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「悪性リンパ腫の入院期間」は短い?初期に現れる”しこりの場所”も医師が解説!

 公開日:2026/01/15
「悪性リンパ腫の入院期間」は短い?初期に現れる”しこりの場所”も医師が解説!

悪性リンパ腫は、リンパ系のがんであり、治療法や病期によって入院期間が異なります。新しい医療技術により、悪性リンパ腫の治療は進化し続けており、患者さん一人ひとりに合わせた治療計画が立てられています。
本記事では悪性リンパ腫の入院期間について以下の点を中心にご紹介します。

  • ・悪性リンパ腫とは
  • ・悪性リンパ腫の症状
  • ・悪性リンパ腫の原因

悪性リンパ腫の入院期間について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

悪性リンパ腫とは?

悪性リンパ腫は、リンパ球という白血球ががん化して身体のさまざまな部位に腫れやしこりを形成する疾患です。血液腫瘍の一種であり、病型によってさまざまな特徴があります。主な病型にはB細胞リンパ腫とT細胞、NK細胞リンパ腫があり、それぞれが異なる組織に影響を与えます。
症状は腫れや発疹だけでなく、全身的な倦怠感や免疫不全による感染症のリスクも伴います。早期発見と適切な治療が重要で、病型によっては長期の寛解が期待できることもあります。

悪性リンパ腫の症状

悪性リンパ腫の症状は、リンパ節の腫れやしこりが主な特徴です。リンパ節が異常に腫れてくることで触診や見た目の変化が認められます。初期段階では痛みを伴わず、首や腋の下、足の付け根などのリンパ節が影響を受けやすいです。症状が進行すると、発熱、体重減少、寝汗のB症状が現れることがあります。
また、皮膚の発疹や嘔吐などの症状も出ることがあります。重症化すると骨髄の機能が抑制され貧血などが現れることもあります。悪性リンパ腫がほかの臓器に転移すると、臓器特有の症状が現れることもあり、例えば胸部では呼吸困難や肝臓では黄疸、骨では骨痛などが起こる可能性があります。

悪性リンパ腫の原因

悪性リンパ腫の原因は、主にリンパ球の遺伝子異常が関与していますが、具体的な原因は明確にはわかっていません。悪性リンパ腫は非ホジキンリンパ腫(B細胞リンパ腫、T/NK細胞リンパ腫)とホジキンリンパ腫に大別され、日本では非ホジキンリンパ腫が多く見られます。これらの病型は進行速度によって低悪性度、中悪性度、高悪性度に分類され、進行の速さに応じた治療が必要です。
ウイルス(EBウイルス)、細菌(ピロリ菌)、自己免疫疾患、薬剤治療や化学物質への曝露が原因とされることもありますが、すべてのケースで明確な原因が特定されているわけではありません。研究は今後も原因究明に向けて進められています。

悪性リンパ腫の検査方法

悪性リンパ腫の診断には、複数の検査が必要です。

血液検査・尿検査

悪性リンパ腫の診断には、血液検査と尿検査が重要です。血液検査では、白血球や赤血球の数値、LDH、sIL-2Rなどの腫瘍マーカーを調べ、病気の進行や治療効果の指標とします。尿検査では腎機能を評価し、化学物質やタンパク質の排泄量を確認します。

超音波検査

超音波は、体内のリンパ節の腫れや形状、大きさを詳細に観察します。腹部超音波では肝臓や腎臓などの臓器の異常も確認でき、悪性リンパ腫の進行度合いを把握するうえで重要な役割を果たします。
ただし、体格やリンパ節の位置によっては、画像の解釈に一定の難しさがあります。検査結果はほかの画像診断と組み合わせて病状を評価し、治療法を選択する際の重要な参考になります。

CT検査・MRI検査

CT検査ではX線を用いて体の断層画像を作成し、リンパ節や脾臓の腫れ、可能性のある転移の有無を評価します。一方、MRI検査は磁気を利用して体の内部の詳細な画像を取得し、脳や脊髄、あるいは標的部位の評価に用いられます。画像診断は病変の大きさや位置、組織の性質を明確にとらえるため、悪性リンパ腫の診断と治療計画の策定で欠かせない手法です。

脊髄検査

悪性リンパ腫の診断では、脊髄検査は重要な手法です。主に腰椎部位からの脊髄液採取(脊髄穿刺)を通じて、リンパ腫の細胞が脊髄内に浸潤しているかを評価します。顕微鏡下での細胞検査や腫瘍マーカーの評価を含め、リンパ腫の種類や病変の範囲を明確にします。脊髄検査は、治療計画の策定や病状の観察をする際に重要な情報源となります。

