「ブドウ糖が多い飲み物」でパフォーマンスが変わる?3つのタイミングを管理栄養士が解説!

ブドウ糖が多い飲み物とは?メディカルドック監修管理栄養士が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
寒河江 陽子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「ブドウ糖」とは?

ブドウ糖は、体内でエネルギー源として利用される単糖類(グルコース)です。
ご飯などの炭水化物を食べると体内で消化吸収される時に、最終的にブドウ糖に分解されてエネルギー源として活用されます。血液中の赤血球の燃料として血糖として一定濃度が必要です。余剰分はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵されて必要に応じて燃料に使われます。極端な低血糖状態が持続すると、赤血球や脳などブドウ糖を主なエネルギー源とする組織の機能が低下し、生命に関わる状態になる可能性があります。しかし、過剰にブドウ糖が供給されると肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵できない場合は脂肪として体内に蓄えられ、血糖値も高くなるなど生活習慣病などを引き起こします。
ブドウ糖の一日の摂取量

ブドウ糖(グルコース)は、脳や赤血球、神経組織、腎尿細管、精巣、酸素不足の骨格筋などで主なエネルギー源として利用されます。特に脳は体重の約2%ほどの重さであるにもかかわらず、安静時でも全身の基礎代謝量の約20%を消費するとされています。
仮に基礎代謝量を1,500kcal/日とすると、脳が消費するエネルギーは約300kcal/日となり、これはブドウ糖に換算すると約75g/日に相当します。さらに、脳以外の組織でもブドウ糖は重要なエネルギー源として使われているため、体が正常に機能するために必要とされるブドウ糖量は、少なくとも1日あたり約100g程度と推定されています。 なお、この量は「最低限必要と考えられる量」であり、推奨摂取量として定められているものではありません。通常は、ご飯やパン、麺類などの炭水化物を含む食事から十分なブドウ糖が体内で供給されます。
ブドウ糖の効果

集中力・記憶力の向上
集中して物事に取り組む時に、安定したブドウ糖の供給が大切です。
必要な情報を保持し、記憶に従って正確に対処する能力や精度を指す「ワーキングメモリー」と注意力を長時間保つ能力である「持続的注意力」が改善することが栄養疫学の研究で報告されています。
疲労回復
ブドウ糖は消化の工程が少なく、摂取後に速やかに血糖値を上昇させるため、即効性のあるエネルギー補給として役立ちます。運動後や強い疲労を感じたときに補給することで、筋肉や脳に必要なエネルギーが素早く供給され、肉体的な疲労感の軽減につながります。
低血糖対策
血液中のブドウ糖濃度が低下すると、だるさやイライラ、ひどい場合はふらつきや動悸、意識の低下が起こります。吸収の速いブドウ糖を補給することが有効です。
ブドウ糖が多い飲み物

| 飲み物の種類 | 糖質量目安(500mlあたり) | 特徴 |
|---|---|---|
| 炭酸飲料(コーラ等) | 角砂糖10個分以上 | 甘味が強く、速やかに利用される糖質が多い。 |
| スポーツドリンク | 角砂糖5〜8個分 | 水分・電解質と共に補給でき、運動時に適する。 |
| 果汁100%ジュース | 角砂糖12〜15個分 | 果糖やブドウ糖を含むが、飲み過ぎに注意。 |
炭酸飲料(コーラ・ジュース類)
コーラなどの炭酸飲料には、甘味料として砂糖や果糖ブドウ糖液糖が使用されており、500mlのペットボトル1本あたりに角砂糖10個分以上に相当する糖質が含まれているものもあります。炭酸の刺激による苦味や酸味を和らげる目的で甘味が強く調整されていることが多く、摂取すると体内でブドウ糖として速やかに利用される糖質を多く含む飲み物といえます。
スポーツドリンク
スポーツドリンクには、砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの糖質が含まれており、製品にもよりますが500mlあたり角砂糖5〜8個分に相当する糖質を含むものがあります。これらの糖質は体内でブドウ糖として利用され、水分や電解質とともにエネルギー補給ができることから、発汗量が多い運動時や長時間の活動時に役立ちます。一方で、日常的に大量に摂取すると糖質の摂り過ぎにつながるため注意が必要です。
果汁100%ジュース
果汁100%ジュースは砂糖を加えていないものが基本ですが、果物由来の果糖やブドウ糖などの糖質を多く含んでいます。製品によって差はあるものの、500mlあたり角砂糖12〜15個分に相当する糖質が含まれる場合もあります。これらの糖質は体内でエネルギー源として利用されますが、飲み過ぎると糖質の過剰摂取につながるため、摂取量には注意が必要です。
米麹の甘酒
米麹の甘酒は、麹菌の酵素によって米のデンプンが分解され、ブドウ糖を中心とした糖質が多く含まれる飲み物です。そのため、エネルギー補給に役立つことから「飲む点滴」と呼ばれることもあります。ただし、この表現は比喩的なものであり、医療用の点滴と同等の効果があるわけではありません。日常的に飲む場合は、糖質の摂り過ぎにならないよう量に注意することが大切です。
ブドウ糖が不足すると現れる症状

