「きゅうりの食べ過ぎで現れる症状」は?食べると得られる効果も管理栄養士が解説!

きゅうりの食べ過ぎで現れる症状は?メディカルドック監修医がきゅうりの栄養素・健康効果・食べ過ぎで現れる症状・効率的に摂取する方法などを解説します。

監修管理栄養士:
田中 純子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
きゅうりとは?

きゅうりに含まれる栄養素

カリウム
カリウムは100gあたり200mg含まれており、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きや、筋肉や神経の正常な働きを調整してくれる役割があります。そのため、血圧が気になる方やむくみが気になる方にもおすすめの野菜です。ビタミンC
ビタミンCは100gあたり14mg含まれており、抗酸化作用により肌の健康維持に役立ちます。また、皮膚の弾力を保つコラーゲンの生成にも欠かせない栄養素のため、美肌効果も期待できます。ビタミンK
ビタミンKは100gあたり34µg含まれており、血液凝固や骨の強化に役立ちます。油と一緒に摂ることで吸収が促進されます。サラダにドレッシングをかけるのはとても理にかなった食べ方です。葉酸
きゅうりには100gあたり約25μgの葉酸が含まれています。葉酸は、赤血球の形成を助ける働きがあり、妊娠期や授乳期など必要量が増える時期には特に意識したい栄養素の一つです。きゅうりは生で手軽に食べられるため、サラダや漬物、スティック野菜など日々の食事に無理なく取り入れやすい点がメリットです。また、ブロッコリーや赤ピーマンなど ビタミンCが豊富な食材と組み合わせると、食事全体の栄養バランスがさらに良くなります。食物繊維
きゅうりには100gあたり約1.1gの食物繊維が含まれ、その多くは 不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は水に溶けずに胃腸でふくらみ、便のかさを増やして腸の動きを促すため、腸内環境の維持や便通のサポートに役立ちます。また、食後の血糖値の上昇をゆるやかにし、適度な満腹感を得やすいことから、食べ過ぎを防ぎたいときにも取り入れやすい野菜 です。きゅうりの健康効果

血圧低下
きゅうりには、体内の塩分(ナトリウム)の排出を促して血圧を下げる働きのあるカリウムが含まれているため、血圧が気になる方におすすめです。特に汗とともにカリウムを失いやすい夏は、積極的に取り入れたい野菜の1つです。水分補給
きゅうりは全体の約95%が水分を占めるため、体内の水分補給に優れており、アルコール摂取で失われやすい水分や電解質を補うことで二日酔い対策にも役立ちます。召し上がる際は、包丁で切らず麺棒でたたいて割ると調味料がしみ込みやすくなります。さらに、宮崎県の郷土料理「きゅうりの冷や汁」は、食欲が落ちやすい夏場に冷たい味噌汁として親しまれ、夏の火照りの予防にも最適です。むくみ
きゅうりに多く含まれる カリウムには、体内の余分な塩分(ナトリウム)や水分を排出する働きがあり、むくみの改善に役立ちます。きゅうりに含まれるシトルリン(アミノ酸の一種)は血流改善に関与することが知られており、巡りのサポートとして補助的に働く可能性があります。皮つきのきゅうり1本とパイナップル200g、水200mlをミキサーにかけるだけで作れるスムージーは、カリウムやビタミン類が一緒に摂れるため、すっきりしたい時におすすめの組み合わせです。食欲増進
きゅうりにはウリ科特有の苦味成分 ククルビタシンが含まれますが、これはむしろ摂り過ぎると胃腸への刺激になることがあり、直接的に「食欲増進」をもたらす明確な根拠はありません。一方で、きゅうりの青々とした香りのもとである ノナジエナール などの香気成分には、気分をリフレッシュさせる働きがあり、暑い時期や食欲が落ちやすい場面でもさっぱり食べやすい点が特徴です。そのため、きゅうりは “食欲が低下しやすい時でも食べやすい食材” として、食事量の確保に役立つことがあります。リフレッシュ効果
ノナジエナールはリポキシゲナーゼの作用で生成するきゅうり特有の青臭さを生む香気成分です。さわやかな香りによるリフレッシュ効果が期待できますが、苦手な場合は皮をしま目に剥いたり、塩もみをすることで青臭さやえぐみを和らげることができます。きゅうりの食べ過ぎで現れる症状

