目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 三大疾病
  4. がん
  5. 「盲腸癌の生存率」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】

「盲腸癌の生存率」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】

 公開日:2024/02/08
「盲腸癌の生存率」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】

本記事では盲腸癌の生存率について以下の点を中心にご紹介します。

  • ・盲腸癌の生存率
  • ・盲腸癌の検査方法
  • ・盲腸癌の治療方法

盲腸癌の生存率について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

そもそも盲腸癌ってどんな病気?

も稀な病気であり、日本では年間約1000人が罹患しています。盲腸癌の原因は明らかではありませんが、遺伝的な要因や食生活の影響が考えられます。盲腸癌の症状は、盲腸炎と似ていることが多く、右下腹部の痛みや発熱、下痢などが見られます。しかし、症状が出ない場合や他の病気と間違えられる場合もあります。盲腸癌の診断は、注腸造影検査や大腸カメラなどの画像検査や、腫瘍マーカー検査などの血液検査によって行われます。盲腸癌の治療法は、主に外科手術による切除が行われますが、薬物療法や内視鏡治療なども併用される場合があります。

盲腸癌の生存率

盲腸癌に関する生存率の特定は、数値があまり確定していない現状があります。盲腸癌はまれな症例であり、統計的なデータが不足しています。一般的に、発見が遅れやすい性質から、生存率は他の大腸癌よりも低い可能性が考えられます。
国立がん研究センターの統計では、大腸癌全般の5年および10年の生存率は65パーセント前後とされています。しかしながら、盲腸癌に特化した具体的な数値は限られており、正確な統計データが不足しています。このことから、盲腸癌の生存率に関する特定の数字を把握することは難しい状況です。
再発はあらゆるがんにとって深刻な懸念事項であり、治療後の定期的なフォローアップが重要です。盲腸癌を含む大腸癌においても、治療後の数年間は注意深く経過を見守ることが必要です。

盲腸癌の検査

盲腸癌の検査はがんの早期発見や正確な診断に非常に重要です。医師は注腸造影検査、大腸内視鏡検査、CT検査などの方法を利用して、病変の位置や進行度を確認します。
以下で解説していきます。

注腸造影検査

盲腸癌の検査において、注腸造影検査は一つの選択肢となります。この検査方法は、バリウムと空気を肛門から注入し、X線を使用して腸の内部を画像化する手法です。その画像を通じて、どこにがんが存在するかやその大きさを正確に把握することが可能です。
特に、盲腸癌のような状況では、腸ががんの影響でどのように変化しているかを明らかにするために重要な手法となります。狭くなったり、他の部位に広がったりしていないかを確認するため、詳細な観察が行われます。
この検査を受ける前日には、下剤を用いて腸を十分に空にする必要があります。この段階が重要であり、医師の指示に従って正確に下剤を服用することが適切な検査結果を得るための準備です。

大腸カメラ

盲腸癌の検査において、大腸内視鏡検査、通称「大腸カメラ」として知られる検査法が一般的に利用されています。この検査はがんの有無を確定する上でゴールドスタンダードとされています。内視鏡スコープを肛門から挿入し、大腸全体を詳細に観察することで、患部に異常がないかを調査します。
大腸内視鏡検査は、その場でがんやポリープなどの異常を見つけた際に、その組織の一部を採取できる利点があります。この採取された組織は生検として検査室に送られ、病変の性質や状態を詳細に調べることが可能です。
特に盲腸癌の症例では、大腸内視鏡検査は重要な役割を果たします。盲腸は他の部位よりも検出が難しいため、この検査法は病変の発見において重要な手段となります。早期段階でのがんやポリープの発見は治療の成功につながるため、この検査は予防と早期発見の観点から重要です。

CT検査・MRI検査

盲腸がんの疑いがある場合、CT検査とMRI検査などの画像診断が用いられます。これらの検査は、がんの有無や広がり具合を評価するのに役立ちます。
CT検査はX線を用いて腸内を詳細に画像化する方法です。患者は検査台に横たわり、体の周りからX線を照射し、腸の断面画像を作成します。この検査は迅速に終了し、がんの広がりや転移の有無を確認できます。また、患者の苦痛を軽減する点も利点です。
一方、MRI検査は磁場と無害な無線波を利用して体の内部を詳細にイメージします。MRIは特に軟部組織の評価に優れており、がんの詳細な性質や周囲の組織に対する影響を把握するのに適しています。がんが周囲の組織にどれくらい影響を与えているかを調査し、治療計画を立てるのに役立つでしょう。
これらの画像診断は大腸内視鏡検査とは異なり、組織の採取は行えませんが、がんの位置や広がりを確認するために貴重な手法です。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカー検査は、がんの種類によって生じる特定の物質やタンパク質などの値を検査し、がんの可能性を探る手法です。この検査では、血液中の特定の物質の量を測定し、その値が基準値を超えている場合、がんの存在が示唆されることがあります。
盲腸癌を含むさまざまながん種によって、異なる腫瘍マーカーが生じるため、この検査は診断の一環として用いられます。ただし、異常値が見つかった場合でも、がんが確定しているわけではなく、その値の上昇は他の疾患や状況からも生じる可能性があります。
腫瘍マーカー検査はがんの可能性を示唆する手がかりを提供しますが、がんが実際に存在するのか、どれほど進行しているのかといった詳細な情報は提供しません。そのため、異常値が見つかった場合でも、追加の検査や診断が必要です。