疲労感 イライラ 手の震え 冷や汗
血糖値が低下し始めると、体は血糖値を上げようとして自律神経を介した反応を起こします。その結果、疲労感やイライラ感、手の震え、冷や汗などの症状が現れることがあります。
集中力の低下 めまい 頭痛
血糖値の低下が進むと、脳へのブドウ糖供給が不足し、中枢神経の働きに影響が出ます。これにより、集中力の低下やめまい、頭痛などの症状がみられることがあります。
意識障害 昏睡 けいれん
重度の低血糖状態では、脳のエネルギー不足が深刻となり、意識障害やけいれん、昏睡などを引き起こすことがあります。これらは生命に関わる危険な状態であり、速やかな対応が必要です。
ブドウ糖を過剰摂取すると現れる症状

頭痛 吐き気 眠気 倦怠感 集中力低下
ブドウ糖や糖質を一度に多く摂取すると、血糖値が急激に上昇し、それを下げるためにインスリンの分泌が増加します。その結果、血糖値が急激に低下することがあり、脳へのエネルギー供給が一時的に不安定になることで、頭痛や眠気、だるさ、集中力の低下などの症状が現れる場合があります。
イライラ 怒りっぽさ 不安感 無気力
血糖値の急激な変動により、自律神経のバランスが乱れると、気分の不安定さやイライラ感、不安感などの精神的な症状が現れることがあります。これらは、インスリンの分泌や血糖調節の影響を受けやすい人で起こりやすく、個人差が大きい点も特徴です。
下痢などの消化器症状
糖類を一度に大量に摂取すると、消化管で一度に吸収しきれないことがあります。
吸収されずに腸内に残った糖質は腸内の水分を引っ張り混む性質があるので腸内の水分量が増加して下痢を引き起こしやすくなります。また、残った糖質が発酵することでガスが発生してお腹の張りや腹痛を起こします。
ブドウ糖の効率的な摂取方法

集中力を上げたい時に摂る
作業や勉強に集中したいときに、ブドウ糖は素早く吸収され脳のエネルギー源になります。
ブドウ糖のタブレットやブドウ糖を多く含む飲み物は即効性があります。
運動の前後に摂る
運動の15〜30分前に、ブドウ糖のタブレットやブドウ糖を多く含む飲み物を摂るとパフォーマンス維持に役立ちます。 また運動後にブドウ糖を摂ると素早く吸収されて筋肉の疲労回復に役立ちます。
朝食で摂る
普段の食事で、ご飯・パン・めん類などの炭水化物や果物を摂ることで体内で最終的にブドウ糖として補給されます。とくに朝食は、身体を目覚めさせ頭の回転をよくするためにはちみつやドライフルーツを摂ると素早く吸収されて一日の始まりがスムーズです。
「ブドウ糖が多い飲み物」についてよくある質問

ここまでブドウ糖を紹介しました。ここでは「ブドウ糖が多い飲み物」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
低血糖のときにおすすめの飲み物はありますか
寒河江 陽子
ブドウ糖を含む清涼飲料水(ジュースなど砂糖20gほど含む量)100〜200mlは即効性があるためおすすめです。ただし人工甘味料のものはブドウ糖を含まないため不可なので注意が必要です。
まとめ
ブドウ糖は、脳や筋肉の主要なエネルギー源で不足した時でも素早く吸収されてエネルギー補給ができます。集中力アップやパフォーマンス向上に役立ちますが、甘い飲み物など過剰に摂取しやすいため注意が必要です。急激な摂りすぎは血糖値の乱高下を引き起こします。また、習慣的に摂る量は注意が必要です。糖質は余剰分を脂肪として体内に蓄積するため肥満になりやすく生活習慣病を引き起こします。ブドウ糖は大切なエネルギー源ですが、過剰に摂りすぎないように、ブドウ糖を上手に活用したいものです。
「ブドウ糖」と関連する病気
「ブドウ糖」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「ブドウ糖」と関連する症状
「ブドウ糖」と関連している、似ている症状は15個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
