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「花咲乳がんの前兆となる3つの初期症状」はご存知ですか?原因も医師が解説!

 公開日:2024/04/08
「花咲乳がんの前兆となる3つの初期症状」はご存知ですか?原因も医師が解説!

花咲乳がんとは?Medical DOC監修医が花咲乳がんの症状・原因・生存率・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

山田 美紀

監修医師
山田 美紀(医師)

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慶應義塾大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、総合病院や大学病院にて形成外科、外科、乳腺外科の研鑽を積んできた。医学博士。日本外科学会 外科専門医、日本乳癌学会 乳腺認定医、検診マンモグラフィー読影認定医(A判定)の資格を有する。

「花咲乳がん」とは?

乳がんが進行し、皮膚の表面に顔を出し、潰瘍を形成した状態を「花咲乳がん」と表現します。「花咲乳がん」は局所進行乳がんの一つであり、正式な病名ではありません。

花咲乳がんの代表的な症状

代表的な症状として、出血、痛み、悪臭があります。

出血

潰瘍部分からじわじわと出血します。まず圧迫止血を行いましょう。ガーゼを直接あてると、はがすときに再度出血してしまうため、軟膏を厚く塗る、または非固着性ガーゼで被覆します。出血が多い場合は貧血になる可能性があるため、早めに乳腺科を受診しましょう。止血作用のあるアルギン酸塩ドレッシング材を出血部にあて、処置を行います。

痛み

潰瘍を形成すると、痛みを伴います。痛みの状態に応じて、鎮痛剤を使用します。痛みのコントロールが難しい場合は、主治医と相談して薬の量や種類の調整をしましょう。NSAIDs(ロキソニンなど)、アセトアミノフェンや医療用麻薬などを使用します。

悪臭

花咲乳がんは独特な臭いがあります。腫瘍の壊死によって発生する物質と嫌気性菌による感染が悪臭の原因と言われています。創部を洗浄し清潔を保つことが大切です。早めに乳腺科を受診しましょう。メトロニダゾール外用薬(ロゼックスゲル)が潰瘍部の殺菌、消臭に効果があります。

花咲乳がんの前兆となる初期症状

花咲乳がんは花が咲く前に乳房のしこり、赤みや変形などの症状があります。気が付いたら、放置せずに早めに受診をすることが重要です。

乳房のしこり

乳がんが皮膚に顔を出す前に、まず乳房のしこりを自覚する可能性があります。しこりを長期間放置することで、潰瘍を形成する場合があります。乳房のしこりに気が付いたら早めに乳腺科を受診しましょう。

皮膚の赤み

乳がんが皮膚の近くにあり、進行すると、おできのように皮膚の赤みが出現します。放置すると、潰瘍を形成してしまうため、早めに乳腺科を受診しましょう。

乳房の変形

乳がんが皮膚の近くにできるとえくぼのように陥凹することがあります。放置すると皮膚の表面に浸潤し、潰瘍を形成してしまうため、早めに乳腺科を受診しましょう。

花咲乳がんの原因

花咲乳がんの原因の多くは乳房の症状を長期間無治療で放置してしまうことです。中には進行の速いタイプの乳がんで花咲の状態になってしまう場合や治療した乳がんの再発で花咲の状態になる場合もあります。

乳房のしこり、赤みや変形を放置

乳房の皮膚のしこり、赤みや変形を無治療で放置すると、徐々に進行し潰瘍を形成してしまいます。花咲の状態までなぜ放置してしまうのか疑問に思う方もいると思います。皮膚のできものだと思って受診が遅れる場合や、症状に気が付いていても忙しさや不安から受診できないこともあります。治療をすれば、症状を和らげることができます。一人で悩み続けず、早めに乳腺科を受診することをおすすめします。

進行が早い乳がん

花咲乳がんの中には悪性度が高く、進行スピードが速いタイプの乳がんである場合があります。稀ですが長期間放置したわけではなくても、花咲の状態になってしまうことも考えられます。症状に気が付いたら、早めに乳腺科を受診することが重要です。

乳がんの再発

がんを放置して花咲の状態になる場合以外に、一度治療をした乳がんが乳房の皮膚に再発して花咲の状態になる場合があります。治療後もご自身の乳房を観察し、異変に気が付いた場合は早めに主治医に相談することが大切です。

花咲乳がんのステージ別・生存率

花咲乳がんは局所進行乳がんの一つであり、ステージ3以上の乳がんです。ステージ3以上の花咲乳がんの生存率、検査について紹介します。

花咲乳がん・ステージ3の生存率

ステージ3の5年生存率は80.7%です。ステージ2の5年生存率95.5%と比べると生存率が低くなりますが、完治を目指して治療を行います。ステージ3の花咲乳がんでは、乳房の潰瘍からの出血、浸出液、悪臭、痛みなどの症状があります。花咲乳がんではマンモグラフィー検査を行うのが難しく、乳腺エコーや造影MRI検査を行います。遠隔転移の有無を確認するためにPET-CT検査などの全身検査も行います。

