「きゅうり」に”栄養がない”は本当?ぬか漬けによる変化や効率的な摂取法も解説!

きゅうりの栄養は?メディカルドック監修医が栄養素・健康効果・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
前原 尚子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
きゅうりとは?

ヒマラヤ山脈、インド付近原産で、ウリ科キュウリ属のつる性一年草で果実です。日本では、平安時代から栽培され、大正以降によく利用されるようになりました。和名である「キュウリ」の呼称は、実が熟すと黄色くなり、古来日本では黄色くなったものを食用にしていわれ、黄色いウリを意味する「黄瓜」が語源とする説があります。果実色は濃緑が一般的ですが、淡緑や白のものもあります。果実の表面に白い粉が吹いたように見えるろう状の物質はブルームで、水分の蒸発を防ぎ、果実の皮を保護する役割があります。また、キュウリの果実には一般的にイボやトゲと言われる突起がありますが、厳密にはトゲの台の部分をイボといいますが、最近では品種改良によりイボ無しキュウリの品種も発表されています。生育適温は昼間では、25℃〜28℃、夜間では13℃です。代表的な夏野菜のひとつで、水分補給にも適しています。
きゅうりの一日の摂取量は?

きゅうりに明確な1日の摂取目安量は定められていません。一般的には、他の野菜と組み合わせながら適量を取り入れることが大切です。きゅうりは水分が多く、カリウムを含む野菜ですが、通常の食事量の範囲であれば健康な成人に大きな問題が生じることは少ないと考えられます。ただし、腎機能が低下している方はカリウムの摂取制限が必要となる場合があります。また、体調や持病によっては注意が必要なこともあるため、不安がある場合は医師や管理栄養士に相談しましょう。
きゅうりに栄養がないのは本当?

きゅうりは水分が約95%を占めるため、「栄養が少ない野菜」というイメージをもたれることがあります。しかし、カリウムやビタミンC、ビタミンK、食物繊維、銅などの微量ミネラルを含んでおり、決して栄養がまったくないわけではありません。
含有量は多くはないものの、これらの栄養素は体内の電解質バランスの維持や抗酸化作用、血液凝固や骨の健康に関与するなど、さまざまな生理機能に関わっています。きゅうり単体で特定の効果を期待する食品ではありませんが、他の野菜と組み合わせながら取り入れることで、食事全体の栄養バランスを整える一助となります。
きゅうりに含まれる栄養素

| 栄養素 | 主な働き・特徴 |
|---|---|
| カリウム | 浸透圧の調整、ナトリウムの排出促進(100g当たり約200mg) |
| ビタミンC | コラーゲンの生成、抗酸化作用 |
| ビタミンK | 血液凝固作用、骨を強くする |
| 食物繊維 | 不溶性食物繊維が腸の蠕動運動を促し、便秘を解消 |
| 葉酸・銅 | 赤血球の形成、体内酵素のサポート、神経の安定 |
カリウム
きゅうりには100g当たり約200mgのカリウムが含まれています。カリウムは体内のナトリウムとバランスを取りながら、細胞内外の浸透圧を調整する重要なミネラルです。ナトリウムの排出を促す作用があるため、食塩の摂り過ぎが気になる方の食生活に役立つ栄養素とされています。また、体内の電解質バランスの維持にも関与しています。
ビタミンC
ビタミンCは、水溶性ビタミンのひとつで、皮膚や血管、軟骨などを構成するコラーゲンの生成に関与する栄養素です。また、抗酸化作用をもち、体内の細胞を酸化ストレスから守る働きがあります。不足すると、倦怠感や歯ぐきからの出血などの症状があらわれることがあります。ビタミンCは体内で合成できないため、野菜や果物などの食品から日常的に摂取することが大切です。
ビタミンK
脂溶性のビタミンで、血液凝固作用やカルシウムをサポートする働きがあり、また、骨を強くするのには欠かせない栄養素といわれています。腸内の細菌からも生成されるため通常の食生活をしていれば不足することはほとんどないと考えられていますが、骨粗しょう症予防のためにもしっかり摂りたい栄養素のひとつです。
食物繊維
きゅうりには不溶性食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維は、水分を含んで便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促す働きがあり、便秘を解消する効果があります。
葉酸・銅
葉酸や微量ミネラル等の銅は、赤血球の形成を助けたり、体内酵素の働きをサポートし様々なホルモンの活性化を促します。また、骨の形成を助ける働きや神経伝達物質の産生などに関与し、神経を安定させる働きなど微量ながら体内のあらゆる代謝や活性化に関与しています。
きゅうりの健康効果

