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「直腸がん」を発症するとどんな「痛み」を感じる?痛みを感じる部位も医師が解説!

 公開日:2025/01/17
「直腸がん」を発症するとどんな「痛み」を感じる?痛みを感じる部位も医師が解説!

直腸がんを発症するとどんな痛みを感じる?Medical DOC監修医がどこに痛みを感じるか・初期症状・原因・検査法・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

齋藤 雄佑

監修医師
齋藤 雄佑(医師)

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日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は一般外科、消化管内視鏡検査、生活習慣病を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、高砂内科・消化器科クリニックに勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。

「直腸がん」とは?

直腸がんは、大腸がんの一種で、大腸の最後の部分である直腸に発生するがんです。直腸は、肛門から約15cmまでの部分を指し、S状結腸に続いて肛門につながっています。
初期の直腸がんは自覚症状に乏しいことが多く、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。しかし、がんが進行すると、血便や排便習慣の変化、腹痛などの症状が現れることがあります。
直腸がんは、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒が期待できるがんです。そのため、少しでも気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

直腸がんを発症するとどんな痛みを感じる?

直腸がんの初期段階では、痛みを感じることはほとんどありません。しかし、直腸がんが進行すると、様々な痛みを感じることがあります。

肛門痛

がんが肛門に近い部分にできた場合、排便時に強い痛みを感じることがあります。

腰痛・臀部痛

がんが直腸の後ろ側の仙骨に広がると、腰や臀部に鈍い痛みを感じることがあります。

下腹部痛

がんが大きくなると、下腹部に痛みを感じることがあります。

排便時痛

排便時に痛みを感じることがあります。

直腸がんを発症すると、どこにどんな痛みを感じる?

下腹部

直腸がんが大きくなってきたり、周囲組織や神経に浸潤していくことで下腹部痛を生じることがあります。下腹部痛が続く場合は近くの消化器科を受診して症状について相談しましょう。

肛門

直腸がんが肛門に近い部分に発生した場合に多く、排便時や座っている時にズキズキとした痛みや焼けるような痛みを感じます。強い痛みや出血がある場合は、早めに消化器外科または肛門科を受診し、痛みの程度や頻度、血便の有無などを医師に伝えてください。

会陰部

会陰部(肛門と陰部の間)に鈍い痛みや圧迫感を感じることがあります。痛みが強い、あるいは排尿・排便に支障をきたす場合は、消化器外科または肛門科に早めに相談しましょう。医師に痛みの程度や他の症状の有無を伝えるようにしてください。

腰・臀部

がんが直腸の後ろ側に広がると、腰に鈍い痛みや重だるさを感じることがあります。痛みが強い場合や足にしびれがある場合は、消化器外科または整形外科を受診し、痛みの程度や他の症状について医師に詳しく説明しましょう。

直腸がんの前兆となる初期症状

血便

特に注意すべき初期症状として、血便があります。便に血が混じる場合、鮮やかな赤い色の場合もあれば、黒っぽいタール状の場合もあります。血便に気づいたら、できるだけ早く消化器外科または肛門科を受診し、血便の量や色、回数などを医師に伝えてください。

排便習慣の変化

便秘や下痢を繰り返したり、便が細くなったり、残便感がある場合は注意が必要です。食生活の見直しや適度な運動を心がけ、症状が改善しない場合は、消化器外科または肛門科を受診しましょう。排便習慣の変化がいつから始まったか、他に症状がないかなどを医師に伝えるようにしてください。

便意異常

便意をもよおす回数が増えたり、便意があっても便が出なかったりする場合は、早めに消化器外科または肛門科を受診し、便意異常の程度や頻度、他に症状がないかなどを医師に相談しましょう。

直腸がんを発症する原因

直腸がんの明確な原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、いくつかの要因が直腸がんの発症リスクを高める可能性があると考えられています。

食生活

食生活の影響が挙げられます。動物性脂肪の多い食事や食物繊維の少ない食事、過度の飲酒は、直腸がんのリスクを高める可能性があると言われています。日頃からバランスの取れた食生活を心がけることが大切です。食生活について不安がある場合は、消化器内科や消化器外科の医師に相談してみましょう。

肥満・運動不足

肥満や運動不足は大腸がんのリスクを上げる可能性があります。比較的男性の方がその傾向は強いとされています。日頃から運動習慣を身につけて、肥満・運動不足にならないよう心がけましょう。

