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「膀胱がん予防に役立つ食べ物」はご存知ですか?避けた方がいい食べ物も解説!

 公開日:2024/03/17
「膀胱がん予防に役立つ食べ物」はご存知ですか?避けた方がいい食べ物も解説!

膀胱がんの危険因子として喫煙が有名ですが、食事にも注意が必要です。コーヒーやカフェインを摂取すると、非喫煙者でも膀胱がんの発生率が高くなるという研究結果があります。
本記事では、膀胱がんと食事の関係について以下の点を中心にご紹介します!

  • ・膀胱がんと食事の関係
  • ・膀胱がん予防のために摂取すべき食品
  • ・膀胱がん予防のために避けるべき食品

膀胱がんの予防や治療に役立つ食事について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

村上 知彦

監修医師
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

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長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

膀胱がんとは

膀胱がんは主に高齢者に見られ、主な症状は血尿です。血尿は目で見てわかる場合と顕微鏡で確認される場合があります。進行すると尿の排出が難しくなり、痛みやむくみが起こることも。治療はがんの進行度や特性に応じて内視鏡手術、全摘除術、放射線療法、抗がん剤などが選択されます。

膀胱がんの原因

膀胱がんの原因は以下の通りです。

喫煙:タバコに含まれる化学物質が膀胱の粘膜に影響を与え、がんリスクを高めます。
化学物質への曝露:染料工業で使われるアニリン色素やナフチラミンなどの化学物質への長期間の曝露は危険です。
膀胱の慢性的な刺激:結石や感染症など、膀胱に慢性的な刺激を与える状態がリスクを高めることがあります。
遺伝的要因:遺伝子の変異や家族歴もがんリスクに影響を及ぼす可能性があります。

これらの要因は膀胱がんのリスクに寄与しますが、がんの発症には複数の要因が関与することが一般的です。

膀胱がんと食事の関係

がん予防には、バランスの良い食事が不可欠です。特に野菜や果物を多く摂り、肉類の摂取を控えめにすることが勧められます。また、塩分やアルコールの摂取も適度に抑えることが大切です。喫煙は膀胱がんの危険因子であり、コーヒーや緑茶、カフェイン摂取量も膀胱がんとの関連性が研究されています。これらの情報から、膀胱がん予防には食事の改善だけでなく、禁煙や適切なアルコール摂取も大切であることがわかります。バランスの取れた食生活が膀胱がんのリスクを軽減するのに役立ちます。

膀胱がん予防のために摂取すべき食品

膀胱がん予防に役立つ食べ物について紹介します。

野菜

アブラナ科の野菜、例えばブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワーなどは、膀胱がん予防に役立つとされています。これらには抗酸化物質や抗炎症成分が豊富で、がん細胞の増殖を抑制する可能性があります。生で食べることが推奨されますが、調理する場合は栄養素を保持する方法を選ぶのが良いでしょう。バランスの良い食生活には、さまざまな野菜や果物を取り入れることが大切です。

果物

果物の摂取は膀胱がん予防に役立つことがあり、柑橘類などに含まれるカロテノイドが特に注目されています。アルファカロチン、ベータカロチン、ルテイン、ゼアキサンチンなどの成分は、膀胱がんのリスクを低減する可能性があります。ただし、バランスの取れた食事と野菜、ヨーグルトなどほかの健康的な食品も組み合わせて摂ることが大切です。

膀胱がん予防のために避けるべき食品

膀胱がん予防の観点から、避けるべき食品について解説します。

赤身の肉や加工肉

赤身の肉や加工肉の過度な摂取は、膀胱がんのリスクを高める可能性があるとされています。これらの食品にはがんリスクを高めるとされる特定の化学物質や保存料が含まれている可能性があります。バランスの取れた食事を心がけ、野菜、果物、魚、豆などのほかのタンパク質源と調和を取ることが大切です。

コーヒーなどのカフェイン

カフェインは特に非喫煙者にとって、膀胱がんのリスクと関連があるとされています。その作用機序にはアポトーシス(細胞の自然死)や細胞周期の乱れが関与している可能性があります。ただし、喫煙者と非喫煙者ではカフェインの影響が異なり、非喫煙者の方が体内のカフェイン濃度が高くなる傾向があります。カフェインと膀胱がんの因果関係は明確ではないものの、過剰な摂取は避けるべきです。膀胱がんの主要なリスク因子は喫煙であるため、予防には喫煙の中止が重要です。

ワラビやゼンマイ

膀胱がん予防において、ワラビやゼンマイの摂取には注意が必要です。これらの山菜にはプタキロサイドという物質が含まれており、膀胱がんのリスクを増加させる可能性があります。ただし、適切なあく抜き処理を施すことで、通常の食用頻度では問題ありません。山菜の過剰摂取は避け、特に膀胱がんリスクが高い人は摂取に慎重になるべきです。膀胱がんの発症にはほかの要因も関与しているため、喫煙や化学物質への曝露などほかの危険因子にも留意が必要です。

