ストレス? それとも病気? 『胃もたれ』『胸やけ』受診のサインとは?【医師監修】

胃もたれや胸やけ、胃痛はよくある不調ですが、必ずしも様子を見てよい症状ばかりではありません。中には、早めに受診した方がよいサインもあります。受診のタイミング、市販薬を選ぶポイントについて、川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック院長の近藤先生に教えてもらいました。
※2026年4月取材。
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監修医師:
近藤 崇之(川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック)
胃もたれ、胸やけ、胃痛で受診すべき目安は?

編集部
胃もたれや胸やけ、胃痛がある場合、どのタイミングで受診すべきでしょうか?
近藤先生
症状が数日以上続く場合や、繰り返し起こる場合は受診を検討しましょう。胃もたれや胸やけなどは一時的な食べ過ぎやストレスで起こる以外にも、慢性的に続く場合は消化器の病気が隠れている可能性があります。特に症状が強い、日常生活に支障が出ている場合は早めに医療機関で相談することが大切です。
編集部
すぐに受診した方がよい危険なサインはありますか?
近藤先生
強い痛みが続く、吐血や黒い便がある、体重が急に減った、食事が取れないといった症状がある場合は、早急な受診が必要です。胃潰瘍や消化管出血、がんなどの可能性もあるため注意してください。
編集部
市販薬で様子を見てよいケースはありますか?
近藤先生
症状が軽く、一時的なものであれば、市販薬で様子を見ることも可能です。ただし、症状が改善せずに再発を繰り返す場合は、自己判断で服用を続けず、医療機関を受診してください。症状の背景に病気が隠れていることもあるため、長引く場合は必要な検査を受けるようにしましょう。
編集部
受診する際は、どの診療科を選べばよいでしょうか?
近藤先生
一般的には消化器内科の受診が適しています。また、症状や状況に応じて胃カメラ(上部消化管内視鏡)などの検査が行われることもあるので、設備が整っている医療機関を選ぶことをおすすめします。自分で判断できない場合は、まずはかかりつけ医に相談し、消化器内科医を紹介してもらうのもよいでしょう。
なぜ、胃もたれや胸やけ、胃痛が起こるのか? よくある病気は?

編集部
胃もたれや胸やけは、なぜ起こるのでしょうか?
近藤先生
胃もたれは、胃の動きが低下して食べ物の消化や排出が遅れることで起こります。一方、胸やけは胃酸が食道に逆流することで生じます。どちらも食生活の乱れや肥満、ストレスなどのほか、加齢による消化能力の低下や胃粘膜の萎縮が原因となって発症することが多いとされています。
編集部
胃もたれや胸やけを引き起こす病気もあるのですか?
近藤先生
はい、胃もたれや胸やけは一時的な不調だけでなく、病気が背景にある場合もあります。代表的な病気は逆流性食道炎で、胃酸が食道に逆流することにより胸やけが起こります。また胃炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシア(検査で異常が見つからないのに、胃痛や胃もたれが続く病気)なども原因となります。さらに、ピロリ菌感染が関係しているケースや、食道がんや胃がんなど重篤な病気が隠れているケースもあります。症状が長く続く、繰り返す、痛みが強いといった場合は、自己判断せず医療機関で検査を受けることが重要です。
編集部
胃痛の原因には、どのようなものがありますか?
近藤先生
胃痛の原因はさまざまで、胃炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシアなどが代表的です。また、ストレスによって胃の働きが乱れ、痛みや不快感が生じることもあります。
編集部
ストレスも影響するのですね。
近藤先生
はい、ストレスは胃の働きに大きく影響します。自律神経のバランスが乱れることで胃酸の分泌や胃の動きが変化し、胃もたれや痛みが起こることがあります。明確な異常が見つからない場合でも、ストレスが原因となっているケースも少なくありません。しかし、「ストレスが原因だろう」と安易に考えると、病気を見逃してしまうこともあるため、気になる症状があれば念のため胃カメラなどの検査を受けてください。
胃もたれ、胸やけ、胃痛が起きているときに気を付けるべきこと

編集部
症状があるとき、まず気を付けることは何でしょうか?
近藤先生
食事内容と生活習慣の見直しが重要です。脂っこい食事、刺激物、アルコールを控え、食べ過ぎや早食いを避けることが基本となります。また、食後すぐに横になると胃酸が逆流しやすくなるため、しばらくは体を起こした状態で過ごすように意識しましょう。
編集部
そのほか、日常生活での注意点はありますか?
近藤先生
規則正しい生活を心掛け、十分な睡眠を取ることが大切です。また、ストレスをため込まず、適度な運動やリラックスできる時間を確保するようにしましょう。生活習慣を整えることで、症状の改善につながることがあります。
編集部
市販薬を選ぶ際のポイントについて教えてください。
近藤先生
市販薬を選ぶ際は、まず症状に合った成分を確認することが大切です。胃もたれには消化を助ける酵素薬が適していますし、胸やけや胃痛には胃酸を抑える制酸薬やH2ブロッカー(胃酸の分泌を抑える薬)、胃粘膜を保護する薬などがよいとされています。また、持病がある人やほかの薬を服用している場合は、薬剤師に相談すると安心です。数日使用しても症状が強い場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
近藤先生
胃もたれや胸やけ、胃痛などの症状は、「よくあること」と軽く考えず、繰り返す場合はしっかり原因を調べることが大切です。若い人でも症状が出ることは珍しくなく、放置することで治療が長引くこともあります。ストレスや体質のせいと決めつけず、必要に応じて胃カメラなどの検査を受け、適切な治療につなげてください。原因に合った薬を選ぶことで改善が期待できるケースも多いため、あきらめずに医療機関に相談してほしいと思います。
編集部まとめ
胃もたれや胃痛は一時的な不調と思いがちですが、繰り返す場合は体からのサインかもしれません。年齢に関係なく起こり得る症状だからこそ、自己判断で済ませず、早めに原因を確かめましょう。
医院情報

| 所在地 | 神奈川県川崎市川崎区砂子2-4-17 |
| 診療科目 | 消化器内科、肛門外科 |
| 診療時間 | 【外来】午前: 月~土 9:00〜12:00 午後: 月~土 16:00〜17:30※外来最終受付時間。午前は11:45、午後は17:15【検査・手術】月~土 8:30〜16:00 日 9:00~16:00(内視鏡検査・手術のみ) |
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