「膵臓がん」を発症すると「黄疸」はどこにできる?黄疸ができる原因も医師が解説!

膵臓がんを発症すると黄疸はどこにできる?メディカルドック監修医が膵臓がんを発症すると黄疸ができる原因・ステージ分類・初期症状・原因などを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
関口 雅則(医師)
目次 -INDEX-
「膵臓がん」とは?
膵臓がんとは、胃の背中側にあり、消化液やホルモンを分泌する臓器である「膵臓」に発生するがんを指します。膵臓の主な働きは、食べ物の消化を助ける膵液と、血糖値を調整するインスリンなどのホルモンの分泌です。膵臓がんは進行が早い一方で初期症状が乏しく、発見が遅れる傾向があります。そのため他のがんと比べて治療が難しいがんとされ、「サイレントキラー」とも呼ばれています。
「黄疸」とは?
黄疸とはビリルビンという色素が血液中に増えることで、皮膚や眼球の白目(眼球結膜)が黄色くなる症状です。ビリルビンは赤血球が壊された際に発生し、通常は肝臓で処理されて胆汁として排出されますが、膵臓がんにより胆汁の通路である胆管が詰まると、ビリルビンが体内に滞留し、黄疸となって現れます。
膵臓がんを発症すると、黄疸はどこにできる?
膵臓がんを発症すると、まずどこに黄疸が現れるのでしょうか?黄疸は膵臓がんの重要なサインのひとつであり、病気の進行度や部位によって現れ方が異なります。この章では、膵臓がんによる黄疸が現れる部位や、どのような症状として体に出るのかについて、医師がわかりやすく解説します。ご自身やご家族に気になる症状がある場合は、早めに専門医にご相談ください。
眼球結膜(眼の白目)
黄疸の初期症状として最も観察しやすい場所です。
皮膚
全身の皮膚が黄色くなることがあります。
口腔粘膜(舌など)
口の中の粘膜や舌なども黄色くなることがあります。
膵臓がんを発症しても黄疸ができないことはある?
膵臓がんを発症しても、必ずしも全ての患者さんで黄疸が出るとは限りません。特に膵臓の「体部」や「尾部」といった部位にがんが生じた場合、胆管の圧迫が起こりにくいため、黄疸が現れないことが多いです。また初期では腫瘍が小さく、胆管の閉塞をきたさないケースもあります。
膵臓がんを発症すると、黄疸ができる原因
膵臓がんを発症したとき、なぜ黄疸が現れるのでしょうか?黄疸は膵臓がんに特徴的なサインのひとつであり、その発生には膵臓や胆道の構造、病気の進行が深く関係しています。この章では、医師の視点から膵臓がんで黄疸が出る主な原因やメカニズムについて詳しく解説します。不安な症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
胆管の圧迫・閉塞
膵臓がんが膵頭部にできると、すぐ近くを通る胆管が圧迫され、胆汁の流れが妨げられます。これによりビリルビンが血中に逆流し、黄疸が現れます。消化器内科や外科などの専門科での精密検査が必要です。黄疸の急激な悪化や全身状態の異常があれば、緊急受診が推奨されます。
胆道への浸潤
腫瘍自体が胆管や周囲組織に直接浸潤(しんじゅん)することで、胆汁の流れが阻害され黄疸が生じます。進行がんの場合は胆道ステント治療など緊急を要する場合もあります。
転移(他部位由来の閉塞)
まれに転移巣やリンパ節腫大による外部からの圧迫でも黄疸が出る場合があります。消化器内科・外科での総合的な対応が必要であり、状態に応じて緊急処置が検討されます。
膵臓がんを発症し、黄疸ができた場合のステージ分類と余命
膵臓がんの診断時に黄疸が現れた場合、その進行度や今後の見通しはどうなるのでしょうか?黄疸は膵臓がんのステージ判断において重要なサインの一つであり、治療方針や予後にも大きく関わります。この章では、膵臓がんで黄疸が出た場合のステージ分類と余命の目安について、医師の視点から詳しく解説します。正しい知識を持ち、今後の対応や治療選択に役立てましょう。
ステージ分類と余命
膵臓がんは「Ⅰ期〜Ⅳ期」の4段階に分類されます。黄疸が出現した段階はしばしば進行がん(Ⅲ期以降)であることが多く、切除可能例は少ない傾向です。
