「ビタミンDは肌に何の効果」がある?不足すると現れる症状についても解説!

ビタミンDの効果とは?Medical DOC監修医がビタミンDの男女別の効果・一日の摂取量・肌やサプリ・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・多く含む食品・効果的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
落合 晴美(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「ビタミンD」とは?

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムの吸収を促進し、骨や歯の形成を助ける重要な栄養素です。また、近年の研究では、免疫機能の調整、心血管系の健康維持、さらには特定のがんリスクの低減にも関与する可能性があると注目されています。
ビタミンDの一日の摂取量

日本人の食事摂取基準(2025年版)では1日の摂取の目安量が、18歳以上の男女ともに9.0㎍、耐用上限量が100㎍と設定されています。
【男性】ビタミンDの効果

筋肥大
筋量の維持や増加、損傷した筋肉の修復に重要な役割を果たすと言われています。具体的には、たんぱく質の筋肉内への取り込みをサポートし、筋肥大に貢献していると考えられます。
糖尿病リスクの軽減
カルシウムが不足すると、体内でのインスリン分泌が影響を受ける可能性があります。ビタミンDはカルシウムの吸収と利用を助けるため、これらをバランスよく摂取することで、糖代謝の改善や糖尿病リスクの軽減が期待できます。
免疫機能の強化
免疫細胞であるマクロファージを活性化し、免疫機能を高める役割があります。これにより、免疫細胞がウイルスを効果的に排除し、感染症にかかりにくくなります。
【女性】ビタミンDの効果

たるみ予防
顔の骨量や骨密度は、足腰に比べて低下しやすいと言われています。骨密度が低下すると、顔の骨が徐々に萎縮し、顔の輪郭が変化することがあります。この変化により、皮膚と頭蓋骨をつなぐ靭帯が緩み、皮下脂肪や皮膚の支えが弱まることで、たるみが生じやすくなります。ビタミンDは骨密度の維持に役立つため、健康な骨を保つことで、顔のたるみを予防する可能性があります。美しい骨格の維持には、ビタミンDを含む栄養バランスの良い食事と日光浴が大切です。
気分の改善
セロトニンは、気分の安定やうつ症状の軽減に関与していることが知られています。ビタミンDは、脳内でのセロトニンの生成を助ける可能性があるとされています。ビタミンDは日光浴により皮膚で生成され、セロトニンの増加にもつながることがあります。そのため、気分の改善には適度な日光浴が推奨されます。
妊娠~出産
ビタミンDは、着床や妊娠の維持、出生の過程において重要な役割を果たす可能性があると報告されています。また、ビタミンDの不足が流産リスクに関連する場合があることも指摘されています。
ビタミンDは肌にどんな効果をもたらす?

ビタミンDは、肌の細胞に働きかけ、皮膚のバリア機能を整えることで知られています。これにより、外部からの刺激や乾燥を防ぎ、肌のうるおいを保つ効果が期待できます。また、ビタミンDは間接的に肌の健康をサポートし、健やかな肌の維持に役立つ可能性があります。
ビタミンDサプリは体にどんな効果をもたらす?

魚やきのこの摂取量や、紫外線を浴びる時間が少ない方は、ビタミンDが不足しやすくなります。忙しい日常でも効率的にビタミンDを摂取するには、サプリが有効です。ただし、過剰摂取に注意が必要です。
ビタミンDが不足すると現れる症状

腰痛
ビタミンD不足は骨密度の低下を招き、骨粗鬆症のリスクを高めることがあります。骨粗鬆症は、骨がもろくなり、軽い転倒や些細な動作でも骨折しやすくなる病気です。また、腰痛は骨密度低下の初期症状の一つとして現れることがあり、骨粗鬆症の診断につながる場合もあります。
左右に揺れながら歩く
くる病は、骨が変形し、痛みが現れる病気です。ビタミンDの不足は歩き始めの時期に左右に揺れながら歩くなどの症状が現れます。極端な外出制限や日焼け止めの塗りすぎには気をつけましょう。
けいれん
低カルシウム血症は、カルシウム濃度が正常範囲を下回る状態です。についての文章です。初期症状として、しびれやチクチク感、筋肉のけいれん、筋力低下、さらには全身のけいれん発作がみられることもあります。
カルシウムは、筋肉の収縮や神経伝達、血液凝固など、生命維持に欠かせない働きも担っています。
ビタミンDを過剰摂取すると現れる症状

喉の渇き
高カルシウム血症は、カルシウム濃度が非常に高い状態です。
初期症状は便秘、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲不振など、尿量の増加による脱水や激しい喉の渇きが現れます。
むくみ
長期的に過剰摂取すると、腎臓が永続的な損傷を受けて機能不全に陥り、腎不全になる場合もあります。むくみ(浮腫)、食欲低下、全身倦怠感などが起こります。
嘔吐、食欲不振
長期的に過剰摂取すると、血中のカルシウム濃度を上げ、筋肉や臓器などの石灰化が見られることがあります。嘔吐や食欲不振、体重減少など。
ビタミンDを多く含む食品

