「はまぐりの栄養」は“焼く”と”汁物”どちらが逃げない?注意点も管理栄養士が解説!

はまぐりの栄養は?メディカルドック監修医が健康効果・食べる際の注意点・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
西岡 佳余子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
はまぐりとは?

マルスダレガイ科に分類される二枚貝の1種であり食用として高級食材の1つです。北海道南部から九州沿岸までの日本沿岸の砂地に生息しています。淡水が流れ込む浅瀬や砂泥地に生息しています。ハマグリは、やわらかくふっくらとした身と強い旨味が特徴の二枚貝です。旬の時期は2~4月の春で、その貝殻が対でなければ合わないことから夫婦円満の象徴とされ、ひな祭りや結婚式などで縁起物として食べられています。
はまぐりに含まれる栄養素

マグネシウム
マグネシウムは、骨や歯の形成に関わるミネラルで、体内のさまざまな酵素の働きを助ける役割があります。エネルギー代謝や筋肉・神経の正常な働きを支える重要な栄養素です。不足が続くと、筋肉のけいれんや疲労感がみられることがあり、骨の健康にも影響を及ぼす可能性があります。日頃から適量を意識して摂取することが大切です。
ビタミンB12
赤血球のヘモグロビンを生成する働きをし貧血予防となります。神経系の機能を正常に保つために必要な栄養素です。また、ビタミンB12が不足すると貧血や神経障害などの症状を招く可能性があります。
鉄分
赤血球をつくるのに必要な栄養素です。体内の鉄は血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分となっています。ヘモグロビンは呼吸で取り込んだ酸素と結びつき、酸素を全身に運ぶ働きをしています。鉄分が不足することにより貧血の原因となります。
亜鉛
亜鉛は、免疫力を高めたり、味覚や嗅覚を正常に保ったり、皮膚や髪を健康に保ったりする役割を担っています。
亜鉛が不足すると、風邪をひきやすくなったり、味覚障害や脱毛症などの症状が現れることがあります。
タウリン
タウリンは、魚介類に多く含まれるアミノ酸の一種で、胆汁の分泌を助ける働きが知られています。肝機能の維持やコレステロール代謝に関与するとされ、体のコンディションを整える栄養成分として注目されています。また、タウリンは水に溶けやすい性質があるため、加熱すると煮汁に溶け出します。栄養を無駄なく摂るには、汁ごと食べられるお吸い物やスープなどの調理法がおすすめです。
はまぐりの健康効果とは?

貧血
はまぐりには、赤血球の形成に関わる鉄分やビタミンB12が含まれています。これらの栄養素は、酸素を全身に運ぶヘモグロビンの生成を助けるため、貧血予防に役立つとされています。不足すると疲労感やめまいなどの原因となることがあるため、日々の食事から適切に摂取することが大切です。
肝機能の向上
はまぐりに含まれるタウリンは、胆汁の分泌を助ける働きが知られています。胆汁は脂質の消化・吸収に関わるため、体内の代謝機能を支える役割があります。肝機能を直接改善するものではありませんが、栄養バランスのよい食事の一部として取り入れることで、肝臓の健康維持に役立つと考えられています。
代謝アップ
はまぐりには、ビタミンB2やマグネシウム、亜鉛など、エネルギー代謝に関わる栄養素が含まれています。これらの栄養素は、糖質・脂質・たんぱく質の代謝を助け、体の機能を正常に保つ働きがあります。特定の効果を保証するものではありませんが、日々の食事の中で取り入れることで、健康維持に役立つと考えられています。
皮膚や粘膜の健康維持
はまぐりに含まれる亜鉛は、たんぱく質の合成に関わるミネラルで、皮膚や粘膜の健康維持をサポートする栄養素です。また、アミノ酸の一種であるグリシンは、体内でコラーゲンを構成する成分のひとつです。特定の美容効果を保証するものではありませんが、必要な栄養素を適切に摂取することは、健やかな肌環境を保つうえで大切です。
冷え性の改善
はまぐりに含まれるタウリンやビタミン・ミネラルは、体の機能を正常に保つために必要な栄養素です。これらの栄養素を適切に摂取することで、栄養バランスが整い、日々の体調管理に役立つと考えられています。特定の症状を直接改善するものではありませんが、健康的な食生活の一部として取り入れることが大切です。
はまぐりの食べる際の注意点

加熱
はまぐりは生食には適していないため、必ず十分に加熱してから食べましょう。食中毒の原因となるノロウイルスなどを防ぐためには、中心部までしっかり火を通すことが重要です。目安としては、中心温度85~90℃で90秒以上の加熱が推奨されています。なお、過度に加熱すると身が縮んで硬くなるため、殻が開いた後は加熱しすぎないよう注意しましょう。安全性を確保しつつ、加熱しすぎないことが美味しく食べるポイントです。
口の開かないもの
加熱しても殻が開かないはまぐりは、加熱が不十分である場合や、すでに死んでいる可能性があります。安全のため、再加熱しても開かないものは無理にこじ開けて食べることは避け、破棄するようにしましょう。また、異臭がする場合や身の状態に違和感がある場合も、腐敗している可能性があるため食べずに処分してください。食中毒予防の観点から、少しでも不安があるものは食べないことが大切です。
砂抜きを行う
はまぐりは調理前に砂抜きを行いましょう。海水と同程度の約3%の塩水(水500mlに対して塩約15g〈大さじ1弱〉が目安)を作ります。バットなどの平らな容器にはまぐりを重ならないように並べ、殻が少し浸る程度まで塩水を注ぎます。新聞紙などをかぶせて暗い環境にし、常温(夏場は冷蔵庫)で2~3時間ほど置きます。直射日光や強い風が当たる場所は避けましょう。砂抜き後は塩水を捨て、流水で殻の表面をこすり洗いしてから調理します。殻の汚れや付着物を落とすことで、より衛生的に調理できます。
はまぐりの栄養素を効率的に摂取する方法

