【女性必見】赤ちゃんのため「妊娠中にやったほうが良いこと」と『ダメなこと』【医師解説】

妊娠がわかった瞬間から「赤ちゃんのために何ができるのだろう」と考える人は多い傾向にあります。しかし、情報が多すぎて何を信じてよいか迷う場面も少なくありません。医学的な根拠のある「やったほうがよいこと」と「避けたほうがよいこと」を整理し、安心して妊娠期を過ごすためのポイントについて、アロリエクリニックの市川りえ先生に話を聞きました。
※2025年10月取材。

監修医師:
市川 りえ(アロリエクリニック)
妊娠中に「やったほうがよいこと」を知りたい

編集部
妊娠したら、まず最初に意識したほうがよい生活習慣はありますか?
市川先生
大切なのは、食事、睡眠、そして適度な運動という3つの生活習慣を整えることです。特に妊娠初期は赤ちゃんの重要な器官が作られる時期で、栄養不足や強いストレスは胎児の発育に影響します。無理のない範囲で生活リズムを整えることが、健やかな妊娠経過につながります。
編集部
葉酸を摂取したほうがよいと聞きますが、どうなのでしょうか?
市川先生
葉酸は赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げることが科学的に証明されています。妊娠中というより、妊娠前から妊娠初期までの摂取が特に重要で、食事だけでは不足することもあるため、質のよいサプリメントで補うこともおすすめします(1日推奨400〜800μg/日)。
編集部
妊娠中の運動についてはどう考えればよいでしょうか?
市川先生
特別な異常がなければ、軽いウォーキングやストレッチなどの有酸素運動は推奨されます。マタニティヨガ、マタニティスイミングといった、妊婦さん向けのものもあります。適度な運動は、体重管理や血流改善に役立ち、妊娠糖尿病や高血圧の予防にもつながります。ただし激しい運動や転倒のリスクがある動作は避けてください。
編集部
食事面では何に気をつけるべきでしょうか?
市川先生
糖分・塩分のとりすぎは妊娠高血圧・妊娠糖尿病のリスクを高めるため、控えめにしましょう。栄養面では、普段よりもしっかりと(約1.2倍)タンパク質をとることが大切です。ほかにも、オメガ3脂肪酸、鉄などのミネラルを意識して補うことが大切です。マグロなどの大型魚は水銀が多いため週1回以下にとどめ、サバなどの中型魚やそれ以下の魚を中心に食べるようにしてください。また、食事では摂取しにくいビタミンDのサプリメントも妊娠・出産リスクの低下、赤ちゃんのアレルギー疾患の低下につながるため、おすすめしています(※サプリメントは医師に相談の上、必要なものを質の良いサプリメントからとるようにしましょう)。
妊娠中に「避けたほうがよいこと」は?

編集部
「避けたほうがよいこと」もありますよね。
市川先生
そうですね。飲酒や喫煙などは代表的な「避けたほうがよいこと」と言えます。妊娠中の飲酒は、胎児性アルコール症候群のリスクがあり、脳の発達にも影響が出る可能性があります。また、妊娠中の喫煙は胎盤の血流を低下させ、胎児の発育不全や早産、低出生体重児のリスクを高めます。流産率も上昇すると報告されています。また、副流煙にも注意が必要です。
編集部
妊娠中のカフェインについてはどうでしょうか?
市川先生
完全に禁止ではありませんが、1日の摂取量は200mg程度に抑えることが推奨されています。カフェインは胎盤を通過して胎児へも届くため、コーヒーであれば1〜2杯程度にとどめると安心です。またデカフェ(カフェインを除去したコーヒー)があれば、できるだけそちらを選んでもらいたいところです。
編集部
薬の服用も慎重になる人が多いと思いますが、どう考えたらよいでしょうか?
市川先生
妊娠中でも使用できる薬はありますが、自己判断での服用は避けるべきです。特に妊娠初期は薬の影響を受けやすいため、市販薬も含めて必ず医師に相談してください。妊娠中は市販薬、サプリメント、添加物、ワクチンなど、体に取り入れるものを普段以上に慎重に確認することが大切です。
編集部
ほかには何かありますか?
市川先生
あまり神経質になる必要はありませんが、「同じ姿勢を長時間続けないこと」は意識してください。血流が滞ると、むくみや血栓症のリスクが高まります。飛行機や車での移動では、1〜2時間ごとに体を軽く動かすとよいでしょう。また、水分もしっかりとるよう心がけてください。
安心して妊娠期を過ごすために

編集部
妊娠中に精神的な不調を感じる人もいますが、どう対処すればよいでしょうか?
市川先生
妊娠中はホルモンの影響などで気分の波が大きくなりやすく、不安や落ち込みは珍しくありません。我慢し続けると睡眠不足や食欲低下を招き、結果的に母体にも赤ちゃんにも負担がかかります。つらさが続く場合は、早めに医療者へ相談してください。また、鉄や亜鉛などのミネラル不足は気分の不調との関係が示唆されていますので、ビタミン類も含め必要な栄養素をしっかりとることが大切と言えます。
編集部
パートナーや家族ができるサポートにはどんなものがありますか?
市川先生
家事や上の子の世話など具体的な協力に加え、妊婦さんの気持ちに寄り添う姿勢がとても大切です。安心できる環境はストレス軽減につながり、結果として母体の健康状態にもよい影響を与えます。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
市川先生
妊娠は一生のうち何度も経験するものではなく、大きなイベントといえます。不安のまま過ごすのか、できるだけ前向きに楽しむのかで、その時間の質は大きく変わります。つらい、怖いと感じ続けるよりも、気持ちを整えながら前向きに過ごすことが大切で、そのためにも十分な栄養が欠かせません。例えば、妊娠中の鉄不足は産後うつの発症と関連があるという研究結果もあります。通常の妊婦健診では詳細な検査をおこなわないことが多い傾向にありますが、当院のようにフェリチンなどの詳しい検査を実施しているクリニックもあります。関心のある人は調べてみるとよいでしょう。
編集部まとめ
様々な情報があふれており、不安になりやすい妊娠期ですが、医学的根拠に基づいた正しい知識があれば、安心して過ごすことができます。必要以上に怖がる必要はありませんが、「なぜよいのか」「なぜ避けるべきなのか」を理解しておくことは大きな助けになります。気になることがあったり、気分の落ち込みなどでつらかったりする場合は、一人で我慢せずに医療機関に相談しましょう。
医院情報

| 所在地 | 東京都品川区東五反田5丁目27-5 5セントラルビル6階 |
| 診療科目 | 内科、婦人科、小児科、心療内科、泌尿器科、皮膚科 |
| 診療時間 | 月火金:10:00~13:00/14:30~18:00 水:10:00~13:00/14:30~19:30 土:14:30~19:30(第1・3・5土曜日) |
| 休診日 | 木・日・祝日・第2、第4土曜日 |




