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「糖質の一日の摂取量」はご存知ですか?摂取量をコントロールする方法も解説!

 公開日:2024/10/08
「糖質の一日の摂取量」はご存知ですか?摂取量をコントロールする方法も解説!

糖質の一日の摂取量とは?Medical DOC監修医が糖質の一日の摂取量・不足すると現れる症状・摂取量のコントロール方法などを解説します。

武井 香七

監修管理栄養士
武井 香七(管理栄養士)

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帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

「糖質」とは?

「糖質」とは?

糖質とは、炭水化物の一種で、消化されてエネルギー源となる栄養素です。炭水化物は、たんぱく質・脂質と並んで三大栄養素の一つです。炭水化物は糖質と食物繊維に大別されます。
具体的には、食物として体内に取り入れられ、エネルギー源となるものが糖質です。一方、体内の消化酵素では消化できないものが食物繊維です。

そして糖質を細分化すると単糖類・二糖類・少糖類・多糖類と分けられます。
この種類に分けられる根拠は炭水化物を構成している糖の数です。
なお、ブドウ糖は単糖類、食物繊維は多糖類に分類されます。

糖質の一日の摂取量

糖質の一日の摂取量

糖質は1日にどれくらい摂取するのが適正でしょうか。
糖のとりすぎはよくないと耳にしたことがある方は少なくないかもしれません。
一方で糖を徹底的に排除した食生活も決して身体によくないことは想像に難くないでしょう。

適正な摂取量を知ることで健康につながるのであれば、どれくらい摂取するべきかを知りたいと思われるのは当然のことです。

とはいえ実は糖質に限った必要量は推定でしか考えることができません。
糖質の必要量は栄養学的な役割から導き出されます。
糖質の主な役割は、脳や神経組織、酸素不足の骨格筋など、通常はブドウ糖をエネルギー源として利用する組織にブドウ糖を供給することが挙げられます。
そしてその必要量は100g/日と推定されますが、推定でしかありません。

一方で、食物繊維を含む炭水化物の1日の摂取基準量は1日に食事から摂取するエネルギーの50〜65%に相当する量が目安とされています。
エネルギーの量から逆算して必要な摂取量を計算してみましょう。
1日に摂取するエネルギーが2,000kcalの場合、50〜65%に相当するエネルギー量は2,000kcal×50〜65%となるので1,000〜1,300kcalということになります。
炭水化物1gのエネルギー量は約4kcalです。
つまり1,000~1,300kcal÷4kcal=250~325gという計算になります。
この250~325gが1日に摂取する炭水化物の基準量を表します。

もちろんこの計算は1日に摂取するエネルギーが2,000kcalの場合です。
必要なエネルギー量を計算し、逆算する必要があるといえるでしょう。

糖質を過剰摂取すると現れる症状

糖質を過剰摂取すると現れる症状

肥満

糖質はエネルギーとして摂取されますが、過剰摂取すると消費しきれないことがあります。
消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積されるため、肥満の原因になるといえるでしょう。
そして肥満はさまざまな病気の原因となる可能性があります。
肥満に伴って健康を脅かす合併症のリスクを抱えている場合には肥満症とされ医学的な減量治療の対象となることもあるため、糖質を長期に渡って過剰に摂取することは身体に負担を与えるといわざるを得ません。

逆に消費されなかった糖質が蓄積されないよう、糖質制限ダイエットという方法を耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
炭水化物を制限することで総エネルギー摂取量を減少させることで効果を期待することはできますが、たんぱく質や脂質といった別の栄養素でエネルギー摂取量を補っている場合にはあまり効果がないといえるでしょう。

動脈硬化

糖質が多量に含まれた食事をとると、血糖値が上昇します。
もちろん通常は、食後2〜3時間もすれば食事前の血糖値に戻りますが、長期にわたって糖質をとりすぎる食生活をしている場合など、血糖値がうまく下がらない状態になります。高血糖という状態です。
また血糖値を急上昇させるような食べ方をした場合も同じ現象が起きる可能性が高まります。高血糖の状態が続くと、血管が傷つくため動脈硬化を引き起こします。

動脈硬化はさまざまな病気を引き起こす可能性のある危険な状態といえるでしょう。
血管が詰まることにより起こる冠動脈疾患や脳梗塞、血管がこぶ状に膨れて大動脈瘤を形成することもあります。

