「花咲乳がんの余命」はご存知ですか?ステージ別の症状も解説!【医師監修】
花咲乳がんという病気を耳にしたことはあるでしょうか。
乳がんのなかでも、がん細胞が皮膚の表面に露出している状態です。
このような状態は花咲くように見えることから、花咲乳がんと呼ばれています。
痛みや出血、悪臭を伴うことが多く、患者さんの生活に大きな影響を与えます。早期発見と治療が重要であり、定期的な検診が推奨されます。
本記事では花咲乳がんについて、余命や治療方法、段階について解説していますので参考にしてみてください。
監修医師:
上 昌広(医師)
目次 -INDEX-
花咲乳がんとは?
花咲乳がんは乳がんの進行により、乳がんのがん細胞が乳腺内にとどまらずに、皮膚を突き破り肌表面に露出している状態のことをいいます。
花咲き乳がんは、局所進行乳がんになった状態の呼称のひとつです。5cmを超える腫瘍、皮膚や筋肉に広く浸潤している、あるいはリンパ節に多数の転移を確認されます。
花咲き乳がんでは、通常時と見た目も変わってしまうため、精神的にも辛くなる方が多い傾向にあります。がんを放置していたりがんが再発して、がん細胞が皮膚を食い破りむき出しの状態となる場合もあります。花咲き乳がんは、がんの治療後2年目か3年目に出てくるケースや、治療から10年以上たって出てくるケースもあります。
花咲乳がんの余命や生存率
乳がん全体の10年生存率は約80%です。ただし、がんの生存率は年々向上しており、ステージや状態により異なるため、個別に判断する必要があります。花咲乳がんは、進行した乳がんの一形態で、皮膚に腫瘍が突き出すことが特徴です。この状態は患者やその家族にとってとても不安なものであり、余命や生存率に関する情報は重要です。
本記事では、花咲乳がんの治療法や予後について、初学者にもわかりやすく解説し、正確な情報を提供します。具体的なデータや最新の治療法を通じて、患者さんの不安を少しでも和らげることを目指します。
花咲乳がんの余命
花咲乳がんは、がんが乳腺内にとどまっていないことから症状としては進行している状態で、ステージ0やステージ1と比較すると生存率は高くないのが現状です。ただし適切な治療で症状を緩和させることにつながるため、今後の治療方針について主治医と相談しながら進めていくことが大切といえるでしょう。
花咲乳がんの生存率
花咲乳がんは皮膚への進展が見られる乳がんです。そのためステージ3Bと呼ばれる段階です。ステージ3の乳がんの10年相対生存率は50%を超えていることから、症状や治療と向き合っていくことが大切といえるでしょう。
花咲乳がんの末期症状
花咲乳がんは、がんが乳腺内にとどまらず進行している状態のため、痛みや臭いといった症状を伴うことが少なくありません。また見た目が通常の乳房とは変わってしまい視覚でも確認できる状態なので、患者さん自身が認識できる分、精神的な苦痛を伴うこともあるでしょう。また花咲乳がんの治療法としては薬物療法が用いられるケースが少なくありません。
そのため、薬物療法の副作用として挙げられる脱毛や皮膚の発疹、手足のしびれや痛みといった日常生活に影響の出るような症状も患者さんに見られると考えておくとよいでしょう。また余命宣告をされたといったケースでは、緩和ケアを検討することも視野に入れておくことをおすすめします。
花咲乳がんのステージ別の症状
花咲乳がんは、その状態自体が皮膚への進展が見られる状態のため、ステージ3以降に該当します。とはいえ花咲乳がんに該当する状態以外にはどのようなものがあるでしょうか。乳がんそのもののステージごとの状態から花咲乳がんの状態を確認していただくとよいでしょう。
ステージ1
ステージ1はしこりが2cmを越えない状態です。微小なため、腫瘍そのものを手術で切除することが可能な状態といえるでしょう。いわゆる早期のがんといわれる状態で、クリニックでの定期的な検診で発見されることも少なくありません。
この時期に発見された場合は生存率も高く、完治の可能性も低くないため主治医としっかりとコミュニケーションを取り治療計画を考えていくことが大切です。
ステージ2
一般的にはステージ2までがほかの組織に浸潤していないケースです。手術療法で完治を目指していくケースが一般的です。ステージ1と比較してしこりが大きいケースや、リンパ節への転移が認められる状態が挙げられるでしょう。ステージ2の場合の10年生存率は80%を超えている点も特徴です。
ステージ3
花咲乳がんは先述のとおり、ステージ3に該当します。大きさに関係なく胸壁や皮膚への進展が見られる場合で、主に薬物療法を用いて治療を進めていきます。
