結局のところ｢二重整形｣は安全なの? リスクや注意点について医師が解説

酒井先生

悩みの程度は人それぞれだと思います。若い世代では理想の二重の幅に変えたい、左右差を合わせたいといったお悩みが多い傾向ですが、年齢層が上がると、まぶたのたるみなどの加齢性の変化を気にされることが多くなります。

酒井先生

それぞれの悩みによって治療法は異なりますので、現在の目元でどこが気になっているのか、理想とする目元のイメージ、許容できる手術後の回復期間についてなど、話を丁寧に聞いたうえで最適な方法を提案していきます。目の整容的手術の中でも特に多いご相談が、二重術に関するご相談です。

酒井先生

二重術には主に「埋没法」と「切開法」の2つの方法がありますが、理想の仕上がりを目指すためにほかの治療を組み合わせることも可能です。同じ二重術でも、どのような形や手術方法が最適かは一人ひとり異なりますので、事前にカウンセリングを行い、それぞれの希望に合った治療方法を提案していきます。

酒井先生

二重まぶたを形成する最もシンプルな方法が埋没法です。まぶたにループ状に糸を通し、目を開けた時にナチュラルな二重になるよう形成します。麻酔をして行うので術中の痛みはなく、手術時間は15～20分程度です。腫れも少なく、皮膚に傷が残らないというメリットがある上に、もし希望の二重でなかった場合には、元に戻したり、幅を変更したりすることもできます。

酒井先生

埋没法のデメリットは、糸が緩むと二重が浅くなったり、元のラインに戻ったりする可能性があるということと、まぶたの脂肪やたるみを取り除くことはできないということです。また、ごく稀ですが、糸による炎症や異物感などを生じることがあります。なお、元に戻ることがあるのは、デメリットでもありますが、イメージと二重が違った場合には、逆に元に戻せるというメリットと捉えることもできます。

酒井先生

希望する二重のラインに沿って切開し、余分な組織や脂肪を取り除いた後、まぶた内部の組織を溶ける糸で固定する手術方法です。切開した部分は縫合し、術後1週間程度で抜糸を行います。幅広で平行な二重や、くっきりとした二重を希望する方、また埋没法の後戻りが心配な方に適した施術です。厚ぼったいまぶたであったり、たるみが多かったりする場合も切開法が良い適応になります。

酒井先生

埋没法と異なり抜糸が必要なことや傷跡は目立ちませんが、細い線が残り、跡が無くなるわけではないことと、ダウンタイムがやや長いことなどが挙げられます。また、術後に修正したくなった場合、微調整ならできますが、大幅な修正は難しくなることが多いです。

酒井先生

かつては「整形手術」に対して、怖いという印象を持つ方も多かったかもしれません。しかし、現在では技術が大きく進歩し、安全性が向上したことで、幅広い年齢や背景の方々が手術を受けるようになり、一般的な選択肢として認識されています。さらには、経験豊富なクリニックで医師と十分に相談し、自分に合った方法を選ぶことで、さらにリスクを抑えることができます。

酒井先生

そうですね。しかしながら、れっきとした医療行為ですので、リスクは伴います。きちんとした医療機関にて、精度の高い手技で行わないと、角膜を傷つけてしまうことがあります。また、確率はとても低いですが、術後感染や血腫、違和感や感覚異常などの合併症が起こる可能性はあります。万が一このようになった際も、速やかに適切な対処をしてくれる信頼できる医療機関で施術を受けることが大事です。

酒井先生

二重手術には保険が適用されず自由診療となりますので、その点は注意をしてほしいと思います。また、合併症ではないですが、「仕上がりが希望のイメージと違った」ということもあり得ます。

酒井先生

二重手術は安心で安全な手術ですが、リスクもあるため、SNSの投稿や派手な広告に惑わされず、慎重にクリニックを選ぶことが大切です。キャッチーな宣伝文句だけで判断せず、医師の経歴や症例写真などをしっかり見て参考にするのがポイントです。また、安さを売りにしているクリニックでは、経験の浅い医師が担当することや必要な処置が別料金になることもあり、結果的に高額になる場合もあります。こうしたトラブルを避けるためにも、複数のクリニックを比較してから選ぶことをおすすめします。