【闘病】「成人スティル病+新型コロナウイルス感染症」になってしまった(2/2ページ)

未来のことはわからない、日々できていることを大事にしてほしい

編集部
成人スティル病をよく知らない方に伝えたい言葉はありますか?
もりもとさん
私の場合は仕事仲間に2つのことを伝えています。「人混みに行けないから外出予定はなるべく組まないで」ということと、「夜に予定を組まないで」ということです。あとは意識していてもしていなくても、言われるとイラっとする言葉は多いです。
編集部
それはどんな言葉ですか?
もりもとさん
例えば、「調子どう?」と尋ねられても、そもそも調子が良いときがありません。「顔がふっくらしたね、安心した」と言われても、ステロイドの副作用なので健康的ではありません。心配して聞いてくれていることでも答えづらかったり、内心傷ついていても愛想笑いをしたりして、気遣いをしていることを理解してほしいと思ってしまい、そんな我儘を相手に要求したくなる自分に余計イラっとします。
編集部
体験を通して、医療機関に望むことはありますか?
もりもとさん
総合診療科をもっと身近に増やしてほしいです。私は発熱が原因で受診しましたが、どの診療科で治療を受けるべきか素人に判断が難しく、苦しい時間だけが増えるのです。成人スティル病なら皮疹が特徴なので、最初に皮膚科に行く人も多いと思います。そこで膠原病内科に案内されればラッキーですが、塗り薬だけを出されて様子見というケースも聞いたことがあります。
編集部
最後に読者に向けてメッセージをお願いできますか?
もりもとさん
成人スティル病は死に至る病気ではありませんが、今は1年前の何の不調もなかった自分の体を思い出せないほど、常に何らかの不調を抱えています。だからこそ、日々の出来ていることを大事にしてほしいと強く思います。病気を患っている方は、主治医の先生、家族、友達、仕事仲間など周囲に協力を得なければならないことも多いですが、決して落ち込まず、諦めず前向きに治療に進んでほしいと思います。
編集部まとめ
もりもとさんの患っている成人スティル病は検査所見が乏しく、非常に診断の難しい病気です。強いて言えば、症状は間欠的な発熱とそれに伴う皮疹、関節痛が特徴ですが、それ以外に特徴となる所見がほとんどありません。生命予後は良い病気ですが、闘病をする当人にとっては苦痛の強い病です。もりもとさんの体験談から、多くの方が成人スティル病への理解を深めてくれれば、同じように闘病を続ける方への助けになるでしょう。





