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「ビタミンDを摂りすぎる」と現れる症状はご存知ですか?管理栄養士が解説!

 公開日:2025/06/19
「ビタミンDを摂りすぎる」と現れる症状はご存知ですか?管理栄養士が解説!

ビタミンDを摂りすぎるとどうなる?Medical DOC監修医がビタミンDの一日の摂取量・毎日ビタミンDを5000IU摂取するとどうなるか・効果・摂りすぎると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

鈴木 友美

監修管理栄養士
鈴木 友美(管理栄養士)

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現在、子育てをしながら在宅での仕事や活動に力を入れています。
健診センターでの特定保健指導・栄養相談の経験を生かして、より多くの方々の健康をサポートできるように知識を深めています。

「ビタミンD」とは?

「ビタミンD」とは?

ビタミンDは、油に溶ける性質を持つ脂溶性ビタミンで、腸管からのカルシウムの吸収を助け骨の形成に関わっている栄養素です。
そのほかD筋肉の合成を促進する作用や免疫力向上やアレルギー症状を改善する働きなどが報告されています。
ビタミンDは、主にきのこに含まれているビタミン2(エルゴカルシフェロール)と、魚類に含まれるビタミンD3(コレカルシフェロール)に分類されます。
また、日光に含まれる紫外線が皮膚に当たることでも産生される特徴があります。

ビタミンDの一日の摂取量

ビタミンDの一日の摂取量

・目安量について
成人(18歳以上の男女):9.0 µg/日
授乳婦・妊婦:9.0 µg/日

毎日ビタミンDを5000IU摂取するとどうなる?

毎日ビタミンDを5000IU摂取するとどうなる?

日本人の食事摂取基準2025では、成人の耐容上限量を100㎍/日(4000IU)としています。
1㎍=40IU(IU:国際単位)なので、5000IUを㎍に換算すると125㎍/日となり、耐容上限量(100㎍/日)を超えるため過剰摂取に該当する可能性があります。多量のビタミンDを毎日摂取し続けることで、「高カルシウム血症」、「腎障害」、「軟組織の石灰化障害」などが起こる危険性があるため注意が必要です。

ビタミンDの効果

ビタミンDの効果

骨形成・成長促進

ビタミンDは、小腸や腎臓でのカルシウムやリンの吸収を高める働きがあります。
カルシウムやリンの吸収が高まることで、骨や歯の生成を促します。

免疫力の調整

ビタミンDは、体内に侵入した細菌やウイルスを食べて消化し、死滅させる役割をしているマクロファージを活性化する働きがあります。
免疫細胞を活性化させたり、過剰反応を抑えたりする働きをもっているという報告があります。

精神のバランスを整える

ビタミンDは、脳の機能のために大切な栄養素で、不足するとうつ病のリスクが増加すると言われています。ビタミンDは、脳内機能の維持に関与し、セロトニンやドパミン、ノルアドレナリンの働きに影響を与えることで、精神の安定に役立つ可能性があるという報告があります。

ビタミンDを摂りすぎると現れる症状

ビタミンDを摂りすぎると現れる症状

高カルシウム血症

ビタミンDを過剰に摂取すると、腸管からのカルシウム吸収が促進され、血清中のカルシウム濃度が異常に高くなる「高カルシウム血症」を引き起こすことがあります。この状態では、消化器症状(嘔吐や食欲不振)、喉の渇き、多尿が現れるほか、重症化すると錯覚や昏睡に至ることもあります。また、カルシウムが血管壁や腎臓などの軟組織に沈着することで、さらなる健康被害を引き起こします。

腎機能障害

ビタミンDは脂溶性ビタミンであるため、過剰に摂取すると体内に蓄積されます。その結果、血管壁や腎臓、心筋にカルシウムが沈着し、動脈硬化や腎結石、腎機能障害を引き起こす可能性があります。特に長期間にわたる過剰摂取は、腎臓に大きな負担を与えるため注意が必要です。