盲腸癌の治療法

盲腸癌の治療法は、がんの進行度や患者の状態に応じ、外科手術や薬物療法、内視鏡治療などが選択されます。
以下で詳しく解説していきます。

薬物療法

薬物療法は抗がん剤や分子標的薬などを使用してがんの縮小や再発の抑制を目指す治療手段です。がんの種類や進行状況、患者の状態に応じて、異なる種類の薬を選択することが重要です
抗がん剤はがん細胞の増殖を抑制したり、破壊したりするための薬物であり、がんの拡大を防いだり、症状の緩和が期待されます。一方、分子標的薬はがん細胞に直接作用し、がんの成長や増殖を阻害することで治療に影響をもたらすことがあります。
ただし、薬物療法には副作用が伴うことがあります。これらの治療薬はがん細胞だけでなく、健康な細胞にも影響を及ぼすため、患者は吐き気、倦怠感、便秘、下痢などの副作用を経験する可能性があります。

内視鏡治療

内視鏡治療は内視鏡を用いてがんを摘出する方法です。この方法は、がんがリンパ節に転移している可能性が低く、内視鏡で十分に切除できる程度の大きさのがんに適しています。
内視鏡治療では、内視鏡スコープを用いて、盲腸にできたがんを観察し、必要に応じて摘出することが可能です。一般的に、がんの大きさや位置、拡大具合などを評価した上で、内視鏡を介してがんを取り除くことが行われます。この方法は手術を行わずにがんを処置するため、回復が早く、通常の生活に早く復帰できる利点があります。
しかしながら、内視鏡治療の適応範囲は限られており、がんの大きさや進行度によって適否が判断されます。治療後、取り除いたがんを検査し、再発や転移の危険性があるかどうかを確認するため、定期的なフォローアップや必要に応じた追加治療が行われることもあります。

外科治療

外科手術は、内視鏡治療が適さない状況や進行度が進んでいる場合に選択されます。この方法では、がんが位置する部位だけでなく、周囲に広がっている可能性のある組織やリンパ節も含め、全てを切除します。こうすることでがんの再発や転移を予防します。
手術の方法は、がんの大きさや位置、進行具合によって異なります。盲腸がんの手術では、通常は盲腸そのものを含めた部分的な大腸切除が行われます。手術後、排泄のための人工肛門(一過性または永久的なもの)を形成する場合もあります。これは、大腸の一部を取り除いた結果、排泄の通路が変わるために必要な措置です。
外科手術はがん組織を完全に取り除くため、治療の成功率が高い場合がありますが、手術にはリスクも伴います。感染症や出血、手術後の合併症などのリスクが存在します。また、一部の患者さんは手術後に消化管機能の変化や排便の問題を抱えることもあります。

「盲腸癌」についてよくある質問

ここまで盲腸癌を紹介しました。ここでは「盲腸癌」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

盲腸癌は症状が出にくいって本当ですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

盲腸癌は一般的に症状が出にくい特徴を持っています。これは、盲腸が内臓の上部に位置し、内容物がまだ液体状態で通過するため、通過障害が起こりにくいからです。そのため、症状が現れにくい傾向があります。一般的に、盲腸癌の初期段階では特に症状はほとんど出ません。しこりや腹部の膨満感が現れ始めると、患者が受診することが多くなります。また、時には貧血の指摘や急性虫垂炎の症状によって盲腸癌が発見されることもあります。

盲腸癌手術が難しい場合どのような治療を行いますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

盲腸癌が手術によって治療が難しい場合、治療法は転移の有無と進行度に基づいて決定されます。手術が不可能な転移進行例や転移病変が多い場合、化学療法や放射線療法が選択されることが一般的です。
このような治療法の目的は、完治を期待するのではなく、病状の進行を抑制し、患者の生活の質を維持・向上させることです。化学療法は抗がん剤を用いてがんの成長を遅らせることを目指し、放射線療法はがん細胞の破壊を試みますが、これらの治療法はがんを完全に消滅させるものではありません。進行を遅らせ、症状の軽減、生活の質を向上させることに焦点を当てた治療となります。

編集部まとめ

ここまで盲腸癌の生存率についてお伝えしてきました。盲腸癌の生存率の要点をまとめると以下の通りです。

⚫︎まとめ

  • ・一般的な大腸癌の5年および10年生存率は約65%前後である
  • ・盲腸癌の検査には、大腸内視鏡検査やCT検査、注腸造影などがある
  • ・盲腸癌の治療法は、外科手術が主流で、内視鏡治療や薬物療法も選択される

「盲腸癌」と関連する病気

「盲腸癌」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器内科の病気

  • 盲腸がん
  • 上行結腸がん
  • 横行結腸がん
  • 下行結腸がん
  • S状結腸がん

盲腸癌と同じような症状をおこす病気もこれほどあります。なかなか自己判断は難しいので、症状が続く場合はぜひ一度医療機関を受診してください。

「盲腸癌」と関連する症状

「盲腸癌」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

これらの症状が当てはまる場合には、盲腸癌などの異常の有無を確認するべく、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師