「内視鏡検査」は痛いって本当? 『胃がん』早期発見へ向けた苦痛の少ない受け方

胃がんは、日本人に多いがんの一つで初期の自覚症状がほとんどなく、症状が出たときには、すでに進行しているケースもあります。胃がんの早期発見には内視鏡検査が有効とされているものの、「苦しい」「つらい」という印象から、検査をためらう人も多いのが現状です。今回は、阿部クリニック院長の阿部先生に、内視鏡検査をする意義や苦痛を少なくする方法などについて解説してもらいました。
※2026年2月取材。

監修医師:
阿部 泰伸(阿部クリニック)
なぜ早期発見が重要なの?

編集部
胃がんについて教えてください。
阿部先生
胃がんは、胃の粘膜から発生するがんであり、進行するまで症状が出にくい点が特徴です。気付かないうちに病状が進行してしまうこともあるため、早期に見つけて治療につなげることがとても重要です。
編集部
初期症状が出にくいのですね。
阿部先生
「出にくい」というか、症状が出ないケースが多いですね。進行すると胃の痛みや不快感、食欲不振、体重減少、貧血などが表れる場合もありますが、症状が表れた段階ではかなり進行しており、治療の負担が大きくなることも考えられます。
編集部
早期に見つかると、治療はどのように変わりますか?
阿部先生
早期胃がんであれば、内視鏡を使った治療だけで治癒できるケースも多く、体への負担を抑えた治療が可能です。一方、進行してから見つかった場合、手術や抗がん剤治療などが必要になることがあります。
編集部
「症状がなくても、検査を受けた方がよい」と言われるのは、早期発見によって治療法が変わるからなのですね。
阿部先生
そのとおりです。胃がんは「症状がないから大丈夫」という病気ではありません。自覚症状がないうちに検査を受けることで、胃がんやその前段階の病変の早期発見につながり、治療の選択肢を広げることになります。
胃がんの早期発見に内視鏡が有効な理由

編集部
胃がんの早期発見には、どのような検査が有効ですか?
阿部先生
胃の中を直接観察できる内視鏡検査が有効な検査の一つです。粘膜の色調や細かい変化も確認できるため、胃がんになる前のわずかな病変も見つけやすいという大きな利点があります。
編集部
バリウム検査との違いを教えてください。
阿部先生
バリウム検査は胃全体の形を確認する検査で、異常の有無を広く調べる目的で行われます。一方、内視鏡検査は粘膜を直接観察できるため、必要に応じて組織を採取できます。最近は、CCDカメラ(デジタルカメラなどにも使われている、光を電気信号に変換して鮮明な映像にする小型センサー)で画像を撮影する「電子内視鏡」、電子内視鏡の画像を特殊な方法により処理することで詳細に観察ができる検査機器も開発されており、診断精度がより高くなっています。
編集部
内視鏡検査の場合、必要に応じて組織を採取するのでしょうか?
阿部先生
はい、がんが疑われる場合はその場で組織を採取し、詳しい検査や治療の方針を決定します。将来、胃がんに進行しそうな病変をあらかじめ切除しておくことも可能です。
編集部
検査でありながら、予防にもつながるということですね。
阿部先生
そうですね。内視鏡検査は、予防と早期発見、病変の切除につながる検査です。切除だけで治療が完了すれば、入院や手術を避けられます。ただし、全てのがん病変がその場で切除できるわけではないことも知っておく必要があります。
苦痛を軽減したい! 医師が教える苦痛の少ない内視鏡検査

編集部
内視鏡検査は「苦しい」というイメージがあります。
阿部先生
口から内視鏡を挿入する場合、舌の付け根に触れることで嘔吐(おうと)反射が起こりやすく、不快を感じます。この経験から「内視鏡はつらい」という印象を持っている人が多いかもしれません。
編集部
苦痛を抑える方法はあるのでしょうか?
阿部先生
あります。今は、患者さんの状態や不安の程度に合わせて、検査方法を選ぶことが可能です。当院では、鼻から挿入する経鼻内視鏡や、鎮静剤を使用して半分眠った状態で行う内視鏡検査を選択できます。
編集部
経鼻内視鏡には、どのような特徴がありますか?
阿部先生
経鼻内視鏡は舌の付け根に触れにくいため、先ほど解説した嘔吐反射が起こりにくく、朝の歯みがきで吐き気が出やすい人などに向いています。スコープを入れるときは鼻腔に麻酔剤を塗るため、痛みも軽減されます。検査中に医師と会話できる点も安心かと思います。
編集部
鎮静剤を使う内視鏡検査についても教えてください。
阿部先生
鎮静剤を使用すると、うとうとした状態で検査を受けられるため、不安が強い人や苦手意識がある人にとっては、非常に有効な選択肢です。ただし、検査後しばらく休憩を取る必要があります。また、検査当日は車・バイク・自転車の運転を控えてもらわないといけません。機械操作など、細かい作業も避けた方がいいですね。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
阿部先生
内視鏡検査に「苦しい」「怖い」という印象を持っている人は多いと思います。今は、経鼻内視鏡や鎮静剤の使用など、負担を軽くする方法が選べる時代です。 大切なのは、つらさを我慢することではなく、自分に合った方法で安心して検査を受けることです。不安になるような過去の経験があれば、遠慮なく医師に相談してください。
編集部まとめ
胃がんは症状が出にくい病気だからこそ、早めに見つけることが重要です。内視鏡検査は胃がんの早期発見に有効であり、現在は検査の苦痛を抑える方法も選べます。自分に合った検査方法を医師と相談し、無理なく受けることが大切です。
医院情報

| 所在地 | 埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-7-3 ハイスクエア・イシイ1F |
| 診療科目 | 内科、消化器科 |
| 診療時間 | 午前: 月火木金土 9:00~13:00 午後: 月火木金 15:00~18:00 |
| 休診日 | 水・日・祝 |




