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「コラーゲンを過剰摂取すると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士監修】

 公開日:2025/03/03
「コラーゲンを過剰摂取すると現れる症状」はご存知ですか?【管理栄養士監修】

コラーゲンの副作用とは?Medical DOC監修医がコラーゲンを過剰摂取すると現れる症状・一日の摂取量・効果・多く含む食品・効率的な摂取方法などを解説します。

丸山 聡子

監修管理栄養士
丸山 聡子(管理栄養士)

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短大卒業後、栄養士資格を取得し、都市ガス会社で事務職を経験。その後、特別養護老人ホームで10年以上、管理栄養士の指導の下、給食管理や栄養管理を経験。管理栄養士国家試験に合格後、老健施設2施設で栄養科マネジメントを担い、介護報酬算定の実績向上など、栄養科の業務改善、後輩育成に取り組む。得意分野は高齢者の栄養や食事アセスメント。

「コラーゲン」とは?

「コラーゲン」とは?

コラーゲンは体内で合成されるたんぱく質の一種で、人体の総たんぱく質の約30%を占めます。ほとんどが血管の壁や筋肉の膜、腱などの結合組織に存在し、強度と弾力を保つための成分として役割を果たしています。

コラーゲンの一日の摂取量

コラーゲンの一日の摂取量

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2025年版)』において、コラーゲンに関する明確な基準はありません。一般的なコラーゲンの効果的な摂取量については、研究や製品によって推奨量が異なりますが、1日あたり5〜10g程度が目安とされています。

コラーゲンの効果

コラーゲンの効果

コラーゲンは人体のたんぱく質の約30%を占め、様々な臓器や組織の形成や機能維持に重要な役割を果たし、全身の健康をサポートします。

肌の健康維持

コラーゲンは真皮層に多く含まれ、皮膚の形状や潤い、ハリ、弾力を保つ役割を果たします。また、細胞間をつなぎ合わせる接着剤のような働きを持つため、しわやたるみの予防・改善に寄与します。さらに、保湿効果があり、肌の乾燥を防ぐことで、バリア機能の維持にも関与しています。

骨の形成と強化

骨の有機成分(たんぱく質)の約90%はコラーゲンで、骨全体の構造の中でコラーゲンが繊維状に存在し、その上にカルシウムなどのミネラル分が沈着しています。そのため、骨の健康維持にはカルシウムだけでなく、コラーゲンも重要な役割を果たします。骨の構造を鉄筋コンクリートに例えると、鉄筋がコラーゲン、コンクリートがカルシウムに相当します。これにより、強度が高くしなやかな骨のイメージがつかめるでしょう。

関節の機能改善

コラーゲンは関節軟骨の主成分でもあります。骨同士の摩擦を少なくするためにクッションのような働きをし、関節が滑らかに動きます。関節軟骨でコラーゲンの合成が減少すると、関節の可動域が狭くなったり、少しの衝撃で炎症を起こしたりします。

血管の健康

血管壁には主に3つのタイプ(Ⅰ型、Ⅲ型、Ⅳ型)のコラーゲンが存在し、血管の強度や弾力性を維持する役割を果たしています。また、血管内の傷の修復や再生にも重要な役割を担い、血管を健康な状態に保つ働きがあります。

全身の健康維持

食品で摂取したコラーゲンは、一旦消化されたのち体内で再合成されます。コラーゲンは体のあらゆる場所に存在し、健康維持に欠かせない「カラダのもと」のような存在です。

コラーゲンを過剰摂取すると現れる症状

コラーゲンを過剰摂取すると現れる症状

コラーゲンには様々な健康効果が期待されていますが、サプリメントを使用することで、過剰摂取のリスクが伴います。個人の状態にもよりますので、適切な摂取量を守ることが重要です。

消化不良

コラーゲンはたんぱく質の一種であるため、大量に摂取すると胃腸に負担がかかり、消化不良や胃もたれ、ガスの発生を引き起こすことがあります。

体重増加

コラーゲンを多く含む食品(牛すじや鶏の皮など)は、同時に脂質も多く含み、高カロリーである傾向があります。これらの食品の過剰摂取で余ったエネルギーが体脂肪として蓄積されます。

肌トラブル

過剰なコラーゲン摂取は、皮膚の油分バランスを崩し、皮脂の過剰分泌を引き起こす可能性があります。肌表面が必要以上に脂っぽくなり、毛穴の詰まりを招き、ニキビの原因になる恐れがあります。

腎臓への負荷

一度に大量のコラーゲンを摂取すると、消化過程で腎臓に過度の負担がかかります。腎臓機能が低下すると、体内の水分バランスが崩れ、むくみが生じやすくなります。

高カルシウム血症

コラーゲンサプリメントにカルシウムが添加されている場合、大量摂取によって高カルシウム血症を引き起こす可能性があります。これにより、倦怠感、吐き気、めまいなどが生じることがあります。

