「慢性リンパ性白血病の治療費」は高額?”負担を減らす助成制度”も医師が解説!

慢性リンパ性白血病は血液がんの1つであり、大変ゆっくりした進行度ですが、治療や検査が必要です。
しかし、がんの治療費は高額なイメージがあり、長く治療を続けられるか心配な方も少なくないでしょう。
本記事では、慢性リンパ性白血病の治療費をはじめ、症状や利用できる助成制度も詳しく解説します。高額な治療費が抑えられる可能性があるため、ぜひ参考にしてください。

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)
目次 -INDEX-
慢性リンパ性白血病とは?
慢性リンパ性白血病は血液がんの一種で、免疫機能を持つ血液細胞のBリンパ球が異常に増殖する病気です。とてもゆっくり進行する病気であり、初期は症状などが見えにくいことが特徴です。
また、50代以降の男性に発症しやすい病気で、日本では白血病全体の1〜2%程の割合を占めます。欧米では発症率の高い白血病で、全体の約20〜30%を占めているようです。
慢性リンパ性白血病の症状
慢性リンパ性白血病は初期症状がほとんどないといわれています。しかし、病気が進行すると、異常な白血球が増殖とともに正常な白血球、赤血球や血小板も減少し、以下のような症状があらわれます。
- 貧血
- リンパ節の腫はれ
- 体重減少
- 倦怠感
- 発熱
- 大量の寝汗
それぞれの内容を詳しく解説します。
貧血
慢性リンパ性白血病の代表的な症状は、体に酸素が回っていないことが原因であらわれる貧血です。酸素を運ぶ役割を担う赤血球(ヘモグロビン)は、白血病が進行すると数が減るため、体全体に十分な酸素が届かず酸欠を引き起こします。
貧血に伴い、立ちくらみや息切れ、めまい、頭痛などの症状も起こる可能性があります。
リンパの腫れ
リンパの腫れはがん化したB細胞の増殖が原因です。痛みはほとんどありませんが、増殖を続けるとリンパ節だけでなく脾臓・肝臓など内臓の腫れも引き起こします。
リンパ節の腫れは中リスクにあたり、リンパ節の腫れが急激に進行したり、10cm以上のリンパ節がある場合は治療の対象になります。しかし、リンパの腫れはほかの病気でも見られる症状のため、医療機関で正しい診断をしてもらいましょう。
体重減少
慢性リンパ性白血病は体重減少のリスクもあります。がん細胞は体内にあるタンパク質や筋肉を分解するのが特徴です。
また、がんが進行すると食欲が低下する患者さんもいるため、体重減少につながります。6〜12ヵ月の間に5%以上の体重減少があった場合は、早めに医療機関で受診するのがおすすめです。
倦怠感
慢性リンパ性白血病は倦怠感を感じることがあります。慢性リンパ性白血病により、正常な白血球が不足すると、感染症にかかりやすくなるほか、赤血球の減少に伴い貧血などの症状が出やすくなります。
倦怠感に対する具体的な治療法はないため、原因になっている症状の改善が必要です。
発熱
慢性リンパ性白血病は正常な白血球が不足するため、発熱を引き起こすケースがあります。
基本的に、37.5度以上が発熱と定義されていますが、慢性リンパ性白血病は38度を超える高熱が出る可能性もあるため注意が必要です。
大量の寝汗
大量の寝汗も慢性リンパ性白血病で見られる症状の1つです。基本的に人間は寝ている間にコップ1杯程度の汗をかいているといわれています。
しかし、慢性リンパ性白血病ではかけ布団やシーツを変えなければいけないくらい汗をかく患者さんもいます。大量の寝汗は慢性リンパ性白血病以外の病気でも起こる可能性があるため、医療機関で受診するのがおすすめです。
慢性リンパ性白血病の治療費はどのくらい?
