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「コレステロール値(LDL・HDL)」とは?医師が病気のリスクなど解説!

公開日:2023/08/28
「コレステロール値(LDL・HDL)」とは?医師が病気のリスクなど解説!

血液検査のコレステロール値とは? Medical DOC監修医がLDL・HDLコレステロール値の見方や基準値・主な原因と病気のリスク・対処法などを解説します。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

プロフィールをもっと見る
奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会 南川医院に勤務。
生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に訪問診療にも従事している。
日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会所属。
オンライン診療研修受講

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コレステロール値とは?(LDL・HDLコレステロール値)

コレステロールとは、体内で産生される脂質の一種で、私たちの体にとって重要な役割を果たしています。体内で作られるコレステロールの大半は肝臓で生成されますが、一部は食事から取り入れることもあります。
有害なイメージのあるコレステロールですが、本来は細胞膜の一部となり、細胞の構造や機能を維持するために必要です。またビタミンD、性ホルモン(エストロゲン、テストステロン)、副腎ホルモン(コルチゾール、アルドステロン)、そして胆汁酸(脂質の消化・吸収を助ける物質)の生成にも必要とされます。

コレステロール値が高い場合のリスクと対策

コレステロール値が基準値より高いとどうなる?

コレステロール値が基準値より高いと、病気のリスクとなる可能性があります。特に、LDL(低密度リポタンパク質)コレステロールが増えると、血管壁に付着しやすくなります。これがアテローム性動脈硬化症(動脈硬化)を引き起こし、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。これが「悪玉コレステロール」と言われるLDLコレステロールの特徴です。
一方で、HDL(高密度リポタンパク質)コレステロールは、「善玉コレステロール」とも呼ばれ、血管壁に付着したコレステロールを肝臓に運び出し、体外へ排出する役割を果たします。このため、HDLコレステロールは動脈硬化の進行を防ぐとされています。
つまりLDLコレステロールは低い方が良く、HDLコレステロールは高い方が良いということになります。
動物性の脂が多い食べ物は、LDLコレステロールの上昇に繋がります。ただコレステロール値が高くなっても自覚症状はありません。そのため定期的な健診で把握しておく必要があります。

健康診断でコレステロール値が高いと言われたら?

健康診断でコレステロール値が高いと言われた場合、大抵は悪い方の意味のことが多いので、ここでは悪玉コレステロールであるLDLコレステロールとして考えます。LDLコレステロール値が高いと判定された場合、放置しておくのは動脈硬化の進行につながり、お勧めできません。早期介入が必要です。生活習慣の見直しや薬物療法を行うことも検討に入れましょう。

コレステロール値を下げる方法は?

同じくLDLコレステロール値として考えると、生活習慣の改善で下げる方法と薬物療法があります。ただLDLコレステロール値はどれだけ生活習慣に気をつけても下がらない場合もあります。それは遺伝的に高くなってしまう場合です(家族性高コレステロール血症)。その場合は、薬物療法に早く切り替えるのが賢明です。

コレステロール値が低い場合のリスクと対策

コレステロール値が基準値より低いとどうなる?

悪玉コレステロールであるLDLコレステロールは低ければ低いほどいいですが、HDLコレステロールが低い場合も、脳卒中や心血管疾患のリスクを上昇させると言われています。

健康診断でコレステロール値が低いと言われたら?

健康診断でコレステロール値が低いと指摘された場合、問題になるのはHDLコレステロールが低い時ですので、それについて解説します。先述のようにHDLコレステロールが低い場合も、脳卒中や心血管疾患のリスクを上昇させることが知られていますので、一度医療機関で再検査を受け、適切な介入を行う必要があります。

コレステロール値を上げる方法は?

HDLコレステロール値を上げるには、日々の食事内容の見直しが重要です。豆腐・納豆といった植物性タンパク質の摂取を増やし、脂質はオリーブオイルやフィッシュオイルを摂取することが重要です。また喫煙者の方は禁煙も非常に効果的です。

健康診断の「コレステロール値」の見方と再検査が必要な「コレステロール値」に関する数値・結果

ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

健康診断・血液検査の「コレステロール値」の基準値と結果の見方

コレステロールの基準値は、一般的には以下のようにされています。

コレステロール 基準値
総コレステロール 200 mg/dL以下
LDLコレステロール 120 mg/dL以下
HDLコレステロール 40 mg/dL以上(男性)
50 mg/dL以上(女性)
中性脂肪 150 mg/dL以下

ただし、LDLコレステロールは既に心臓病を患っている人や糖尿病患者などは100 mg/dL以下、あるいはそれ以下を目指すことが推奨されています。
これらの数値は健康維持の指針であり、個々の基準値を超えている場合は脂質異常症の可能性があります。これらの数値だけではなく、全体的な健康状態、ライフスタイル、遺伝的なリスクなども考慮に入れることが重要です。