アレルギー反応

コラーゲンは動物性なので、特に魚由来のコラーゲンを摂取した場合、アレルギー反応を引き起こすことがあります。症状としては、かゆみやじんましん、呼吸困難などが見られることがあります。

コラーゲンを多く含む食品

コラーゲンを多く含む食品

主に動物性たんぱく質を含む食品に豊富で、特に軟骨や皮、結合組織に多く含まれます。プルプルとした食感や弾力性が特徴的な食品に多く含まれています。

ふかひれ

フカヒレは100gあたり約10gのコラーゲンを含み、コラーゲン含有量が最も多い食品の一つです。サメのヒレの弾力性を作り出すコラーゲンが豊富に含まれています。ふかひれのスープは定番です。

鶏手羽や鶏皮

鶏肉の中でも、手羽元や手羽先は特にコラーゲンが豊富です。軟骨や皮の比率が高いため、コラーゲン摂取に適しています。名古屋風手羽先のから揚げは外カリカリ中ジューシーな仕上がりです。

牛すじ

ゆでた牛すじは100gあたり約28.3gのたんぱく質を含み、そのうちの多くがコラーゲンです。牛すじカレーは長時間煮込めばやわらかく仕上がります。

豚足

ゆでた豚足は100gあたり約20.1gのたんぱく質を含み、コラーゲンが豊富です。琉球王朝時代に中国から伝わったとされている「てびち」はゼラチン質がプルプルとした食感が特徴です。

ゼラチン

コラーゲンを加熱処理して作られるゼラチンは、100gあたり約87.6gのたんぱく質を含み、コラーゲンの摂取源として優れています。季節の果物を使ったフルーツゼリーや旬の食材をゼリー寄せにすれば、見た目も鮮やかで食欲がそそります。

コラーゲンを効率よく摂取する方法

コラーゲンを効率よく摂取する方法

コラーゲンを多く含む食品の摂取

コラーゲンを多く含む食品には、フカヒレ、鶏手羽、鶏皮、牛すじ、豚足、ゼラチンなどがあります。これらの食品は主に動物性たんぱく質源で、特に軟骨や皮、結合組織に豊富に含まれています。また、海産物ではエビやカニ、ホタテも優れたコラーゲンの供給源です。

コラーゲンと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

コラーゲンの効果を高める栄養素には、ビタミンCがあります。ビタミンCはコラーゲンの生成を助ける役割があります。オレンジやキウイ、赤ピーマン、ブロッコリーなどの食品に豊富に含まれており、これらをコラーゲンと共に摂取することで、肌の弾力やハリがより向上し、美肌効果が期待できます。また、ビタミンCは抗酸化作用もあり、コラーゲンの劣化を防ぐため、健康的な肌の維持に効果的です。

コラーゲンの効果を高める摂取タイミング

コラーゲンの効果を高めるためには、夜の摂取が効果的です。コラーゲンは睡眠中に体内で修復や再生が行われるため、寝る前に摂ることでその効果を最大限に引き出せます。運動後の摂取も、筋肉や肌の修復に役立ちます。

「コラーゲンの副作用」についてよくある質問

「コラーゲンの副作用」についてよくある質問

ここまでコラーゲンの副作用を紹介しました。ここでは「コラーゲンの副作用」についてよくある質問に、Medical DOC監修管理栄養士がお答えします。

コラーゲンを毎日摂取するとどんな効果がありますか?

丸山 聡子丸山 聡子 医師

コラーゲンは体内で約24時間で代謝され、加齢とともに生成量が減少します。そのため、毎日継続して摂取することが重要です。コラーゲンを毎日摂取することで、肌の健康維持や関節の健康サポート、骨の強化、さらに爪や髪の健康促進といった効果が持続します。

コラーゲンは口から摂取しても効果がないのでしょうか?

丸山 聡子丸山 聡子 医師

コラーゲンは口から摂取しても効果が期待できます。摂取されたコラーゲンは、消化酵素によって分解され、アミノ酸やペプチドとして体内に吸収されます。これらのアミノ酸は、体内で再びコラーゲンの合成に使われます。

編集部まとめ

コラーゲンは、皮膚の弾力、骨や関節の強度、血管の柔軟性を保つために不可欠な栄養素です。加齢とともに体内での生成が減少するため、適切な摂取が重要です。
必要な摂取量は個人差がありますが、サプリメントを利用する場合は、推奨される摂取量を守り、過剰摂取を避けることが大切です。また、バランスの取れた食事や健康的なライフスタイルと組み合わせることで、コラーゲンの効果を最大限に引き出せます。

「コラーゲン」と関連する病気

「コラーゲン」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

皮膚科の病気

  • 皮膚の老化
  • 壊疽性潰瘍

「コラーゲン」と関連する症状

「コラーゲン」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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  • たるみ
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この記事の監修管理栄養士

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