アルコール

アルコール摂取は特にアジア人男性に膀胱がんリスクをもたらす可能性が高いことが示唆されています。アルコールはアセトアルデヒドに分解され、発がん性があると考えられています。多くの日本人はアセトアルデヒドを十分に分解できず、顔が赤くなる人ほどリスクが高まります。飲酒量の管理が重要で、特に顔が赤くなる人は警戒が必要です。

膀胱がんになったあとの食事

膀胱がん患者さんにとって、栄養バランスの取れた食事が非常に重要です。エネルギー、タンパク質、ビタミン、ミネラルが十分に摂取されるように心がけましょう。主食、主菜、副菜、乳製品、果物を適切に組み合わせることが基本です。
治療による副作用や体調の変化によって、食欲が低下することがあります。その際は、食べたいと思うものを食べることが大切です。無理に食べる必要はありません。食事の形状や時間を調整することも考慮しましょう。
口内炎や嚥下の難しさがある場合は、柔らかくて刺激の少ない食事を選びましょう。吐き気や嘔吐がある場合は、小さな量を何度かに分けて摂ることが良いとされています。。
食事が摂れない場合、水分摂取も忘れずに行いましょう。特に高温の日や体調が悪いときには、スポーツドリンクや経口補水液を利用して水分を補給し、脱水を予防しましょう。
体調が許す限り、栄養バランスを考慮した食事を心がけ、必要な栄養素を摂取する工夫が大切です。体調が安定しているときに、栄養豊富な食事を摂ることで体力を維持しましょう。

膀胱がんについてよくある質問

ここまで膀胱がんを紹介しました。ここでは膀胱がんについてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

食事で取り入れやすい膀胱に良い食べ物を教えてください。

村上 知彦医師村上 知彦(医師)

膀胱の健康をサポートするためには、以下の食品が役立ちます。

水分摂取:十分な水分摂取は尿路系の健康を促し、膀胱炎や尿路感染症のリスクを減少させます。スイカやキュウリなど水分豊富な食品を摂ることで、自然な方法で水分補給が可能です。
クランベリー:クランベリーに含まれるプロアントシアニジンは、尿路感染症の予防に役立ちます。クランベリージュースやサプリメントを摂ることで、膀胱の健康をサポートできます。
野菜と果物:ビタミンCを多く含む野菜や果物(例:オレンジ、グレープフルーツ、キウイ、トマト、ブロッコリーなど)は、尿の酸性度を高め、膀胱感染症のリスクを軽減します。
全粒穀物:食物繊維が豊富な全粒穀物は、消化器系の健康をサポートし、便秘を予防して膀胱にかかる圧力を軽減します。

これらの食品をバランスよく食事に取り入れることで、膀胱の健康を促進し、膀胱がんやほかの膀胱関連の疾患のリスクを低減できます。

膀胱がんの手術後に食事で気をつけることはありますか?

村上 知彦医師村上 知彦(医師)

膀胱がん手術後、栄養バランスの良い食事が不可欠です。手術に伴う体力の回復にはエネルギーと栄養が必要で、特にタンパク質、ビタミン、ミネラルを摂ることが勧められます。水分摂取も注意が必要で、適切な水分補給は尿路の健康を促し感染リスクを低減します。
ただし、医師の指示に従って水分摂取を調整しましょう。また、手術後の消化器の敏感さを考慮して、柔らかく刺激の少ない食事を選ぶことが重要です。食欲が低下する場合は、少量の食事を何度かに分けて摂ると良いでしょう。乳製品などの摂取にも注意が必要で、個別の状態に合わせた食事管理が必要です。

まとめ

ここまで膀胱がんと食事の関係についてお伝えしてきました。
膀胱がんと食事の関係の要点をまとめると以下の通りです。

⚫︎まとめ

  • ・膀胱がんの予防や対策にはバランスの良い食生活が重要であり、特に野菜や果物を多く摂取し、肉類の摂取量を控えめにすることが推奨される
  • ・膀胱がん予防のためにアブラナ科の野菜や柑橘類の果物の摂取がおすすめ
  • ・膀胱がん予防のために赤身の肉や加工肉、コーヒー等のカフェイン、ワラビやゼンマイ、アルコールの過剰摂取を控え、条件次第では注意して摂取することを推奨する

膀胱がんと関連する病気

膀胱がんと関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

膀胱がんと関連する症状

膀胱がんと関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 排尿痛
  • 残尿感
  • 切迫した尿意
  • 腰や背中の痛み
  • むくみ

これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

この記事の監修医師