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「皮膚がんの生存率」はご存知ですか?進行すると現れる症状も解説!【医師監修】

 更新日:2024/02/09
「皮膚がんの生存率」はご存知ですか?進行すると現れる症状も解説!【医師監修】

皮膚がんと聞いて生存率がどれくらいなのか思い浮かびますか?皮膚がんの中にも種類が多くあり、それぞれの生存率は変わります。

また、自覚症状がなく気づきにくい点も特徴です。

この記事では皮膚がんになった場合の生存率や治療・検査方法について解説します。皮膚がんについて気になっている方は参考にしてください。

高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

皮膚がんの生存率

冒頭でもお伝えしたように、皮膚がんの生存率は種類によって異なります。有棘細胞がん・悪性黒色腫・基底細胞がん・乳房外パジェット病の生存率についてみていきます。

有棘細胞がんの場合

有棘細胞がんの場合の生存率は早期発見できるとほぼ100️%と高い数字を誇ります。しかし、内臓に転移したときの生存率は早期発見と比べて低いです。
進行していくと生存率が50%を切る可能性があります。早期発見時の生存率が高いからといって放置せずに気になった場合はすぐに近くの病院に行きましょう。

悪性黒色腫の場合

悪性黒色腫(メラノーマ)の場合の生存率は大きさによって決まります。小さい腫瘍だと5年生存率は100%近い数字です。大きくなると50%近い数字になります。
また、ほくろと間違えやすい点にも注意してください。自分のほくろと比べてみて形や色に違和感があるなら悪性黒色腫の可能性があります。

基底細胞がんの場合

基底細胞がんは転移しにくいため生存率は高いです。ですが手術しなければ細胞が増殖していきます。基底細胞がんが発生したときはすぐに切除しましょう。
早期治療することで転移のリスクも防げます。

乳房外パジェット病の場合

乳房外パジェット病は転移の具合によって生存率が変わります。リンパ節に転移した個数が1個や2個でしたら5年生存率は100%です。しかし3個以上になると生存率が低くなることもわかっています。
発見が遅くなると大きな手術になるので、気になった場合はすぐに受診しましょう。

悪性黒色腫(メラノーマ)の生存率の特徴

悪性黒色腫(メラノーマ)の生存率は、悪性黒色腫(メラノーマ)の厚みやリンパ節に転移しているかどうかで変わります。生存率の特徴について解説します。

悪性黒色腫が1mm以下の厚みだった場合

悪性黒色腫の厚みが1mm以下だった場合は生存率はほぼ100%と高いです。ただ油断してはいけません。皮膚がんは早期発見・治療が大事です。
厚みが1mm以下で見つかった場合は早期発見になるので、すぐに治療に進んでください。

悪性黒色腫が4mmを超えていた場合

悪性黒色腫の厚みが4mmを超えていた場合は1mm以下のときよりも生存率が低くなります。したがってすぐ治療に進みましょう。すぐに治療すると大きく回復しやすくなります。
黒色腫が4mmを超えていたからといって悲観的になる必要はありません。まずは正しい治療・検査を受けることに専念しましょう。

リンパ節転移があった場合

悪性黒色腫がリンパ節に転移していた場合は注意が必要です。腫瘍が大きくなるよりも転移の方が生存率は低くなります。
悪性黒色腫は切除して治療しますが、リンパ節に転移があった場合は薬物療法も視野に入ります。転移する前に切除することが一番なのでまずは早期発見を心がけましょう。

悪性黒色腫(メラノーマ)の検査方法

悪性黒色腫(メラノーマ)の検査方法として、次の3種類が挙げられます。

  • ダーモスコピー
  • 視診
  • 生検

それぞれの検査方法について詳しく解説します。

ダーモスコピー

ダーモスコピーを利用すると腫瘍が悪性か良性かを判別できます。機械を通すことによって正確に見分けられるため、早期発見に繋がります。しかも保険適用なので、費用が数百円から千円程度と安価で受診しやすい点がメリットです。
ただ近くの病院がダーモスコピーを取り揃えていない場合があるので、利用するときは確認をとりましょう。

視診

悪性黒色腫の診断は基本的に視診やダーモスコピーで行われます。視診で行うことは厚みなどから悪性か良性かといった組織検査です。
視診で判別がつかなかった場合は生検に移ります。

