喉の腫れが痛い!その原因とは?5つの病気と自分でできる対処法
喉が痛くなって腫れるというのは、ほとんどの人が風邪などで一度は経験したことのある症状だと思います。しかし、いつもの風邪だからと放っておくと重大な病気を見逃したり、他の臓器にも影響が及んだりするような重たい病状におちいってしまう可能性もあることをご存知ですか?今回は、「喉の腫れ」の原因や関連する病気、自分でできるいくつかの対策について、Medical DOC編集部がお届けします。
鈴木 香奈 (金沢駅前ぐっすりクリニック 院長)
目次 -INDEX-
喉が腫れる原因
代表的な原因として、以下の5つが挙げられます。喉は外の空気に触れやすい場所なので、様々な症状を引き起こしやすい部位だとされています。
風邪
もっとも多いのは、風邪の炎症による腫れです。外の空気が器官に直接入ってくるため、細菌やウイルスによる感染が起こりやすいと考えられています。また、空気が乾燥する冬になると口の中のうるおいがなくなるため、よけいに炎症が起こりやすくなります。
喉の使いすぎ
カラオケで歌いすぎるなど、大声を出すことにより痛くなった経験はありませんか。声帯を使いすぎることで喉の中が切れて出血したり、炎症が起こったりしているのです。大きな声だけでなく、長時間話し続けた場合も同様に喉が痛くなって腫れてしまう場合があります。
やけど
熱いものを冷まさずに食べると食道がやけどのようになってしまい、傷ついたところが炎症を起こして腫れることがあります。熱い食べ物は、思っている以上に喉や食道に強い刺激を与え、傷付けてしまっています。食べ物はある程度冷ましてから口に入れるようにしましょう。
花粉症などのアレルギー
花粉などのアレルギー物質が口から体内に入ることで炎症が起こり、イガイガしたり腫れたりします。また、花粉症の人は鼻が詰まることで口を開けて呼吸してしまうことが多いため、口内が乾燥し、さらに炎症がひどくなってしまいます。
喫煙や飲酒
タバコの有害な煙は、吸い込むことで直接的に喉や声帯に悪影響を及ぼします。またアルコールも、粘膜を傷つけやすいほか、口の水分を奪って乾燥を引き起こすため炎症が起こりやすくなります。
関連する病気
続いては、「喉の腫れ」という症状から考えられる病気についてご紹介します。もっとも多いのは風邪が引き金になって起こる扁桃炎や咽頭炎で、腫れるだけでなく痛みも伴います。急性の炎症が治りきらず慢性的に続くケースもあります。
急性扁桃炎と急性咽頭炎
急性扁桃炎
風邪やインフルエンザなどのウイルス、花粉などにより、口の奥の両脇にある「口蓋扁桃」や「扁桃」という場所で急激な炎症が起きている状態です。物を飲み込むのがつらいほどの痛みと腫れがあります。寒気や頭痛、関節痛、全身のだるさといった風邪のような症状に加え、39~40度の高熱が出るのが特徴。ひどくなると扁桃に白い斑点や膿が見られ、それらが広範囲に広がっていきます。
急性咽頭炎
「咽頭炎」は、扁桃以外の咽頭部分で起きる炎症を指します。同じく喉の痛みや赤み、腫れが見られますが、扁桃炎と違って咽頭炎は微熱にとどまることが多いのも特徴です。加えて、耳に痛みを感じることもあります。
慢性扁桃炎と慢性咽頭炎
慢性扁桃炎
急性扁桃炎が治りきらずに長引いたり、治ってもくりかえし起こったりする場合は、慢性化してしまいます。特に、年に4~5回もくりかえすような場合は「習慣性扁桃炎」といいます。慢性化した場合、扁桃自体の症状は急性より軽くなりますが、腎臓や心臓など他の臓器に病気を引き起こしてしまうことがあるので注意が必要です。
慢性咽頭炎
急性咽頭炎のくりかえしだけでなく、副鼻腔炎や糖尿病など、さまざまな病気が原因となって引き起こります。重篤になると、菌やウイルスがリンパ節まで入り込んで炎症を起こす「頸部リンパ節炎」になってしまうこともあります。
扁桃周囲膿瘍
「扁桃周囲膿瘍」とは、扁桃炎が悪化して扁桃の周囲に膿がたまる状態のことです。激しい痛みや腫れ、耳の痛みを伴い、治療には患部を切開して膿を出さなければなりません。再発が度重なる場合には、手術で扁桃を取ってしまう場合もあります。
応急的な対処
病院に行くまでに、痛みや腫れを少しでもどうにかしたいとお思いの方もいるかと思います。続いては、家庭でできる対処法をご紹介します。これらはあくまで一時的なものなので、治らない場合は病院を受診してください。
かりんやはちみつ
かりんやはちみつには強力な抗酸化作用があり、殺菌効果のある成分が豊富に含まれています。その他にも粘膜を保護する成分など、喉にありがたいものばかり。風邪を引いたかな?と思った時にすかさずはちみつやかりんを飲むと、症状が落ち着いたり改善したりするかもしれません。不調を感じた時にすぐ飲めるように、かりんのはちみつ漬けを作って常備しておくのがおすすめです。
市販薬
市販薬には、殺菌成分や消炎成分、鎮痛成分が入っているので、つらい症状がやわらぐかもしれません。トローチやドロップタイプのものは急いでかまずに、喉に幕を作るようなイメージでゆっくりと舐めて溶かしましょう。ただし、市販薬の成分や分量が自分の症状にぴったり合うとは限りません。完全な治療のためにはきちんと病院へ行き、医師の問診を受けて自分に合う薬を処方してもらうことをおすすめします。
うがい薬
初期の風邪や少しの腫れなら、薬を使ったうがいをするだけで改善する場合もあります。殺菌効果のあるうがい薬なら口内を清潔に保ってくれるので、症状の緩和だけではなく風邪の予防にもなります。
乾燥で風邪予防
空気の乾燥が激しく、寒さで抵抗力も落ちる冬は特に風邪を引きやすい季節です。そこで、前もってマスクや加湿器で乾燥を防ぎ、菌やウイルスをブロックすることが大切です。また、寒さも乾燥も改善してくれる入浴は、積極的に取り入れましょう。ただし、湯船に浸かっていない部分の冷えに十分注意し、発熱している時は入浴を控えてください。
なるべく早く病院を受診
喉の不調は日常的によく起こる症状ですが、そのまま放置していると大変なことになる場合があります。例えば、扁桃炎の場合には症状が慢性化して他の臓器に害を及ぼす可能性が出てくると、手術で扁桃を摘出することがあります。ひどくならないうちにきちんと病院へ行くのがこじらせないコツです。喉の腫れを感じたら、早い段階で耳鼻科や内科にかかりましょう。抗生物質や消炎薬を投与してもらえば、急性の炎症なら1週間程度でおさまるはずです。
また、痛みを伴わない場合は腫瘍などの大きな病気が隠れている場合もありますので、こちらもなるべく早く医師に診てもらうようにしましょう。早期の治療だけではなく、風邪を引きにくくするために抵抗力を上げたり、マスクを付けるなどして日頃から予防したりなどの心がけが大切です。
監修ドクター:鈴木 香奈 医師 金沢駅前ぐっすりクリニック 院長
喉の腫れでおすすめの耳鼻咽喉科 中部編
金沢駅前ぐっすりクリニック
出典:http://www.gussuri.jp/kanazawa-index.html
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