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「虚血性心疾患の原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2024/08/07
「虚血性心疾患の原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!

虚血性心疾患の原因とは?Medical DOC監修医が虚血性心疾患の原因・術後に発症する原因・突然死する原因・発症のリスクを上げやすい食べ物・飲み物・予防する可能性の高い食べ物などを解説します。

佐藤 浩樹

監修医師
佐藤 浩樹(医師)

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北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。

「虚血性心疾患」とは?

虚血性心疾患とは、心臓の筋肉に十分な血液が供給されず、酸素や栄養素が不足する疾患です。主な原因は冠動脈の動脈硬化で、これにより血管が狭窄または閉塞します。症状としては、胸痛、胸部圧迫感、息切れなどがあります。狭心症と心筋梗塞が代表的な疾患です。命に関わることも多く緊急性が高い疾患です。

虚血性心疾患の主な原因

主な原因として3つが挙げられます。動脈硬化、高血圧、糖尿病です。各々については以下の説明を参考ください。

動脈硬化

動脈硬化は、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)が冠動脈の内壁に蓄積することにより起こります。進展すると、血管内が狭くなり、心臓の筋肉への血流が減少して酸素の供給が不足します。初期には自覚症状はありませんが、病状が進行すると起こる症状は、胸痛、胸部圧迫感、息切れなどです。これらの症状が起きた際は、内科、循環器科の受診を検討してください。また、これらの症状が急激に生じた場合は緊急を要します。救急車を呼び、速やかに循環器科を受診してください。

高血圧

高血圧は血管に過度の圧力をかけ、動脈硬化を進行させる疾患です。そのため、血管の狭窄とともに長期にわたり心臓に負担をかけるため、虚血性心疾患を起こします。無症状のことが多いですが、体の中では病変が確実に進むため、サイレントキラーとも呼ばれています。健診などで高血圧が指摘された場合は、 内科や循環器科での診察が必要です。薬物療法や生活習慣の改善により降圧を目指します。血圧値が急激に高くなり、それに伴い視力障害や頭痛などの症状が現れた場合は緊急の処置が必要です。循環器科、脳神経外科、救急科を受診しましょう。

糖尿病

高血糖状態が続くことで、血管を傷め動脈硬化を促進する疾患です。初期症状として、口喝、多飲、多尿などがありますが、進行すると虚血性心疾患が起こりやすくなります。糖尿病が疑われた際は、内科や内分泌科を受診しましょう。血糖管理のため、薬物療法、食事と運動を含めた生活習慣指導が行われます。血糖値が極端に高い場合や急性の合併症(例:糖尿病ケトアシドーシス)が疑われる場合は、直ちに内科や内分泌科を受診しましょう。

術後の虚血性心疾患の主な原因

術後に虚血性心疾患のリスクが高くなる場合があります。術後に虚血性心疾患のリスクを高める要因について、以下の項目に分けて説明します。

冠動脈バイパス術

冠動脈バイパス手術は、狭窄または閉塞した冠動脈を迂回して、新たな血管を吻合し、虚血を解除する手術です。手術自体は虚血性心疾患の治療が目的ですが、術後に新たな血管に閉塞が起こる可能性があります。そのため、再び虚血性心疾患を起こすことがあります。症状は、胸痛、胸部圧迫感、息切れなどです。このような症状がある時には、循環器科を受診し早期の治療が必要です。

大動脈手術

大動脈手術は、主に大動脈瘤や大動脈解離の治療のために行われます。人工血管による大動脈の置換が行われることが多いです。そのため、 手術中や術後の血流の変化や血栓形成により、冠動脈の血流が減少し、虚血性心疾患が引き起こされることがあります。胸痛、胸部圧迫感、息切れなどの症状が起ります。循環器科を受診し早期の治療が必要です。

心臓弁膜症手術

心臓弁膜症手術は、心臓弁の開閉が正常に機能しない場合に行われる手術です。弁の修復や人工弁による置換が行われます。頻度は少ないですが、 術後に血栓が形成されるリスクがあり、これが冠動脈に流入し虚血性心疾患を引き起こす可能性があります。症状は、胸痛、胸部圧迫感、息切れなどです。循環器科を受診し早期の治療が必要です。

虚血性心疾患で突然死する原因

虚血性心疾患は心臓を栄養する冠動脈が狭窄あるいは閉塞することにより起きる疾患です。突然死する場合は、冠動脈が急性閉塞する場合に多いです。緊急性が非常に高いため、早期の診断と治療により生存率が大きく異なります。

心室細動

重度の心筋虚血により、心臓の電気信号が乱れ、心室が無秩序に収縮することで発生します。これにより血液のポンプ機能が失われ、急激に血圧が下がり、ショックを起こします。 突然の意識喪失、呼吸停止、脈が触れないなどが心室細動の症状です。心停止に至ることが多く、迅速な対応が必要です。直ちに心肺蘇生(CPR)を開始し、AEDを使用する必要があります。同時に、救急車を要請し救急科への搬送を依頼します。 心室細動は一刻を争う緊急事態です。早期のCPRとAEDの使用が生存率に大きく関わります。

