「血圧サプリ」を飲むと“数値”はどうなる?選び方のコツと注意点も医師が解説!

血圧サプリの効果とは?メディカルドック監修医がサプリだけで高血圧を改善できるのか、代表的な成分とその効果、低血圧と鉄分の関係まで解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
高血圧向けのサプリメントで血圧は下がる?
高血圧向けのサプリメントは、あくまでも健康維持を助ける食品です。「高めの方」の血圧を下げる効果は期待できるかもしれませんが、決して「薬」ではありません。
治療が必要な高血圧の場合、生活習慣の改善をおこない、必要に応じて降圧薬(血圧を下げる薬)の服用によって血圧を下げていきます。
ただし、「高血圧」というほどの血圧でない場合は、サプリメントが役に立つ可能性もあります。血圧を安全にコントロールするため、まずは高血圧向けのサプリメントはどのようなものなのかをみていきましょう。
血圧が高い人向けのサプリに期待できる健康効果とは?
血圧が高い人向けのサプリに期待できる健康効果は、「高めの血圧(130〜139mmHg /85〜89mmHg)を下げるサポート」です。
なお、高血圧と診断されるのは、診察室での血圧が140/90mmHg以上の方です。つまり、血圧が高い人向けのサプリは、「高血圧」と診断されている方ではなく、その手前の「血圧は高めだが、高血圧と診断されるほどではない」という方を対象にしているといえます。
また、血圧が高い人向けのサプリのなかには、血管のしなやかさを保つサポートが期待できる商品もあるようです。
血圧が高い方向けのサプリメントは、おもに「特定保健用食品(トクホ)」と「機能性表示食品」の2種類に分類されます。
- 特定保健用食品:機能性や安全性について食品ごとに国の審査・許可を受けています。
- 機能性表示食品:国の審査は不要で、事業者が責任を持って成分に関する機能性を表示して販売しています。
血圧サプリに含まれる主な機能性関与成分には、GABAやヒハツ由来ピペリンなどがあり、それぞれ血管の収縮を和らげたり拡張を助けたりする効果が期待されています。
血圧サプリだけで高血圧・低血圧は改善できる?
基本的に、高血圧・低血圧と診断される状態の血圧は、サプリメントだけで改善(治療)することはできません。サプリメントは健康な方が食事で不足する栄養を補う「食品」であり、「薬」ではないためです。
また、「血圧サプリ」と呼ばれる商品は血圧を下げるようにはたらく商品が大半であり、低血圧の方には適さないケースがほとんどです。
血圧が基準値から外れているときは自己判断でサプリメントを選ばず、まずは内科や循環器内科を受診して適切な指示を仰ぎましょう。すでに血圧の治療を受けている方がサプリの摂取を希望される場合は、飲み合わせの確認が必要なため、必ず主治医や薬剤師に相談してください。
血圧サプリに含まれる代表的な成分と働き
ここからは、血圧サプリに含まれる代表的な成分とそのはたらきについて、一般的な内容を紹介していきます。
GABA(ギャバ)
GABAはアミノ酸の一種で、交感神経の働きを抑えて血管の収縮を和らげる働きがあります。
リラックス効果で知られるGABAは、血圧を下げる効果も期待できるのです。
ヒハツ由来ピペリン
ヒハツ由来ピペリンは、血管を拡張させる「一酸化窒素(NO)」の働きを助けて血管を広げて、血圧をサポートする効果が期待できる成分です。
また、血管のしなやかさの維持に対する機能も期待されます。
サーデンペプチド(バリルチロシン)
サーデンペプチドは、イワシのタンパク質を原料に作られている成分です。「アンギオテンシンⅡ」という血圧を上げる物質が作られるのを妨げることで、血圧をサポートする働きがあります。
カツオ由来エラスチン
エラスチンは、肌や血管などに多く分布するタンパク質の一種です。肌のハリを保つコラーゲンを支える重要な役割を体内では果たしています。
カツオ由来のエラスチンは、血流を改善し、血管のしなやかさを保つと考えられています。直接的に血圧を下げるサポートをするかは明らかではありませんが、他の成分といっしょに血圧サプリによく含まれる成分のひとつです。
市販の「血圧サプリ」の選び方と注意点
ここからは、市販の血圧サプリの選び方と注意点を説明します。
自分に合った血圧サプリを選ぶポイント
自分に合った血圧サプリを選ぶには、パッケージの「届出表示」を確認し、自分の数値や健康状態に合うものを選ぶことが大切です。
現在、さまざまな成分の血圧サプリが販売されており、複数の成分を合わせて中性脂肪や血糖値などにも効果が期待できる商品もあります。自分の状態をよく考え、体調に合うものを選びましょう。
また、血圧サプリは「特定保健用食品」や「機能性表示食品」などのマークがきちんと表示されているものを選ぶことも大切です。外国から輸入したサプリメントは日本の基準を満たしていない可能性もあるため、商品の表示をよく確認して安全性の高い商品を選びましょう。
血圧サプリを摂取する際の注意点
血圧サプリを摂取する際は、記載されている1日量や飲み方を必ず守りましょう。サプリメントは多く摂っても効果が促進するわけではなく、場合によっては予期せぬ副作用が出る可能性も考えられます。
また、現在血圧の治療を行っている方は、自己判断で薬を中止したり、サプリメントに置き換えたりすることは絶対に避けてください。サプリメントは「薬」ではなく「食品」であるため、血圧の薬にはなりません。治療を受けている方が血圧サプリの摂取を検討する際は、主治医へ購入前に品名と成分を伝え、摂取しても問題ないかを確認しましょう。
「低血圧」と「鉄分」の関係とは?サプリで改善できる?
