【医師監修】汗・ニオイ・肌トラブルはつながっている? 汗対策で肌を守る方法

暑くなってくると、汗やベタつきが気になり始めます。発汗自体は体にとって大切な働きですが、かゆみや赤み、かぶれなどの肌トラブルにつながる場合もあります。汗と肌の関係、そして肌を守るための汗対策について、秋葉原フロンティアクリニック総院長の鴫原康先生に解説してもらいました。

監修医師:
鴫原 康(秋葉原フロンティアクリニック)
汗は悪いもの? 肌トラブルとの関係とは?

編集部
暑くなってくると、汗が気になります。
鴫原先生
「汗が気になる」という気持ちは理解できます。しかし、汗そのものは悪いものではなく、むしろ発汗は体温を調節するために欠かせない生理現象です。ただし、汗をかいたまま長時間放置すると、皮膚に刺激を与え、かゆみや赤み、湿疹などのトラブルにつながる場合があります。
編集部
汗をかいただけで肌トラブルが起こる場合があるのでしょうか?
鴫原先生
はい。汗には水分だけでなく、塩分や老廃物も含まれています。汗の成分が皮膚表面に残ると刺激となり、皮膚のバリア機能を弱める原因になり得ます。また、汗で蒸れた状態が続くと細菌が増えやすい環境になり、炎症が起こりやすくなります。
編集部
汗と臭いも関係しているのですか?
鴫原先生
汗そのものはほぼ無臭です。しかし、皮膚の常在菌が汗の成分を分解する過程で臭いが生じます。そのとき臭いが気になって強くこすったり、刺激の強い制汗剤を使ったりする行為が、かえって肌トラブルの原因になる場合もあります。
間違った汗対策が肌を傷める?

編集部
汗が気になるとつい何度も拭いたり、洗ったりしてしまいます。
鴫原先生
摩擦は皮膚のバリア機能を傷つける原因になります。汗を拭く場合は、やわらかいタオルなどでやさしく押さえるように心がけてください。
編集部
制汗剤は使わないほうがいいのでしょうか?
鴫原先生
適切な使用は有効だと思います。しかし、自分の肌質に合わない製品やアルコール濃度の高いものを頻繁に使用すると、刺激やかぶれを起こす場合があります。かゆみやヒリヒリ感が出た場合は使用を中止し、症状が続くようであれば医療機関へ相談してください。様子を見ているうちに色素沈着を起こす場合があり、いったん色素が沈着してしまうときれいに戻らないため、早めに相談するほうがよいでしょう。
編集部
汗をかいた後は、すぐにシャワーを浴びたほうがいいのでしょうか?
鴫原先生
可能であれば、汗をかいた後は早めに洗い流すのがよいでしょう。ただし、洗いすぎも皮脂を取りすぎてしまい、乾燥を招きます。1日1〜2回の入浴やシャワーで、やさしく洗うのが基本です。
編集部
ほかに、自分でできる汗対策があれば教えてください。
鴫原先生
生活習慣の見直しも、汗対策の1つです。例えば、辛い食べ物を控える、アルコールの摂取量を見直すといった食生活の工夫は、発汗を抑える助けになる場合があります。また、ストレスが強いと発汗が増える傾向にあるため、リラックスできる時間を持ち、十分な睡眠を確保するよう心がけましょう。
汗をコントロールし、肌を守る

編集部
やはり、汗対策は必要なのですね。
鴫原先生
そうですね。多汗の状態が続くと、前述した慢性的な蒸れや炎症につながる恐れがあります。ただし、汗の量を適切にコントロールできれば、肌トラブルのリスクを下げられ、「汗ジミが気になる」「臭いが心配」といった本人のストレスを和らげる効果も期待できます。
編集部
汗の量が多いと感じた場合はどうすればよいですか?
鴫原先生
生活習慣を見直すほか、日常生活に支障をきたすほど汗が多い場合には、医療的な治療も選択肢となります。発汗そのものにアプローチし、蒸れや炎症のリスクを減らすことで、肌環境の安定が期待できます。汗が原因でかぶれや湿疹を繰り返す場合、あるいは日常生活に支障を感じる場合は、医療機関へ一度ご相談ください。「体質だから」と我慢している人も、医療機関で診察した結果「多汗症」と診断されるケースがあります。
編集部
多汗症の治療にはどのようなものがあるのですか?
鴫原先生
これまでの多汗症治療としては、内服薬、ボツリヌストキシン(いわゆるボトックス)注射、交感神経を切除する手術などが行われてきました。しかし、効果が一時的であったり、副作用のリスクがあったりする点にくわえ、部位によっては十分な効果が得られにくい点や、手術は決して簡便とはいえない点など、いくつかの課題も指摘されています。近年では、こうした従来の方法とは異なる新しい治療選択肢も登場しています。汗の量で悩んでいる場合は、多汗症治療を専門におこなっている医療機関へ一度相談してみるとよいでしょう。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージをお願いします。
鴫原先生
汗は本来、体温調節など体にとって大切な働きを担っているものの、汗の量や臭いが気になり、日常生活の中で悩まれている人は少なくありません。ただし、症状によっては医療機関で対応できる場合があります。自己判断でさまざまな対策を試した結果、肌トラブルにつながってしまうケースもあるため、気になる症状があれば一度、医師へご相談ください。
編集部まとめ
汗は本来、体にとって必要な働きを担っていますが、放置や過度なセルフケアによって肌トラブルを引き起こす恐れがあります。やさしく拭く、洗いすぎない、肌に合った製品を選ぶといった基本的な対策に加え、汗の量が多い場合には医療的な選択肢も検討できます。汗対策は、単なる快適さの追求だけでなく、肌を守るための重要なケアでもあるのです。
医院情報

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| 診療科目 | 形成外科 |
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