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『胃がん』の初期症状は無自覚? 手遅れになる前に知りたいサインと「胃カメラ」の重要性

 公開日:2026/02/19

胃がんは、早期に見つけられれば完治を目指せる病気です。しかし、初期症状はあいまいで見逃されてしまうことも。手遅れになる前に気づくためのサインや検査の重要性を、矢口メディカル内科・内視鏡クリニックの池宮城先生に聞きました。

※2025年10月取材。

池宮城 秀和

監修医師
池宮城 秀和(矢口メディカル内科・内視鏡クリニック)

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2007年杏林大学医学部卒業。東京医科歯科大学病院(現・東京科学大学病院)、公立昭和病院消化器内科、国際医療福祉大学三田病院、横浜市立みなと赤十字病院消化器内科 医長、同副部長を経て現職。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医・指導医、日本消化管学会胃腸科専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・指導医、日本肝臓学会認定肝臓専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修修了。

胃がんは完治するのか? どのようにして治療するのか?

胃がんは完治するのか? どのようにして治療するのか?

編集部

胃がんは治る病気なのでしょうか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

はい、早期に発見できれば完治が十分に可能です。胃がんはステージⅠ(早期)のうちに見つかれば、内視鏡による粘膜切除や小範囲の手術で根治が期待できますし、現在、治療後の5年生存率は90%を超えるとされています。発見が遅れるほど治療の難易度が上がるため、完治を目指すには早く見つけることが最も重要です。

編集部

主な治療法を教えてください。

池宮城 秀和先生池宮城先生

病気の進行状況により異なりますが、早期がんでは内視鏡的治療(EMR・ESD)がおこなわれます。進行している場合は、外科手術で胃の一部または全体を切除します。さらに進行した症例では、化学療法(抗がん剤)や分子標的薬、免疫療法を組み合わせておこなうこともあります。

編集部

内視鏡的治療とは、どのようなものですか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

口から細い内視鏡を入れて、胃の粘膜にできたがんを電気メスなどで切除する方法です。体への負担が少なく、手術後の回復も早いのが特徴ですね。ただし、がんが進行していると治療の適応とならないことが多く、転移がないごく初期のがんに限られます。

編集部

治療後の再発リスクはありますか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

治療後5年以内に再発するケースもありますが、定期的に胃内視鏡検査(胃カメラ)を受けることで、再発しても早期に見つけることができます。また、ピロリ菌の除菌も再発予防に有効とされています。

胃がんの初期症状は? 進行した際の症状は?

胃がんの初期症状は? 進行した際の症状は?

編集部

胃がんの初期症状には、どんなものがありますか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

初期の胃がんは多くの場合、無症状です。症状が出てもせいぜい「胃もたれ」「軽い吐き気」「食欲不振」など、よくある胃の不調と区別がつきにくいのが特徴です。しかし、これらが続く場合は、念のため内視鏡検査を受けて自分の胃の状態を確認することが大切です。

編集部

進行すると、どのような症状が表れますか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

進行した胃がんでは、「みぞおちの痛み」「体重減少」「貧血」のほか、胃からの出血に伴う「吐血」「黒い便(タール便)」などの症状が表れることがあります。これらは腫瘍の増大や粘膜へのダメージを示す重要なサインです。特に吐血や黒い便が見られる場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。

編集部

いわゆる「手遅れ」に近い状態とは、どんな段階ですか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

胃がんがリンパ節や肝臓、腹膜に転移している状態を指します。この段階になると手術で根治を目指すのが難しくなり、化学療法などで症状を抑える治療が中心となります。

編集部

どんな人が胃がんになりやすいのですか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

ピロリ菌感染者、喫煙者、塩分の多い食事を好む人、野菜や果物の摂取が少ない人はリスクが高い傾向があります。この中でも、特に発がんリスクが上昇するのは、「ピロリ菌感染者」です。そのため感染が判明次第、すぐに除菌することが胃がんの予防に有効です。また、家族に胃がんの既往がある人も注意が必要です。定期的な検査で早期発見を心がけましょう。

胃がんを早期発見するために…

胃がんを早期発見するために

編集部

早期発見のためにできることはありますか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

最も有効なのは、定期的な胃内視鏡検査(胃カメラ)です。バリウム検査でも異常を見つけることはできますが、内視鏡検査は小さな病変も直接確認できるため、検査の精度が高くなります。また、その場で疑わしい組織を採取し、速やかに生検(組織検査)へ回すことも可能です。

編集部

検査はどのくらいの頻度で受ければよいですか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

胃がん検診は一般的に、50歳以上で2年に1回の受診が推奨されています。ただし、ピロリ菌に感染したことがある、家族に胃がん患者がいるという場合は、1年に1回の検査をおすすめします。

編集部

ピロリ菌の検査や除菌は、どのようにおこなうのでしょうか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

血液検査、尿・便検査、呼気検査などで感染を確認し、陽性であれば除菌治療をおこないます。陽性だった場合には、2種類の抗菌薬と胃酸を抑える薬を1日2回、7日間服用。治療後は、本当にピロリ菌を除菌できたか再検査する必要があります。

編集部

ピロリ菌を除菌すると、胃がんのリスクが下がるのですか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

はい、近年の研究により、20~30代までに除菌すれば、ほぼ100%胃がんが抑制されるといわれています。中年以降でも、発がんリスクを一定の割合で下げることができるため、除菌が推奨されています。

編集部

胃がんを予防するためには、何が大切なのでしょうか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

一番重要なのは、ピロリ菌感染の有無をチェックすることです。ただし、現在おこなわれている健康診断や人間ドックでは、ピロリ菌検査だけを受けることができません。ピロリ菌感染の有無を調べるためにも、積極的にオプション検査を追加することをおすすめします。感染がわかれば胃カメラを受けて、除菌薬を1週間内服するようにしましょう。

編集部

ほかに気をつけることはありますか?

池宮城 秀和先生池宮城先生

塩分の多い食品や加工肉を減らし、喫煙や飲酒を控え、野菜・果物を積極的に取ることが大切です。過度なストレス、不規則な生活は胃への負担になります。生活習慣の改善は、最も身近な予防策です。この機会に、改めて自分の生活を見直してみましょう。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

池宮城 秀和先生池宮城先生

胃がんは、ほかのがん以上に早期発見が重要です。大腸がんは手術後も生活の質を保ちやすい一方、胃がんは進行すると胃の大部分を切除することになり、食事量や体力の低下が起こるため、生活の質を保ちにくくなります。また、胃を切除すると健康な人に比べて寿命が短くなることも指摘されています。さらに、ピロリ菌が陰性でも「胃底腺型胃がん」など、特殊なタイプのがんが発生することがあります。家族に胃がんを発症した人がいる場合や、食欲不振・胃もたれなどの気になる症状がある場合は、早めに胃カメラを受けるようにしましょう。麻酔を併用すれば負担も少なく、苦しさも軽減されるので、ぜひ積極的に受診してほしいと思います。

編集部まとめ

「胃がんを早期に発見できるかどうか」で、その後の人生が大きく変わります。ピロリ菌検査や胃カメラは、麻酔を使えば負担も少なく、ほとんど苦しくありません。自覚症状がなくても、定期的な検査で自身の健康を守りましょう。

医院情報

矢口メディカル内科・内視鏡クリニック

矢口メディカル内科・内視鏡クリニック
所在地 東京都大田区多摩川1-20-4 2階
診療科目 内科、消化器科
診療時間 午前: 月火木金土 9:00~12:30
午後: 月火木金土 15:00~18:30
休診日 水・日・祝

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