「ビタミンBの多い飲み物」とは?不足すると現れる症状について管理栄養士が解説!
公開日:2025/09/09

ビタミンBの多い飲み物とは?一日の摂取量・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法について管理栄養士が徹底解説!

監修管理栄養士:
鈴木 友美(管理栄養士)
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現在、子育てをしながら在宅での仕事や活動に力を入れています。
健診センターでの特定保健指導・栄養相談の経験を生かして、より多くの方々の健康をサポートできるように知識を深めています。
健診センターでの特定保健指導・栄養相談の経験を生かして、より多くの方々の健康をサポートできるように知識を深めています。
目次 -INDEX-
「ビタミンB」とは?

ビタミンBの一日の摂取量

ビタミンB1(推奨量)
成人男性(18~64歳):1.1~1.2mg/日
成人女性(18~64歳):0.8~0.9mg/日
ビタミンB2(推奨量)
成人男性(18~64歳):1.6~1.7mg/日
成人女性(18~64歳):1.2mg/日
ナイアシン(推奨量)
成人男性(18~64歳):15~16mgNE/日
成人女性(18~64歳):11~12mgNE/日
ビタミンB6(推奨量)
成人男性(18~64歳):1.5mg/日
成人女性(18~64歳):1.2mg/日
ビタミンB12(目安量)
成人男性(18~64歳):4.0㎍/日
成人女性(18~64歳):4.0㎍/日
葉酸(推奨量)
成人男性(18~64歳):240㎍/日
成人女性(18~64歳):240㎍/日
パントテン酸(目安量)
成人男性(18~64歳):6mg/日
成人女性(18~64歳):5mg/日
ビオチン(目安量)
成人男性(18~64歳):50㎍/日
成人女性(18~64歳):50㎍/日
ビタミンBの多い飲み物

栄養ドリンク
ビタミンBは、体内で効率よくエネルギーを作るために欠かせない栄養素です。 特にビタミンB1は、代謝をサポートする働きがあるため、運動の前後などに摂取することで疲労回復効果や、集中力をサポートする効果が期待できます。 商品によっては、糖分が多いものやカフェインが含まれているものがあるため、一度に過剰摂取しないように注意が必要です。 栄養ドリンクはあくまで補助的なものですので、食事や睡眠など日々の生活習慣を整えたうえで、不足しがちな栄養を補う手段として活用しましょう。牛乳
牛乳は、主に舌や唇、皮膚、目の健康を保つ働きをするビタミンB2や、赤血球の生成(造血)に重要な役割を担っているビタミンB12が豊富に含まれています。 そのほかにも、牛乳にはリラックスを促す成分やパントテン酸が含まれており、毎朝、牛乳を習慣的に飲むことで、睡眠の質が改善される可能性があります。 睡眠中には成長ホルモンの分泌が活発になるため、夜に牛乳を飲むと、牛乳に含まれるたんぱく質やカルシウムが骨など骨格の形成をサポートしてくれます。無調整豆乳
大豆を原料とした豆乳には、良質なたんぱく質やイソフラボンが含まれているほかに、ビタミンB群(B1、B2、B6)、葉酸などが含まれており、エネルギー代謝促進、細胞の修復や肌荒れ・口内炎・目の疲れ予防などに効果が期待されます。 飲み方としては、そのまま飲むのはもちろん、バナナやきなこを加えた豆乳スムージー、カフェ風に楽しむソイラテ、またはスープやお味噌汁に加えるなどのアレンジが楽しめます。野菜ジュース
野菜ジュースの原料となるにんじんや、トマト、ほうれん草などの緑黄色野菜にはビタミンB群(B1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、葉酸)が含まれています。加工時にビタミンが失われていることもあるため、野菜ジュースを選ぶ際には無添加のものや、低糖質のもの、野菜の含有量が高いものを選ぶようにしましょう。また、自宅で作るフレッシュジュースもおすすめです。甘酒
甘酒には、ビタミンB1、B2、B6が多く含まれていて、疲労回復効果や皮膚を健やかに保つ働きがあります。 特にビタミンB2は、不足すると肌荒れにつながるため、健康的な美肌を保つために欠かせません。 甘酒には、糖質も比較的多く含まれるので、1日100〜150ml程度を目安に飲むようにしましょう。 飲むだけでなく、ヨーグルトに混ぜたり、調味料代わりに料理に活用することで栄養と自然な甘さを一緒に取り入れることができます。ビタミンBが不足すると現れる症状