汁ごと食べる
スープや鍋ものなどで汁ごと食べることで、水溶性のビタミンB12がスープに溶けだすので栄養素を無駄なく摂取できます。グルタミン酸やコハク酸などのうま味成分がスープの味に深みを増して美味しくなります。
食材の組み合わせ
ビタミンCと組み合わせることで、鉄分や亜鉛の吸収を助けるため、レモンなどの柑橘類を絞ったり、菜の花と一緒に調理するとさらに栄養価が高まります。
旬なものを選ぶ
春先~初夏にかけては、身が太り栄養価やうま味も増し新鮮度も高く、一番美味しくなるのは初夏頃です。産卵期を前に成熟し身に栄養を蓄えた時期が旬となり粒が大きく、うま味も増します。
はまぐりの保存方法や期間

はまぐりの冷蔵・冷凍保存方法
はまぐりは砂抜きを済ませた後、流水で殻の汚れをこすり洗いし、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包んでバットなどにのせ、冷蔵庫のチルド室で保存します。乾燥を防ぎ、できるだけ早めに(2~3日以内を目安に)食べきりましょう。加熱してから冷凍する場合は、砂抜き後に殻が開くまで加熱し、粗熱を取ってから身と煮汁(アクや砂を取り除いたもの)を一緒に保存容器や冷凍用保存袋に入れて冷凍します。生のまま冷凍する場合は、砂抜き後に水気をよく切り、冷凍用保存袋に重ならないように平らに並べて空気を抜いて保存します。いずれの場合も、解凍後は再冷凍せず、十分に加熱してから食べるようにしましょう。
はまぐりの賞味期限
冷蔵では、賞味期限は、基本的に2~3日以内に食べきることをおすすめします。また、スーパーなどで売られている商品は商品に記載してある賞味期限以内で食べきるようにしてください。冷凍では、賞味期限は2週間ほどです。
「はまぐりの栄養」についてよくある質問

ここまではまぐりについて紹介しました。ここでは「はまぐりの栄養」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
はまぐりを食べ過ぎると体にどんな影響がありますか?
西岡 佳余子
はまぐりに限らず、貝類は消化にやや時間がかかるため、一度に大量に食べると胃もたれや腹痛など胃腸に負担がかかることがあります。また、酒蒸しや吸い物などの料理は塩分が高くなりやすく、摂り過ぎるとむくみや血圧上昇につながる可能性があります。適量を心がけることが大切です。さらに、体調や体質によっては消化不良により下痢を起こすこともあります。加えて、はまぐりを含む二枚貝は有害なプランクトンを取り込むことで「貝毒」を蓄積することがあり、これが原因で食中毒症状(下痢や嘔吐など)を引き起こす場合があります。貝毒はホタテやアサリ、牡蠣、しじみなどでも起こり得ます。また、まれにノロウイルスに汚染されていることもあるため、中心部まで十分に加熱(中心温度85~90℃で90秒以上)することが食中毒予防には重要です。
はまぐりは肝臓に良い効果があるというのは本当でしょうか?
西岡 佳余子
はまぐりにはタウリンが含まれており、胆汁の分泌を助ける働きが知られています。胆汁は脂質の消化・吸収に関わるため、体の代謝機能を支える役割があります。ただし、特定の病気を予防・改善するものではなく、肝機能を直接高めると断定できるものではありません。はまぐりにはこのほか、赤血球の形成に関わるビタミンB12も含まれており、DNAの合成に関与する重要な栄養素です。はまぐりは旨味だけでなく、さまざまな栄養素を含む食品のひとつとして、バランスのよい食事の中で取り入れることが大切です。
まとめ
はまぐりは二枚貝の一種で日本では古くから食用や縁起物として親しまれている。食文化の位置づけとして、ひな祭り(桃の節句)の定番料理としてはまぐりのお吸い物があります。低脂質、高たんぱくでミネラルが豊富な貝です。一般的な料理での量として1食あたり3~5個ほどで、鉄分、亜鉛、ビタミンB12、タウリンをバランスよく摂れる量であり栄養が濃いので少量でも必要な栄養素をしっかり含んでいます。中でも鉄分とビタミンB12は血液での赤血球をつくるのに欠かせない栄養素で貧血の人に特に効果があります。亜鉛は免疫細胞の働きを助けたり、傷の治りのサポートにも重要です。タウリンは肝臓の解毒作用やコレステロールの調整、肝機能のケアに良いとされています。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルも含まれていますので骨の健康維持にも効果があります。おすすめの食べ方としては、お吸い物で栄養が汁に溶けだすので無駄なく摂れます。また鍋料理でも出汁にミネラルが溶けて効果的です。
「はまぐり」と関連する病気
「はまぐり」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「はまぐり」と関連する症状
「はまぐり」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。
はまぐりに関連する症状
- 皮膚症状
- 消化器症状
- 呼吸器症状
- アナフィラキシー




