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「胃のポリープが消える食べ物」はあるの?胃ポリープができやすい人の食生活も解説!

 更新日:2025/07/23
「胃のポリープが消える食べ物」はあるの?胃ポリープができやすい人の食生活も解説!

胃ポリープが消える食べ物はあるの?Medical DOC監修医が胃ポリープができやすい人の食生活・特徴・原因・予防する食べ物や何科へ受診すべきかなどを解説します。

齋藤 雄佑

監修医師
齋藤 雄佑(医師)

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日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は消化器外科、消化器内科、産業医を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、永仁会病院に勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。

「胃ポリープ」とは?

胃ポリープとは、粘膜表面に発生する小さな隆起状態の病変のことです。内視鏡検査(胃カメラ検査)を受けた際に偶然見つかるケースが多く、通常は無症状であることがほとんどです。多くの場合は良性ですが、中には悪性化する可能性のあるものも存在します。

胃ポリープの種類

胃底腺ポリープ

胃底腺ポリープは胃の上部(胃底部)の粘膜に発生するポリープです。良性であることがほとんどで、がん化することは非常にまれです。一般的には無症状で、偶然見つかることが多いです。胃底腺ポリープはピロリ菌非感染者や胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬など)を長期服用している人に多く見られる傾向があります。

胃過形成性ポリープ

胃過形成性ポリープは、慢性胃炎やヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)感染などによって胃粘膜が炎症を起こし、粘膜の細胞が異常に増殖した結果できると考えられているポリープです。多くの場合は無症状ですが、まれに出血や貧血の原因となる場合があります。また、一部ががん化する可能性もあります。特に10mm以上のものでは注意が必要です。

胃腺腫

高齢者で腸上皮化性を持つ、萎縮性胃炎を背景に生じる病変です。男性に多く、男女比は4:1程度とされています。2cm以上で癌化率が高く、多くは内視鏡的切除が行われます。

胃ポリープが消える食べ物はあるの?

結論として医学的に「胃ポリープを直接的に消す効果が証明された食べ物」はありません。ここでは胃ポリープを予防する可能性のある食べ物について解説いたします。具体的には抗酸化作用がある食材、胃粘膜保護効果が期待できる食材が挙げられます。具体的な食材については後述していきます。

胃ポリープができやすい人の食生活

塩分の多い食品・食生活

塩分の摂りすぎは胃粘膜を刺激し、炎症を引き起こす可能性があります。
具体例としては漬物、ラーメン、スナック菓子、塩辛などの塩分加工食品などが挙げられます。習慣的にこれらの食品を摂っている方は、胃ポリープや胃がんのリスクが高いため、減塩をおすすめします。

過剰なアルコールの摂取

過剰なアルコールは胃粘膜に炎症を起こし、慢性胃炎や胃ポリープ、ひいては胃がんのリスクを上げる可能性があります。具体的には ビール、焼酎、ウィスキー、日本酒、ワインなどです。

刺激物の過剰摂取

香辛料やカフェインの過剰摂取は、胃粘膜を刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。
具体的にはコショウや唐辛子、コーヒー、エナジードリンクなどがあります。これらの食品を必要以上に摂取するのは控えましょう。

脂肪分が多い食品の摂取

脂肪分が多い食品は胃酸の過剰分泌を招き、胃の負荷が高くなります。具体的には揚げ物、脂の多い肉料理などがあります。肥満は胃がんのリスク上昇にも繋がりますので、注意が必要です。

胃ポリープができやすい人の特徴

中高年層の男性

特に40代~60代で発生しやすくなる傾向があります。一部のポリープは男性に多いとされるものもありますので、男性は特に注意が必要です。

ピロリ菌感染者

ピロリ菌感染や慢性胃炎があると、ポリープが起こりやすい状態といえます。ピロリ菌の検査をしたことがない方や、慢性胃炎の症状があっても治療歴がない方は注意が必要です。

喫煙者・過度な飲酒をする人

前述の通り、喫煙や過度な飲酒が胃粘膜を傷つけ、胃ポリープや胃がんのリスクが上昇します。該当する人は注意が必要です。

不規則で偏った食生活

脂肪や塩分過多の食生活が胃粘膜を障害する原因の一つになります。消化器内科や内科で食生活指導を受けることが有効です。

長期的に胃酸分泌抑制薬を内服している人

前述の通り、胃ポリープの中でも胃底腺ポリープは胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬など)を長期服用している人に多く見られる傾向があります。

胃ポリープができる原因

胃ポリープの発生には、いくつかの要因が複雑に関与しています。主な原因としては、ピロリ菌感染、慢性的な胃の炎症、そして遺伝的要因が挙げられます。

ピロリ菌感染

ピロリ菌は、胃粘膜に感染し、慢性的な炎症を引き起こすことで知られています。この炎症が長期間続くと、胃粘膜の細胞増殖が異常になり、ポリープ形成のリスクを高めます。前述の通り、過形成性ポリープはピロリ菌感染との関連が強いとされています。胃がん検診などで胃粘膜の異常や萎縮を疑われる場合は、胃の内視鏡検査を受けましょう。内視鏡検査でピロリ菌感染がある場合には、ピロリ菌を除菌しましょう。