下痢
きゅうりは約95%が水分で、冷たい状態で一度に大量に食べると、胃腸が冷えて消化機能が低下し、腹痛や下痢につながることがあります。また、きゅうりには不溶性食物繊維が含まれており、食べ過ぎると腸の動きが活発になってしまい、軟便や下痢を引き起こす場合があります。通常の量であれば問題ありませんが、冷えやすい方や胃腸が弱い方は、常温に近づけて食べる・一度に食べすぎない などの工夫をすると安心です。高カリウム血症
通常では問題はありませんが、腎機能が低下している場合は、カリウムが体内にたまりやすく、高カリウム血症になる恐れがあります。カリウム制限がある場合は、食べ過ぎに注意しかかりつけ医師に相談してから摂取するようにしてください。口腔アレルギー症候群
きゅうりを含むウリ科の食べ物(メロン、すいか、かぼちゃ など)は、花粉に対するアレルギーを持つ方で、交差反応により口腔アレルギー症候群(OAS)を引き起こすことがあります。主な症状は、口の中のかゆみ、唇・舌・喉の違和感や軽い腫れなどです。特に ブタクサ花粉症 を持つ方は反応しやすいとされ、生のまま食べると症状が出る場合があります。加熱したり、漬物のような加工品にするとアレルゲン性が弱まることがあり、症状が軽減することがあります。ただし、症状が強い場合や心配がある場合は、医療機関への相談が安心です。きゅうりを効率的に摂取する方法

下ごしらえのポイント
生で食べる場合は、塩を振って板ずりをすると色が鮮やかになり、とげや渋みが取れて食感も良くなります。酢の物にする際は、立て塩(薄い塩水)につけて余分な水分をほどよく抜くことで味がなじみやすく、よりおいしく仕上がります。咀嚼力や消化機能が低下している高齢の方には、皮を剥くと食べやすくなります。また離乳食にする場合は、月齢に合わせて加熱したりすりおろしたりといった工夫が必要です。ビタミンC保持のポイント
きゅうりには、ビタミンCを分解する酵素(アスコルビナーゼ)が含まれています。熱や酸で働きが弱まりやすいため、塩を振ったり酢やレモン汁を加えることで、ビタミンCの損失を防げます。きゅうり炒めのポイント
【きゅうりと竹輪の炒め物 2人分】 生で食べることが多いきゅうりですが、炒めてもおいしくいただけます。きゅうり2本と竹輪3本を5mmの斜め切りにし、混ぜ過ぎないように油でサッと炒めましょう。歯ごたえを残すため、炒め過ぎないことがポイントです。味付けは、和風だしの素小さじ1と塩・こしょうで整えます。加熱時間が長すぎるとカリウムやビタミンCなどの水溶性栄養素が減少するため、他の具材と合わせる場合はきゅうりを最後に加えると栄養と食感を維持しやすくなります。きゅうりの保存方法と期間

保存方法
きゅうりは乾燥に弱く、水分が失われるとハリがなくなり、ビタミンCも減少しやすくなります。また、5℃以下の環境では低温障害を起こしやすく、食味の劣化につながるため、温度管理が重要です。保存に適した温度は 10〜15℃ 前後とされ、なるべく冷やしすぎない環境で、適度な湿度を保ちながら 保存するのがポイントです。家庭では、軽く水気をふき取り、キッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存すると鮮度が保ちやすくなります。保存期間
きゅうりの水気をしっかり拭き取り、乾燥を防ぐためにポリ袋に入れましょう。密封はせず、冷蔵庫の野菜室にへたを上にして立てて保存すると、4〜5日ほど鮮度を保つことができます。冬場は冷蔵庫よりも風通しの良い冷暗所の方が日持ちしやすく、みずみずしい食感を維持できます。「きゅうりの食べ過ぎ」についてよくある質問

ここまできゅうりの食べ過ぎについて紹介しました。ここでは「きゅうりの食べ過ぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
きゅうりは1日何本まで食べて良いでしょうか?
田中 純子
きゅうりは1本あたり約100g・13kcalと、とても低エネルギーの野菜で、摂取量の上限は特にありません。2023年の国民健康・栄養調査では、日本人の1日の野菜摂取量の平均は256gと、健康日本21(第三次)が目標としている350gにはまだ届いていません。きゅうりも含め、さまざまな野菜と組み合わせながら、1日350gを目安に摂るように心がけましょう。
きゅうりを毎日食べるとどのような効果があるでしょうか?
田中 純子
きゅうりには水分とカリウムが豊富に含まれており、体内の余分な水分やナトリウムの排出を助けるため、むくみ予防に役立ちます。 さっぱりと食べやすいので、暑い季節や食欲が落ちやすい時期の水分補給にも適しています。また、きゅうりを ぬか漬け にすると、ぬか床に含まれる乳酸菌が加わるほか、ビタミンB群が増える傾向があり、腸内環境のサポートや栄養価の向上 が期待できます。ぬか漬けは生のきゅうりにはない深い旨みがあり、日々の食事にも取り入れやすい食べ方の一つです。
まとめ
日本ではサラダや酢の物、漬け物など生で食べることが好まれますが、世界ではさまざまな料理にきゅうりが活用されています。スペインの冷製スープ「ガスパチョ」やブルガリアのきゅうりとヨーグルトの伝統料理「タラトール」などもあります。さまざまな料理にチャレンジすることで、水分やカリウム、ビタミン類をおいしく摂取しながら、食卓で新しい味わいや食感を楽しんでみてはいかがでしょうか。「きゅうり」と関連する病気
「きゅうり」と関連する病気は3個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。「きゅうり」と関連する症状
「きゅうり」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。関連する症状
- むくみ
- 下痢
- 腹痛
- 冷え