花咲乳がん・ステージ4の生存率

ステージ4の5年生存率は38.7%です。ステージ4の花咲乳がんは乳房だけではなく遠隔転移をしているため、完治は難しくなります。この段階になると、転移の状況によっては余命を考えます。乳房の症状に加えて、転移した部位の症状があります。乳がんは骨、肺、肝臓、脳に転移しやすいです。検査はステージ3と同様ですが、脳転移が疑わしい場合は頭部MRI検査を行います。

花咲乳がんのステージ別・治療法

花咲乳がんは局所進行乳がんの一つであり、ステージ3以上の乳がんです。ステージ3以上の花咲乳がんの治療法について紹介します。

花咲乳がん・ステージ3の治療法

乳腺科で治療を行います。花咲乳がんは手術で切除することが難しいため、まず抗がん剤による全身治療を通院で行います。全身治療がよく効き、手術が可能となった場合は、1-2週間の入院で乳房切除術を行います。その後放射線治療に1か月程度通院します。術後も再発予防のための薬物治療を行います。手術が困難な場合は薬物治療±放射線治療を行います。腫瘍の潰瘍に対して、創部の処置や鎮痛剤で痛みのコントロールを行うなどの対症療法を行います。また、腫瘍の出血、浸出液、臭いを軽減するために、潰瘍にモーズペーストを塗る処置が有効な場合があります。

花咲乳がん・ステージ4の治療法

ステージ4は乳房以外の場所に遠隔転移があるため、薬による全身治療を行います。がんの治癒を目指すのではなく、がんの進行を抑えたり症状を和らげ、QOLの良い状態で長期の生存を目指します。1つの治療を行って効果があるうちは続け、効果がなくなったら別の治療に変更します。基本は通院ですが、転移による症状が強い場合には入院が必要となることがあります。乳房の潰瘍に対しては、ステージ3と同様に対症療法を行います。また、病状が許せば、乳房の症状緩和のために手術や放射線治療を行う場合もあります。

「花咲乳がん」についてよくある質問

ここまで花咲乳がんの症状・原因・生存率・治療法などを紹介しました。ここでは「花咲乳がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

花咲乳がんの末期症状について教えてください。

山田 美紀山田 美紀 医師

花咲乳がんの場合、すでに遠隔転移があるケースも多いです。骨に転移がある場合は、転移部位の痛み、肺に転移がある場合は息苦しさや長引く咳、肝臓に転移が進行した場合はお腹の張り、脳に転移した場合は頭痛や麻痺、けいれんがある場合があります。

花咲乳がんは完治しますか?

山田 美紀山田 美紀 医師

花咲乳がんであっても遠隔転移がなく、抗がん剤が良く効き、手術を行えた場合に完治することがあります。あきらめずに治療を行うことが大切です。

花咲乳がんを発症するとどんな臭いがしますか?

山田 美紀山田 美紀 医師

花咲乳がんは腫瘍の壊死組織と嫌気性菌の感染による、強く、独特な腐敗臭がします。創部の洗浄、メトロニダゾール外用薬の使用、空気清浄機などで匂いのケアをすることで軽減されます。

花咲乳がんを放置するとどうなりますか?

山田 美紀山田 美紀 医師

花咲乳がんを放置すると、潰瘍部分の範囲が拡大し、カリフラワー状にもりあがり、陥凹が出現する場合があります。そのような状態になると、さらに出血や感染が悪化しQOLが著しく低下します。

編集部まとめ

花咲乳がんはステージ3以上の局所進行乳がんです。乳房のしこりや赤みを放置すると、潰瘍からの出血、浸出液、悪臭、そして痛みが生じ、QOLを著しく損ないます。このような状態は精神的にもつらく、受診が遅れてしまう場合があります。何よりも大切なのは早期に発見し、早期に治療を開始することです。一人で抱え込まずに、早めに受診をすることが重要です。

「花咲乳がん」と関連する病気

「花咲乳がん」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

  • 皮膚腫瘍(炎症性粉瘤など)

乳腺科の病気

  • 肉芽腫性乳腺炎

乳房の皮膚にできた炎症性粉瘤や肉芽腫性乳腺炎はしこりと発赤の症状があり、花咲乳がんの初期症状と似ています。異変に気が付いた場合は早めに皮膚科や乳腺科を受診しましょう。

「花咲乳がん」と関連する症状

「花咲乳がん」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 出血
  • 痛み
  • 悪臭

花咲乳がんは潰瘍部からの出血、痛み、悪臭があり、QOLが著しく低下します。治療をすればこれらのつらい症状を和らげることができます。一人で悩まずに、早めの受診をおすすめします。

この記事の監修医師

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