「わかめ」は本当に”育毛に効果”があるのか?食べ過ぎのリスクも管理栄養士が解説!

わかめにはどんな効果がある?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・健康効果・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
越川 愛子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
わかめとは?

わかめとは、コンブ目チガイソ科ワカメ属の海藻です。一年生の海藻で冬から春にかけて最も大きくなります。九州南部から本州太平洋岸の黒潮の影響が強い地域と寒流の流れる北海道東部を除き日本各地に分布しています。昔、わかめは天然に生育しているものを採っていましたが、1955年頃から東北地方で養殖が始められ、以降急速に日本各地に栽培方法が普及しました。現在では天然もののわかめは非常に少なくなり、ほとんどが養殖されています。
わかめに含まれる栄養素

食物繊維
食品100gあたり生わかめには3.6g、くきわかめには5.1g、乾燥わかめには29.0g(水戻し4.0g)の食物繊維が含まれています。食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。中でも海藻のぬめり成分のアルギン酸は、「コレステロールが高めの方の食品」「おなかの調子を整える食品」として特定保健用食品に指定されています。
カルシウム
食品100gあたり生わかめには100mg、くきわかめには86mg、乾燥わかめには830mg(水戻し100mg)のカルシウムが含まれています。カルシウムは、成人の体内に約1kg含まれていて、最も多く人体に存在するミネラルです。そのほとんどがリン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)として骨および歯のエナメル質に含まれます。体内の残りのカルシウムは、カルシウムイオンとして血液や筋肉、神経内に存在し、血液の凝固を促して出血を予防するほか、筋肉の収縮や神経の興奮性にも関与しています。
ヨウ素
食品100gあたり生わかめには1600μg、乾燥わかめには10000μg(水戻し1300μg)、めかぶには390μgのヨウ素が含まれています。人体中のヨウ素の70~80%は甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンを構成します。甲状腺ホルモンは、生殖、成長、発達等の生理的プロセスを制御し、エネルギー代謝を亢進させるとともに、胎児の脳、末梢組織、骨格等の発達と成長を促します。
カリウム
食品100gあたり生わかめには730mg、くきわかめには88mg、乾燥わかめには6000mg(水戻し440mg)のカリウムが含まれています。カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があり、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。
わかめの健康効果

便秘予防・改善
わかめに含まれる水溶性食物繊維は、便を柔らかくして排便をスムーズにする作用があり、便秘の予防や改善につながります。わかめ以外の食物繊維を多く含む食品と組み合わせて摂取するとより効果的です。
生活習慣病予防
わかめに含まれる食物繊維が、多くの生活習慣病の発症予防に効果があることが報告されています。食物繊維が各種疾患及びその生体指標に及ぼす効果を検証した介入試験では、体重、血中総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)、収縮期血圧、空腹時血糖で有意な改善が認められています。ただし、わかめだけでは十分な量を摂りにくいため、野菜やきのこ、豆類などと組み合わせて取り入れると良いでしょう。
むくみ予防
むくみは体内の水分バランスの乱れや、塩分の過剰摂取などによって起こります。わかめに含まれるカリウムは、体内の水分量を調整したり、ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため塩分の摂り過ぎを調節し、むくみの予防、軽減に役立ちます。ただしわかめには、ナトリウムも含まれているため摂りすぎには注意が必要です。
乾燥わかめの健康効果

湯通ししたわかめを保存するために塩漬けしたものを、湯通し塩蔵わかめといいます。この湯通し塩蔵わかめを塩抜きし、乾燥させたものが乾燥わかめです。乾燥させることで栄養素が凝縮されていますが、水で戻す時に水溶性栄養素の一部が流出する可能性があります。戻した後は重量が約10~12倍に増え、実際に摂取する量を比較すると生わかめと同程度の栄養素を含みます。
血糖値上昇の抑制
乾燥わかめに含まれる食物繊維は、小腸での栄養素の吸収を穏やかにし、食後の血糖値の急上昇を抑える効果があります。またカロテノイドの一種であるフコキサンチンはインスリン抵抗性を改善、糖代謝を促進し、食後の急激な血糖値の上昇を抑える効果があることが複数の研究で確認されています。
コレステロール濃度の低下
乾燥わかめに含まれる食物繊維は、コレステロールを吸着し体外に排出することで血中のコレステロール値を低下させる効果があります。
骨の健康維持
乾燥わかめに含まれるビタミンやミネラルは、骨の健康維持に役立っています。カルシウムは骨格を構成する重要な物質であり、不足すると骨代謝(骨吸収と骨形成のバランス)が低下し骨粗鬆症の原因にもなります。またマグネシウムも骨や歯の形成に関与しています。さらにビタミンKは、骨に存在するたんぱく質オステオカルシンを活性化し、カルシウムを沈着させ骨形成を促します。
茎わかめの健康効果

