「若いから大丈夫」は危険? 20代・30代・40代に大腸カメラが必要な理由【医師監修】

20〜40代でも、大腸の病気は決して他人事ではありません。若年層の大腸がんやポリープの発見例は年々増加し、症状が出にくいため発見が遅れがちです。「若いから大丈夫」と思わずに腸の現状を知ることが、自分の健康を守るための第一歩になります。今回は、大腸カメラの必要性について、かなもり内科婦人科クリニックの金森先生に詳しく教えてもらいました。
※2025年12月取材。

監修医師:
金森 瑛(かなもり内科婦人科クリニック)
20〜40代に大腸カメラが必要な理由

編集部
大腸カメラは、高齢者が受けるものというイメージがあります。20〜40代にも必要ですか?
金森先生
はい、必要です。近年、20〜40代の若年層における大腸がん患者の増加が世界的に問題になっています。生活習慣の変化、ストレス、食生活の欧米化などが背景にあると考えられており、早期の大腸がんや、がんに至る確率の高いポリープを見つけるには、大腸カメラが最適です。
編集部
大腸がん以外の病気が見つかることはあるのでしょうか?
金森先生
もちろんあります。炎症性腸疾患などさまざまな病気があり、これらは症状だけでは診断することが困難です。そのため、大腸カメラが必要といえるのです。
編集部
特に受けた方がよい人を教えてください。
金森先生
家族に大腸がんや大腸ポリープの既往がある人は、一般の人よりも早期の大腸カメラ検査が推奨されます。また、クローン病や潰瘍性大腸炎など、炎症性腸疾患の家族歴がある場合も注意が必要です。血便、腹痛、下痢、便秘などの症状が続く場合も、年齢に関わらず早めに受診してください。
編集部
自覚症状がなくても検査してよいのですか?
金森先生
検査して構いません。むしろ、無症状の段階でこそ大腸カメラを受ける価値があります。大腸がんは、症状が出る頃には進行しているケースが多い病気で、早期発見するためにも、できるだけ早く大腸カメラを受けることが重要なのです。先ほど挙げた条件に該当する人は、気になる症状がなくても検査することをおすすめします。
大腸カメラで見つかる病気とは?

編集部
若い世代の人が大腸カメラを受けると、どんな病気が見つかることがあるのですか?
金森先生
大腸カメラで見つかる代表的な病気には、大腸ポリープや大腸がんのほか、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、痔核があります。特に、炎症性腸疾患や過敏性腸症候群は10〜30代の若年層にも多く見られるため、年代に関わらず注意が必要です。
編集部
ポリープは若い人にもできますか?
金森先生
できます。遺伝的な背景や生活習慣が影響し、20代でも腺腫性ポリープ(がんの芽)が見つかることがあります。大腸カメラなら、その場で切除でき、がん化を防ぐことができます。
編集部
若くても、大腸がんが見つかることもあるのですね。
金森先生
あります。一般に大腸がんは、40代以降から発症率が上昇するとされていますが、若い人でも大腸がんになるケースはあります。「若年性大腸がん」は進行が速いこともあり、症状が出てから受診すると進行期で見つかることも少なくありません。大腸がんは、早期で発見できれば完治を見込めるがんです。だからこそ、若い世代が受ける大腸カメラの価値は高いといえるのです。
大腸カメラの検査を受けるときに注意することは?

編集部
若い世代が検査を受ける上で、特に意識した方がいいポイントはありますか?
金森先生
若い世代に限りませんが、大腸カメラは事前の腸の準備(下剤の内服)が検査の質を大きく左右します。水分をしっかり摂取し、指示通りに服用することが重要です。特に、繊維質の多い食事は残渣(ざんさ)として腸に残りやすいため、検査前は控えるとよいでしょう。女性は生理のタイミングも考慮すると、よりスムーズに検査が受けられます。
編集部
検査中の痛みが不安です。
金森先生
鎮静剤を使用する施設もあり、その場合は眠っている間に終わります。心配な人は、鎮静剤を使って検査をおこなう医療機関を受診するとよいでしょう。
編集部
検査後に気をつけることはありますか?
金森先生
ポリープを切除した場合は数日間、飲酒・激しい運動を控える必要があります。切除していない場合は、ほぼ通常通りの生活を送ることができます。
編集部
若くても大腸カメラを受けた方がよいのですね。
金森先生
はい。若いからといって大腸が健康とは限りません。血便や便通の変化、腹痛があれば20代でも大腸カメラが必要です。中には、“痔だと思っていたら潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患だった”というケースもあります。自己判断せず、ぜひ一度は大腸カメラを受けてほしいと思います。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
金森先生
初めはハードルが高いかもしれませんが、「自覚症状がある」「家族歴がある」という人は、医師に相談してみてください。特に、血便や腹痛、便通の変化など気になるサインがあれば、早めに検査を受けましょう。異常がないことを確認するスクリーニングとしても、大腸カメラは有効です。
編集部まとめ
大腸カメラは、「症状がある人のための検査」「高齢者が受ける検査」というイメージがあるかもしれませんが、「実は、無症状の段階で受けるからこそ価値が高い検査」といっても過言ではありません。若い世代でも炎症性腸疾患などが見つかることがあります。早期発見のためにも、気になることがある場合は、医師に相談してみましょう。
医院情報

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