ヒアルロン酸注射で後悔しない! 『しわ』や『くぼみ』の改善とリスク【医師解説】

ヒアルロン酸注射は、美容医療の中でも広く知られている治療です。しわやくぼみの改善、輪郭形成などに用いられる一方で、医療行為である以上、注意点やリスクも存在します。今回は、ヒアルロン酸の基礎から安全性まで、あきこクリニック院長兼理事長の田中先生に聞きました。
※2026年3月取材。

監修医師:
田中 亜希子(あきこクリニック)
ヒアルロン酸とは? まずは基礎から!

編集部
ヒアルロン酸とは、どのようなものですか?
田中先生
ヒアルロン酸は体内にもともと存在する成分で、高い保水力を持ち、皮膚のハリや弾力を保つ役割があります。関節の滑りを良くするなどの目的で医療にも古くから用いられており、美容医療にも応用されています。
編集部
美容医療では、どのような目的で用いられますか?
田中先生
主にボリューム補填や輪郭形成といった目的で使用されます。浅い層に注入して小じわを整えることもあれば、深い層に注入して構造的な支えを補うこともあります。目的や部位によって製剤や注入層を使い分けることで、幅広い使い道がある点が特徴です。
編集部
「しわの改善に使われる」という話を聞いたことがあります。
田中先生
特に、ボリューム減少が背景にあるしわに適応となることが多いですね。しわのある部分に注入して単純に溝を埋めるのではなく、顔全体のバランスを見ながら立体的に整えることで、顔全体の印象が変わります。
編集部
ほかには、どのような部位に利用されるのでしょうか?
田中先生
目の下のクマなど、加齢によってボリュームが減少した部位にも用いられます。顎に入れるとフェイスラインを整えられます。また、耳の表裏からヒアルロン酸を注入することによって、耳が前方に立ち上がったようなデザインになり、相対的に顔が小さく見える視覚効果が期待できるとされています。
編集部
多くの部位に使われるのですね。
田中先生
そうですね。ほかにも、涙袋形成や隆鼻術(鼻を高くする施術)などに用いられます。ヒアルロン酸注入による涙袋形成は、メスを使わずに形や大きさを調整できるため、ここ数年相談が増えている施術の一つです。適度に涙袋のある目は、周囲に柔らかい印象を与える傾向があります。また、額に注入して丸みのあるラインを整えたり、上唇に注入してボリュームを出すことで人中(鼻と上唇の間の溝)の印象を調整したりする目的で用いられることもあります。
ヒアルロン酸注入前に知っておきたい注意点

編集部
ヒアルロン酸を注入するに当たり、注意することはありますか?
田中先生
腫れ、痛み、内出血など、いわゆる「ダウンタイム」と呼ばれる術直後の変化ですね。部位や体質によって程度は異なるものの、多くの場合一時的で終わります。事前に起こり得るダウンタイムを把握し、スケジュールを含めて検討することが大切です。また、効果は永続的ではなく、徐々に体内に吸収される点にも注意してください。
編集部
ダウンタイムのほかには、どのようなリスクがありますか?
田中先生
やや重篤なリスクとしては血流障害、早期および遅延性のアレルギー反応、感染などがあります。血流障害は皮膚壊死(えし)や視力障害につながる可能性があり、重大な合併症が起こることも十分に理解する必要があります。
編集部
リスクに対して、事前にできることはありますか?
田中先生
重要なポイントは医療機関選びです。ヒアルロン酸注射は手軽に見える施術ですが、血管や神経が密集する部位に注入することもある医療行為です。価格や症例写真だけで判断するのではなく、安全管理体制や万が一の際の対応力を確認することが大切です。また、どの製剤をどのくらい使用する予定なのか、施術を担当する医師の経験や経歴などについても事前に説明を受け、しっかりと情報を集めた上で判断しましょう。
後悔しないヒアルロン酸注入のポイントは?

編集部
医療機関選びについて、もう少し詳しく教えてください。
田中先生
血流障害を防ぐためには、血管や神経の走行を3次元的に理解し、どの層に何が存在するかを把握していることが重要です。解剖学的知識だけでなく、立体的な理解に基づいて施術できる医師かどうかが安全性に直結します。医師のプロフィールに、解剖実習の経歴などがあると信頼度が高いかと思います。
編集部
アレルギーや感染への対応についても、事前に聞いておいた方がよいのでしょうか?
田中先生
そうですね。術直後に起こるアレルギー反応だけでなく、数週間後に表れる「遅延型アレルギー」のリスクもあり、両方への対応方法を理解していることが必要です。また、感染についても、予防だけでなく発生時の対応策まで把握している医師や医療機関を選んでください。カウンセリングの際には、どのような安全対策を行っているのかを具体的に確認するとよいでしょう。「アレルギー反応が出た場合、どのような対応体制を取っていますか?」と質問してみることをおすすめします。
編集部
ヒアルロン酸注射をする前に、知っておいた方がよいことはありますか?
田中先生
ヒアルロン酸は比較的身近な治療ですが、医療行為であることに変わりはありません。期待する変化やリスクについて理解し、自分の目的を整理した上で医療機関に相談することが大切です。また自費診療なので、費用についてもしっかり確認することが大事ですが、くれぐれも値段だけで決めず、信頼できる医師の下で施術するようにしてください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
田中先生
ヒアルロン酸注入は比較的身近な美容医療として知られていますが、実際には解剖学的な知識や経験、仕上がりを判断するセンスなどが求められる医療行為です。医療機関や医師によって技術はもちろん、考え方や施術方針も異なるため、十分に情報を集め、納得できる医師を選びましょう。「鼻を高くしたい」「涙袋を作りたい」など、特定の部位を希望して来院する人も多数いますが、医師が客観的に見ると「別の部位を調整したほうがよいのでは?」というケースもあります。まずは医療機関に相談し、自分に合った方法を医師と一緒に検討していくことが重要だと思います。
編集部まとめ
ヒアルロン酸注射は、しわやくぼみの改善、輪郭形成など幅広い目的に用いられる治療です。一方で、ダウンタイムや重篤な合併症の可能性もあります。相談前に基本情報を理解し、安全管理体制や医師の知識・経験を確認することが重要です。
医院情報

| 所在地 | 東京都世田谷区玉川3-6-1 第6明友ビル5F |
| 診療科目 | 美容外科、美容皮膚科 |
| 診療時間 | 午前: 火~土祝 10:00~19:00(完全予約制/保険適用外) |
| 休診日 | 月・日 |



