『夜尿症』の原因とおねしょ対策! 受診の目安や接し方を小児科医が詳しく解説

「周りの子はもうおねしょを卒業したのに、うちの子だけ続いている……」と心配する保護者は少なくないのではないでしょうか。夜尿症(おねしょ)は成長に伴って自然に改善するケースが多い一方、専門的なサポートでより早く負担を減らせる可能性もあります。今回は、医師の福原先生(だいすけこどもクリニック)に、夜尿症の原因から家庭でできる工夫、医療機関での治療まで詳しく伺いました。
※2025年12月取材。

監修医師:
福原 大介(だいすけこどもクリニック)
夜尿症って? なぜ個人差があるの?

編集部
夜尿症とはどのような状態のことをいうのでしょうか?
福原先生
5歳を過ぎても月に数回以上のおねしょが続いている状態を夜尿症といいます。膀胱の発達や夜間の尿量調整が未熟なことが影響しており、睡眠の深さや生活リズムも要因の一つです。成長の過程で発症することは珍しくありませんが、親と本人が負担を感じやすいため、早めに医療機関に相談することも大切です。
編集部
なぜ夜尿症になるのですか?
福原先生
膀胱容量が小さい、夜間に尿を濃縮するホルモン分泌が少ない、眠りが深すぎて尿意で起きられないなど、複数の要因が組み合わさって夜尿症になります。生活リズムの乱れやストレス、水分摂取のタイミングも影響しますし、お子さんによってケースが異なるため、個別に原因を整理することが大切です。
編集部
早くにおねしょがなくなる子と、そうでない子がいるのはなぜなのでしょうか?
福原先生
膀胱やホルモン分泌の成熟度、睡眠の深さには個人差があるうえに、差が大きいからですね。その違いが夜尿症を改善するスピードに影響します。また、生活習慣や就寝環境、水分摂取する際の癖なども関係しますし、兄弟間でも全く経過が異なることがあるため、焦らずその子に合ったペースで見守ることが大切です。
夜尿症を減らすためにできること

編集部
成長に伴って自然に改善するということでしょうか?
福原先生
そうですね。多くは成長とともに膀胱容量が増え、ホルモン分泌が整うことで自然に改善していきます。ただし、そのペースには個人差があります。学年が上がっても頻度が変わらない場合や、本人が気にしている場合は、小児科に相談してもらうとサポートできる幅が広がります。
編集部
おねしょを早くなくすために、家庭でできることを教えてください。
福原先生
夕方以降の水分量を調整する、就寝前にトイレへ行く習慣をつける、睡眠リズムを整えるといった、基本的な生活づくりが効果的です。また、寝る前のテレビやゲームは興奮するため、睡眠の質を下げることがあります。とにかく、自然に習慣化できる環境づくりを心がけてみてください。これを意識することが夜尿症改善の後押しになります。
編集部
子どもと接するにあたり気をつけた方がいいことはありますか?
福原先生
一番大切なことは「叱らないこと」です。おねしょは、本人の意思ではコントロールできません。叱られたり責められたりすると、不安や自己否定感が強まり、かえって改善を遅らせてしまうことがあります。失敗しても「大丈夫だよ」「一緒に取り組もう」と声をかけることで、子どもが安心して改善に取り組めるようになります。
医療機関での治療とサポート

編集部
夜尿症は医療機関で治療できるのでしょうか?
福原先生
治療できます。最初に生活習慣や水分摂取、就寝環境を確認し、改善できる部分から整えていきます。それでも変化が少ない場合は薬物療法を検討します。どちらも“すぐ治す”というより、負担をかけず少しずつ改善していく方法で進めるのが基本です。成長を待つだけではなく、適切な時期に介入することで改善が早まることがあります。
編集部
薬物療法もあるのですね。
福原先生
はい。抗利尿ホルモン剤を用いて夜間尿量を減らしたり、膀胱の緊張を和らげる薬を使ったりすることがあります。副作用の確認をおこないながら、お子さんに合った種類と量で慎重に進めます。しかし、薬はあくまでも補助的な位置づけです。薬物療法を導入したとしても、先ほど伝えた生活習慣の改善が非常に大事です。
編集部
薬物療法以外の治療法はありますか?
福原先生
あります。おねしょのタイミングでアラーム音が鳴り、目を覚ますことで排尿の感覚を身につけていく「アラーム療法」という方法があります。効果が期待できる一方で、一定期間の継続とご家族のサポートが必要になります。そのため、お子さんの性格や生活リズムに合うかを踏まえ、医師と相談しながら取り入れることが大切です。
編集部
治療を始めるタイミングや、受診の目安はありますか?
福原先生
学年が上がっても夜尿の頻度が変わらなかったり、日中の尿もれを併発していたり、本人が強く気にして生活に影響が出ていたりする場合は受診をおすすめします。早めに相談してもらうことで、より負担の少ない形での改善をサポートできます。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
福原先生
夜尿症はけっして珍しいことでも、恥ずかしいことでもありません。多くは成長とともに改善しますが、困ったときには医療の力を借りてもよいのです。家庭内だけで抱え込まず、小児科に相談しながら、お子さんに合った方法を一緒に見つけていきましょう。
編集部まとめ
夜尿症は成長とともに自然に改善することが多い一方で、生活習慣や睡眠環境の工夫、医療機関のサポートでより早く負担を軽減できることもあります。本人を叱ったり、焦らせたりする必要はありません。不安を感じたら早めに小児科へ相談し、お子さんに合った方法で一緒に治療に取り組んでいく姿勢が大切です。
参考文献
日本夜尿症学会 夜尿症診療ガイドライン
NHS(英国国民保健サービス) Bedwetting in children
医院情報

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