疲労感、だるさ
代謝のサポートをしているビタミンB群(特にビタミンB1やビタミンB2)が不足すると、疲労感やだるさを感じやすくなります。 軽度の症状であれば、ビタミンB群を多く含む食材(豚肉、卵、納豆、緑黄色野菜、豆類など)を積極的に摂取することが基本です。 規則正しい生活習慣と十分な休養を心がけながら、市販のビタミンB群サプリメントを利用するのも効果的です。口内炎、口角炎
粘膜の新陳代謝を助け、正常な状態を保つ作用のあるビタミンB2やビタミンB6が不足すると起こりやすくなります。 ビタミンB2を多く含む食べ物(牛・豚・鶏のレバー、納豆、チーズなどの乳製品類)や、ビタミンB6を多く含む食べ物(まぐろ、かつお、ブロッコリー、バナナなど)を意識して摂るようにしましょう。代謝異常
ビタミンB群はお互いに補完しあう性質があるため、どれかが不足すると代謝機能全体に影響を与えることがあります。 糖質や、脂質、たんぱく質といった三大栄養素のエネルギー産生のサポートをする補酵素としての役割のほか、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、B12は、細胞の再生、神経の伝達、血液の生成などにも関わっています。ビタミンBを過剰摂取すると現れる症状

神経障害
ビタミンB群は水溶性ビタミンのため、通常であれば過剰に摂取したものは、尿中に排泄されるため過剰摂取による健康被害は起こりにくいとされています。 しかし、ビタミンB6や葉酸の場合には、手足のしびれや感覚が鈍くなるなどの末梢神経障害をひき起こすことがあるという報告があります。皮膚の異常
普段の食事ではとり過ぎる心配はありませんが、サプリメント等からのナイアシンの過剰摂取によって皮膚が赤くなることがあります。 ナイアシンは、1型糖尿病や脂質異常症の治療薬として使われることもあるので、治療薬を服用している人は過剰摂取にならないよう注意が必要です。腎障害
ビタミンB6、ナイアシンの過剰摂取は、まれに腎臓に負担をかけ、機能低下を招くことがあります。ビタミンBの効率的な摂取方法

アリシンが含まれている食品と一緒に摂る
にんにくや玉ねぎ、にら、長ネギなどに多く含まれているアリシンを一緒に摂ることで、ビタミンB1の吸収が高まります。 ビタミンB1が豊富な豚肉と、玉ねぎを炒めたメニューは効率よく摂取できるのでおすすめです。スープなど汁ごと摂れるメニューにする
ビタミンB1は水に溶けやすく、調理の過程で煮汁などに流れ出やすい性質があります。 スープや煮込み料理のように「汁ごと食べられるメニュー」にすることで、流出したビタミンB1も余すことなく摂取できます。こまめに摂取する
ビタミンB群は水溶性ビタミンで、体に蓄えておくことができず、余分に摂った分は尿と一緒に排出されてしまいます。 そのため、一度にたくさん摂るよりも、1日数回に分けてこまめに摂取することが効率的です。「ビタミンBの多い飲み物」についてよくある質問

ここまでビタミンBの多い飲み物などを紹介しました。ここでは「ビタミンBの多い飲み物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
ビタミンBを多く含む飲み物を毎日飲んでも大丈夫なのでしょうか?
鈴木 友美
基本的に、ビタミンB群は水溶性で体に蓄積されにくく、余分な分は尿として排出されるため、毎日飲んでも問題ありません。特に疲労感がある方やストレスの多い方、運動量が多い方は、積極的に取り入れることで代謝をサポートできます。ただし、腎疾患や肝疾患がある方、妊娠中の方は過剰に摂取することで負担がかかる場合があるため注意が必要です。
まとめ
ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経の働きを支える重要な栄養素であり、水に溶けやすく体に蓄積されにくいため、こまめな補給が必要です。コンビニやスーパーなどで手に入り、手軽に補うことができます。特に、疲労回復やストレス対策、集中力アップを意識する方にとっては、ビタミンB群を含むドリンクを取り入れることは効果的といえます。ただし、腎機能や肝機能に不安がある方、妊娠中の方、サプリとの併用をしている方は、摂取量に注意し、必要に応じて医師に相談することが大切です。バランスの良い食事を基本にし、飲み物は補助的に活用することをおすすめします。「ビタミンB」と関連する病気
「ビタミンB」と関連する病気は9個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。耳鼻咽喉科の病気
- 口角炎
- 口内炎
皮膚科の病気
- 胎児の神経管閉鎖障害
神経内科の病気
- 神経障害
- ウェルニッケ脳症
「ビタミンB」と関連する症状
「ビタミンB」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。関連する症状
- 疲労感
- だるさ
- 手足のしびれ
- 集中力の低下