後悔しない「眼瞼下垂手術」を受けるための3つのポイントとは?【医師解説】
眼瞼下垂手術は、機能面だけでなく見た目にも影響を与える重要な手術です。後悔しないためには、手術を受ける前にしっかりとポイントを押さえ、自分の要望に合った方法を選ぶことが大切です。そこで、眼瞼下垂手術を検討する際に知っておきたいポイントについて、酒井直彦先生(銀座S美容・形成外科クリニック)に解説してもらいました。
監修医師:
酒井 直彦(銀座S美容・形成外科クリニック)
まぶたのたるみ、「歳のせい」と諦めるしかないの?
編集部
年齢とともに、まぶたが下がってきた気がします。
酒井先生
年齢とともにそういったお悩みを持つ方は多いと思います。まぶたを引き上げる筋肉が緩み、まぶたを引き上げようとしても十分に上がらない状態を、専門用語で「眼瞼下垂」と言います。また、まぶたの皮膚がたるんで被ってくると、見かけ上は下垂の状態になりますし、目の上のくぼみが原因で、眼瞼下垂のように見えることもあります。
編集部
どうして筋肉が緩むのですか?
酒井先生
まぶたを引き上げる筋肉がゆるむ原因はさまざまですが、最も多いのは加齢によるものやコンタクトレンズの長年の装着などによるまぶたへの刺激です。通常は徐々に下垂症状が進んでいきます。一方で、まぶたを引き上げる筋肉の力がもともと弱いと、若いうちから眼瞼下垂が認められるものもあります。
編集部
外見が変わっていくのは気がかりです。
酒井先生
そういう人は多いと思います。眼瞼下垂が進むと、「眠そう」「元気がなさそう」「疲れていそう」といった印象を与えてしまうこともあります。また、まぶたが上がらないと眉を持ち上げて目を開こうとするので、おでこの横じわが目立つようになるなど、加齢性の変化が進行し、さらには目元の疲労感や頭痛、肩こりが気になるなど、外見以外のさまざまな弊害も出てきます。
眼瞼下垂の手術を医師が解説
編集部
眼瞼下垂も医療機関で治療できるのですか?
酒井先生
そうですね。治療法は、切開して糸で止める眼瞼下垂手術と切開せずに糸で止めるだけの切らない眼瞼下垂手術があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。切開する眼瞼下垂は保険診療の対象となる場合があります。どこまでの下垂が保険診療の適用になるかは、各医療機関で異なるため、実際に受診しないとはっきりとは分かりません。
編集部
もう少し詳しく教えてください。
酒井先生
眼瞼下垂手術では、二重のラインに沿って切開し、まぶたのたるみがある場合は皮膚を切除して、その奥にある目を開ける筋肉(挙筋)の緩んだ部分をしっかり固定することで、目の開きを改善します。この方法は後戻りが少なく、くぼみ目の改善や二重を同時に作れるといったメリットがあります。
編集部
デメリットについても教えてください。
酒井先生
眼瞼下垂手術は、ダウンタイムが少し長めです。術後の腫れや内出血は2週間ほどで落ち着きますが、形が仕上がるまでには3か月〜半年ほどかかります。また、傷跡は最初は赤味のある状態ですが、時間とともに目立たなくなります。ただし、目立たないですが細い線は残り、完全に消えることはありませんので、その点は理解しておいてください。
編集部
切らない眼瞼下垂手術というのもあるのですか?
酒井先生
まぶたの裏側に糸をかけ、たくし上げるように腱膜部を結んで目を開けやすくする手術があります。糸を通すのは裏側だけなので外側に跡は一切残らず、ダウンタイムも短めというメリットがある一方で、後戻りする可能性があったり、重度の眼瞼下垂の改善は期待できなかったりといったデメリットもあります。また、二重整形も希望される場合は、埋没法を組み合わせる必要があります。
眼瞼下垂手術で後悔しないための3つのポイント
編集部
眼瞼下垂手術をする際、後悔しないためのポイントなどはありますか?
酒井先生
ご年配の方で眼瞼下垂が進んでいても、手術をすると若い時のイメージに近づけることができますし、若い人でも顔全体の印象を大きく変えることができます。ただ、下垂症状が強いほど手術後の改善効果が高く、逆に言うと目元のイメージが大きく変わってしまいます(ポイント①)。手術でどうなるのか、事前に担当医師としっかり共有しておくのが良いと思います。
編集部
ほかに注意しておかなければならないことなど、ありましたら教えてください。
酒井先生
美容目的の眼瞼下垂手術は、基本的に自由診療となりますので、費用について事前にきちんと確認することをお勧めします(ポイント②)。下垂の程度によっては、自由診療ではなく、保険が適用となります。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージをお願いします。
酒井先生
眼瞼下垂手術は安全性の高い治療法ですが、手術である以上、リスクは伴います。正しい知識を持ち、信頼できるクリニックで治療を受けることが重要です(ポイント③)。例えば、眼瞼下垂の診断には正確な計測が必要で、十分な計測をせずに治療を進める医療機関には注意した方がいいと思います。また、保険適用かどうかの判断についても、事前に確認をしてから治療を受けるようにしましょう。
編集部まとめ
眼瞼下垂手術を受ける際には、信頼できる医師と十分に相談し、自分に合った治療方法を選ぶことが大切です。納得した上で手術を進めることで、安心して治療に臨むことができるでしょう。
医院情報
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診療科目 | 形成外科 |