生検

生検は上記で述べた通り目で見て判別できなかった場合に利用されます。悪性黒色腫を全て切除して検査する方法と部分的に切除する方法と2種類あり、場合に応じて使い分けられます。正確な結果を得るために重要な検査方法です。
この方法は費用が数千円かかるため視診やダーモスコピーと比べると高くなっています。そのため気軽に検査したい方はダーモスコピーがおすすめです。

皮膚がんの治療方法

皮膚がんの治療方法は切除・化学療法・放射線治療といった複数の方法があります。早期発見できた場合は切除が一番です。
発見が遅れて内臓に転移した場合は放射線治療と薬物治療に切り替わります。切除しても転移する可能性は残っているため経過観察が大事です。まずは早期発見を目指しましょう。

皮膚がんの生存率についてよくある質問

ここまで皮膚がんの生存率について紹介しました。ここでは「皮膚がんの生存率」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

皮膚がんは完治しますか?

高藤 円香医師

皮膚がんの種類に関係なく、早期に発見して早期に治療を受ければ完治する可能性は高くなります。発見が遅れてしまい、転移が起こることで完治が難しくなってしまうのです。有棘細胞がんが進行すれば内臓に転移しますし、乳房外パジェット病はリンパ節に転移します。すると、がん組織を完全に切除するのが困難となり完治が難しいのです。基底細胞がんは転移しにくく、早期に治療を受ければ完治の可能性が高くなります。また、ほくろと間違えやすい悪性黒色腫(メラノーマ)も完治の可能性を高めるには、早めに治療することが重要です。

皮膚がんが進行するとどうなりますか?

高藤 円香医師

皮膚がんが進行すると、様々な症状が起こります。例えば、有棘細胞がんの最初の症状は湿疹やタムシのような紅い斑や褐色の斑です。これが徐々に拡大して隆起したデキモノ(赤色から褐色の場合が多い)を形成すると、かなり進行した状態といえます。基底細胞がんは、高齢者に多くみられるがんです。最初は、黒色から黒褐色の隆起したデキモノとして生じます。切除が不十分な場合などにその部位での局所再発が多いがんです。乳房外パジェット病は、外陰部・腋窩(わきの下)・肛門の周囲に症状が出ます。最初は湿疹のような症状で進行すると隆起したデキモノになり、リンパ節・内臓・骨に転移しやすいがんです。悪性黒色腫(メラノーマ)は、最初は黒褐色や黒色の斑が形成されてホクロと見分けがつきません。しかし、放置していると大きくなり、中に隆起したデキモノが生じます。さらに進行すると、内臓・リンパ節などに転移し有効な治療法を見つけるのが困難です。悪性黒色腫(メラノーマ)は進行が早いのも特徴なので、早期に発見して早期に治療を受けましょう。いずれの皮膚がんも進行してしまうと、転移する・切除する範囲が大きくなる・切除が不可能となるなど、治療の選択肢が少なくなり治療が困難となります。

編集部まとめ

今回は皮膚がんの生存率や治療・検査方法について解説しました。

皮膚がんといっても症状は細かく分かれていて、その症状にあった適切な治療方法を選択することが大切です。

一番重要なことは早期発見です。早めの治療・検査を行うと完治できる可能性が高まり、皮膚がんに悩まされづらくなります。

また、検査方法も3つほど紹介しました。まずはダーモスコピーや視診から検査することをおすすめします。

なるべく早めを意識するようにしましょう。この記事が皮膚がんと向き合う手助けになれば幸いです。

皮膚がんと関連する病気

「皮膚がん」と関連する病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

皮膚の構造上、がんの種類が多く発見が遅れるケースが多くあります。気になったら医療機関で診察を受けましょう。また、皮膚と同じように口唇や歯肉もトラブルが起きやすい箇所です。どの種類のがんも早期発見すれば、治療の選択肢も多く完治する可能性が高くなります。皮膚だけでなく口唇や歯肉にも違和感があれば、医療機関で診察を受けましょう。

皮膚がんと関連する症状

「皮膚がん」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 湿疹
  • ほくろ
  • あざ
  • デキモノ
  • 脂肪のかたまり

皮膚がんの初期症状は、湿疹やデキモノとして見過ごされやすいものです。なかなか治らない、乾燥している・赤くジュクジュクしてきているなどいつもとは違う異変が出て初めて違和感を持つ方も多くいます。しかし、皮膚がんは早期発見・早期治療で完治する可能性が高い病気です。いつもとどこか違う、またはこれらの症状が長引いていると感じたならぜひ早めに医療機関を受診してください。

この記事の監修医師