わかめは、葉体、中芯、胞子葉、根からなり、一般的にわかめとして食されている部分は「葉体」で味噌汁、酢の物、サラダなどに活用されています。コリコリとした食感の茎わかめは「中芯」と呼ばれる部分です。珍味として知られていますが、加熱しても食感が損なわれにくく、炒め物や煮物でもおいしく食べられます。わかめの茎の下部にある、ひだひだの部分がめかぶです。「胞子葉」という部分で、ぬるぬるした食感で和え物や麺類のトッピングとして活躍します。
高血圧予防
茎わかめに含まれる食物繊維やカリウムはナトリウムの排泄を促し、血圧を低下させる働きがあるため、塩分過剰摂取による高血圧の予防につながります。どちらもわかめだけでは十分な量を摂ることが難しいため、野菜や果物、豆類などと組み合わせて摂取することがおすすめです。
抗酸化作用
茎わかめに含まれるβカロテンは、体内に吸収されてビタミンAとして効力を示します。体内の活性酸素を除去する働きがあり、細胞や血管の酸化を防ぎ老化予防に効果が期待できます。また正常な免疫機能を維持する働きがあり、風邪や感染症などの予防に役立ちます。
腸内環境を整える
茎わかめに含まれる水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状になり腸内で善玉菌のエサとなります。これにより善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。
わかめを食べ続けると髪の毛が増えるは本当?

わかめには髪の健康維持を助ける栄養素が含まれていますが、食べ続けると髪の毛が増えるという直接的な効果は証明されていません。亜鉛は髪の主成分であるケラチンの生成に不可欠であり、不足するとケラチンの生成が滞り、髪が細くなったり抜け毛が増えたりする可能性があります。ビタミンB群は、髪の成長に必要なエネルギー代謝や細胞の新陳代謝をサポートします。食物繊維は、腸内環境を整え、栄養素の吸収を助けることで間接的に髪の健康をサポートします。髪の健康を維持するためにはわかめだけではなく、バランスのよい食事が重要です。
わかめにはダイエット効果がある?

100gあたり生わかめは24kcal、くきわかめは18kcal、乾燥わかめを水で戻したものは20kcal
と低エネルギーです。食物繊維を含み、食べ応えがあるため、満足感を得ながら無理なく摂取エネルギーを抑えることができます。サラダや和え物、汁物などとして食事の最初に食べることで、食べすぎの防止効果も期待できダイエット中の食材としておすすめです。
わかめの栄養素を効率的に摂取する方法

油や酢と一緒に食べる
わかめに含まれるβカロテンやビタミンKは脂溶性のため、油と一緒に食べると吸収率が高まります。油を使って炒め物にしたり、サラダにオイル入りのドレッシングをかけたり、スープにごま油を入れることで手軽に効率よく摂取できます。またカルシウムは酢と一緒に摂ることで吸収されやすくなるため、酢ものやサラダにするのもおすすめです。
汁物にして食べる
わかめに含まれるカリウムは水溶性のため、煮たり茹でたりすると栄養素が流出しやすくなります。味噌汁やスープなど汁ごと食べる調理法にすることで、無駄なく栄養素を摂取することができます。
わかめの保存方法や期間

