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「30代女性の薄毛」の原因はご存知ですか?見分け方や改善方法も解説!

 更新日:2024/07/10
「30代女性の薄毛」の原因はご存知ですか?見分け方や改善方法も解説!

薄毛の悩みは男性特有のものと思われがちですが、女性でも薄毛でお悩みの方はいらっしゃいます。早い人であれば30代から悩みを抱え始めます。

少し前まで女性の薄毛対策といえばウィッグが主流でしたが、最近では女性用の薄毛治療も広まってきました。

女性の薄毛治療にはどのような方法や対策があるのでしょうか。また30代女性の薄毛はどのような原因で起こるのか気になるところです。

この記事では30代女性の薄毛について詳しく解説していきます。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

30代女性の薄毛の原因は?

娘を抱く母親
30代女性は仕事・家事・子育て・プライベートと日々フル回転で過ごされている方が多い年代ともいえるでしょう。充実した毎日を過ごす一方で、体の変化も現れ始める年齢に差しかかってきています。
女性の薄毛は早い方ですと20代後半頃から症状が気になり始め、30代で本格的に悩む方が増えつつあります。男性の薄毛と違い、30代女性の薄毛はどのような原因で引き起こされるのでしょうか。
ここでは、30代女性の薄毛の原因について解説していきます。

加齢による細胞の老化

薄毛の原因として挙げられるのが加齢による細胞の老化です。30代はまだ若いとはいえ、体の細胞としては老化が始まる入り口に立っているといえます。
加齢が進むと髪の毛全体が細く薄くなっていき、髪の毛のボリューム自体が減っていきます。これは年齢を重ねると起こりえる老化症状の一種です。
髪の毛の元になる毛包幹細部と呼ばれる細胞が健康な髪の毛には必要不可欠になりますが、この細胞は加齢が進むと健康な髪の毛を作り出す機能が衰えてきます。その結果、薄毛へと繋がっていくのです。

ホルモンバランスの乱れ

薄毛と大いに関係があるのがホルモンバランスの乱れです。女性の薄毛には女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が関わってきます。30代後半頃からエストロゲンは徐々に減り始め、体にも影響を及ぼし始めます。
エストロゲンは健康な髪の毛を維持するための、生え変わりの周期等にも欠かせないホルモンです。そのためホルモンバランスが乱れてくると、薄毛に繋がってしまうでしょう。
また、女性にも微量ながらも男性ホルモンが存在します。何らかのタイミングで男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが分泌されると、薄毛の発症を招くとされています。

出産・子育て

女性は妊娠・出産でホルモンのバランスに大きな変化が生じます。妊娠中に増えたエストロゲンが出産すると一気に減ってしまいます。産後に抜け毛が増えて薄毛になる方が多いのはこのためです。また子育て中はどうしてもご自身のことは後回しになりがちです。
十分な睡眠や休息が取れないので、疲れが取れにくく女性ホルモンのバランスが乱れてしまいがちです。30代くらいから迎えることの多い出産や子育ては素晴らしいライフイベントですが、薄毛に繋がるケースが増える時期ともいえるでしょう。

頭皮の血行不良

ストレスが増えてくると自律神経のバランスが崩れ、血流の巡りが悪くなってきます。そうなると体に必要な栄養素が全身に回らなくなり、髪の毛の成長が滞ってしまいがちです。ストレスを慢性的に受けると、頭皮の血行不良を招き薄毛の症状を引き起こしてしまうので注意しましょう。

パーマ・カラーリング

パーマやカラーリングの薬剤は頭皮へダイレクトに影響します。定期的にカラーリングをしたり頻繁にパーマをかけたりするのは、頭皮環境の悪化に繋がるでしょう。
頭皮の状態が悪くなると、健康な髪の毛は成長しにくくなります。薄毛が気になる方はパーマやカラーリングの使用頻度を減らしたり、頭皮の状態が整っている時に行ったりすることをおすすめします。

過度なダイエット

過度なダイエットは薄毛を進行させる原因の一つです。食べ物から摂取される栄養素は体中均等に行き渡るのではなく、優先順位に沿って振り分けられているのです。
髪の毛への順序は実は最後の方になっています。無理なダイエットをしてしまうと十分な栄養を摂取できず、髪の毛を生やす毛根への栄養が足りなくなってしまいます。
また、ダイエットのし過ぎはホルモンバランスが崩れやすくなるので、薄毛が気になる方はダイエットには十分な注意が必要です。

30代女性の薄毛の見分け方

髪を気にする女性
ご自身の頭髪の状態が薄毛なのか一時的な症状なのか迷われる方はいらっしゃるでしょう。また、薄毛ではなく病気の副作用で髪の毛が少なくなることもあります。
薄毛かどうかの判断基準があれば、ケアや治療を行いやすいでしょう。ここからは薄毛の見分け方について説明していきます。

毎日100本以上の抜け毛がある

抜け毛があると薄毛の症状が出始めたのではないかと不安になるでしょう。しかし、健康な髪の毛でも1日に50〜100本程度は抜けるとされています。
100本程度であれば特に心配をする必要はありません。100本以上の場合は薄毛が進行し始めているかもしれませんので、気になる方は専門医の判断を仰ぐのも良いでしょう。
また薄毛ではなく病気による脱毛の可能性があります。抜け毛の量が100本以上あるような場合は、薄毛だけでなく病気によるものでないかの確認をおすすめします。

