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「始まりは食後の腹痛、入退院を繰り返し…」潰瘍性大腸炎患者が語る、10代での発症から現在までの歩み

 公開日:2026/04/18
「始まりは食後の腹痛、入退院を繰り返し…」潰瘍性大腸炎患者が語る、10代での発症から現在までの歩み

既存治療で効果不十分な潰瘍性大腸炎に対する寛解導入療法(治療開始時に症状を落ち着かせるための治療)として抗IL-23p19抗体グセルクマブ(商品名:トレムフィア)皮下注製剤が一部変更承認され、従来は点滴(静注)でしか開始できなかった導入療法が皮下注射でも行えるようになりました。Johnson & Johnsonは、この承認に伴う記者説明会を2026年3月23日に東京都内で開催。同会見の後半では、10代で潰瘍性大腸炎と診断され現在も治療を続けている一宮亜美さんが、これまで治療を続ける中で感じられたことや新たな治療薬への期待などを患者さんの立場から話しました。診断までの経緯や現在の状況について、一宮さんの実体験をお届けします。

最初は「生理痛」と診断、精密検査で潰瘍性大腸炎が発覚―仕事と治療を両立する日々

Q:症状を自覚してから潰瘍性大腸炎と診断されるまでの経緯を教えてください

一宮さん:
12歳の時、食後に腹痛を感じるようになったのが始まりです。その後、徐々にトイレの回数が増加しました。最初は総合病院の小児科で受診し、診断結果は生理痛。一度帰宅したものの痛みが強くなり、母に連れられて婦人科で再度受診したところ、生理による出血ではなく下血であることが判明しました。その後、小児病院を紹介されて2週間ほど入院し、エコーや大腸内視鏡検査などを経て潰瘍性大腸炎と診断されました。

Q:中学生の時に再燃・入院を繰り返したとのことですね。学生生活で工夫していたことはありますか?

一宮さん:
中学2年生の時に大きく体調を崩し、1年間のうち約3分の1は入院していたため、学校行事に参加できない時期がありました。入院中は友人や両親、学校の先生が協力してくれて、両親が病院まで届けてくれた授業ノートのコピーを見ながらひたすら勉強することで気分転換をしていました。

ある程度、食事制限もされていたため、修学旅行の際は両親が事前に食事のメニューを確認し、脂質の多いものや刺激物を避けるように学校と調整してくれました。たとえば、修学旅行でカレーライスが出たときはメニューを変更してもらいました。
両親の考え方は「何を食べられないか」ではなく「どうやったら食べられるか」を前向きに検討するスタイルで、スーパーで一緒に成分表を確認するなど、自分自身の食生活に対する知識を深めるサポートをしてくれたことがありがたかったですね。

Q:現在は仕事と治療をどのように両立していますか? 日頃注意していることはありますか?

一宮さん:
現在は会社員として平日勤務でデスクワークをしています。週4日ほどは在宅勤務が可能な環境にあり、定期通院は土曜日に予定を入れているため、仕事と両立しながら治療を継続できています。最近は症状の増悪があまりないため、チームメンバーには私の病気について話していません。

日常生活では、急激な悪化があればすぐ病院に相談できるよう、体の変化には気を配っています。おなかの痛みやトイレの回数など、わずかでも気になる症状の変化があれば、その日時の記録や痛みの度合いをメモに残すよう心掛けています。

Q:症状がコントロールできていれば、潰瘍性大腸炎でない人と同じように生活できるのですね。最後に、新しい治療選択肢が増えることについてどう感じますか?

一宮さん:
患者にとって治療選択肢の拡大は「安心」につながります。中学2年生の頃に大きく体調を崩していた際はステロイドと免疫抑制剤による治療を受けていました。しかしなかなか寛解せず、「内科的治療法はもうない」と当時の医師から告げられ、ショックを受けた経験があります。結果的には転院したうえで手術以外の方法で治療を継続でき、現在も薬の変更などで症状をコントロールできています。それでも、あらゆる状況に対応できるよう新しい治療の選択肢が増えるのはとても心強く、うれしく思います。