糖尿病

血糖値が高いままで放置されると糖尿病を引き起こす可能性があります。
インスリンが十分に働かないことにより、血液中を流れる糖が増えてしまう病気です。
インスリンは膵臓から出るホルモンですが、血糖値の高い状態が続くと膵臓の機能の低下や十分な量が作られているけれども、効果を発揮できない状態となることで、糖尿病につながっていきます。

糖質が不足すると現れる症状

糖質が不足すると現れる症状

疲労感

糖質が不足している状態は、エネルギー不足といえます。
そのため疲労感を引き起こすことになるでしょう。

エネルギーとして消費される糖には、順番があります。
まず血液中の糖を消費し、その後に肝臓や筋肉のなかに蓄えられているグリコーゲンを分解します。
グリコーゲンも尽きてしまうと、エネルギーが不足した状態が発生し、疲労感につながるという流れです。

注意力散漫・意識障害

ブドウ糖は脳にとってもエネルギー源です。
糖質が不足した場合には脳がエネルギー不足を引き起こします。
そのため脳の働きを妨げることとなり、集中力の低下につながります。
さらに状態が深刻化すると昏睡状態になるなど、大変危険です。

基礎代謝の低下

糖質の不足した状態が続くと、エネルギー不足を解消するためたんぱく質をエネルギー源として使うようになります。

たんぱく質は筋肉や臓器といった体を構成する重要な栄養素です。
このたんぱく質がエネルギーとして使われるようになることは、基礎代謝を低下させる原因にもなりかねません。

糖質の一日の摂取量をコントロールする方法

糖質の一日の摂取量をコントロールする方法

バランスのよい食生活にする

糖質は種類によって構造が異なり、それによって吸収までの時間もさまざまです。
主食には多くの糖質が含まれることもあるため、献立の品数を増やすといった工夫は糖質の摂取量を抑えることにつながるといえるでしょう。
食品の種類を増やすことで、バランスの取れた食事が実現します。
肉や魚などのたんぱく質を含む食品は血糖値を下げる成分の分泌を促すことから、併せて摂取できるといいでしょう。

ゆっくり食べる

糖質が吸収されるまでに時間がかかると、血糖値の上昇スピードは緩やかになります。
血糖値の急激な上昇が高血糖の状態を招いていることから、乱降下を抑えることが高血糖を始め、動脈硬化や糖尿病などさまざまな病気の予防につながるといえるでしょう。
ゆっくりよく噛んで食べることで、炭水化物を摂取するまでの時間をかけることは、血糖値の急激な上昇を抑えることにつながります。

食べる順番を工夫する

血糖値の上昇を緩やかにするためには、食べる順番を工夫することも方法の1つです。
野菜を先に食べることで、野菜に含まれる食物繊維が後に食べる糖の吸収を緩やかにします。
肉・魚・卵といったたんぱく質も先に摂取することで、炭水化物を摂取する前に満腹感を得ることにもつながるといえるでしょう。
糖質を過剰に摂取している場合には順番を変えてみることをおすすめします。

「糖質の一日の摂取量」についてよくある質問

「糖質の一日の摂取量」についてよくある質問

ここまで糖質の一日の摂取量を紹介しました。ここでは「糖質の一日の摂取量」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

お茶碗一杯分のご飯の糖質量はどのくらいでしょうか?

武井 香七武井 香七 医師

茶碗一杯のご飯の重量を150gと仮定すると、炭水化物の量が55.7gとなります。ただし、食物繊維が2.3g含まれている点には留意する必要があるといえるでしょう。

糖質制限ダイエット中は体にどんな影響を与えますか?

武井 香七武井 香七 医師

糖質を制限するということは、糖質が急激に不足することを表します。糖質が不足している状態となることから、身体の状態に十分配慮する必要があるといえるでしょう。

編集部まとめ

糖質は過剰摂取も不足も、体に大きな影響を与えます。
そのため、適正な量を摂取することがとても大切です。
一方で糖質の摂取量をコントロールすることは困難を伴うケースも多く存在します。
ただし食事の方法を工夫することで糖質の吸収を抑えることもできるため、まずは生活習慣を見直してみることがおすすめです。

「糖質の一日の摂取量」と関連する病気

「糖質の一日の摂取量」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

生活習慣病内科の病気

「糖質の一日の摂取量」と関連する症状

「糖質の一日の摂取量」と関連している、似ている症状は3個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 集中力の低下
  • 疲労感
  • 肥満

この記事の監修管理栄養士