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「FAGA(女性男性型脱毛症)の対策」はご存知ですか?原因や治療法も解説!

 公開日:2023/06/22
「FAGA(女性男性型脱毛症)の対策」はご存知ですか?原因や治療法も解説!

年齢を重ねていくと、髪のボリュームがなくなった気がする、分け目が目立つのが気になるなど髪の悩みを抱えだす女性も多いのではないでしょうか。

今や女性の10人に1人がなんらかの髪の悩みを抱えているといわれており、薄毛の悩みは男性だけではなくなっています。

女性の脱毛症はFAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれ、AGA(男性型脱毛症)と共に研究が進められており、正しい対策をすれば進行を抑えられます。

この記事では、FAGAの対策や原因、治療方法についても詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

FAGAとは?

ヘアケア
FAGAは女性男性型脱毛症と呼ばれる、女性に起きる薄毛や抜け毛の症状のことをいいます。FAGAになると、髪の毛が細くなることで髪のボリュームが少なくなったり、分け目が目立つようになったりします。また、薄毛や抜け毛以外にも髪のハリや艶がなくなってくるのもFAGAが原因です。
脱毛症の悩みは男性だけのものと思われがちですが、女性でも脱毛症になる場合がありますので、薄毛や抜け毛が気になりだしたら早めにクリニックにクリニックを受診しましょう。

FAGAの対策

鏡を見る女性
個人差はありますが、AGAは生え際や頭頂部などの局部的に薄くなるのに対し、FAGAは全体的に薄くなるという特徴があります。薄毛が気になりだしたら、まずはセルフケアを検討する方も多いのではないでしょうか。
FAGAの対策には、以下の5つがあります。

  • ヘアケアを見直す
  • 食生活を見直す
  • ストレスを解消する
  • 睡眠不足を解消する
  • 適度な運動をする

どれも手軽に始められる対策なので、薄毛が気になりだしたらFAGA対策に取り組んでみましょう。

ヘアケアを見直す

髪の毛が育ちやすい環境を整えるためヘアケアを見直してみましょう。FAGAの原因には脂漏性皮膚炎・紫外線によるダメージ・自己流のヘアケアなどがあります。
皮脂分泌が多くなると古い角質やフケにより毛穴がふさがれ、髪の成長が止まってしまい次の髪の毛が成長する前に生えている髪の毛が抜け落ちてしまいまいます。そうなる前に、髪の毛が育ちやすい頭皮環境を整えることが、FAGA対策にとっては重要です。
シャンプーをする前にオイルを使って皮脂を柔らかくさせ、汚れを落ちやすくしましょう。またシャンプーをすすぐ時は、温水と冷水を交互に使用して血行を促し、頭皮に十分な栄養を送ります。また、頭皮の血行を良くする方法として頭皮マッサージも取り入れてみましょう。
頭皮マッサージにより血行が良くなることで、毛母細胞に充分な栄養と酸素が送られ、強く太い髪の毛の成長を促します。

食生活を見直す

髪の毛もお肌と同様に、身体の細胞の一部なので、強くて太い髪の毛を作り出すには食生活を見直す必要があります。
中性脂肪・コレステロールの多い食事は血行不良を引き起こし、髪の毛の成長に必要な栄養を頭皮に届けるのを妨げます。外食やコンビニで食事を済ませることが多い人は、一度食生活を見直してみましょう。また、偏った食生活やダイエットによる栄養不足により、頭皮に十分な栄養が行きわたらず、髪の毛の成長を妨げている可能性があります。
栄養バランスの整った食生活で、FAGAの予防を行いましょう。

