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「小児がんの主な4つの症状」はご存知ですか?病院を受診する目安も解説!

 公開日:2023/12/06
「小児がんの主な4つの症状」はご存知ですか?病院を受診する目安も解説!

小児がんとは、15歳未満の子どもが発症するがんの総称です。主な症状は、発熱・頭痛・食欲不振など、風邪の症状に似ています。

白血病・脳腫瘍・悪性リンパ腫など、命に関わるような病気が潜んでいるため、症状が現れたら早めに受診しましょう。

本記事では小児がんの症状や、悪性腫瘍の発生原因・種類・治療方法を解説します。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

小児がんとは?

小児がんとは、15歳未満の子どもがかかる「がん」の総称です。
小児がんという特定の病気はなく、白血病・脳腫瘍・悪性リンパ腫・胚細胞腫瘍などが含まれます。小児がんを患ったときの症状は、発熱・頭痛・食欲不振など風邪のような症状が特徴です。
風邪の症状が長引いて病院で詳しく調べると、小児がんと診断されることもあります。
小児がんの罹患率は1万人に1人といわれており、成人のがんと比べると極めて少ないです。また、成人のがんとは異なる特徴があるため小児がん専門の病院で治療することになります。
小児がんはしっかりと治療することで、7〜8割の確率で治るといわれており、適切な診断と治療が重要といえるでしょう。

小児がんの症状は?

小児がんの症状は次のものが挙げられます。

  • 発熱
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • 筋肉・胸・お腹などのしこり

小児がんの症状は、発熱が長引く・頭痛・食欲不振などの風邪の症状に加え、顔色不良・息切れ・動悸・出血(紫斑)・関節の痛みなど多岐にわたります。
症状がある場合に、病院で検査すると小児がんと診断される場合があります。一方で、小児がんと気付かず急に診断され、振り返ってみると小児がんの症状に思い当たる場合もあるでしょう。
また、小児がんは病気の種類や年齢によって症状が異なる傾向にあります。さらに、急激に進行して症状が現れる可能性もあるため、症状が重い・長く続くといった場合は必ず医療機関に相談しましょう。

発熱

発熱の症状があり、病院で調べても原因がわからない場合は小児がんの可能性があります。
子供の不明熱(ふめいねつ)の原因のうち、小児がんが原因の場合は10%未満です。不明熱とは特定の原因がわからない発熱を指します。
10%未満といっても不明熱を患った子供の10人に1人が該当する割合となるので、少なくはありません。
原因がわからない発熱が続き、かかりつけの病院でも解決しない場合は、すぐに大きな病院で検査を受けましょう。また、発熱は39〜40°Cの高熱ばかりではなく、発熱と解熱を繰り返し長引く場合もあります。
さらに発熱の症状だけではなく、そのほかの症状を伴うことが多いです。

頭痛

小児がんの症状として、頭痛が挙げられます。
頭痛の場合、早朝の吐き気や嘔吐を繰り返す・目が見にくい・しびれ・まひ・筋力低下なども生じることがあります。特に嘔吐を伴う頭痛は、脳腫瘍の症状として有名です。
また、頭痛の症状がある脳腫瘍は、脳神経の他の病気を伴う可能性があります。小児がんが疑われる頭痛は、他の症状も同時に発症することが多いです。

食欲不振

小児がんは食欲不振の症状が見られることがあります。食欲不振は発熱や頭痛・体の痛みが持続する・貧血症状の1つである全身倦怠感などで生じる場合があり、体重減少を伴うことが多いです。
また急に嘔吐したり不機嫌になったりすることもあるでしょう。さらに、小児がんは抗がん剤を用いた治療を行うため、薬の影響で食欲不振になることもあります。
このように小児がんは、病気の症状・薬の影響による食欲不振や吐き気の症状が見られます。