悪性リンパ腫の治療方法

以下では、悪性リンパ腫の治療方法をご紹介します。それぞれの治療方法は病型や進行度に応じて選択され、患者さんの個別の状況に合わせて治療計画が立てられます。

薬物療法

悪性リンパ腫の治療では、薬物療法が中心的な役割を担います。抗がん剤や分子標的薬を組み合わせた多剤併用療法が主流であり、病型や患者さんの状態に応じて選択されます。例えば、非ホジキンリンパ腫にはCHOP療法やR-CHOP療法、Pola-R-CHP療法などがあり、初回治療に用いられます。
ホジキンリンパ腫ではABVD療法やA-AVD療法が選択されます。治療は外来で行われ、再発時には異なる抗がん剤を組み合わせることが多いようです。治療中には副作用がありますが、予防措置や支持療法を行いながら、治療の効果を追求します。

放射線治療

放射線治療は悪性リンパ腫の治療の重要な選択肢の一つです。リンパ腫が限られた範囲にあり、進行が遅い場合には放射線単独で行われることがあります。これにより、がん細胞を破壊し消滅させる効果が期待されます。
また、放射線治療は症状の一時的な緩和や、造血幹細胞移植前の準備でも使用されます。副作用には、照射された部位の皮膚炎や全身症状が挙げられ、個別の症状に応じた適切な支持療法が行われます。

造血幹細胞移植

造血幹細胞移植も重要な治療手段です。化学療法や放射線治療により骨髄機能が低下した後、事前に採取し保存した自身の造血幹細胞を再び体内に戻すことで、骨髄機能を回復させる治療です。再発リスクが高い症例や、化学療法後に治療効果が見られなかった場合に選択されることが多く、患者さんの個別の状況に応じて治療方針が決定されます。

経過観察

悪性リンパ腫のゆっくり進行するタイプでは、症状がない場合には治療を行わず、定期的な経過観察を行います。病期の進行や症状の発現を見極め、必要に応じて治療を開始します。

悪性リンパ腫の入院期間はどのくらい?

悪性リンパ腫の初回化学療法は入院が必要で、治療の副作用をしっかりと観察します。
初期段階の悪性リンパ腫であれば入院期間は11〜15日程度ですが、治療のためのトータルの入院期間は6~12ヵ月程度が目安です。

入院期間は、患者さんの状態や治療計画によって異なる場合があります。

悪性リンパ腫についてよくある質問

ここまで悪性リンパ腫を紹介しました。ここでは悪性リンパ腫についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

悪性リンパ腫の治療後にはどのような影響が残りますか?

中路 幸之助中路 幸之助 医師

悪性リンパ腫の治療後、生活に大きな影響は残りませんが、稀に副作用が生じることがあります。例えば、治療中に使用したステロイド剤が骨を弱くし、運動制限が必要になることがありますが、時間とともに改善されます。
また、治療によって成長障害や内分泌障害が発生することもありますが、これらの問題は定期的なフォローアップで管理可能とされます。
さらに、がん治療を受けたことで将来的に二次がんの発症リスクが少し上がりますが、このリスクはがんの発生率自体が高い日本でも考慮されるべき点です。治療の副作用を抑えつつ、効果的な治療法の選択が、患者さんの健康状態と生活の質を維持する鍵です。

悪性リンパ腫の再発はどのような症状でわかりますか?

中路 幸之助中路 幸之助 医師

悪性リンパ腫の再発は、定期的な検査で血液や画像検査によって発見されることが多いようです。具体的な症状として、リンパ節が異常に大きくなることがあります。男性では睾丸(精巣)が腫れることもあります。
また、リンパ腫細胞が髄液に再発する場合には、頭痛、吐き気、または視覚障害などの症状が現れることがあります。
しかし、これらの症状が出たからといってすぐに再発するとは限りません。定期的な検査と担当医の指導のもとで、早期に再発を検知し、適切な治療を行うことが重要です。治療後も定期的なフォローアップを受けることで、再発の早期発見と管理が可能とされます。

まとめ

ここまで悪性リンパ腫の入院期間についてお伝えしてきました。悪性リンパ腫についての要点をまとめると以下のとおりです。

⚫︎まとめ

  • ・悪性リンパ腫(初期)の入院期間は11〜15日程度。治療のためのトータルの入院期間は6~12ヵ月程度
  • ・悪性リンパ腫の症状にはリンパ節の腫れやしこりが挙げられる
  • ・悪性リンパ腫の原因は、主にリンパ球の遺伝子異常が関与しているが、具体的な原因は明確にはわかっていない

悪性リンパ腫と関連する病気

悪性リンパ腫と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

腫瘍内科の病気

  • B細胞リンパ腫
  • T細胞リンパ腫
  • NK細胞リンパ腫

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

悪性リンパ腫と関連する症状

悪性リンパ腫と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

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