またリンパ節への転移が認められることもあるため、それらの状態によって治療の内容が変わるといえるでしょう。
ステージ4
ステージ4の乳がんは、肺や骨、肝臓といったほかの臓器への転移が認められる場合を表します。出血を伴うケースも少なくありません。花咲乳がんの場合でも、周辺の臓器への転移の有無でステージが決まるため、ステージ4の状態のケースもあるといえるでしょう。薬物療法や先進医療を用いて治療を進めていくことになります。
転移したそれぞれの場所で治療を行うことが想定されます。主治医と必要な治療についてしっかりと相談しながら進めていくことが大切といえるでしょう。
花咲乳がんの治療方法
花咲乳がんは進行している状態となることや広範囲に広がっていることから、薬物療法を用いることが一般的と考えられます。なお乳がんの治療法として基本となるのは手術です。手術できないくらい進行している場合を除いては、手術が必要になると考えておくことをおすすめします。
また事前に薬物療法を用いてがんを小さくしてから手術するケースも想定されるでしょう。
薬物療法
薬物療法は化学療法・ホルモン療法・分子標的薬法といった方法で、がんの進行を抑えたり、症状をやわらげたりする方法です。がん細胞を小さくしてから手術療法につなげるといった目的で用いられることもあります。
効果の強い薬を用いることから、副作用が懸念される場合も少なくありません。食事やほかの薬の影響を受ける可能性があるだけでなく食欲不振や倦怠感といった日常生活に影響のある副作用が出ることがあります。
患者さんが治療を通じてどのような状態を経験する可能性があるか、事前にしっかりと主治医と確認することが大切です。
手術療法
がんを取り除くために手術を用いる方法です。乳房全体をがんとともに摘出する手術、一部を残す手術など、細かく分類することができます。変形の強い乳房温存術より乳房全切除術と同時再建を希望される方が増えています。乳房の切除は精神的な負担を伴うことも多くあるため、治療と患者さんの尊厳の両立が課題となることもあるでしょう。どのような方法で治療を進めていくか、主治医と相談しながら決めていくことが大切です。
放射線療法
放射線を照射することで細胞内のDNAを切断し、がん細胞にダメージを与えていく治療法です。乳房温存手術後の乳房照射や乳房切除の後に再発予防で胸壁やリンパ節に放射線を照射するケースなど、さまざまな場合で用いられます。
花咲乳がんの余命についてよくある質問
ここまで花咲乳がんの生存率・症状・治療法などを紹介しました。ここでは「花咲乳がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
花咲乳がんの余命を延ばすことはできますか?
上 昌広(医師)
花咲乳がんは完治しますか?
上 昌広(医師)
乳がんは小さく転移のない時期に発見することや適切な治療を受けることで、完治に近い状態に向けて治療を進めることが可能になるといえるでしょう。花咲乳がんのように状態が進行していても、有効な治療手段を主治医としっかりと模索していくことが大切です。
編集部まとめ
花咲乳がんは正式な名称ではないものの、その状態が見た目からもわかるため驚いたり精神的な負担を抱えたりしてしまうことがあります。
また段階としては初期の状態とはいえず、進行している状態のため治療法も身体的な負担を伴うことが少なくありません。
しかし治療や副作用と根気強く向き合っていくことで、症状の緩和が期待できるといえるでしょう。
医師としっかりと相談しながら治療を進めていきましょう。
花咲乳がんと関連する病気
「花咲乳がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する病気
- 肺がん
- 胃がん
- 肝臓がん
花咲乳がんは、がん細胞が皮膚を破って肌表面に出ている状態です。肌表面だけでなく、ほかの臓器にも転移している可能性があることから、関連する病気としてはがん全般が挙げられるでしょう。
花咲乳がんと関連する症状
「花咲乳がん」と関連している、似ている症状は3個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 痛み
- 臭い
- 見た目の変化
花咲乳がんは早期がんと比較して、状態が進行していることから以下のような症状を伴うことが少なくありません。痛みや臭いの緩和として薬を使用するといったケアを行うことがあります。