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「カリウム」が多い”食べ物”は高血圧に効く?不足や摂りすぎで現れる症状も解説!

 公開日:2026/01/26
「カリウム」が多い”食べ物”は高血圧に効く?不足や摂りすぎで現れる症状も解説!

カリウムを含む食べ物とは?メディカルドック監修医が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

池田 早苗

監修管理栄養士
池田 早苗(管理栄養士)

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委託給食会社勤務後、企業での商品開発や食品表示作成などを経て、現在は介護施設にて栄養管理業務に従事。

「カリウム」とは?

「カリウム」とは?

人体に必要なミネラルの一種で、成人の体内には約120gから200gのカリウムが含まれています。大部分は細胞内に存在し、ごく一部は血液やリンパなどの体液(細胞外液)や骨にも含まれ、細胞外液に多いナトリウムと相互に作用しながら細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持するのに重要な役割を果たしています。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わり、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。カリウムにはナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立つ。一方、不足するとこれらの働きに影響することはもちろん、脱力感・食欲不振・不整脈などの症状がみられることがあります。なお、腎機能が正常な場合には、通常の食事で過剰になることはまれとされています。

カリウムの一日の摂取量

カリウムの一日の摂取量

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、体内のカリウム平衡を維持するために適正と考えられる値を目安量として設定しています。成人男性1日2,500mg/日以上、成人女性では2,000mg/日以上です。また、高血圧を中心とした生活習慣病の発症予防の観点から、1日当たりの摂取量の目標量として成人男性では3,000mg/日以上、成人女性では2,600mg/日以上と設定されています。

カリウムの効果

カリウムの効果

むくみ予防・改善

カリウムは、細胞内液の主要なミネラルとして、細胞の浸透圧を正常に保普及し、体内の水分バランスを調整します。ナトリウムを摂りすぎると、体は水分を溜め込みむくみやすくなりますが、カリウムには余分なナトリウムを体外に排出する働きがあるため、むくみの解消に役立ちます。

血圧を正常に保つ

摂取されたカリウムは、小腸で吸収された後全身の組織に運ばれ、大部分が腎臓によって排泄されます。カリウムは、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して尿中への排泄を促進し血圧の上昇を抑制する働きがあります。
この作用は、脳卒中や心血管疾患といった生活習慣病のリスク低減が期待されます。

筋肉機能のサポート

カリウムは神経伝達物質の働きを助け、筋肉の収縮と弛緩をスムーズに行うために不可欠です。筋肉のけいれんや麻痺を防ぎ、正常な機能を保つ働きがあります。

カリウムを多く含む食べ物

カリウムを多く含む食べ物

野菜類

葉物野菜や緑黄色野菜に多く含まれ、ほうれん草(ゆで)には100gあたり490mg含まれます。また、枝豆、ブロッコリーなども豊富です。ただし、カリウムは水溶性のため、茹でることでお湯に流出する性質があります。蒸す、焼く、炒めるといった調理法や、ゆで汁ごと食べられるスープはカリウムを効率よく摂取できるのでおすすめです。

いも類

葉物野菜に比べると、茹でてもカリウムの損失量が少ないとされるいも類。長いもには100gあたり430mg~590mgと多く、里芋やさつまいも、じゃがいもにも豊富に含まれます。さらにカリウムの流出を抑えたい場合は、大きめにカットしたり、丸ごとの状態で調理するとよいでしょう。

果物類

果物の中でも特にアボカドやバナナ、メロン、キウイ、柿などにカリウムが豊富です。特にアボカドには100gあたりカリウムが590mgと豊富に含まれます。果物はどれも生で食べられるため、カリウムの流出を抑えてしっかり摂ることができます。

カリウムが少ない食べ物

カリウムが少ない食べ物

精製された穀物

精白米、うどん、パスタ、食パンなどの精製された穀物は、玄米や全粒粉などの全粒穀物に比べてカリウム含有量が少ないです。これは精製過程で表皮や外皮が取り除かれ、カリウムが減少するためです。

春雨

いものでんぷんが主成分の普通はるさめ(ゆで)は100gあたりカリウムが2mg、緑豆春雨(ゆで)は100gあたり0mg。さらにたんぱく質含有量はいずれも0g、もしくは限りなく少ない量のため、腎機能低下などでカリウム制限のある方はカリウムやたんぱく質の摂取を抑えつつエネルギーアップやかさ増しに活用できる食材といえます。

しらたき

しらたき(糸こんにゃく)は100gあたりカリウムが12mgと少なく、カリウム制限が必要な方でも安心して使用できます。併せてたんぱく質やリンも少ないため、腎機能が低下している方にとって、料理に活用しやすい食材です。他の低カリウム食材(春雨、精白米、うどんなど)と組み合わせて取り入れてみるのも良いでしょう。

カリウムとマグネシウムを多く含む食べ物

カリウムとマグネシウムを多く含む食べ物

アボカド

カリウムとマグネシウムは体内で相互に作用しながら細胞内外のミネラルバランスを整える作用があります。アボカドは、カリウムとマグネシウムをどちらも豊富に含み、アボカド100gあたりカリウムが590mg、マグネシウムが34mg含まれています。
また、良質な脂質といわれるオレイン酸やリノール酸も豊富ですが、脂質が多いため食べ過ぎには注意が必要です。