【妊娠中】ビタミンDを摂りすぎると現れる症状

【妊娠中】ビタミンDを摂りすぎると現れる症状

ホルモンバランスの乱れ

ビタミンDは、ホルモンバランスに関与しているため、過剰摂取によってホルモンバランスが乱れる可能性があります。毎日ビタミンDを含むサプリメントを摂取している場合、過剰摂取が胎児への影響を及ぼす可能性もあるため、かかりつけの医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

高カルシウム血症

ビタミンDを過剰に摂取すると、カルシウムの吸収が亢進され血液中のカルシウム濃度が上昇し、体内のカルシウムバランスが崩れる可能性があります。
症状としては、消化器系の不快感や頻尿、脱力感、骨や筋肉の痛みなどがあります。
長期間にわたって高カルシウム血症が続くと、腎臓結石や骨粗しょう症などの合併症が生じる可能性もあります。

ビタミンDを効率よく摂取する方法

ビタミンDを効率よく摂取する方法

ビタミンDを多く含む食品の摂取

ビタミンDを多く含む食品は、以下の通りです。
〇動物性食品…鮭、イワシ、サバ、さんまなどの魚介類
缶詰を使うと、骨や煮汁など魚に含まれている栄養素を残さず手軽に摂取することができるのでおすすめです。

〇植物性食品…干しシイタケ、干しきくらげ、まいたけなどのキノコ類
乾燥している干しシイタケや干しきくらげは、日持ちもするので買い置きしておくと便利です。

ビタミンDと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、炒め物や揚げ物のように油を使った調理法を用いると吸収率がよくなります。
オイル入りのドレッシングや、マヨネーズなど油分を含む調味料をかけて食べるのもよいですね。

また、ビタミンDはカルシウムの吸収率も上げるので牛乳やチーズなどの乳製品と一緒に摂取するのがおすすめです。

ビタミンDの効果を高める摂取タイミング

サプリメントを摂取する際は、空腹時や食後2時間以上経過した食間では吸収率が低下することがあります。油を使用した料理を食べている最中や食後すぐに摂取すると、脂溶性ビタミンであるビタミンDの吸収率が高まるためおすすめです。

「ビタミンDの摂りすぎ」についてよくある質問

「ビタミンDの摂りすぎ」についてよくある質問

ここまでビタミンDの摂りすぎについて紹介しました。ここでは「ビタミンDの摂りすぎ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ビタミンDサプリは体に悪いのでしょうか?

鈴木 友美鈴木 友美 医師

ビタミンDは、身体の健康を維持するうえで重要な栄養素ではありますが、脂溶性ビタミンの為、体内に蓄積されてしまいます。ビタミンDのサプリメントを過剰に摂取することによって、身体に負担がかかり症状が出る場合があるので注意が必要です。

ビタミンDを摂りすぎてしまったら、どのように対処したらよいでしょうか?

鈴木 友美鈴木 友美 医師

速やかにサプリメントの摂取を中止し、早めに医療機関を受診しましょう。専門家の指導を受け、血液検査でビタミンDやカルシウムの状況を確認してもらうのがよいですね。

編集部まとめ

ビタミンDは、油に溶ける性質を持つ脂溶性ビタミンで、腸管からのカルシウムの吸収を助け骨の形成に関わっている栄養素です。
そのほかにも、筋肉の合成を促進する作用や免疫力向上やアレルギー症状を改善する働きなどが報告されています。
ビタミンDは、妊娠しやすい体内環境を整える働きが報告されているため妊活中の方にとって大切な栄養素です。
しかし、妊活中にビタミンDを過剰に摂取すると、ホルモンバランスに影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

「ビタミンD」に関連する病気

「ビタミンD」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気

「ビタミンD」に関連する症状

「ビタミンD」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 多尿
  • 不整脈
  • 悪心

この記事の監修管理栄養士