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「小児がんを発症する確率」はご存知ですか?原因についても解説!【医師監修】

 公開日:2024/03/26
「小児がんを発症する確率」はご存知ですか?原因についても解説!【医師監修】

日本では、0〜14歳の子どもの約7,500人に1人が小児がんを経験しています。原因は多岐にわたり、さまざまな要因が関与すると考えられています。
本記事では小児がんになる確率について以下の点を中心にご紹介します。

  • ・小児がんとは
  • ・小児がんになる原因
  • ・小児がんになる確率

小児がんになる確率について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

小児がんとは

小児がんとは、15歳未満の子どもに発生するさまざまな悪性腫瘍の総称です。小児がんは、成人がんとは異なり、生活習慣による発生原因が少なく、一部は遺伝するものもあります。
小児がんの治療は、がんの種類や場所によって、それぞれ異なります。また、近年は医療の進歩によって80%の確率で根治できるようになってきたといわれています。

小児がんの主な種類

小児がんの主な種類には、白血病、リンパ腫、脳腫瘍などがあり、小児がん全体の3分の2を占めます。以下では、小児がんの主な種類を解説します。

白血病

白血病は、血液細胞の一種である白血球ががん化する病気です。小児がん全体の約40%を占め、日本では年間約1,000人の子どもが白血病に罹患するとされています。白血病になると、正常な白血球の数が減少し、感染症にかかりやすく、出血が止まりにくくなるなどの症状が現れます。

脳腫瘍

小児がんの中で、白血病に次いで頻繁に発症するのが脳腫瘍です。小児がん全体の約20%を占めています。脳腫瘍には、神経膠腫、胚細胞腫瘍、髄芽腫、頭蓋咽頭腫などの種類があります。脳腫瘍は、小児がんの中でも治癒するのが難しいとされています。

神経芽腫

神経芽腫は、小児がんの中で3番目に発症率が高く、5歳以下の子どもたちに多く見られます。神経芽腫は、主に副腎や胸腹部の交感神経系の細胞から生じます。神経芽腫は、その成長に伴いリンパ節や皮膚へ転移することがあり、ときには急速に進行することがあります。

リンパ腫

小児がんの一つであるリンパ腫は、免疫機能を担うリンパ組織から発生し、小児がんの中でも4番目に発症しやすいです。リンパ腫は全身のさまざまな部位に発症し、発症部位に応じた症状が現れることが特徴です。

胚細胞腫瘍

胚細胞腫瘍は小児がんの中の一種で、精巣や卵巣に発症します。胚細胞腫瘍は腫瘍の位置によって症状が異なり、特に生殖器に現れる場合、顕著な腫瘍(こぶ)ができるのが特徴です。

小児がんになる原因

小児がんにはさまざまな要因が関与しています。例えば、ウィルムス腫瘍は親から子への遺伝が考えられます。また、妊娠中の生活習慣も関係することがあり、例えば喫煙や受動喫煙は小児がんのリスクを高めると考えられています。
一方で、妊娠中の放射線暴露が小児がんの原因となることは稀で、レントゲン検査で影響が出ることはありません。小児がんは成人のがんより、生活習慣や感染症との関連が少ないです。
したがって、小児がんは、症例によって原因が異なります。網膜芽腫やウィルムス腫瘍のように遺伝によるケースもありますが、小児がんの多くは原因が特定されていません。そのため、子どもが小児がんと診断された際に、遺伝や妊娠中の行動を責めず、適切な治療をすることが大切です。

小児がんになる確率

小児がんを発症する確率は高くないですが、約7,500人に1人が小児がんを経験するとされています。以下で性別別の小児がんになる確率を解説します。

女子

日本において、0歳から14歳の子どものうち、年間約2,000〜2,300人が小児がんと診断されるというデータがあります。約7,500人に1人の割合に相当し、男子より女子の罹患率はやや低い傾向にあります。2019年の統計では、0〜14歳の女子の中で約966人が小児がんと診断されました。年齢層別に見ると、0〜4歳が443人、5〜9歳が251人、10〜14歳が272人です。
小児がんの中でも、特に白血病が約38%を占めています。次いで脳腫瘍が約16%、リンパ腫が約9%、胚細胞腫瘍・性腺腫瘍が約8%、神経芽腫が約7%と続きます。

男子

男子の小児がんの発症率は女子よりやや高い傾向です。
男子における小児がんの特徴として、成人のがんとは異なるがん種が多く、また成人では珍しいがんの種類も含まれています。小児がんの種類の罹患率を理解することは、子どもたちの治療において不可欠です。

小児がんの生存率

小児がんは、早期発見が難しく、がんの増殖速度も速いという特徴があります。しかし、化学療法や放射線療法に対する反応が成人のがんよりも高いため、治療成果が期待できます。現在、小児がんの5年生存率は約80%、10年生存率は約70%に達しています。ただし、脳腫瘍の場合は10年生存率が50%程度になります。
治療後にはさまざまな晩期合併症が生じる可能性があるため、経過観察が重要です。治療法の進歩により、かつては「不治の病」とされた小児がんも、現在は治癒率が70%以上にまで向上しています。

小児がんについてよくある質問

ここまで小児がんを紹介しました。ここでは小児がんについてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

小児がんは早期に発見できますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

小児がんを早期発見するのは困難です。例えば、白血病の場合、貧血や出血しやすさ、感染しやすさなどの症状が見られますが、インフルエンザなどの感染症でも同様に現れるため、この症状でがんと判断するのは難しいとされています。
そのため、小児がんを早期発見するには、病院を受診することが重要です。特に、発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、骨や関節の痛み、筋肉のしこり、胸やお腹のしこり、あざや鼻血、目の異常などの症状がある場合は、早めに病院の受診を推奨します。

小児がんは治りますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

小児がんは、成人のがんより化学療法や放射線治療に対してより良い反応を示します。その結果、転移があった場合でも適切な治療により治癒が期待できます。
特に白血病は、医学の進歩により治療成績が向上しており、化学療法の効果が低い場合でも骨髄移植により治癒するケースが増えています。国立がん研究の調査では、小児がんの5年生存率は70〜90%と報告されており、中でも胚細胞腫瘍は96.6%、リンパ腫は90.7%、白血病は88.0%と高い生存率を示しています。
成人のがんとは異なり、小児がんは増殖速度が早いため、一部のがん種を除き、早期診断が予後に大きな影響を与えません。しかし、網膜芽腫や脳脊髄腫瘍のように早期発見・治療が重要な症例もあります。
小児がんの治療はがんの種類に応じて手術、薬物療法、放射線治療、造血幹細胞移植などを組み合わせて行われます。小児がんが疑われる場合は迅速な診断と治療が重要になります。

まとめ

ここまで小児がんになる原因や小児がんになる確率についてお伝えしてきました。小児がんになる確率についての要点をまとめると以下の通りです。

⚫︎まとめ

  • ・小児がんとは、15歳未満の子どもに発生するさまざまな悪性腫瘍の総称のこと
  • ・小児がんは、妊娠中の生活習慣などの遺伝によるケースもありますが、小児がんの原因は特定されていない
  • ・約7,500人に1人が小児がんを経験するが、男子より女子の罹患率はやや低い

小児がんと関連する病気

小児がんと関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

小児科・小児外科の病気

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

小児がんと関連する症状

小児がんと関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

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