ストレスを解消する

仕事や育児、人間関係など、女性は知らず知らずのうちにストレスを受けています。外的要因により過度なストレスを感じると、身体のあらゆるところに影響を及ぼします。
FAGAもストレスの影響を受けやすく、過度なストレスにより自律神経が乱れることで起きる血行不良は、頭皮環境が悪化する原因の1つです。
髪の毛の成長に必要な栄養や酸素は血液を通して毛根に送られるため、血行不良が起きると栄養や酸素が十分に行きわたらず、髪の毛の成長を妨げてしまう可能性があります。日常のストレスを完全に取り除くことは不可能ですが、できるだけストレスのかからない生活を心がけましょう。

睡眠不足を解消する

FAGAで悩まれている女性の中には、ホルモンの乱れやストレスによる睡眠不足に悩んでいる方も多いと思います。睡眠中は、成長ホルモンが活発になり髪の毛の成長を促進します。
睡眠不足が長く続くと、薄毛の原因になりかねませんので注意しましょう。睡眠不足の改善には睡眠環境を整えることが大切です。寝る前にゆっくりと湯船につかる、寝室の光や温度を調節することでスムーズに入眠できます。
ご自身に合ったリラックス方法を取り入れて、睡眠不足を解消しましょう。

適度な運動をする

ストレス解消や、睡眠不足の解消には適度な運動がおすすめです。ウォーキングやストレッチなどは、気分をリフレッシュさせストレスを軽減させる効果が期待できます。
また、適度な運動は覚醒と睡眠のメリハリをつけさせスムーズな入眠へと導くだけでなく、睡眠の質を安定させ夜中に起きてしまうなどの睡眠障害の改善にも繋がります。運動器具やジムに行く必要はありません。
運動習慣は続けることが大切ですから、日常の中で無理なく続けられるものを取り入れましょう。

FAGAの原因

くつろぐ女性
研究が進み、FAGAの原因は主にホルモンが影響していることが分かっています。しかしながら、FAGAはホルモン以外にも複数の原因が関係しており、特定するのは難しいといえるでしょう。
ここでは、代表的な3つの原因について解説していきます。

  • 加齢によるホルモンバランスの乱れ
  • 病気・疾患
  • 遺伝

加齢によるホルモンバランスの乱れ

年齢を重ねると共に、減ってしまうのが「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンです。エストロゲンはコラーゲンを増やし肌や髪の毛に艶や潤いを与え、髪の毛の成長を促す効果があります。
このように、エストロゲンはハリと艶のある髪に欠かせないホルモンなのですが、加齢や出産によって著しく減少してしまいます。エストロゲンが減少してしまうと、全体のホルモンバランスが崩れ、FAGAが加速してしまうのです。

病気・疾患

病気や全身疾患の合併症として、抜け毛が増える場合があります。脱毛症状を含む女性がなりやすい病気には、鉄欠乏性貧血・膠原病・甲状腺機能低下症などが挙げられます。
病気や疾患が原因の場合、徐々に髪の毛が薄くなるFAGAとは違い、突然大量に髪の毛が抜けてしまうのが特徴です。持病や疾患をお持ちの方で、抜け毛の症状が現れた場合には、かかりつけの医師に相談しましょう。

遺伝

男性の薄毛の原因として遺伝が有名ですが、女性の薄毛の原因も遺伝の可能性があります。個人差はありますが、家族や近親者にAGAまたはFAGAの方がいる場合、体質的にFAGAになる可能性が高いので注意しましょう。
皮脂分泌が多いなどの体質が遺伝すると汗をかきやすくなりFAGAが進行してしまいます。正しいセルフケアで、日ごろから頭皮を清潔に保つことを心がけましょう。

FAGAの対策はクリニックへの通院も検討しよう

頭を抱える
薄毛にはヘアサイクルと呼ばれる「毛周期」が関係しており、髪の毛の1本1本のヘアサイクルは繰り返される回数が決まっています。FAGAは複数の原因により、ヘアサイクルが乱れてしまい髪の毛が十分に成長しないまま抜け落ちてしまうことで薄毛になることをいいます。
そのため、乱れてしまったヘアサイクルを少しでも早く正常な状態に戻すことがなにより重要です。セルフケアで効果を感じられなかった方や、根本的にFAGAを改善したい方は、クリニックへの通院も検討しましょう。
FAGAの原因は1つではないため、専門のクリニックで検査をし、原因に合った治療法を続けていくことが根本的な改善へと繋がります。最近ではエイジングケアの一環として、FAGAの治療を行っているクリニックもあります。
FAGA専門の医師に相談することで、不安や悩みを解消していきましょう。

