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「トマトの食べ過ぎる」と何のリスクが高まるかご存知ですか?管理栄養士が解説!

 公開日:2025/10/24
「トマトの食べ過ぎる」と何のリスクが高まるかご存知ですか?管理栄養士が解説!

トマトを食べ過ぎると現れる症状?メディカルドック監修医がトマトの効果・効率的な摂取方法などを解説します。

都々地尾 ゆき

監修管理栄養士
都々地尾 ゆき(管理栄養士)

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介護老人保健施設で給食管理や栄養管理業務等、約10年間従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は同施設で栄養ケアマネジメント業務やおやつレクを担当しています。日々の食事を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。

「トマト」とは?

「トマト」とは?

トマトは南米・アンデス地方原産のナス科ナス属に属する野菜で、鮮やかな赤色が特徴です。形や大きさ、色のバリエーションが豊富で、世界では1万種以上が栽培されているといわれています。日本ではサラダなどで生食されることが多く、日常的に食卓に登場する野菜のひとつです。 トマトは一般的に緑黄色野菜に分類されています。厚生労働省の基準では、可食部100gあたりのβ-カロテン含有量が600μg以上のものを緑黄色野菜としていますが、トマトのβ-カロテン含有量はこの基準をやや下回ります。ただし、日常的に食べる機会が多いことから、実用上「緑黄色野菜」として扱われています。

トマトをどのくらい食べると体に悪影響?

トマトをどのくらい食べると体に悪影響?

今の段階では、からだに悪影響が出るトマトの摂取量は、明確には定められていません。厚生労働省では、1日の野菜摂取目標量を350gと定めており、そのうち、トマトを含む緑黄色野菜の摂取目標量を120gとしています。これは中玉トマトで1〜2個、ミニトマトでは10〜15個程度の量になります。 トマトに限らず、食べ過ぎないことが大切です。毎日たくさん食べるのではなく、適量を継続して摂ることをおすすめします。

トマトを食べ過ぎると現れる症状

トマトを食べ過ぎると現れる症状

体を冷やす

トマトは冷やして食べることが多いため、胃腸の弱い方が大量に摂取すると一時的にお腹が冷えて不調を感じることがあります。症状が出た際は、体を温め安静にすると改善されます。改善が見られない場合は、内科を受診してください。

消化不良

トマトの皮には食物繊維が含まれているので、胃腸の弱い方や胃もたれしやすい方は特に注意が必要です。また、熟していないトマトにはトマチンという成分が含まれ、胃腸に刺激を与える可能性があります。十分に赤く熟したトマトを食べるのがおすすめです。症状が出た場合は、摂取を控え安静にすると良いでしょう。長く続く場合は、内科を受診すると良いでしょう。

皮膚の黄色化

トマトにはβ-カロテンが含まれていますが、含有量は比較的少ないため、トマトだけを食べ過ぎて皮膚が黄色くなることはほとんどありません。 ただし、にんじんやみかんなど、β-カロテンを多く含む食品を大量に摂取し続けると、「柑皮症(かんぴしょう)」と呼ばれる、手のひらや足の裏が黄色くなる症状が現れることがあります。これは一時的なもので、摂取を控えれば自然に改善します。 数日経っても色が戻らない場合や、他の症状を伴う場合は、念のため皮膚科を受診してください。

まれにアレルギーに似た症状が出ることがある

トマトに含まれるアセチルコリンという物質が原因で、まれに体に痒みや蕁麻疹などの症状が出ることが報告されています。食物アレルギーとは異なり、毎回症状が出るわけではあり

結石のリスク

トマトにもごくわずかにシュウ酸が含まれていますが、その量は少なく、通常の食事量で尿路結石のリスクが高まることはほとんどありません。むしろトマトには水分やカリウム、抗酸化成分が豊富に含まれており、バランスの取れた食生活の一部として摂取することで健康維持に役立ちます。過去に尿路結石を経験した方は、水分をしっかり摂ることを意識しつつ、過度な偏食を避けるようにしましょう。症状が現れた場合は、早めに泌尿器科を受診してください。

トマトの効果

トマトの効果

血糖値の上昇を抑える

トマトは、野菜の中でも糖質が比較的少なく、血糖値を上げにくい低GI食品とされています。低GI食品は、食後の血糖値上昇を緩やかにするため、2型糖尿病の血糖コントロールにも有用と考えられています。なお、フルーツトマトは通常のトマトより糖度がやや高いものの、適量であれば糖尿病の方でも安心して食べられます。