血圧を安定させる
きゅうりには、ナトリウムの排出を促し、血圧を下げる働きをもつカリウムが含まれています。また、血圧を安定させることで、心臓への負担を減らし、心疾患などの抑制につながると考えられています。
腸内環境を整える
食物繊維の働きによる腸の蠕動運動を促し、便通改善効果があるとされています。腸内環境が整うことにより、肌荒れがよくなる、体内の代謝が改善されることにより、むくみが解消され、食欲もアップし体調改善につながるなどの効果が期待できます。
抗酸化作用などによる健康維持
きゅうりに含まれるビタミンCには抗酸化作用があり、体内の細胞を酸化ストレスから守る働きがあります。酸化ストレスは生活習慣や環境要因などによって生じると考えられており、抗酸化作用をもつ栄養素を日常的に摂取することは健康維持に役立つとされています。
また、きゅうりには銅などの微量ミネラルも含まれており、これらは体内で酵素の働きを助けるなど、さまざまな代謝機能に関与しています。きゅうり単体で特定の症状を改善するものではありませんが、他の食品と組み合わせながら取り入れることで、バランスのよい食生活の一助となるでしょう。
きゅうりをぬか漬けにすると栄養はどうなる?

きゅうりをぬか漬けにすると、ぬかに含まれる栄養素が加わることや、水分量の変化によって、食品成分表上の栄養価が生のきゅうりと異なります。「日本食品標準成分表」での比較によると、ぬか漬けにすることで、ビタミンB1の含有量は約8倍に増加することがわかっています。
また、カリウム・ビタミンKは約3倍、ビタミンCは約1.5倍含有量が増加します。さらに、発酵過程で生成される植物性乳酸菌も摂取できるようになります。糠に含まれるビタミンB2やビタミンE、マグネシウムなどの微量ミネラルもきゅうりの細胞に浸透することで、含まれている栄養が相乗効果を生み出します。しかし、食べすぎると塩分の摂りすぎにつながります。食べる時の注意点として、糠の状態がヌルヌルしている、酸っぱい臭いがする場合は腐敗していることがありますので食べるのを避けましょう。
きゅうりの栄養素を効率的に摂取する方法

生で皮ごと食べる
皮を剥いて食べる派、剥かない派がありますが、剥く理由としては、味の染み込みが良くなる、イボが気になる、苦味がなくなる、農薬が気になるなどの理由があるようです。剥かない理由としては、栄養が失われる、食感が変わる、見栄えが悪くなるなどがあげられます。きゅうりの皮にはビタミンA、カリウム、ビタミンK等の栄養素が豊富なので、皮ごとたべることでより多くの栄養素を摂取することができます。水溶性ビタミンは水に流れ出てしまうので、さっと洗う程度にしましょう。
酢漬けやぬか漬けにする
きゅうりをぬか漬けにすると、ぬかに含まれる栄養素が加わることや水分量の変化により、生のきゅうりとは栄養成分値が異なります。食品成分表ではビタミンB1などの含有量が多く記載されていますが、これはぬか由来の栄養素や水分の減少による相対的な濃縮の影響も考えられます。 また、ぬか漬けは発酵食品であり、乳酸菌などの微生物が関与しています。発酵食品を取り入れることは、食生活の幅を広げる一助になりますが、特定の効果を保証するものではありません。塩分を多く含むため、食べ過ぎには注意が必要です。 酢漬けにするとさっぱりとした味わいになり、食欲がないときでも取り入れやすくなります。酢に含まれる有機酸は風味付けの役割があり、日々の食事のアクセントになります。きゅうりを切って酢に漬けるだけで手軽に作れる点も魅力です。
油と一緒に食べる
きゅうりに含まれるビタミンKやビタミンAは、油と一緒に調理することで吸収率がアップします。炒める時は、さっと炒めて食感を楽しみましょう。また、ツナや鶏ささみなどとの相性も良いです。便通が気になる時は、油と一緒に摂取することで便の通りを良くする効果も期待できます。
きゅうりの保存方法や期間