筋肉・胸・お腹などのしこり

小児がんは、筋肉・胸・お腹などにしこりが生じることがあります。
筋肉にできるしこりは痛みを伴わないため、大きくなってから気づくことが多いです。筋肉だけではなく、生殖器にできるしこりもあります。
胚細胞腫瘍を患うと、男児の場合は睾丸・女児の場合は腟などにしこりができることが特徴です。また、胸のしこりは、白血病・リンパ腫・神経芽腫などを患った際に生じます。
そして気管・心臓・脊髄などを圧迫し、息苦しさ・咳・顔のむくみ・動悸・下半身麻痺などの症状を伴うことがあるでしょう。
お腹に生じるしこりは1〜5歳に多く見られ、がんの種類や進行具合によりさまざまな症状が現れます。また、しこりの影響で腸や尿道を圧迫すると、重い症状が現れる可能性があるでしょう。

小児の悪性腫瘍の発生原因

小児の悪性腫瘍の原因は、遺伝や成長・発達の過程で発生した異常な細胞増殖と考えられていますが、実際には明らかになっていません。
一方で、成人の場合は生活習慣が原因とされていますが、小児がんは生活習慣が発生要因になっている可能性はないと考えられています。
同じがんでも成人と子どもでは原因が異なる点が特徴です。そのため、小児がんは専用の病院で治療を受けます。

小児がんの主な種類は?

小児がんの主な種類は、次の4つが挙げられます。

  • 白血病
  • 脳腫瘍
  • 悪性リンパ腫
  • 胚細胞腫瘍

小児がんは、15歳未満の子どもが発症するがんの総称です。
上述した4つの病気は、国立がん研究センターが発表したデータをもとに発症率の高い順に紹介しています。
小児がんのうち、それぞれの病気の割合は白血病38%・脳腫瘍16%・悪性リンパ腫9%・胚細胞腫瘍8%です。

白血病

白血病は、骨髄で増殖した腫瘍細胞により、正常な血球(赤血球・白血球・血小板)が減少する病気です。
主な症状は、貧血・出血・発熱・頭痛・嘔吐などで、急性白血病になると治療せず放置した場合に1ヶ月程度で死に至るといわれています。
白血病は死に至る病として恐れられていましたが、現在では早期発見と適切な治療により「治る病気」といえるでしょう。ただし、白血病の原因は明らかになっていません。
なお、日本の白血病患者は10万人に約5人とされており、小児の白血病の場合は5年生存率が80〜90%と高い傾向になりました。

脳腫瘍

脳腫瘍とは、頭蓋骨の内側にできるすべての腫瘍(新生物)の総称です。
主な症状は、頭痛・吐き気・不機嫌・意識障害・手足の麻痺などが現れます。
小児の脳腫瘍でよく見られる腫瘍は、神経膠腫(しんけいこうしゅ)・上衣腫・髄芽腫で、神経膠腫(グリオーマ)は神経膠細胞から発生する腫瘍で悪性度によって2つに分けられます。
上衣腫が生じる場所は、成人を含む多くの事例の場合、脊髄が大半です。しかし、子どもの場合は脳の後ろ側の部位にできます。特に低年齢の子供にできやすいです。
髄芽腫は、小脳の細胞に発生する悪性度の高い腫瘍で、患者さんの多くが20歳未満で発症します。子どもが発症する脳腫瘍の中で多いです。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、リンパ球ががんになり異常に増える病気です。
リンパ球は、通常体内に侵入してきた病原体を排除する役割があります
主な症状は、首・脇の下・足の付け根などのリンパ節が多い部位に腫れができます。また、痛みのないしこりや発熱・寝汗・体重減少などの症状が現れるでしょう。

胚細胞腫瘍

胚細胞腫瘍とは、原始生殖細胞が成熟する過程で発生する腫瘍です。
原始生殖細胞とは、胎児のもととなる未熟な細胞を指します。将来的に胎児の体を作るための細胞や組織で作られた腫瘍です。
主な症状は、腫瘍ができる部位によって異なりますが、精巣や卵巣にできた場合は外からの見た目は腫瘤(こぶ)ができます。胚細胞腫瘍は悪性と良性に分けられ、多い種類は良性腫瘍の「奇形腫」です。

