「お酒が抜ける時間」はどれくらいかご存知ですか?お酒の抜けが悪いアルコールも解説!

お酒が抜ける時間はどれくらい?メディカルドック監修医がお酒の抜けが悪いアルコール・抜けが良い・二日酔いにならないための対策などを解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
目次 -INDEX-
お酒を飲み続けると体内で何が起こる?

お酒を飲むと、体内ではアルコールの吸収・分解・排出が同時進行で行われます。特に肝臓はアルコール処理の中心的な役割を担っており、飲酒量が増えるほど身体への負担も大きくなります。
アルコールは胃や小腸から吸収され、血液に乗って全身へ運ばれます。脳に到達すると中枢神経の働きを抑制し、気分の高揚や判断力の低下、眠気などを引き起こします。一方、肝臓ではアルコール脱水素酵素(ADH)やアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって、アルコールがアセトアルデヒド、さらに酢酸へと分解されます。
この過程では多くの水分やビタミンB群が消費されるため、脱水や倦怠感、頭痛などの原因になります。分解能力を超える量を飲むと、アルコールやアセトアルデヒドが体内に長く残り、「お酒が抜けない」「翌日までつらい」と感じやすくなります。
一般的にお酒が抜けるのにどれくらいの時間がかかるもの?

お酒が体内から抜けるまでの時間は、飲酒量や体質によって異なりますが、目安はあります。
10グラムの純アルコールが身体から排出されるのにかかる時間は、約2.5時間です。
ビール中瓶1本(約500mL)に含まれる純アルコールは約20gのため、分解には約5時間が必要です。さらに複数杯飲んだ場合は、その分だけ時間が積み重なります。
ただし、これはあくまで平均的な数値です。性別、体重、肝機能、飲酒習慣、体調などによって分解速度には大きな個人差があります。「思ったよりお酒が残る」「翌朝もアルコール感がある」と感じる場合は、分解が追いついていない可能性があります。
お酒の抜けが悪いアルコール

お酒の種類によって、悪酔いするというわけではありません。ただし、摂取したアルコールの量や、体質、体調などによってお酒が抜けにくいと感じることもあるでしょう。
蒸留酒(ウイスキー・ブランデーなど)
蒸留酒はアルコール度数が高く、短時間で多量の純アルコールを摂取しやすい特徴があります。その結果、肝臓の分解能力を超えやすくなります。
また、少量でもアルコール量が多くなりやすいため、「飲んだ量以上に残っている」と感じることがあります。ゆっくり飲む意識がないと、抜けが悪くなりやすい点には注意が必要です。
日本酒
日本酒はアルコール度数が比較的高く、味がまろやかなため飲酒量が増えやすい傾向があります。
その結果、知らないうちに多くの純アルコールを摂取してしまい、分解に時間がかかることがあります。特に空腹時の飲酒では、酔いが回りやすく、翌日まで影響が残ることがあります。
甘いカクテル・リキュール類
糖分を多く含むお酒は、胃の内容物の排出を遅らせる作用があり、アルコールの吸収が持続しやすくなります。
また、血糖値の変動が大きくなりやすく、倦怠感や頭痛など二日酔い症状が強く出ることもあります。飲みやすさから量が増えやすい点も、抜けにくさの一因です。
赤ワイン
ワインも、アルコール度数が高いお酒の一つです。「健康に良い」というイメージがあるお酒かもしれませんが、少量でも悪酔いする可能性があります。
短時間での多量飲酒(チャンポン)
種類に関係なく、短時間に多くのお酒を飲むと肝臓の処理能力を超えやすくなります。
いわゆるチャンポン飲みは、結果として総アルコール量が増えやすく、抜けが悪くなる要因となります。
お酒の抜けが良いアルコール