ほうれん草

ほうれん草(ゆで)は100gあたりカリウムが490mg、マグネシウムが40mg含まれています。調理するとかさが減るため摂取量を増やしやすく、カリウムとマグネシウムを効率よく摂ることができる食材の一つです。

バナナ

バナナはカリウムが豊富な果物ですが、マグネシウムも多く含まれています。バナナ100gあたりカリウムが360mg、マグネシウムが32mgです。簡単に食べられるため、手軽にカリウムとマグネシウムを摂取できます。

カリウムが不足すると現れる症状

カリウムが不足すると現れる症状

筋力低下、筋肉のけいれん

カリウム不足になると、筋肉の細胞内外の電気バランスが崩れ、神経からの刺激が筋肉にうまく伝わらなくなります。そのため筋肉が十分に動かせず、筋力低下が起こりやすくなります。また、同時に筋細胞が過敏に反応して収縮し、筋肉のけいれんが起こりやすくなります。

食欲不振

カリウムが不足すると、腸の筋肉や神経の働きが低下して消化管の動きが悪くなります。その結果、胃もたれや膨満感、倦怠感が起こり、食欲不振につながりやすくなります。

不整脈

カリウムは筋肉の収縮に関わっているため、心臓の筋肉も同様で規則正しく動くために不可欠です。不足すると心臓のリズムが乱れやすくなり、不整脈のリスクを高めることがあります。

カリウムを過剰摂取すると現れる症状

カリウムを過剰摂取すると現れる症状

悪心、嘔吐

カリウムが過剰になると、消化管の神経や平滑筋の電気的な働きが乱れ、胃腸の動きが不安定になるため、悪心(吐き気)や嘔吐が起こりやすくなります。

筋力低下、脱力感

カリウムが過剰になると、筋肉の細胞内外の電気的なバランスが崩れ、神経からの刺激が筋肉に伝わりにくくなります。その結果、筋肉が十分に収縮できなくなり、筋力低下や脱力感が現れることがあります。

不整脈

心臓は筋肉(心筋)でできていて、収縮することでポンプとして働き、全身に血液を送り出しています。血液中のカリウムが高くなりすぎると、心筋がうまく働くことができず異常な収縮を起こすことがあります。この異常な心筋の収縮は動悸や胸の違和感として現れます。また心筋の異常な収縮は不整脈と呼ばれ、症状が進行すると命に関わることもあるため、病院で心電図検査を受けることをお勧めします。

「カリウムを含む食べ物」についてよくある質問

「カリウムを含む食べ物」についてよくある質問

ここまでカリウムの食べ物などを紹介しました。ここでは「カリウムの食べ物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

カリウムを摂り過ぎたらどんな症状が現れますか

池田 早苗池田 早苗

カリウムを摂りすぎると、神経や筋肉、心臓の電気的な働きが乱れ、筋力低下や脱力感、吐き気などの症状が現れることがあります。特に心臓では不整脈が起こりやすく、重症の場合には心停止につながる危険性もあります。
腎機能が正常であれば、普段の食事だけでカリウムが過剰になることはほとんどありません。しかし、腎機能が低下している方や、特定の薬剤、カリウムを多く含むサプリメントを服用している場合には、体内のカリウムを十分に排泄できず、血液中のカリウム濃度が高くなる高カリウム血症を起こしやすくなるため注意が必要です。
身近な飲み物では、お茶(玉露)、トマトジュース、果汁100%ジュース、コーヒー、牛乳などにカリウムが多く含まれています。カリウム制限が必要な方では、飲み物だけでも過剰摂取となる場合があります。玉露は麦茶や玄米茶に、コーヒーは紅茶に置き換えるなど、飲み物の種類を工夫し、量にも注意しながら摂取を控えるようにしましょう。

カリウムが多い果物を教えてください

池田 早苗池田 早苗

カリウムを多く含む果物には、バナナ、キウイ、アボカド、メロン、オレンジ、スイカ、ドライフルーツ(干しぶどうや干しプルーン、干しあんずなど)があります。これらの果物は1個や1食分で比較的多くのカリウムを摂取できるため、腎機能が低下している方やカリウム制限が必要な方は特に注意が必要です。

まとめ

カリウムは、健康や生命維持に欠かせないミネラルの一つです。主に細胞内に存在し、ナトリウムなど他の栄養素とバランスを取りながら細胞の浸透圧を調整し、神経や筋肉の動き、心臓の収縮、体内の水分量や血圧の調整に重要な役割を果たしています。
カリウムは身近な食品に多く含まれており、通常は普段の食事で多少の過不足があっても、体内の調節機構によって血中カリウム濃度は一定に保たれます。しかし、腎機能が低下している方や特定の薬剤、カリウムを多く含むサプリメントを服用している場合には、カリウムを十分に排泄できず血液中のカリウム濃度が高くなることがあります。特に腎機能が低下している方は、重篤な症状を引き起こす可能性があるため、カリウムの摂取量については医師の指示を仰ぐようにしましょう。

「カリウム」と関連する病気

「カリウム」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

腎・泌尿器系の病気

  • 腎疾患

「カリウム」と関連する症状

「カリウム」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 筋力低下
  • 脱力感
  • 筋肉のけいれん
  • 全身倦怠感
  • 疲労感
  • 食欲不振
  • 悪心
  • むくみ

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