のリスクが低くなるといったメリットがあります。目玉焼きは油を使うことで、脂溶性のビタミンEやビタミンDの吸収率が向上します。それぞれに特徴があるため、目的や体調に合わせて選びましょう。

まとめ

卵は調理の幅が広く、毎日の食事に取り入れやすい食材です。良質なたんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく含んでいます。摂取量に制限はありませんが、習慣的な過剰摂取により健康に影響が出る可能性もあります。体質や健康状態に合わせて適量を取り入れることが大切です。また卵ばかりに偏らずいろいろな食材を摂取し、バランスのよい食事を心がけましょう。

「卵」と関連する病気

「卵」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内科の病気

皮膚科の病気

歯科口腔外科の病気

  • 萎縮性舌炎

「卵」と関連する症状

「卵」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。

関連する症状

  • 食欲不振
  • むかつき
  • 憂うつ感
  • 顔面蒼白
  • 食中毒
  • 体臭
  • アレルギー
  • アナフィラキシーショック

この記事の監修管理栄養士