| 保存方法 | 期間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 常温保存(冷暗所) | 1〜2日程度 | 新聞紙で巻いて立てて保存。最適温度は10〜13℃。 |
| 冷蔵保存(野菜室) | 4〜5日程度 | 表面の水分を拭き取り、ポリ袋に入れて立てる。 |
| 冷凍保存 | 1ヶ月程度 | 食感が変わる可能性がある。 |
きゅうりの保存方法や期間
きゅうりは大半が水分なので、日が経ち水分が抜けていくと味や食感が落ちやすいため、常温保存で、1〜2日程度、冷蔵保存で、4〜5日程度、冷凍保存で、1ヶ月程度(食感がかわる可能性があります)が目安です。また、表面に水分がついているとそこから腐り始めるため、よく拭き取ることが大切です。漬物や乾物にすることで、長期保存が可能です。
きゅうりの保存方法や期間
きゅうりは温かいところで栽培されるもので、5℃以下の低い温度で保存されると低温障害をおこしてしまいます。最も適した温度は10〜13℃です。また、乾燥した環境ではすぐに水分が抜けてしまうため最適保存湿度は90〜95%が適しています。冷蔵庫の野菜室が良いでしょう。冷暗室の保存では、新聞紙で巻いてポリ袋に入れて立てて4、5日保存が目安です。
「きゅうりの栄養」についてよくある質問

ここまできゅうりについて紹介しました。ここでは「きゅうりの栄養」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
きゅうりを食べ過ぎるとどうなりますか?
前原 尚子
きゅうりに含まれる「カリウム」には利尿作用があり、暑い夏場では、尿と一緒に身体の熱も逃がす効果があるといわれていますが、この「カリウム」は、健康な人であれば摂りすぎると、尿と一緒に排出されますが、腎機能が低下している場合には、うまく排出されず、高カリウム血症の原因となるリスクがあると考えられています。きゅうりは冷えた状態で食することが多いため、身体の冷えにつながり、胃腸が冷えて腹痛や下痢の原因となる可能性があります。
きゅうりは野菜の中で栄養がない方でしょうか
前原 尚子
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参考にすると、皮付ききゅうりで100g当たりの主な栄養素と含有量は、
カロリー・13kcal
水分・95.4g
タンパク質・0.7g
脂質・0.1g
食物繊維・1.1g
炭水化物・3.0g
ナトリウム・1㎎
カリウム・200㎎
カルシウム・26㎎
マグネシウム・15㎎
リン・36㎎
鉄・0.3㎎
亜鉛・0.2㎎
銅0.11㎎
レチノール活性当量・28μgRAE
ビタミンE・0.3㎎
ビタミンK・34μg
ビタミンB1・0.03㎎
ビタミンB2・0.03㎎
ナイアシン当量0.4㎎
ビタミンB6・0.05㎎
葉酸・25μg
ビタミンC・14㎎
などとなっています。皮付近に多く含まれる栄養素もあります。95%以上は水分ですが、5%中には、微量でも様々な栄養素が含まれていることが分かります。一般的な野菜として、他の野菜と比較しても栄養はあると言っても良いでしょう。
まとめ
きゅうりは水分が大半のため栄養がない野菜というイメージがありますが、体内浸透圧調整に欠かせないカリウムや、体内を酸化から守り細胞の老化を防止する働きをもつビタミンC、腸内環境を整える食物繊維、神経伝達物質に関与し酵素の働きを良くする銅やモリブデンなどのミネラル類など、健康を維持するために必要な栄養素が含まれている食品のひとつです。きゅうりのさわやかな色彩や食感を楽しみながら、日々の食事に摂り入れていきましょう。
「きゅうり」と関連する病気
「きゅうり」と関連する病気2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
- 高血圧
- 高カリウム血症
「きゅうり」と関連する症状
「きゅうり」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
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きゅうりに関連する症状
- むくみ
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