魚介類
サケ、サンマ、うなぎ、いわし、しらす干しなど、魚介類に多く含まれています。
ビタミンDは水に溶けにくく熱にも強いので、加熱調理をしてもほとんど失われません。
煮る、焼く、揚げるといった調理法はもちろん、お刺身や缶詰など、さまざまな方法でたくさん食べましょう。
きのこ類
きのこは、生よりも乾物がおすすめです。天日で干すことによって量が増加します。特に乾燥キクラゲは豊富です。油と一緒に摂ると吸収率が上がりますので、炒めたり揚げたりの調理方法がおすすめです。
卵
ビタミンDは卵黄に多く含まれていますが、卵白にはほとんど含まれていません。ただし、卵白には良質なたんぱく質が含まれており、卵黄と卵白を一緒に摂取することで、バランスの取れた栄養摂取ができます。
魚肝油
戦後、子どものビタミンD補給のため、肝油ドロップが親しまれてきました。魚が苦手でも食べやすい手軽さがあります。食べ過ぎには注意しましょう。
強化乳製品
ビタミンDがカルシウムの吸収率を高めるため、ビタミンDが強化されている牛乳やヨーグルトなどの乳製品があります。
ビタミンDの効果的な摂取方法

ビタミンDを多く含む食品の摂取
<魚介類>
- しらす干し
- ぎんざけ
- べにざけ
- さんま
- しまあじ
- まだい
- ほっけ
<卵>
- 鶏卵
<きのこ>
- えのきたけ
- しいたけ
- まいたけ
- ぶなしめじ
- きくらげ
ビタミンDと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
■カルシウム・・・ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける。
乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)や緑黄色野菜(ブロッコリー、ケール)
■マグネシウム・・・ビタミンDの代謝に関与する。
ナッツ(アーモンド、カシューナッツ)、全粒穀物(雑穀米、玄米)、豆類など
■ビタミンK・・・カルシウムの利用を助けるため、ビタミンDと一緒に摂ると効果的。
緑葉野菜(ほうれん草、ケール)や発酵食品(納豆)
■亜鉛・・・免疫機能があり、ビタミンDの効果をサポートする。
亜鉛を含む食品(肉類、シーフード、ナッツ)
■オメガ-3脂肪酸・・・抗炎症作用があり、ビタミンDの効果をサポートする。
魚(サーモン、マグロ)や亜麻仁油、チアシードなど
ビタミンDの効果を高める摂取タイミング
食事やおやつを摂る際、脂質を含む食品と一緒に食べるのがよいです。しかし、脂質を多く含む食事は、夕食よりも、朝食や昼食がおすすめです。また、紫外線は、手のひらだけでも生成されると言われています。季節に応じて、15〜30分程度の日光浴をしましょう。
「ビタミンDの効果」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ビタミンDの効果」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
ビタミンDの摂取は体の何に効きますか?
落合 晴美
ビタミンDは体のさまざまな細胞に良い影響を与えます。たとえば、免疫系の細胞や皮膚の細胞、さらには筋肉や腸の細胞の働きをサポートし、これらの細胞の成長や分化を助けることがわかっています。最近の研究では、骨の健康だけでなく、心臓や免疫の健康にも関わっていることが報告されています。
ビタミンDは毎日摂取した方がいいのでしょうか?
落合 晴美
はい、毎日摂取した方がいいでしょう。ビタミンDは、食事だけでなく、紫外線の影響で皮膚でも生成されます。しかし、その量は地域や季節、屋外活動量、日焼け対策により左右されます。日光が十分に当たらない地域や日照時間が短い時期には、食事からの摂取が特に重要です。食事から十分に摂取が出来ない場合は、サプリなども活用しましょう。
まとめ
ビタミンDは、私たちの体にとって欠かせない非常に重要な栄養素です。しかし、現代社会では多くの人々がビタミンD不足に陥っていると指摘されています。ビタミンDを十分に摂取するためには、バランスの取れた食事と適度な日光浴、必要に応じたサプリメントの利用が大切です。健康を維持し、長期的な疾病リスクを抑えるためにも、日常的にビタミンDの摂取を意識しましょう。
「ビタミンD」と関連する病気
「ビタミンD」と関連する病気は7個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
内分泌科の病気
- 骨軟化症(くる病)
- 低カルシウム血症
- 高カルシウム血症
整形外科の病気
糖尿内科の病気
腎臓内科の病気
- 腎障害
精神科/心療内科の病気
「ビタミンD」と関連する症状
「ビタミンD」と関連している、似ている症状は12個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。