一方で、負担が少なく、抜けやすいと感じられる飲み方もあります。以下では、アルコール度数が低いお酒や、悪酔いを防ぐ効果が期待できる飲み方を紹介します。
ビール
ビールはアルコール濃度が低いため、1杯あたりの純アルコール量が少なくなりやすい特徴があります。
結果として、分解に必要な時間も短くなり、「抜けやすい」と感じることがあります。
チューハイ
チューハイも、アルコール度数が低いため、飲んだ量の割にはお酒が抜けやすいと感じることもあるかもしれません。
水割り・薄めて飲む
同じアルコール量であっても、薄めてゆっくり飲むことで肝臓の処理が追いつきやすくなります。一気に摂取しないことが、抜けやすさにつながります。がぶ飲みや一気飲みは避けるようにしましょう。
食事と一緒に飲む
空腹時はアルコールの吸収が速くなりますが、食事と一緒に飲むことで吸収が緩やかになります。その結果、血中アルコール濃度の急上昇を防ぎやすくなります。すきっ腹の時にお酒を飲むことは避けた方がよいでしょう。
自分の体質に合ったお酒
お酒への反応には個人差があります。「これを飲むと残りやすい」「これは比較的楽」といった自身の傾向を知ることも大切です。
お酒の分解速度を決める要因

お酒が抜ける時間は、さまざまな要因によって左右されます。
体重・体格
体重や体格が大きいほど、体内の水分量が多く、血中アルコール濃度が上がりにくい傾向があります。同じ量を飲んでも、体格差によって影響が異なります。
性別・年齢
一般的に女性や高齢者は、アルコール分解が遅くなりやすいとされています。
これは肝臓の大きさや酵素活性の違いが関係しています。
加えて、ホルモンバランスの影響も無視できません。特に女性は月経周期によるホルモン変動があり、これは体液量や血行動態に影響を与えることがあります。月経中やその前後で血液量やホルモンの影響が変化し、同じ飲酒量でも酔い方や抜け方が異なると感じることがある可能性があります。実際、エストロゲンやプロゲステロンの変動は代謝や循環動態に影響し、血中アルコール濃度の経時変化に差を生じさせることがあります。
遺伝的体質・肝機能
ALDHの働きには個人差があり、分解能力が低い体質の方は少量でも抜けにくくなります。
また、肝機能が低下している場合も分解に時間がかかります。
二日酔いにならないために就寝前や飲んだ後は何をしたらいい?

飲酒後の行動を工夫することで、二日酔いのリスクを下げることができます。
水分を十分に補給する
アルコールには利尿作用があるため、脱水になりやすくなります。
水や電解質飲料を意識的に摂取しましょう。
就寝前の追加飲酒を避ける
寝酒は分解が追いつかず、睡眠の質も低下します。結果として翌朝まで影響が残りやすくなります。
胃腸にやさしい食事をとる
消化の良い食事は回復を助けます。脂っこい食事は胃腸への負担になるため控えめにしましょう。
十分な睡眠を確保する
睡眠中も肝臓はアルコールを分解しています。お酒を飲んだ後の夜更かしは避け、体を休めることが大切です。
翌日の運転や重要作業は控える
自覚症状がなくても、アルコールが残っていることがあります。安全のため、無理はしないようにしましょう。
「お酒が抜ける時間」についてよくある質問

ここまでお酒が抜ける時間について紹介しました。ここでは「お酒が抜ける時間」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
水を飲むとお酒が抜けやすくなりますか?
木村 香菜(医師)
水分補給は脱水予防には有効ですが、アルコールの分解速度そのものを大きく早めるわけではありません。ただし、血中アルコール濃度の急激な上昇を抑えたり、体調不良の軽減には役立ちます。
まとめ
今回の記事では、お酒が抜ける時間の目安や、おすすめの飲み方について解説しました。
お酒が抜ける時間は、飲酒量や体質、体調によって大きく異なります。
「純アルコール10gで約2.5時間」という目安を理解し、自分に合った飲み方を心がけることが大切です。翌日に影響を残さないためにも、飲酒後のケアを習慣にしましょう。
「お酒」と関連する病気
「お酒」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
消化器系
- 脂肪肝
- 肝炎
お酒を飲み過ぎると、上記のような病気の引き金になることがあります。適量を守るようにしましょう。
「お酒」と関連する症状
「お酒」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
飲酒によって生じる症状はさまざまです。適切な量を守りましょう。
参考文献