慢性リンパ性白血病の治療費は薬などによっても違います。厚生労働省の令和3年度医療給付実態調査によると、入院・入院外の1患者さんあたりの治療費は以下のとおりです。
- 入院:約75,000円
- 入院外:約43,000円
進行度によっても治療方法などが違うため、中期〜末期にかけて治療費が上がりやすくなるでしょう。
慢性リンパ性白血病の治療に利用できる助成制度
慢性リンパ性白血病の治療費は高額になるため、国からの助成制度が複数設けられています。慢性リンパ性白血病の疑いがある方、今後治療を始める予定の方はぜひ参考にしてください。
公的医療保険
公的医療保険はケガや病気のリスクに備え、国民全員が義務的に加入する国が定めた保険制度です。公的医療保険は3つの種類に分類されます。
- 被用者保険
- 国民健康保険
- 後期高齢者医療制度
被用者保険は会社勤めの方が加入する保険、国民健康保険はフリーランスや非正規雇用者、退職してすぐの方が加入するものです。
また、後期高齢者医療制度は原則75歳以上の方が加入する保険です。年齢によって自己負担額の割合が変わり、慢性リンパ性白血病になりやすい50代以降は以下の負担割合になります。
- 69歳まで:3割負担
- 70〜74歳の一般・低所得者:2割負担
- 75歳以上の一般・低所得者:1割負担
- 70歳以降の現役同様所得者:3割負担
70代以降は所得によって負担割合が違うため、厚生労働省のホームページから詳細を確認してください。
高額療養費制度
高額医療費制度は治療費として支払った額が、月初から月末までに上限額を超えた場合に超過額を支給する制度です。ただし、入院時に発生する食事代や差額ベッド代などは対象外です。
制度を受ける際には、公的医療保険に申請を行いましょう。支給されるまでに約3ヵ月かかるため、早めの申請がおすすめです。また、年齢や所得によって支給額の上限が違うため、注意してください。
高額医療・高額介護合算療養費制度
高額医療・高額介護合算療養費制度は8月1日〜翌年7月31日までの1年間で、医療保険と介護保険の自己負担合算額が高額になる場合に負担を軽減する制度です。制度を受けるには以下の条件を満たしている必要があります。
- 公的医療保険の世帯内であること
- 年間の医療保険、介護保険の自己負担合算額が、各所得区分の限度額を超えていること
また、どちらの保険にかかるかによって、支給の形が違うのも特徴です。
- 医療保険の場合:高額介護合算療養費に該当
- 介護保険の場合:高額医療合算介護サービス費に該当
高額医療・高額介護合算療養費制度は所得によって支給額などが細かく決まっています。申請なども難しいため、加入している医療保険、介護保険の窓口への相談がおすすめです。
小児慢性特定疾病医療費助成制度
小児慢性特定疾病医療費助成制度は、小児慢性特定疾病にかかっている児童がいる家庭の医療費の負担軽減のため、一部を助成する制度です。小児慢性特定疾病医療費助成制度を受けるには、以下の条件をすべて満たさなければなりません。
- 慢性に経過する疾病であること
- 生命を長期に脅かす疾病であること
- 症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病であること
- 長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病であること
小児慢性特定疾病には多くの白血病が対象ですが、慢性リンパ性白血病は対象外です。慢性リンパ性白血病は小児はほとんどかからない病気のため除外されていると考えられます。
医療費控除制度
医療費控除は1月1日から12月31日までの1年間で一定額以上の医療費を支払った際に、確定申告を行うと所得税などの税金控除が受けられる制度です。医療費控除額は最大2,000,000円で以下の方法で計算ができます。
- 実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額-100,000円もしくは総所得金額の5%の金額
総所得金額が2,000,000円未満の場合は5%の金額を差し引きます。また、医療費控除制度を受ける際は、必ず確定申告の際に源泉徴収票を提出するようにしてください。
慢性リンパ性白血病の治療費についてよくある質問
ここまで慢性リンパ性白血病の症状・治療費・助成制度などを紹介しました。ここでは「慢性リンパ性白血病の治療費」のよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
慢性リンパ性白血病で仕事を休む場合傷病手当金を受給できますか?
公的医療保険の被保険者の患者さんが仕事を休む場合、傷病手当金を受給できます。受給できるのは休んでから4日目以降かつ期間は1年半です。ただし、国民健康保険の被保険者は対象外になります。また、休職している患者さんのみが対象となっており、1日あたり給料の約3分の2が支給されます。
慢性リンパ性白血病の検査費用には保険が適用されますか?
- 血液検査
- 骨髄検査
- 染色体検査
- リンパ節生検
血液検査はがんの疑いがある方や治療目的の検査であれば適用されますが、健康診断などの検査は適用外のため注意しましょう。また、検査費用は保険適用がありますが、治療薬によっては国内の保険未適用の場合もあります。慢性リンパ性白血病の治療費は保険適用のものと適用外のものとあるため、不明点は都度医療機関や医療保険の窓口に確認するのがおすすめです。
編集部まとめ
今回は、慢性リンパ性白血病の症状や治療費を解説しました。
慢性リンパ性白血病はゆっくり進行する病気であり、初期は症状が出にくい点が特徴です。基本的には経過観察になりますが、慢性リンパ性白血病だと気付かずに症状が進行している可能性があります。
貧血や大量の寝汗、リンパ節の腫れや過度な体重減少など、少しでも思い当たる節のある方はぜひ早めに医療機関を受診しましょう。
また、検査や治療は保険適用されるものや助成制度を利用できるため、長期的に付き合っていく必要がある病気でも治療が続けやすくなっています。
例えば、血液検査や骨髄検査なども保険適用となっており、万が一入院になった際もさまざまな制度を活用できます。
検査を通して自分に合う治療法を見つけ、制度を活用しながら前向きに治療に励みましょう。
慢性リンパ性白血病と関連する病気
「慢性リンパ性白血病」と関連する病気は4個程あります。
各症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する病気
- 急性リンパ性白血病
- 急性骨髄性白血病
- 慢性骨髄性白血病
- 小リンパ球性白血病
白血病にはさまざまな種類があり、進行度が病気や患者さんによってまったく違います。慢性リンパ性白血病はゆるやかに進行していく病気ですが、気付きにくい病気のため、ぜひ定期的に健診を行い、早期発見につなげましょう。
慢性リンパ性白血病と関連する症状
「慢性リンパ性白血病」と関連・似ている症状は7個程あります。
各症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 体の怠さ
- 食欲不振
- 体重減少
- 発熱
- リンパ節腫脹
- 貧血
- 出血傾向
慢性リンパ性白血病は初期段階では症状が出にくく、風邪や体の不調に似た症状のため、患者さん自身ではなかなか気付きにくい病気です。しかし、放置していると合併症などを引き起こすリスクもあります。上記のような症状が長引いている方や体の異変を感じる方は、ぜひ早めに医療機関で受診してください。