生わかめの保存方法や期間
生わかめはとても傷みやすい食材です。保存方法によって日持ちが大きく変わるため、購入したらその日のうちに調理するか、用途に合わせた処理をして保存しましょう。生のまま保存する場合はよく洗って水気を切り、密閉容器に入れ冷蔵庫で保存します。2日以内に使い切りましょう。湯通ししてから保存する場合は、湯通し後に氷水で冷やし、水気を絞って食べやすい大きさに切り保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。2~3日以内に使い切りましょう。長期間保存する場合は冷凍保存がおすすめです。湯通ししたわかめを食べやすい大きさに切り、ラップで小分けにし、冷凍用保存袋に入れて密閉し冷凍します。3~4週間が保存の目安です。味噌汁やスープには凍ったままの調理が可能です。和え物やサラダに使用する場合は、ザルにのせ熱湯をかけて解凍します。水気をしっかり切ってから調理するのがポイントです。
塩蔵わかめの保存方法や期間
塩蔵わかめは塩蔵のままと水戻し後のどちらでも保存可能です。水戻し後のわかめは保存容器に入れ冷蔵庫で2日程度、小分けにし密閉冷凍した場合で3週間程度が保存の目安です。使用時は生わかめの冷凍同様、汁ものには凍ったまま、和え物やサラダに使用する場合はお湯で解凍して使用できます。
日持ちさせたい場合は、塩蔵のままの保存がおすすめです。保存容器に入れ密封し冷蔵で約1か月、冷凍では3か月程度が保存の目安です。塩蔵の場合は固く凍らないためそのまま冷凍してもよいですが、あらかじめ食べやすい大きさに切っておくと使う時に便利です。また生わかめ、塩蔵わかめ、どの保存方法でも必ず調理前には変色や異臭、粘りがないかなど状態を確認しましょう。
乾燥わかめは直射日光を避け、湿気の少ない場所で保存します。常温で長期保存が可能ですが、開封後は密閉容器に入れ湿気に注意しましょう。
| 種類 | 保存方法 | 保存期間 |
|---|---|---|
| 生わかめ(未加熱) | 冷蔵(密閉容器) | 〜 2日 |
| 生わかめ(湯通し後) | 冷蔵 / 冷凍 | 冷蔵:2〜3日 冷凍:3〜4週間 |
| 塩蔵わかめ | 冷蔵 / 冷凍 | 冷蔵:約1か月 冷凍:約3か月 |
| 乾燥わかめ | 常温(冷暗所) | 長期保存可 |
「わかめの効果」についてよくある質問

ここまでわかめについて紹介しました。ここでは「わかめの効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
わかめを毎日食べ続けるとどんな効果がありますか?
越川 愛子
わかめには食物繊維やミネラルなどが含まれており、適量を継続して取り入れることで腸内環境の改善や栄養バランスの向上に役立ちます。食物繊維は便のかさを増やし、便をやわらかくすることで排便をスムーズにする働きが期待できます。カルシウムやマグネシウムは骨の形成や維持に関わる栄養素で、日々の食事の中で補うことが大切です。βカロテンには抗酸化作用があり、体内の活性酸素の働きを抑えることで健康維持をサポートします。またカリウムはナトリウムの排泄を助ける作用があり、塩分を摂り過ぎがちな食生活の調整に役立ちます。ただし、わかめだけで特定の病気を予防できるわけではないため、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事の一部として取り入れることが重要です。
わかめを食べ過ぎると現れる症状は何でしょうか?
越川 愛子
わかめに含まれるヨウ素は、魚介類や海藻類、特に昆布に高濃度で含まれます。日本人はこれらを多く摂取する食習慣があり、ヨウ素の摂取量が必要量を上回っている場合もあります。健康な人ではヨウ素の摂取量が多少増えても尿として排泄され調整することができますが、長期間の過剰摂取は甲状腺機能低下症、甲状腺腫などの発症リスクが高くなります。甲状腺機能低下症では、記憶力低下、無気力、口のもつれ、むくみ、嗄声(声がかれる)、皮膚の乾燥、脱毛、易疲労感、倦怠感、低体温、食欲低下、体重増加など多岐にわたる症状が現れます。甲状腺腫は甲状腺が腫れて大きくなる状態で、全体が腫れる場合と一部にしこりができる場合があり、ヨウ素の欠乏症でもみられます。
また一度に大量に過剰に摂取すると、食物繊維が腸内で発酵しガスを生成することでお腹が張って苦しくなったり、腸内環境が乱れ下痢や腹痛を起こしたり、栄養素の吸収が妨げられる可能性があります。
そのほかナトリウムの過剰摂取により、血圧の上運昇やむくみ、のどの渇きなどの症状が現れる場合があります。
まとめ
わかめは低エネルギーで、ビタミンやミネラル、食物繊維などを含み、さまざまな健康効果が期待できます。過剰摂取により健康障害が現れる可能性もあるため、一度にたくさん食べるのではなく、日々の食事にバランスよく取り入れ健康づくりに役立てましょう。
「わかめ」と関連する病気
「わかめ」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
内分泌内科の病気
- 甲状腺機能低下症
- 甲状腺腫
「わかめ」と関連する症状
「わかめ」と関連している、似ている症状は13個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。
