「大腸カメラ」の費用をご存じですか? 保険適用と全額自己負担になる場合の違いとは?【医師解説】

山田先生

大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入して、大腸の内部を直接観察する方法です。この検査は、最深部の盲腸まで進んで、大腸内の表面や粘膜に異常がないかを詳しく確認することができます。特に、大腸がんや前がん病変（ポリープなど）の早期発見に効果的で、内視鏡治療によって進行がんへの進展を防ぐことができます。

山田先生

大腸内視鏡検査では、大腸がんをはじめ、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、直腸カルチノイド、虚血性腸炎などさまざまな疾患が発見できます。特に大腸ポリープは、早期に発見して切除することで、大腸がんのリスクを大幅に減らすことができます。

山田先生

はい、大腸内視鏡検査で異常が見つかった場合、その場で切除ができます。ポリープ切除は、がんに進行する前に取り除くことができるため、大腸がん予防に非常に効果的です。また、生検も内視鏡でおこなうことができ、正確な診断に有用です。

山田先生

生検とは、内視鏡検査中に病変部位の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査のことです。病気の診断を確定したり、治療方針を決めたりするためにおこなわれます。

山田先生

大腸内視鏡検査を受ける前には、前日から食事制限があり、検査当日には腸をきれいにするために下剤を服用します。この準備をしっかりおこなわないと、検査がスムーズに進まないことがありますので、医師の指示に従って準備をすることが大切です。

山田先生

大腸内視鏡検査は、通常、多少の不快感を伴うことはありますが、大きな痛みを感じることはほとんどありません。それでも不安がある人には、鎮静剤を使用することで、リラックスした状態で、苦痛をほとんど感じることなく検査を受けることができます。

山田先生

検査の精度はまったく変わりません。ただし、鎮静剤を使った場合、検査後に30分～1時間程度の休息が必要です。当日は自動車や自転車の運転はできませんので、帰宅の際は、徒歩や公共交通機関の利用、またはどなたかに迎えに来てもらうことをお願いしています。また、検査の費用も異なります。

山田先生

大腸内視鏡検査の費用は、保険適用（3割負担）の人で鎮静剤を使用しない場合は、5000～7000円程度、鎮静剤使用ありの場合は追加で2000円前後かかります。このほかに、事前診察や血液検査の費用がかかります。

山田先生

3割負担の人で、ポリープ切除をおこなった場合、ポリープの大きさや数によって料金は変わりますが、大腸内視鏡検査自体や切除したポリープの病理組織検査の費用などをすべて含んで2～3万円程度が一般的です。また、病理組織検査（生検）は追加で5000～1万5000円程度かかることがありますので、事前に医療機関に確認しておくとよいでしょう。

山田先生

自費診療の場合、料金はクリニックによって異なりますが、大腸内視鏡検査の費用は2万円前後が相場です。ポリープ切除や追加検査がおこなわれる場合は、さらに費用がかかることがありますので、事前に確認しておくと安心です。

山田先生

保険診療と自費診療の違いは、症状があるかないかです。保険診療は便秘、下痢、腹痛、血便、体重減少などの症状があり、医師が検査の必要性があると判断した場合に健康保険が適用されます。一方、症状がなく、がん検診やスクリーニング目的の場合には保険が適用されず自費診療、つまり全額自己負担となります。民間の医療保険などでは、一部補助が出る場合もあります。

山田先生

大腸内視鏡検査は、大腸がんやポリープをはじめとする大腸疾患を早期に発見するための重要な手段です。費用に関しては、保険適用の場合は比較的リーズナブルで、ポリープの切除など追加処置が必要な場合は別途費用がかかりますが、早期に発見できることでその後の治療費を抑えることができます。逆に、検査を先延ばしにしてしまうと、大腸がんが進行し、治療費が高額になってしまうリスクがあります。40歳を過ぎたら、定期的に大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。