小児がんの治療方法

小児がんの治療方法は次の3つです。

  • 外科療法
  • 化学療法
  • 放射線療法

小児がんは成人のがんと名前は同じでも治療方法が異なる場合があります。
子どもは成長過程にあるため、将来のことを視野に入れて治療を選択する必要があるでしょう。再発の危険性があるため、治療が完了しても入院を継続し、経過観察を行います。

外科療法

外科療法は、手術を行い、腫瘍や臓器の悪い部位を取り除きます
脳腫瘍・神経芽腫・腎芽腫などの腫瘍に対して行われることが多いです。小児外科の医師が執刀することが多いですが、部位によっては脳外科・泌尿器科・整形外科の医師も治療に携わります。

化学療法

化学療法とは、いわゆる抗がん剤治療を指します。何種類もの効果が期待できる薬を組み合わせて、適切な治療を行います。
さまざまな症例のデータを活用し、小児がんに効果が期待できる治療方法を確立してきました。しかし、現在も完璧な治療方法は見つかっておらず、10〜40%の子どもが再発します。
また、抗がん剤は副作用のイメージが強く、できるだけ副作用のない抗がん剤の確立が期待されています。

放射線療法

放射線治療とは、がんに放射線をあてて治療する方法です。
直接的にがんを撃退する役割よりも、手術前に小さくしたり手術後の再発を予防したりする補助的な役割を担います。
成人のがんに比べると、放射線治療の効果が高く、少ない線量でも効果が期待できます。ただし、長期的な使用は臓器の働きに影響を与える可能性があるため、治療後も長期間に渡って経過観察する必要があるでしょう。

小児がんの症状についてよくある質問

ここまで小児がんの症状などを紹介しました。ここでは「小児がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

病院を受診する目安を教えてください。

武井 智昭 医師武井 智昭 医師

病院を受診する目安は、風邪の症状がなかなか治らず、発熱の原因もはっきりしないような状態になった場合です。その場合は、詳しく検査してくれる病院に受診してください。一般的な成人のがんであれば、定期検診によって発見される可能性があります。しかし、小児がんの場合はほとんどの確率で定期検診を受けていないため、症状が出た後の検査で発見されるでしょう。そのため、小児がんを疑うような症状が現れたら、すぐに受診して詳しい検査を受けてください。

小児がんを予防する方法はありますか?

武井 智昭 医師武井 智昭 医師

小児がんの原因は遺伝や成長過程で発生する異常な細胞の増殖と考えられており、明確な原因がわかっていないため、予防方法も確立されていません。

編集部まとめ

小児がんの症状は、発熱・頭痛・食欲不振など、風邪の主な症状に似ています

原因不明の発熱が続いたり、筋肉・胸・お腹などにしこりができたりした場合は早めの受診がおすすめです。

また、小児がんの原因は明確になっておらず、予防方法も確立されていません。普段から子どもの様子を確認して異常があればすぐに検査を受けましょう。

小児がんと関連する病気

「小児がん」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。


神経系

  • 神経芽腫(グリオーマ)

脳外科系


腎臓系

  • 腎芽腫(ウィルムス腫瘍)

肝臓系

  • 肝芽腫

生殖器系

  • 胚細胞腫瘍

小児がんは明確な原因が明らかになっておらず、予防方法も確立されていません。普段から子どもの体調を確認し、おかしな点があればすぐに詳しい検査ができる病院へ行きましょう。

小児がんと関連する症状

「小児がん」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • 発熱
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 不機嫌
  • 骨や関節の痛み
  • 筋肉・胸・お腹のしこり

小児がんの症状は、風邪に似たような症状です。風邪だと思い、病院に行ってもなかなか治らず、詳しく検査してはじめて発見する場合もあります。原因不明の発熱や風邪の症状がひどくなる場合は、早めに受診しましょう。

この記事の監修医師