黄疸が出た場合、未治療なら平均余命は3〜6か月と報告されますが、化学療法などの適切な医療介入で延命や症状緩和が図られます。ただし、「黄疸=余命が短い」ではなく、個々の状態や治療状況によって予後は異なります。
黄疸以外の膵臓がんの前兆となる初期症状
黄疸の他にも、膵臓がんが進行する前に現れる初期症状はいくつか存在します。見逃しがちな体の変化や不調が、実は重要なサインとなっている場合も少なくありません。この章では膵臓がんに特有の初期症状について、医師の視点からわかりやすく解説します。気になる症状がある際には、早めの受診が大切ですので、ぜひ参考にして下さい。
腹部の痛みや違和感腹部の痛みや違和感
みぞおちや背中に重く鈍い痛みが出ることがあります。慢性の胃痛と誤解しやすく、我慢せずに消化器内科を受診しましょう。
体重減少と食欲不振
短期間での急な体重減少は、膵臓がんの初期サインの一つです。無理に食事をとろうとせず、速やかに受診しましょう。
消化不良・下痢
膵液分泌が落ちると脂っこい便(脂肪便)が出やすくなります。市販薬で改善しない場合は受診しましょう。
糖尿病の突然の発症や悪化
糖尿病と診断されたばかりの中高年は、膵臓がんが隠れている場合があり注意が必要です。内分泌内科または消化器内科で精密検査を検討します。
全身のだるさや黄疸以外の皮膚症状
原因不明の倦怠感や貧血、皮膚のかゆみも膵臓がんの前兆として現れることがあります。症状が長引く際は早めに相談して下さい。
膵臓がんの主な原因
膵臓がんは予後が厳しいことで知られていますが、その原因にはさまざまな要素が関係しています。生活習慣や遺伝的背景、年齢や基礎疾患など、私たちの日常や体質が発症リスクに影響を及ぼしているケースも少なくありません。この章では膵臓がんの主な原因について、医師の立場からわかりやすく解説します。ご自身のリスクチェックや健康管理の参考にしてみて下さい。
家族歴・遺伝的要因
膵臓がんのリスクが高い家族歴や遺伝性疾患がある場合、定期的な人間ドックや画像検診が推奨されます。
生活習慣・基礎疾患
喫煙、過度の飲酒、慢性膵炎、糖尿病などが発症リスク因子です。生活習慣病の管理と禁煙・節酒指導が重要です。
年齢やその他の危険因子
高齢、男性、肥満、労働環境などもリスク要因です。不安な場合はかかりつけ医や消化器専門医にご相談ください。
「膵臓がんと黄疸」についてよくある質問
ここまで膵臓がんと黄疸などを紹介しました。ここでは「膵臓がんと黄疸」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
手遅れとなる膵臓がんの症状について教えてください。
関口 雅則 医師
手遅れとは、末期や転移を伴った膵臓がんと考えられます。この場合、強い黄疸、激しい腹痛、消化管出血、腹水、体重激減、全身の衰弱(カヘキシア)などが明確に現れます。これらは進行した段階で見られる症状であり、早期発見・早期治療が何よりも重要です。
膵臓がんの末期症状について教えてください。
関口 雅則 医師
膵臓がんの末期には、強い持続的な腹痛や背部痛、消化器症状(嘔吐や食欲不振)、黄疸、全身の強いだるさ、不眠、せん妄(認知障害)など多彩な症状となります。多職種の緩和ケアや在宅医療の導入も検討されます。
編集部まとめ
膵臓がんと黄疸の関係は深いです。特に膵頭部がんの場合に黄疸が起こりやすいこと、黄疸が出る時点ですでに進行がんのケースが多いことを理解することが大切です。早期発見のためには、日常的に自身の体調変化に注意を払い、少しでも気になる症状があれば早めに専門医を受診しましょう。当記事でお伝えした症状やリスクファクターを参考に、健康管理に役立てていただければ幸いです。
「膵臓がん」と関連する病気
「膵臓がん」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
膵臓がんは複数の臓器疾患と関連性があり、併存疾患によっては診断や治療にも影響を及ぼします。
「膵臓がん」と関連する症状
「膵臓がん」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
これらの症状がすべて膵臓がん特有ではありませんが、複数当てはまる方は早めの受診をおすすめします。