健康診断・血液検査の「コレステロール値」異常値・再検査基準と内容

健康診断のコレステロール値で指摘された場合、再検査の内容は同じく血液検査を行います。ただしその内容はより詳細になっていることが多いです。検査費用については、負担割合や医療機関によって変わります。初診料などの関係で、一番安価に済むのは診療所やクリニックを受診することです。まずは最寄りのクリニックに詳細を聞いてみましょう。
 健診でコレステロール値の異常を指摘されたら、数値に関わらず早目に受診してください。遅くても健診から3ヶ月以内には受診されることを勧めます。
再検査の結果、やはりコレステロール値の異常が指摘されれば、生活習慣の改善や薬物療法など何らかの対応をとられることが多いです。

健康診断・血液検査の「コレステロール値」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「コレステロール値」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

脂質異常症

脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)の値が正常範囲から外れている状態を指します。
脂質異常症の主な原因は、遺伝的な要素と生活習慣の両方にあります。遺伝的な要素は特に、家族性高コレステロール血症[龍中2] といった一部の遺伝疾患で見られます。一方、食生活の乱れや運動不足、肥満、過度なアルコール摂取、喫煙といった生活習慣も脂質異常症の発症リスクになります。
脂質異常症は自覚症状がほとんどありませんが、放置すると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な疾患のリスクが高まります。そのため、早期の発見と適切な管理が重要です。
治療としては、まず生活習慣の改善が求められます。健康的な食事、適度な運動、適切な体重の維持などが大切です。それだけでは改善しない場合や、特定の遺伝的疾患を持つ場合には、薬物療法も選択肢となります。受診すべき診療科は一般内科、内分泌内科、循環器内科などです。特に高血圧や糖尿病、肥満などに該当する方、または家族に脂質異常症の既往がある方は定期的に血液検査を受けることをお勧めします。

低LDLコレステロール血症

低LDLコレステロール血症は、血液中のLDLコレステロール濃度が異常に低い状態を指します。LDLコレステロールは通常、「悪玉コレステロール」として知られていますが、これは血中濃度が高すぎると動脈硬化などの疾患を引き起こす可能性があるためです。一方でコレステロールは人体の各所で重要な役割を果たしており、その濃度が逆に低すぎると健康に影響を及ぼす可能性があります。
低LDLコレステロール血症は、特定の遺伝疾患、重篤な肝臓の病気、甲状腺機能亢進症、副腎不全、栄養失調、悪性腫瘍、慢性的な感染症、炎症性疾患、過度なアルコール摂取など、様々な要因によって発生することがあります。
低LDLコレステロール血症自体が特定の症状を引き起こすことは稀ですが、この状態が継続すると、細胞膜の健全な機能、ビタミンDやホルモンの生成といった、体の基本的な機能に影響を及ぼす可能性があります。
低LDLコレステロール血症の対策は、その原因となる状況や疾患を特定し管理することです。たとえば、肝疾患が原因である場合、その肝疾患の治療を行う必要があります。栄養不足が原因である場合、食事の見直しや栄養補給を考慮します。
受診すべき診療科は一般内科や内分泌内科です。特に、長期間にわたり体調不良が続いている場合や、自覚症状がある場合は、早急に医療機関を受診しましょう。LDLコレステロールは定期的な血液検査で確認できますので、これを含む健康診断を受けることをお勧めします。

「コレステロール値」が高い時、低い時の正しい対処法・改善法は?

多くの場合は、LDLコレステロールが高くHDLコレステロールが低いことを指摘されます。その対処法は、禁煙、節酒、適度な運動、栄養バランスの取れた食事、適正カロリーを守ることです。

「コレステロール値」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「コレステロール値」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

健康診断でLDLコレステロール値が高いとどんなリスクがありますか?

中川 龍太郎中川 龍太郎 医師

先述のように、全身の血管に動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な疾患のリスクが高まります。

コレステロール値は薬やサプリで下げることはできますか?

中川 龍太郎中川 龍太郎 医師

薬で下げることは十分可能です。アメリカ医学会の報告では、生活習慣の改善でコレステロール値を下げることは難しく、むしろ早々に内服薬を使用するべき、という見解です。サプリに関しては劇的な効果が認められているものはなく、お勧めはしません。

コレステロール値を下げるのにおすすめの食事はありますか?

中川 龍太郎中川 龍太郎 医師

動物性の脂質摂取を避けて、大豆製品やオリーブオイル、魚から摂取するような食事がお勧めです。

コレステロール値は遺伝で高くなったり低くなったりしますか?

中川 龍太郎中川 龍太郎 医師

遺伝の影響はあります。家族性高コレステロール血症という病気もあり、これは遺伝的にLDLコレステロールが高値になってしまう病気です。

まとめ 「コレステロール値」はLDLか HDLかに注意!

一言にコレステロールといっても種類がありますので、何が高くて何が低いのか理解する必要があります。ただそれは非常にややこしく、誤解したまま自己判断で放置してしまうと良くないので、健診で指摘された際は項目に関わらず、一度医療機関を受診してください。

「コレステロール値」の異常で考えられる病気

「コレステロール値」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

代謝内分泌内科の病気

  • 低LDLコレステロール血症
  • 家族性高コレステロール血症

循環器内科、脳神経外科の病気

  • 動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳卒中など)

健康診断で指摘されるコレステロール値の異常は、脂質異常症であることがほとんどです。自覚症状がないのでついつい放置してしまいがちですが、その間も動脈硬化は進んでしまいます。健康診断で指摘されたら早めに受診しましょう。

この記事の監修医師