40代から急に進む「皮膚のたるみ」ヒアルロン酸で“骨”を支え直すたるみ治療とは

年齢を重ねるとともに、顔のたるみが気になってきたという方も多いのではないでしょうか。たるみの原因といえば皮膚の弾力低下が思い浮かびますが、実は顔の骨の衰えも見逃せない要因と専門家は言います。皮膚や筋肉の土台である骨が痩せてくると、見た目の印象にどのような変化が生じるのでしょうか。今回は、骨とたるみの関係やヒアルロン酸を活用した支え直し治療のポイントについて、みずき皮膚科クリニックの原先生に詳しくお話を伺いました。

監修医師:
原 みずき(みずき皮膚科クリニック)
「たるみ」の原因は皮膚だけじゃない? 骨の加齢変化に注目すべき理由

編集部
顔のたるみの原因として「皮膚のゆるみ」以外に、どのような原因があるのでしょうか?
原先生
皮膚の弾力低下に加え、加齢による筋肉の衰えや脂肪の移動、さらには骨の萎縮もたるみの大きな要因です。骨は皮膚や筋肉を支える土台の役割を担っており、その体積が減ると上にある組織が支えを失い、顔全体が下に引っ張られるようにたるんで見えるのです。特に40代以降は、骨と皮膚の加齢変化が重なり、たるみが急激に進行しやすくなります。
編集部
加齢により顔の骨格がどのように変化し、たるみに影響していくのか教えてください。
原先生
年齢とともに、顔の骨格は頬骨や上顎、下顎といった骨が少しずつ後退・萎縮していきます。さらに、目の周囲の眼窩(がんか)や鼻の骨も広がっていくため、顔全体の骨格構造が変わってしまいます。これにより皮膚や脂肪が支えを失って下垂し、輪郭がぼやけたり、たるみが目立ったりするようになります。骨の構造変化は見た目の印象に大きく影響する重要な要素です。
編集部
骨が痩せてくると、どのような見た目の変化が起こりやすくなりますか?
原先生
骨の体積が減少すると、上にある皮膚や脂肪が前方かつ下方に落ち込むため、ほうれい線やマリオネットライン、ゴルゴラインといった影が目立ちやすくなります。また、骨の上にあった脂肪も減ることで、頬がこけたように見え、顔がやつれた印象になることもあります。口元の支えが失われると、鼻の下がくぼんだり下顎の輪郭が曖昧になったりと、全体的に老けた印象が強まります。
骨を補うためのヒアルロン酸注入の仕組みとは

編集部
ヒアルロン酸注入は、たるみ治療において骨の支え直しに使われることがあるそうですが、その仕組みを教えてください。
原先生
従来のヒアルロン酸治療は「膨らませる」目的が主でしたが、近年は骨の支えを補う目的で使用されることも増えています。加齢によって失われた骨格を再構築するように、ヒアルロン酸を骨の上に注入することで、皮膚や脂肪の位置を内側から押し上げる仕組みです。皮下組織への注入も併用することで、見た目のバランスを整えながら、リフトアップ効果が得られる点が特長です。
編集部
骨の支えを補うための注入は、どのような部位におこなわれることが多いのでしょうか?
原先生
主に注入されるのは、こめかみや頬骨、フェイスライン、上顎骨の付け根、鼻根部など、骨格の土台を形成する部位です。これらのエリアにアプローチすることで、顔全体の構造が整い、自然なリフトアップや若返り効果が期待できます。また、こうした骨格の支えを補うことで、単にふっくらさせるのではなく、顔本来の輪郭を取り戻すような変化が生まれます。
編集部
ヒアルロン酸の注入後、見た目やたるみ感にはどのような変化が期待できますか?
原先生
頬の位置が高くなり、顔全体の重心が上がることで、リフトアップした印象になります。フェイスラインも滑らかに整い、小顔効果や卵型に近い美しい輪郭が得られやすくなります。また、ほうれい線やマリオネットライン、目の下のクマなども軽減され、疲れた印象が和らぎます。結果として、若々しく健康的に見えることが、患者さんの満足度につながるポイントです。
自然な若返りを実現するために大切なこと

編集部
ヒアルロン酸でたるみを改善する際、治療前後の注意点や失敗しないための方法はありますか?
原先生
自然な仕上がりを目指すためには、注入量や部位の選定が非常に重要です。ほうれい線など、気になる部位だけに集中的に注入すると不自然な仕上がりになりやすく、顔全体のバランスを見ながら、必要な箇所に適量を分散させることがポイントです。また、施術後は腫れや内出血の可能性もあるため、激しい運動やサウナなどは数日間避けたほうがよいでしょう。信頼できる医師のもとで、丁寧なデザインとカウンセリングを受けることが成功への鍵となります。
編集部
骨の減少によるたるみに対して、ヒアルロン酸以外の治療法はありますか?
原先生
たるみ治療には、大きく「ヒアルロン酸」「スレッドリフト(糸)」「HIFU(ハイフ:皮膚深部に熱を加える高密度焦点式超音波機器)」「RF(ラジオ波:真皮層に熱エネルギーを与えてコラーゲン再生を促す高周波機器)」の4つがあります。これらは脂肪や皮膚へのアプローチに有効ですが、骨の萎縮そのものを補えるのは現時点でヒアルロン酸のみです。骨が減ることで起こる構造的なたるみに対しては、ヒアルロン酸で支えを再構築する方法がもっとも理にかなっており、ほかの治療と組み合わせることで相乗効果も期待できます。
編集部
ヒアルロン酸治療を検討するにあたり、事前に理解しておくべき注意点やアドバイスがあれば教えてください。
原先生
ヒアルロン酸は体内に自然と吸収されるため、効果は半年〜1年ほどで薄れていきます。そのため、持続的な効果を望む場合は定期的なメンテナンスが必要です。また、気になる部分だけに注入するのではなく、顔全体のバランスや表情の動きを見ながら設計することが大切です。全体的に「なんとなく若々しく、自然に整っている」印象を目指すことが、満足度の高い仕上がりにつながります。信頼できる医師のもとで、丁寧なカウンセリングを受けましょう。
編集部まとめ
顔のたるみは、皮膚だけでなく骨の萎縮によっても生じることを教えていただきました。ヒアルロン酸による「土台からの支え直し」は、顔全体のバランスを自然に整える治療として注目されています。仕上がりの満足度を高めるには、全体の構造と動きを理解したうえで、繊細なデザインに基づいた注入が欠かせません。本稿が読者の皆様にとって、加齢による見た目の変化への理解と、適切な治療選択の一助となりましたら幸いです。
医院情報

| 所在地 | 〒416-0909 静岡県富士市松岡675-1 |
| アクセス | JR「柚木」駅 徒歩約13分 |
| 診療科目 | 一般皮膚科 |