慢性的な胃の炎症

ピロリ菌感染の他にも、食生活などの生活習慣や嗜好歴、薬剤など、さまざまな要因によって胃粘膜に慢性的な炎症が生じることがあります。これらの炎症が持続すると、胃粘膜の修復過程で過剰な細胞増殖が起こり、ポリープが形成されることがあります。胃ポリープがある方は定期的な経過観察が必要ですので、お近くの消化器内科に通院しましょう。

遺伝的要因

家族性大腸腺腫症などの遺伝性疾患を持つ人は、胃ポリープのリスクが高いことが知られています。これらの疾患では、遺伝子の変異が細胞の成長や分裂を制御する機能が失われ、胃や大腸などにポリープが形成されやすくなります。遺伝性疾患の家族歴がある方は医療機関で相談しましょう。

胃ポリープを予防する食べ物・食生活

胃ポリープの予防には、日々の食生活が大きく影響します。バランスの取れた食事を心がけ、特定の食品を積極的に摂取することが、胃の健康維持に繋がります。

野菜・果実

野菜や果実はビタミンCやポリフェノール、カルテノイドといった抗酸化作用のある成分を含み、胃粘膜へのダメージを抑制することで、ポリープの発生リスクを低減する効果が期待できます。緑黄色野菜や果物などを積極的に摂取することをおすすめします。

乳酸菌

乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制する効果があります。特に、ピロリ菌の活動を抑制する効果が期待されており、胃粘膜の保護に役立つと考えられています。ヨーグルトや発酵食品などに含まれる乳酸菌を積極的に摂取することで、胃の健康をサポートできます。しかし、乳酸菌を摂ることでピロリ菌を除菌できるわけではありませんので、除菌が必要な方は医療機関でご相談ください。

食物繊維

食物繊維は、腸内環境を整える上で非常に重要な役割を果たします。腸内環境が良好に保たれることで、胃への負担が軽減され、ポリープの発生リスクを低減する効果が期待できます。特に、野菜、果物、海藻などに豊富な食物繊維を積極的に摂取することがおすすめです。これらの食品は、満腹感を与え、過食を防ぐ効果も期待できます。

胃ポリープの予防法

バランスのとれた食事

胃ポリープの予防は、日々の生活習慣と密接に関連しています。まず、バランスの取れた食生活を心がけることが基本です。具体的には、食物繊維を豊富に含む野菜や果物、海藻類を積極的に摂取し、腸内環境を整えることが重要です。また、乳酸菌を含むヨーグルトや発酵食品を摂ることで、胃の健康をサポートし、ピロリ菌の活動を抑制する効果も期待できます。さらに、抗酸化物質を豊富に含む緑黄色野菜やベリー類を摂取することで、胃粘膜の酸化を防ぎ、ポリープの発生リスクを低減する効果が期待できます。

生活習慣の改善

禁煙、節酒を心がけ、過度なストレスを避けるようにしましょう。喫煙や過度の飲酒は胃粘膜を刺激し、炎症を引き起こす可能性があります。また、ストレスは胃酸の分泌を促進し、胃に負担をかけることがあります。適度な運動や趣味の時間を持つなど、自分に合ったストレス解消法や体重のコントロールも重要です。

定期的な検査・検診

胃ポリープの二次予防(早期発見・治療)のために定期的な内視鏡検査を受けることも非常に重要です。内視鏡検査によって、早期にポリープを発見し、必要に応じて切除することができます。特に、ピロリ菌に感染している場合は、定期的な検査と除菌治療が推奨されます。ピロリ菌の除菌に成功することで、ポリープの縮小や消失が期待できます。

「胃のポリープが消える食べ物」についてよくある質問

ここまで胃のポリープが消える食べ物などを紹介しました。ここでは「胃のポリープが消える食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胃のポリープが自然に消えることはあるのでしょうか?

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

ポリープの種類や治療によって自然に消えるものもありますが、基本的には消えないため、定期的な検査が必要です。具体的には、胃底腺ポリープの場合、胃酸分泌抑制薬の中止によりポリープの数が減ったり、消えたりする場合もあります。過形成性ポリープは、ピロリ菌を除菌すると小さくなったり、消えたりすることがあります。胃腺腫が自然に消えることはほとんどありませんので、定期検査や治療が必要です。

編集部まとめ 胃ポリープの予防は食生活・生活習慣の見直しから!

胃ポリープは、食生活や生活習慣と密接に関わっています。予防のためには、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理が重要です。胃ポリープは一部がん化の可能性があるため、定期的に内視鏡検査を受け、経過観察が必要です。

「胃のポリープ」と関連する病気

「胃のポリープ」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

胃ポリープそのものよりも、がん化していないか経過観察が重要です。定期的に胃カメラなどで観察してもらいましょう。

「胃のポリープ」と関連する症状

「胃のポリープ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

胃ポリープは基本的には症状がありませんが、一部で増大して食べ物の通りが悪くなったり、出血したりする場合があるので注意が必要です。

この記事の監修医師