加齢

年齢を重ねるごとに、直腸がんの発症率は高くなる傾向にあります。そのため、特に高齢の方は定期的な健康診断を受け、早期発見に努めることが重要です。

遺伝的な要因

家族に大腸がんになった人がいる場合、直腸がんのリスクが高くなる可能性があります。家族に大腸がんの病歴がある方は、消化器内科や消化器外科、遺伝カウンセリングなどで専門医に相談し、適切な検査や予防について検討することをお勧めします。

直腸がんの検査法

直腸診

直腸診は通常の診察で行われます。消化器外科や肛門科で医師が肛門に指を入れて直腸の状態を診察する検査です。入院の必要はなく、外来診察で行われます。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査は消化器内科や消化器外科で内視鏡を肛門から挿入し、大腸全体を観察する検査です。病院によって麻酔をかけて検査をすることもあります。大腸内視鏡検査では、直腸がんだけでなく、ポリープなどの他の病変も見つけることができます。通常は日帰りで検査を受けることができます。

画像検査

がんの広がりを調べるために画像検査が行われることもあります。造影CT検査やMRI検査などを行い、がんがどのくらいの深さまで浸潤しているか、リンパ節や直腸以外の臓器に転移していないかなどを確認します。これらの検査は放射線科で行われ、通常は入院の必要はありません。

直腸がんの治療法

直腸がんの治療法は、がんの進行度や患者さんの状態によって異なりますが、主な治療法として、手術療法、放射線療法、化学療法があります。

手術療法

手術療法は、がんと近くのリンパ節、時に遠隔転移巣を同時に切除する治療法です。診療科は消化器外科で行います。入院が必要で、入院期間は手術の内容や患者さんの状態によって10日〜数週間程度が想定されます。がんの進行度合いによっては、肛門を温存できる場合と、人工肛門造設術が必要となる場合があります。

薬物療法

薬物療法には、術後再発抑制を目的とした補助化学療法と,延命や症状緩和などを目的とした切除不能進行・再発大腸癌に対する薬物療法があります。加療は消化器内科や腫瘍内科で行います。抗がん剤の種類や投与方法は、がんの進行度や患者さんの状態によって異なるため主治医に確認をしましょう。こちらも通常は外来通院で治療を受けることができます。

放射線療法

放射線療法には,直腸癌の術後の再発抑制や術前の腫瘍量減量、肛門温存を目的とした補助放射線療法と切除不能進行再発大腸癌の症状緩和や延命を目的とした緩和的放射線療法があります。治療は放射線科で行います。通常は外来通院で治療を受けることが可能です。

「直腸がんの痛み」についてよくある質問

ここまで直腸がんの痛みなどを紹介しました。ここでは「直腸がんの痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

直腸がんが進行するとどんな症状が現れますか?

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

直腸がんが進行すると、初期の段階で見られる血便や排便習慣の変化といった症状に加えて、さらに深刻な症状が現れることがあります。例えば、がんからの出血が続くことで起こる貧血などです。貧血になると全身のだるさや息切れ、めまいなどが起こりやすくなります。またがんが大きくなって腸を塞いでしまうと、腸閉塞を起こすことがあります。さらに、がんの影響で食欲不振や消化吸収障害が起こり、体重減少が起こったり、がんが腹膜に転移すると腹水が溜まったりすることもあります。これらの症状は、直腸がんが進行しているサインの可能性があり、注意が必要です。もし、このような症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。

編集部まとめ 下腹部の痛みは直腸がんの症状かも!?気になる症状があれば消化器内科を受診しよう。

直腸がんは、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒が期待できるがんです。そのため、少しでも気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。この記事では、直腸がんの痛み、初期症状、原因、検査法、治療法について解説しました。この情報が、皆様の健康管理に役立てば幸いです。

「直腸がん」と関連する病気

「直腸がん」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

直腸がんと症状が似ている病気、直腸がんと関連する病気はいくつか挙げられます。血便や便通異常など気になる症状がみられる場合、早めに消化器内科を受診しましょう。症状のみでは病気を区別することはできません。早めの受診をお勧めします。

「直腸がん」と関連する症状

「直腸がん」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

直腸がんでみられる症状は上のようなものが挙げられます。しかし、これらの症状は他の病気でもみられるため、症状のみでは区別をすることはできません。気になる症状が持続する場合には、早めに消化器内科を受診しましょう。

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