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妊活・妊娠中に「葉酸」を摂るべき理由はご存じですか? 摂取方法やリスクも医師が解説!

 公開日:2025/07/20

妊娠を希望する女性や婚活中の女性にとって、欠かせない栄養素の1つが「葉酸」です。では、葉酸はなぜそれほど重要なのでしょうか。そして、葉酸を正しく摂取するために知っておきたいポイントも気になるところです。今回は、葉酸の必要性や正しい摂取方法などについて、「秋葉産婦人科」の秋葉先生に解説していただきました。

秋葉 直也

監修医師
秋葉 直也(秋葉産婦人科)

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順天堂大学医学部卒業。その後、東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センター、焼津市立総合病院、愛育病院、国際医療福祉大学成田病院などで産婦人科医として経験を積む。2024年、茨城県古河市に位置する「秋葉産婦人科」の院長に就任。医学博士。日本産科婦人科学会専門医・指導医、日本人類遺伝学会専門医、日本周産期・新生児医学会専門医(母体・胎児)。母体保護法指定医師。

葉酸ってどんな栄養素?

葉酸ってどんな栄養素?

編集部編集部

葉酸とは、どのような栄養素なのでしょうか?

秋葉 直也先生秋葉先生

葉酸は、ビタミンB群の一種で、細胞の分裂や成長、赤血球の生成、細胞の分裂やDNAの合成などに欠かせない栄養素です。妊娠したらすぐに、細胞がどんどん分裂するのですが、その過程で葉酸が必要になります。妊娠と関係のある栄養素として、なんとなく聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。

編集部編集部

葉酸は妊娠にどう関係しているのでしょうか?

秋葉 直也先生秋葉先生

胎児の「神経管」という器官の形成に不可欠なのが葉酸です。神経管は妊娠6週頃までに形成されます。特に神経の管を閉じるときに栄養が必要で、この時期に葉酸が不足すると「神経管閉鎖障害」などの先天異常のリスクが高まるとされているため、妊娠初期の摂取が大切なのです。

編集部編集部

妊娠に気づいたらすぐに摂取した方がいいのですね。

秋葉 直也先生秋葉先生

妊娠するより前に摂取しておくことが望ましいと言われています。ほとんどの場合、妊娠に気づいた時点で妊娠5〜6週に入っているため、妊娠に気づく前に、さらに言えば妊娠を考え始めた時点で摂取しておくことが重要です。最近は、妊娠を考え始めた人に対して「プレコンセプションカウンセリング」という必要な検査や栄養指導をしてくれる医療機関も増えているので、ぜひ利用してみてください。

編集部編集部

葉酸は妊娠前から摂取すべきなのですね。

秋葉 直也先生秋葉先生

そのとおりです。厚生労働省も、妊娠の1カ月以上前から1日あたり400μg(マイクログラム)の葉酸摂取を推奨しています。胎児にとって特に重要な時期に備えるためにも、妊活中の人は早めの摂取を心がけましょう。また、以前の妊娠で神経管閉鎖障害を経験した人や、てんかんのある人などには、さらに多い量の葉酸摂取が推奨されています。

葉酸の適切な摂り方と注意点

葉酸の適切な摂り方と注意点

編集部編集部

葉酸はどのように摂ればいいのでしょうか?

秋葉 直也先生秋葉先生

葉酸は、ほうれん草やブロッコリー、レバーなどに含まれています。ただ、必要量を毎日の食事だけでまかなうのは困難なので、サプリメントで葉酸を補うのが現実的です。特に妊活中から妊娠初期にかけては、食事とサプリメントの併用が理想的ですね。海外では、店で売られている食品の中に葉酸を含ませている国も100カ国近くあるほどです。

編集部編集部

葉酸のサプリメントを使う際の注意点はありますか?

秋葉 直也先生秋葉先生

サプリメントの品質にも差があるので、信頼できる製品を選ぶことも重要です。また、例えばもともと葉酸のサプリメントを飲んでいる人が、妊娠をきっかけに妊婦さん用のサプリメントを追加した場合、妊婦用のサプリメントにも葉酸が含まれているため、過剰摂取になることがあります。葉酸は水溶性のため、多少多く摂取しても尿で排出されるので過度に心配する必要はありませんが、摂取量は1日400~480μgを目安にしましょう。

編集部編集部

葉酸のサプリメントの飲み方についても教えてください。

秋葉 直也先生秋葉先生

葉酸は水溶性で一度にたくさん摂っても体内に蓄積されにくいので、朝・昼・晩などに分けてこまめに摂るのが理想的です。できれば毎日の生活リズムに合わせて、継続しやすい方法で取り入れるといいでしょう。

編集部編集部

葉酸のサプリメントを選ぶ際の注意点はありますか?

秋葉 直也先生秋葉先生

信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。国内で普通に手に入るものであれば、ある程度の品質は保たれていると思いますが、念のため担当医に確認すると安心かもしれませんね。

妊娠を考えたときにやっておきたい準備

妊娠を考えたときにやっておきたい準備

編集部編集部

葉酸は病院で処方してもらえるのですか?

秋葉 直也先生秋葉先生

基本的には、「以前の妊娠で神経管閉鎖障害を経験した人」や「てんかんがある人」などハイリスク群のみが対象となりますが、病院でも処方は可能です。ただし、保険適用外なので自費診療となります。医師と相談しながら、必要な量や摂取のタイミングを調整していくといいでしょう。

編集部編集部

葉酸はどれくらいの期間、続けるのが望ましいですか?

秋葉 直也先生秋葉先生

妊娠前〜妊娠12週頃までは、特に重要な時期です。また、妊娠中期以降も胎児の成長を支えるために、葉酸は引き続き必要になります。さらに、出産後も授乳期の母体の健康維持に役立つため、継続的な摂取を心がけましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

秋葉 直也先生秋葉先生

葉酸は、赤ちゃんの健康に欠かせない栄養素で、妊娠を考えた時点で積極的に継続した摂取を心がけることが大切です。また、葉酸をはじめとする栄養状態のほかに、将来の妊娠を見据えた感染症チェックや生活のアドバイスなどをしてもらえるプレコンセプションカウンセリングも、安心して妊娠・出産を迎えるためには非常に有用です。妊娠してからではなく、妊娠を考えたときに、まず産婦人科にかかれるようにするといいですね。

編集部まとめ

葉酸は、赤ちゃんの健康な発育に欠かせない重要な栄養素です。妊娠に気づいてからではなく、妊活中や妊娠を考え始めた時点から意識的に摂取することが大切とのことでした。食事に加えてサプリメントも活用し、不安な点があれば医師に相談しながら、自分に合った方法で健康的な妊娠準備を進めましょう。

医院情報

秋葉産婦人科

秋葉産婦人科
所在地 〒306-0013 茨城県古河市東本町2-9-2
アクセス JR「古河駅」 徒歩7分
診療科目 婦人科、産科、乳腺甲状腺科、小児科

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