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「とりあえず湿布」では治らない? スポーツ外傷・慢性痛に効果的なリハビリとは?

 更新日:2026/01/19
「とりあえず湿布」では治らない? スポーツ外傷・慢性痛に効果的なリハビリテーションとは?

関節や筋肉の痛みに対して「とりあえず湿布を貼って様子を見る」という対応を取る方は少なくありません。しかし、慢性痛や構造的な損傷を伴う怪我の場合、湿布だけでは根本的な改善にはつながらないこともあります。本記事では、湿布の効果と限界を整理したうえで、リハビリテーションによる根本治療や再発予防の重要性について、つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック院長の中谷創先生に解説していただきました。

中谷 創

監修医師
中谷 創(つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック)

プロフィールをもっと見る
2005年4月 防衛医科大学校病院 自衛隊中央病院 初期研修医
2007年6月 自衛隊中央病院 整形外科、習志野駐屯地医務室
2009年8月 防衛医科大学校病院 整形外科、埼玉社会保険病院 整形外科
2012年10月 防衛医科大学校 医学研究科(大学院)
2016年10月 自衛隊札幌病院 整形外科部長
2018年8月 自衛隊中央病院 整形外科医長、自衛隊体育学校 医官
2022年12月 つくる整形外科 開院

湿布では治らない? スポーツ外傷・慢性痛の正しい向き合い方

湿布では治らない? スポーツ外傷・慢性痛の正しい向き合い方

編集部編集部

はじめに湿布の効果や目的について教えてください。

中谷 創先生中谷先生

湿布には、消炎鎮痛薬の成分が含まれており、関節や筋肉などの痛みに対して一時的な症状緩和が期待できます。急性期に限らず、膝が痛い、腰が重いといった慢性的な痛みにも一定の効果があるため、日常的に使われることも多い処置です。ただし、湿布はあくまで対症療法であり、痛みの根本原因にアプローチするものではありません。症状を和らげるための補助的な手段と捉え、長引く痛みがある場合は医療機関で原因を明らかにすることが重要です。

編集部編集部

湿布を貼って様子を見ることだけでは、改善が難しい怪我や痛みにはどのようなものがありますか?

中谷 創先生中谷先生

筋肉の使いすぎによる炎症のような軽度な症状であれば、湿布により一定の改善が見込まれることもあります。しかし、靭帯損傷や骨折、肉離れ、筋断裂など、身体の構造そのものに損傷があるケースでは、湿布のみでの改善は困難です。また、痛みの原因が単なる炎症にとどまらず、運動機能や筋肉のバランスの崩れによる場合も、根本的な回復にはリハビリテーションなどの積極的な介入が必要となります。

編集部編集部

痛みが出たとき、自己判断で済ませるのではなく受診すべき目安やタイミングはありますか?

中谷 創先生中谷先生

痛みが数日以上続く場合や、日常生活や運動に支障をきたすような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。自己判断で様子を見るだけでは、見えにくい損傷や進行性の病態を見逃してしまうリスクがあります。特に、患部の腫れや熱感、動かしづらさを伴う場合には注意が必要です。早期に正確な診断を受け、必要な処置やリハビリテーションを開始することで、回復も早まり、後遺症のリスクも抑えられます。

リハビリテーションでは何をおこなう? 湿布や安静とは違うアプローチの方法

リハビリテーションでは何をおこなう? 湿布や安静とは違うアプローチの方法

編集部編集部

リハビリテーションでは、具体的にどのようなことがおこなうのでしょうか?

中谷 創先生中谷先生

リハビリテーションでは、痛みの出ている部位に対して直接ストレッチや筋力トレーニングをおこなうだけでなく、動きの悪い関節や姿勢、歩行といった全身の使い方にもアプローチします。単に筋肉を鍛えるのではなく、どのように身体を動かすかに着目したプログラムが組まれる点が特徴です。痛みを避ける代償動作やクセが慢性痛の原因になることもあるため、正しい動き方を学ぶことが根本的な改善につながります。

編集部編集部

積極的なリハビリテーションをおこなうことで、どのような効果や改善が期待できますか?