心筋梗塞

冠動脈の急性閉塞が起こり、心筋が壊死する疾患です。 この時の症状は、突然の胸痛、冷汗、息切れ、吐き気などです。痛みは腕、背中、顎に放散することがあります。心臓のポンプ機能が破綻し、急激に血圧が低下すると、意識を消失することもあります。このような 症状が現れたら直ちに救急車を呼び、最寄りの循環器科、救急科を受診しましょう。緊急処置として、経皮的冠動脈形成術や冠動脈バイパス手術が行われます。発症から治療までの時間が生存率を大きく左右するため、迅速な対応が必須です。

心室破裂

心室破裂は、心筋梗塞の重大な合併症の一つで、壊死した心室壁が破裂する疾患です。症状は、突然の激しい胸痛、急激な血圧低下、呼吸困難、意識喪失などです。心膜腔に血液が漏れ出すことにより心タンポナーデを引き起こし、これが致命的となることがあります。心室破裂が疑われる場合、直ちに救急車を呼び、緊急手術が可能な医療機関の救急科に搬送することが必要です。診断にはエコーやCTが用いられ、治療としては外科的修復や心膜ドレナージが行われます。

虚血性心疾患発症のリスクを上げやすい食べ物・飲み物

虚血性心疾患は動脈硬化が原因で起こることが多いです。したがって、動脈硬化を進展させるような食べ物・飲み物がリスクをあげるものとなるでしょう。具体的に3つをあげて説明いたします。

高脂肪食品

高脂肪食品の摂取は血中のLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、HD-Lコレステロール(善玉コレステロール)を減らす可能性があります。そのため、動脈硬化が促進し、心臓を栄養する冠動脈が狭くなり虚血性心疾患のリスクが上がります。揚げ物、クッキー、バターなどの過剰摂取は気をつけましょう。

高塩分食品

高塩分食品の摂取は、ナトリウムが過剰に体内に入るため、高血圧を起こしやすくなります。高血圧は動脈硬化の進行を促進する代表的な疾患です。そのため、虚血性心疾患のリスクを高めます。塩辛、漬物、即席ラーメン、ポテトチップスなどの過剰摂取は気をつけましょう。

大量のアルコール

過度のアルコール摂取は血圧の上昇を来し、さらに心臓の働きを弱めます。これにより心血管系のリスクが増加し、虚血性心疾患を起こしやすくなります。ビール、ワイン、ウィスキーの過剰摂取には気を付けましょう。1日の適量は、男性で1合、女性は0.5合です。

虚血性心疾患を予防する可能性の高い食べ物

虚血性心疾患を予防するためには、バランスの取れた食事が基本です。その中でも、以下の食べ物の積極的な摂取が有効でしょう。

野菜と果物

野菜と果物は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。加えて、抗酸化作用があります。これらにより、血圧や脂質が良好にコントロールされ、動脈硬化の進展を防ぎます。具体的には、 ブロッコリー、ほうれん草、トマト、リンゴ、バナナなどが良いでしょう。

魚は、不飽和脂肪酸であるEPAやDHAを豊富に含んでいます。これらの栄養素は、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)を減らし、HDL-コレステロール(善玉コレステロール)を増やすのに効果的です。加えて、血液をサラサラにして血流を改善します。そのため、虚血性心疾患の発症を防止します。具体的な食品として、サーモン、マグロ、サバ、イワシなどが該当するでしょう。

大豆製品

大豆製品は、不飽和脂肪酸や食物繊維、イソフラボンなどを豊富に含んでいます。これらの栄養素は、血圧やコレステロール値をコントロールし、動脈硬化を予防します。具体的な食品として、豆腐、納豆、豆乳などがあります。

「虚血性心疾患の原因」についてよくある質問

ここまで虚血性心疾患の原因などを紹介しました。ここでは「虚血性心疾患の原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

虚血性心疾患に自覚症状はありますか?

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

ほとんどの虚血性心疾患で自覚症状があります。主な症状は、胸痛、胸部圧迫感、息切れ、冷や汗などです。糖尿病患者、高齢者では自覚症状を伴わないこともあるので注意が必要です。

ストレスが原因で虚血性心疾患を発症することはありますか?

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

あります。長期的なストレスは、交感神経系の活性化を来し、血圧や心拍数を上昇させ、血管に負担をかけます。そのため、ストレスが動脈硬化を進展させ、虚血性心疾患の発症のリスク因子です。急性の強いストレスが原因で、冠動脈が痙攣(攣縮)することにより起こる、冠攣縮性狭心症という疾患もあります。ストレス管理は虚血性心疾患の予防において重要です。

編集部まとめ 虚血性心疾患は生活習慣の見直しが大切!

虚血性心疾患は早期発見、早期治療が必要な代表的疾患の1つです。突然死に至ることもある疾患です。生活習慣病が原因となることが多いので、一度、自分の日常生活を見直して良い生活習慣を送ることを心がけてください。

「虚血性心疾患の原因」と関連する病気

「虚血性心疾患の原因」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

呼吸器科の病気

虚血性心疾患は命を奪うこともある重篤な疾患です。症状が似た疾患もさまざまあります。虚血性心疾患を疑った場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。

「虚血性心疾患の原因」と関連する症状

「虚血性心疾患の原因」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 胸痛
  • 胸部圧迫感
  • 息切れ
  • 冷や汗
  • 疲労感
  • 血圧低下

記載した症状は虚血性心疾患以外でも起こります。早期の診断が重要です。これらの症状が起こりましたら、できるだけ早く医療機関を受診してください。

この記事の監修医師