FAGAの薬を使った治療方法

錠剤と水
FAGAの治療に興味はあるけれど、どのような治療法があるのか分からず不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。FAGAの治療には、症状や原因に合わせてさまざまな種類の薬が使用されています。主な薬の種類は以下の3つです。

  • ミノキシジル
  • パントガール
  • スピロノラクトン

どの薬でもそうであるように、FAGAの薬にも副作用があります。効果を最大限に感じるためにも、医師の指示の下、用法・用量を守って正しく使用しましょう。

ミノキシジル

ミノキシジルは発毛を促すことでFAGAを改善する治療薬で、薄毛が気になる箇所に直接塗布する外用薬です。元々は高血圧の治療薬として開発されたものですが、血管を広げ血行を良くすることで頭皮に十分な栄養が行きわたり薄毛の改善にも効果があります。
また、ミノキシジルには髪の毛を作り出す毛母細胞に働きかけることにより、成長を促す効果もあります。

パントガール

FAGAの症状で最も多いのが、「びまん性脱毛症」と呼ばれる薄毛の症状です。びまん性脱毛症の特徴は、部分的に薄くなるのではなく全体的に髪の毛が薄くなることです。
いくつかある薬の中でもパントガールと呼ばれる内服薬はびまん性脱毛症に効果があります。パントガールは、びまん性脱毛症などの女性特有の薄毛への効果と安全性のある薬として、世界で初めて認められた内服薬です。
びまん性脱毛症は原因を取り除くことで改善されやすい脱毛症ですので、お悩みの方は医師に相談してみましょう。

スピロノラクトン

FAGAの原因の1つに「ジヒドロテストステロン(DHT)」があります。ジヒドロテストステロンは毛母細胞を萎縮させ髪の毛を作ろうとするのを阻止してしまうホルモンの一種です。
スピロノラクトンを服用することで、乱れたヘアサイクルが整い、強く太い髪の毛を作り出す効果が期待できます。

FAGAの治療は自分に合ったクリニックで受けよう

カウンセリング
薄毛の悩みは男性特有のものと思っていて、FAGAの症状で悩んでいてもなかなか人には相談できなかったり、治療を戸惑っている方も多いと思います。
ですが、FAGAは進行性の脱毛症であり、しっかりと検査し、ご自身に合わせた治療が必要です。
最近ではプライバシーに配慮したFAGA治療専門のクリニックもありますので気軽にカウンセリングに行ってみましょう。専門のクリニックならではの技術とノウハウで、FAGAの悩みに寄り添ってくれるはずです。
また、FAGAは治療の効果が現れてからも、それを維持する治療が必要です。治療が始まってからも、定期的に通院する必要がありますので、安心して通えるクリニックを選びましょう。

編集部まとめ

女性医師
FAGAは女性男性型脱毛症と呼ばれる進行性の脱毛症であることが分かりました。

FAGAの主な原因はホルモンバランスの乱れですが、それ以外にも病気や遺伝などあらゆる原因が関係しています。

FAGAの対策には生活習慣の改善など手軽に始められるものもありますが、根本的に改善したい場合にはクリニックへの通院も検討しましょう。

髪の毛1本1本のヘアサイクルは繰り返される回数が決まっているので、抜け落ちてしまう前に正常のヘアサイクルに戻すことが重要です。

そのため、FAGAの対策は早ければ早いほど良いと言えるでしょう。

FAGAの症状に悩んでいるけれど治療をためらっている方は1度クリニックを受診してみるのをおすすめします。

この記事の監修医師