中谷 創先生中谷先生

リハビリテーションによって筋力や柔軟性が向上することで、痛みの出にくい身体をつくることができます。また、正しい身体の使い方を再学習することで、日常生活やスポーツ時の動作による負担を軽減でき、再発の予防にもつながります。リハビリテーションを通して得られるのは、単なる回復ではなく、怪我をする前よりも良い状態になることです。身体機能を高めることは、生活の質の向上やパフォーマンスアップにも寄与します。

編集部編集部

患者さん自身が主体的にリハビリテーションをおこなうことで、どのような効果が得られますか?

中谷 創先生中谷先生

リハビリテーションは受け身でおこなうものではなく、患者さん自身が自分の体と向き合い、主体的に取り組むことが非常に重要です。施術者に頼るだけでは一時的な効果しか得られませんが、自分で運動を継続することで、身体の使い方を理解し、長期的な改善や再発防止につながります。また、自らの課題を把握することで、日常生活の中でセルフケアを実践できるようになり、健康的な体づくりへの意識も高まります。

リハビリテーションの意義とは? 再発予防・セルフケアのポイント

リハビリテーションの意義とは? 再発予防・セルフケアのポイント

編集部編集部

リハビリテーションを続けることで、怪我の再発や慢性化を防ぐことは可能でしょうか?

中谷 創先生中谷先生

筋力や柔軟性を高めることで、身体を支える機能が向上し、再発や慢性化のリスクを大きく減らすことが可能です。さらに、リハビリテーションを通じて動作のクセや誤った身体の使い方を修正することで、怪我を未然に防ぐこともできます。スポーツをおこなう方にとっては、単に再発防止にとどまらず、パフォーマンスの向上も期待できます。リハビリテーションとは治療の延長だけでなく、予防と能力向上の手段でもあるのです。

編集部編集部

リハビリ以外の時間で、意識すべき予防法やセルフケアのポイントを教えてください。

中谷 創先生中谷先生

まずは理学療法士や医師に相談し、自分の弱点や体の使い方の傾向を理解することが大切です。そのうえで、自宅では正しいフォームでの筋トレやストレッチを取り入れ、継続して体を整えていくことが予防の基本になります。また、日常の姿勢や動作にも意識を向けることが、痛みの出にくい身体づくりにつながります。大切なのは、無理のない範囲で“続けられる習慣”を持つことです。

編集部編集部

「リハビリテーションは面倒そう」「年配の人がやるものでは?」と感じている方に向けて、アドバイスはありますか?

中谷 創先生中谷先生

リハビリテーションは高齢者だけのものではなく、あらゆる年代に必要な“体のメンテナンス”です。最初は何をすればよいかわからず、面倒に感じることもあるかもしれません。しかし、正しい身体の使い方が身につくと、動くこと自体が楽になり、楽しさや達成感も感じられるようになります。中高生など成長期の世代では、ケガ予防やパフォーマンス向上のための“コンディショニング”としての意義も大きく、全年齢に有効な取り組みです。

編集部まとめ

スポーツ外傷や慢性痛において、湿布はあくまで一時的な対症療法にすぎません。根本的な改善には、痛みの原因に向き合い、正しい動きや体の使い方を習得していくリハビリテーションが欠かせないことがわかりました。リハビリテーションは高齢者だけのものではなく、あらゆる年代の健康維持・再発予防に役立つ可能性があります。本稿が読者の皆様にとって、リハビリテーションを正しく理解していただくきっかけとなりましたら幸いです。

医院情報

つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック

つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック
所在地 〒153-0052 東京都目黒区祐天寺2-14-20 祐天寺駅前ビル3階
アクセス 東急東横線「祐天寺」駅東口2を出てすぐ
診療科目 整形外科・リハビリテーション科・スポーツ整形外科

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