がんのリスクの低下

トマトに含まれる栄養素には、抗酸化作用を持つものが多く含まれています。抗酸化作用には、体内で発生する活性酸素によるダメージから細胞を保護する働きがあります。活性酸素は動脈硬化を引き起こす物質を作りだし、増加することでがんの発生リスクが高まります。トマトに含まれるリコピンには、強い抗酸化作用があるため、がんの発症リスクを低減するという研究結果もあります。

コレステロール値の改善に関与

リコピンの継続的な摂取により、コレステロール値の改善に効果があると期待されています。総コレステロールとトリグリセリド値を低下させ、HDLコレステロールを増加させるという研究結果があります。

脳卒中のリスクを低減

トマトに豊富に含まれるリコピンには、脳卒中のリスクを低減することにも関与していると言われています。野菜を多く摂取、特にトマトやトマトベースの食品をよく食べていると、血中のリコピン濃度が上昇し、脳卒中のリスクが低減したという研究結果が示されています。

肌の健康を保つ

トマトには抗酸化作用があるビタミンが多く含まれています。リコピンやビタミンCは、抗酸化物質として働き、酸化ストレスを防ぎ細胞を保護するのを助けます。コラーゲンの生成や鉄分の吸収を高め、肌の健康維持に役立ちます。

トマトを効率よく摂取する方法

トマトを効率よく摂取する方法

トマトを多く含む食品の摂取

トマトを多く含む食品には、トマトジュース、トマトの缶詰、トマトケチャップなどがあります。トマトを効率よく摂取する方法として、毎日コップ1杯のトマトジュースを飲んだり、トマトの缶詰を使用しスープにしたりすると、手軽にトマトを摂取することができます。また、オイルと一緒に加熱することでよりトマトに含まれる栄養素が効果的に摂取できます。ただし、トマトケチャップには砂糖や食塩も使用されているものが多いため、トマトケチャップの使い過ぎには注意が必要です。

トマトと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

トマトに含まれるリコピンやβーカロテンは、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。カルシウムを含むチーズと一緒にカプレーゼにしたり、サラダにしたりするのがおすすめです。また、加熱調理することでより効果的に摂取できるため、油で炒めたり煮詰めたり、スープにするのも良いでしょう。

トマトの効果を高める摂取タイミング

トマトに含まれるリコピンやβ-カロテンは、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。摂取時間については明確な定説はありませんが、食事と一緒に摂ることで吸収が良くなると考えられています。特に朝食や昼食など、油を使った料理と組み合わせるのがおすすめです。 毎朝コップ1杯のトマトジュースを飲むのも手軽な方法ですが、空腹時よりも食後に摂取するほうが胃腸への負担が少なく、栄養吸収の効率も良いとされています。 胃腸が弱い方や胃もたれしやすい方は、皮や種の多い部分を避け、無理のない範囲で継続的に取り入れるようにしましょう。

「トマトの食べ過ぎ」についてよくある質問

「トマトの食べ過ぎ」についてよくある質問

ここまでトマトの食べ過ぎについて紹介しました。ここでは「トマトの食べ過ぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

トマトは一日に何個食べてもいいのでしょうか?

都々地尾ゆき width=都々地尾 ゆき

トマトの1日摂取量は明確に定められていませんが、健康な人であれば、大体、中玉トマトで1~2個、ミニトマトで10~15個くらいが適量と推奨されています。

トマトを食べ過ぎると便にどのような特徴が現れますか?

都々地尾ゆき width=都々地尾 ゆき

トマトにはペクチンという水溶性食物繊維が含まれているため、便秘の改善に効果がありますが、食べ過ぎた場合、下痢や水様便のような状態になる可能性があります。また、消化しにくい皮が多く含まれた便が出ることもあります。

まとめ

トマトは抗酸化作用を持つ栄養素を豊富に含んでいるため、様々な健康効果があるとされています。今はまだ、明確な研究結果がない部分もありますが、生活習慣病の予防に役立つ効果が期待されています。ただし、トマトを含む食品には、食塩や砂糖も含まれているので、摂り過ぎにも注意が必要です。バランスの良い食生活の一助として、毎日継続的に摂取することを心掛けて下さい。

「トマト」と関連する病気

「トマト」と関連する病気は6個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

免疫系の病気

  • 悪性腫瘍

内分泌系の病気

婦人科の病気

「トマト」と関連する症状

「トマト」と関連している、似ている症状は12個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

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  • 肌荒れ
  • くすみ
  • 血糖値の上昇を抑える
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  • 仮性アレルギー
  • コレステロール改善

この記事の監修管理栄養士