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「腸の長さ」はどれくらい?腸を広げるとテニスコート何面分?【医師監修】

 公開日:2025/04/03

腸はとても長い臓器なのはご存じの方も多いと思いますが、実際にどのくらいの長さか知っていますか?また腸にはあまり知られていない重要な役割が存在しています。

この記事では、腸の長さや役割、大腸の長さによって引き起こされるデメリットを解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

腸の長さは超長い?内壁の総面積はテニスコート○面分!

テニスコート
私たちのお腹の中にある腸は大きく分けて2つあり、それぞれ「小腸」「大腸」と呼ばれています。腸の長さには個人差がありますが、日本人の大腸の長さは約1.5m、小腸の長さは大腸の長さの4倍にあたる約6~7mといわれています。
また大腸の内壁を広げると表面積はテニスコート半面分、そして小腸はなんと大腸の2倍の広さであるテニスコート一面分もあるのです。

腸は身体の中でどんな役割を担っているの?

よく知られている腸の役割は消化吸収ですが、腸にはそれ以外にも重要な役割を担っています。

腸は人体最大の免疫臓器!

腸の重要な役割のひとつに免疫機能があります。免疫とは体外からの異物(細菌・ウイルス・毒素など)を見つけ出し、それを身体の外に排除する働きです。
腸内には全身の免疫細胞の約7割が存在しており、私たちの身体を守ってくれています。まさに腸は人体最大の免疫臓器です。

実は腸でもホルモンが作られています

もうひとつの重要な役割はホルモン分泌です。腸では消化吸収などの作用をもつ消化管ホルモンのほかに幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンが作られており、体内のセロトニンの95%が腸で作られています。
腸で作られるセロトニンは便を肛門まで運ぶ蠕動運動に関与しており、その分泌量によって便秘や下痢が引き起こされることがあります。女性のセロトニン分泌量は男性の約半分といわれているため、女性のほうが便秘になりやすく、逆に男性のほうが下痢になりやすいです。

大腸の長さによってデメリットがあるって本当?

お腹が痛い
大腸の長さには個人差がありますが、一般的に女性や高齢者のほうが、大腸が長い傾向にあります。大腸の長短で生じるデメリットを解説します。

大腸が長いデメリット

大腸が長いとその分便が排出されるまでに時間がかかるため、便が硬くなり、便秘になりやすいデメリットがあります。
なぜなら、大腸には水分を吸収する働きがあり、腸が長い分必要以上に水分を吸収してしまうからです。男性に比べて女性のほうが大腸が長い傾向であるため、便秘になりやすい人が女性に多い原因のひとつに腸が長いことも含まれています。

大腸が短いデメリット

一方、大腸が短いと腸内での便の滞在時間が短くなり、腸内で十分な水分を吸収されないため、軟便になりやすいデメリットがあります。

まとめ

腸には消化吸収以外にも免疫機能やホルモン分泌といった重要な役割があります。

便秘になりやすかったり、反対に下痢になりやすい人は、腸の長さが原因かもしれません。

ただし腸の長さが原因ではなく、ほかの病気が隠れている可能性もあるため、症状が続く場合は病院を受診しましょう。

この記事の監修医師

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