毛根が細い・黒い

健康な髪の毛の毛根は根元の部分が太く丸い状態です。この部分が細く形も崩れているようですと、健康な状態とはいえないでしょう。
また健康な毛根は色が白いです。黒い毛根の場合は状態が良くないので、薄毛に繋がる目安になります。

30代女性の薄毛を改善する方法

サラダ
薄毛の進行を少しでも遅らせたり、セルフケアで髪の毛の状態を改善できるのでしょうか。セルフケアで少しでも髪の毛が増えていけば悩みも軽減されていくでしょう。
ここでは30代女性が日常生活に取り入れることで薄毛対策に繋がる方法をご紹介していきます。

食生活の改善

食事で十分栄養を取ることが非常に重要です。不規則な食生活・度重なる外食・ジャンクフードやインスタント食品・動物性油脂が多い食品などを頻繁に摂取している方は改善が必要です。
というのもこれらは血液中のコレステロールが高くなり、血行不良を招く原因とされています。血流が悪くなると髪の毛が成長するために必要な栄養素が毛根に届かなくなってしまいます。
また、過度なアルコール摂取も髪の毛に必要なタンパク質が不足する原因です。食生活が乱れている方は見直しをされることをおすすめします。

睡眠不足の解消

睡眠不足も薄毛に繋がってしまいます。薄毛の予防対策には質の良い睡眠を取ることが重要です。睡眠のサイクルが乱れてしまっている方は整えることから始めてみましょう。
また、良質な髪の毛には成長ホルモンの分泌が欠かせません。成長ホルモンは22時〜2時の間に睡眠を取ることで十分に分泌されます。長時間の睡眠時間を確保できない場合は、この22時〜2時の間に集中して睡眠を取ってみても良いかもしれません。
現代社会のリズムでは22時の就寝は難しいかもしれませんが、良質な睡眠と睡眠サイクルを整えることは薄毛予防の近道といえるでしょう。

ヘアケアの見直し

ヘアケアについても見直しされると良いでしょう。髪の毛や頭皮を清潔にしようと思われ、1日に何度も髪の毛を洗う方がいらっしゃいますが、これはむしろ悪影響を及ぼします。頭皮に必要な皮脂を取りすぎてしまうのはおすすめできません。
また、薄毛を予防したいがために、育毛剤の使用量を守らずに大量に使用してしまうのも控えてください。過剰なヘアケアや育毛剤の間違った使用法よりも、頭皮マッサージで頭皮環境を整えることをおすすめします。

女性の薄毛の治療薬

薬を飲む
薄毛の治療薬といえば男性向けの治療薬の存在を耳にすることがあるでしょう。女性の薄毛にも治療薬はあります。女性の薄毛と男性の薄毛の原因は同じではないケースが多いので、やはり女性の薄毛治療には女性向けの治療薬を使用すると良いでしょう。
ここからは女性の薄毛治療薬として使われている薬をご紹介します。

ミノキシジル

ミノキシジルは男性型脱毛症(AGA)の治療で使われている薬ですが、女性の薄毛治療にも使用されている治療薬です。女性の薄毛治療薬の中で高い効果を発揮する薬として推奨されているのがミノキシジルの外用薬です。
ミノキシジルは髪の毛を作る毛母細胞に作用し、髪の毛の成長サイクルを長く保てるようになります。この薬を継続使用することで、増毛の効果が見られます。
ただし女性の薄毛治療へのミノキシジルの使用には注意が必要です。濃度は1%として、医師の処方に基づき使用してください。

スピロノラクトン

高血圧や利尿剤として使用されるスピロノラクトンは女性の薄毛治療薬としても使用されています。スピロノラクトンは過剰な男性ホルモンを抑制する働きがあるので、女性で男性型脱毛症にお悩みの方には効果のある薬とされています。
ただし、スピロノラクトンは厚生労働省が薄毛治療の薬とは認めていません。使用希望の場合はまず専門医に相談すると良いでしょう。

パントガール

パントガールは女性用薄毛治療の内服薬です。髪の毛の生成に有効な栄養分が含まれているため、育毛環境を整えることや増毛に効果があります。
パントガールは副作用の少ない薬なので、長期的な治療に向いた薬です。効果を実感するには半年から1年程の長期服用が望ましいでしょう。

薄毛の進行が不安な場合はFAGA専門クリニックを受診しよう

待合室の椅子
薄毛が進行するのではないかと一人で不安を抱えて過ごしている方は、その不安でストレスが大きくなってしまうでしょう。また、薄毛治療について相談をしたくてもどこへ行けば良いかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
最近では女性の薄毛治療を専門的に扱っているクリニックもあり、FAGA(女性男性型脱毛症)に特化した専門クリニックでは、女性の薄毛治療の専門医が揃っています。薄毛の進行は専門クリニックでの治療を行わない限り、加齢と共に進んでしまいます。薄毛に悩んでいる方は早めに治療を開始することが、薄毛予防にも繋がるでしょう。
また薄毛の治療薬は医師の処方が必要です。個人判断での使用はリスクを伴いますので、治療薬の使用を検討されている方はFAGA専門クリニックへの受診をおすすめします。

編集部まとめ

読書
女性でも薄毛治療を受ける方は増えてきました。30代でもホルモンバランス崩れやストレスが原因で薄毛が進んでしまうことは珍しくありません。

現代社会では30代の女性でも薄毛になる確率が高くなるような生活スタイルが定着しています。

適切な治療を早めに行うことで、薄毛のリスクは回避できます。女性の薄毛専門クリニックでは女性が通いやすいような治療メニューが組まれているところが殆どです。

一人で悩まずに、まずは専門医に相談するところから始めてはいかがでしょう。

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