ここからは、低血圧と鉄分、サプリメントの関係について紹介します。
低血圧の人が鉄分不足になりやすい理由は?
鉄分不足となると、貧血になりやすいです。貧血となると酸素を運搬する能力が低下し、体調が悪化しやすくなり、重症化すると心不全となる事もあります。また、貧血のすべてが低血圧となるわけではありませんが、頻脈や低血圧を合併しやすいです。
低血圧と貧血(鉄欠乏性貧血)は、それぞれ原因が異なる状態ですが、併発すると脳や体への酸素供給が滞りやすくなります。全身の状態が悪化することで、立ちくらみやめまいが悪化しやすくなる可能性が考えられます。このため、鉄分を補い貧血を改善すると、めまいなどの症状が改善することが少なくありません。
また、一般の方がよく用いる「貧血」はいわゆる立ちくらみやふらつきを言うことが多く、この貧血は脳貧血のことを示します。脳貧血は、低血圧や起立性低血圧に伴い、脳への血流が悪くなることで症状があらわれます。このため、脳貧血は貧血の治療のみ行っても症状が改善されないこともあります。このような場合には、まず原因を確認する必要があるため内科を受診して相談をしましょう。
低血圧対策の食事と血圧サプリの活用法とは?
低血圧対策には、タンパク質、ミネラル、ビタミンなどをバランスよく摂ることが大切です。一品料理は避け、主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がけましょう。
ただし、小食の方や多忙で理想的な食事が難しい方は、無理に食べる量を増やすのではなく、サプリメントを賢く活用するのもよい方法です。食事だけでは不足しがちな鉄分やミネラル、ビタミンなどをサプリメントで補うと、栄養バランスが効率よく整い、体調の改善に役立ちます。
「血圧サプリ」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧サプリ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血圧を下げるサプリと降圧薬は併用しても大丈夫ですか?
伊藤 陽子(医師)
血圧を下げるサプリメントと降圧薬を併用できるかは、医師や薬剤師への相談が必要です。サプリメントの摂取によって血圧の値の変化や予期せぬ副作用が出たりする可能性もあるためです。また、血圧サプリは、「血圧は高めだが、高血圧と診断されるほどではない方」を対象としているため、降圧薬との併用は基本的に想定されていません。安全のために、自己判断での併用は避けましょう。
市販の血圧サプリはどれくらい飲み続ければ効果が出ますか?
伊藤 陽子(医師)
血圧サプリの効果があらわれる時期は、サプリの種類や個人の体質によって異なります。サプリはあくまでも「食品」であるため、薬ほどの即効性は期待できません。1〜2週間で効果があらわれるものもありますが、4〜12週間ほど摂取して効果を確認しているものが多い傾向です。詳しくは、摂取を検討するサプリメントの商品説明などを確認してみてください。
低血圧気味なのですが、鉄分サプリを飲れば血圧は上がりますか?
伊藤 陽子(医師)
鉄分サプリの摂取によって、血圧の数値そのものがすぐに上がる可能性は低いと考えられます。「低血圧によるふらつき」と「鉄分不足によるふらつき」は、原因が異なるためです。また、鉄分は摂取してすぐに体調が改善するものではない点でも、即効性は期待できません。ただし、低血圧と鉄分不足を併発している方は、鉄分サプリの継続摂取によって栄養状態の改善が期待できます。中長期的には、だるさやふらつきが緩和する可能性は考えられるでしょう。なお、治療が必要な病気が隠れている可能性もあるため、低血圧で体調不良の自覚がある場合は一度内科で相談することをおすすめします。
血圧が高い人のサプリメントは機能性表示食品を選ぶべきでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
血圧が高い人のサプリメントは、機能性表示食品や特定保健用食品のように、国の制度に基づき、安全性や機能性に関する科学的根拠が公表されているものがよいでしょう。成分含有量や機能が不明確な一般の「健康食品」に比べ、表示内容の根拠が明確であり、製品選びの基準として一定の信頼がおけるためです。ただし、高血圧の治療を受けている方は、機能性表示食品、特定保健用食品のどちらであっても、摂取前に必ず医師にご相談ください。
まとめ 血圧サプリの活用法は正しく見極めよう!
高血圧向けの血圧サプリは、基本的に「高血圧と診断される手前の方」を対象とした商品です。現在治療を受けている方が摂取を検討する際は、まずは主治医へ相談しましょう。また、商品を選ぶ際は表示内容をよく確認し、信頼性の高いものを選ぶように心がけてみてください。
「血圧」に関連する病気
「血圧」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
代謝内分泌系
一言:血圧の異常のうち特に高血圧は、放置すると循環器系の大きな病気を引き起こすおそれがあります。また、低血圧も、治療が必要な内分泌の異常や心臓病などによって起きている可能性も考えられます。血圧の異常がある場合は、医師へ相談しましょう。
「血圧」に関連する症状
「血圧」から医師が考えられる症状は4個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
一言:血圧が非常に高い状態や低い状態では、頭痛やふらつきなどが現れることがあります。血圧の異常と体調不良が同時にある場合、早めに医師へ相談しましょう。
参考文献
- 「健康食品」の安全性・有効性情報|国立研究開発法人 医療基盤・健康・栄養研究所
- 特定保健用食品について|消費者庁
- 機能性表示食品について|消費者庁
- 高血圧管理・治療ガイドライン2025|日本高血圧学会




